1.犬が突然怒り出す理由とは?
1-1.恐怖
1-2.危険を察知
1-3.自分のもの(物、テリトリー)が奪われた
1-4.やきもち
1-5.拒否
1-6.分離不安症
1-7.脳神経の異常
1-8.権勢症候群などの問題行動
1-9.遺伝
2.犬が怒っている時に見せる仕草・行動は?
2-1.歯をむきだす
2-2.鼻にしわを寄せる
2-3.唸る
2-4.耳をペタッと下げる
2-5.噛もうとする
2-6.破壊行動を取る
2-7.吠える
2-8.飛びつく
2-9.低い姿勢でゆっくり尾を左右に振る
3.怒らない犬にするには?
3-1.人間社会での社会性を身につけさせましょう
3-2.故意に怒らせない
3-3.先の行動予測をさせる
3-4.落ち着く環境や物を用意する
3-5.依存、執着をさせない
3-6.飼い主の意識を変える
犬が突然怒り出す理由とは?
ずっと機嫌良く過ごしていた犬が、突然怒りだした経験を持つ方も多いでしょう。
何故怒っているのか、怒る理由がわからず困っている飼い主の方も多くいます。
犬が突然怒りだす理由には、どのようなものがあるのでしょうか。
◆恐怖
恐怖が原因で怒る場合も多いです。
急な来客や、大きな音の雷やサイレン、子供の走る音など、予想もしていない出来事が怖くて唸ったり、噛みついたりと怒る行動に出てしまいます。
恐怖で怒るタイプの場合は、小心者だったり、臆病な性格だったりと、恐怖のストレスの逃げ場が無いため怒りで表してしまいがちです。
怒りながら失禁してしまう犬も、恐怖が原因である場合が多いです。
◆危険を察知
危険を察知した時に、本能的に見られる自衛的な行動から怒る場合も多いです。
病院が嫌いな犬の前で出掛ける準備をはじめる、シャンプーが嫌いな犬の前で、タオルを用意する、など危険を察知させる何かしらのアクションが引き金になっていることが一般的です。
◆自分のもの(物、テリトリー)が奪われた
犬にとってテリトリーはとても大事なものです。
自分の寝床、クレート、家自体、おもちゃなどを人に奪われたと感じると怒ることがあります。
◆やきもち
飼い主が誰かと仲良くしている時に「取られた」と捉えてしまい、やきもちを焼いて怒る犬も多いです。
これは前述のテリトリーを侵害された、という怒り方にとても似ています。
飼い主に依存しているパターンもあれば、逆に飼い主よりも犬の序列が上になってしまい、支配しているものが人に取られたという感情を抱くパターンもあります。
◆拒否
絶対に嫌だという気持ちが譲れない時に、拒否を表すために怒る場合も多いです。
散歩が嫌い、特定の場所が嫌い、人が嫌い、など怒る対象の物は犬によって様々です。
◆分離不安症
犬が飼い主と離れられない心の病気である分離不安症も、犬の怒る原因の一つです。
分離不安と聞くと、不安になりオドオドとしてしまう状況を想像する方が多いかと思いますが、分離不安症の犬の気持ちの解消の方法は一つではありません。
中には、留守番中の家を破壊してしまう破壊行動に出る犬もいますし、体調を崩してしまう犬もいます。
また、戻ってきた飼い主に対して喜ぶ犬もいれば、怒ったり、逆に怒りを表すために無視をしたりする犬もいます。
◆脳神経の異常
人間でも脳梗塞を発症すると性格が変わってしまったり、怒りやすくなったりなどの性格の変化がみられることがあるように、犬も脳神経の異常により怒る事があります。
生まれつきの先天性の犬もいれば、何かしらの脳疾患から併発する後天性の犬もいます。
その多くは、しつけでの改善は難しく、犬に感情のコントロールが難しい状態です。
◆権勢症候群などの問題行動
権勢症候群(アルファシンドローム)と呼ばれる犬の問題行動が原因の場合もあります。
人間よりも権力を持ち、自分の思い通りに服従させようとしてしまう行動を権勢症候群(アルファシンドローム)と呼びます。
そのため、気に入らないことが起こると、怒って服従させようとします。
権勢症候群(アルファシンドローム)の多くは、犬と飼い主の関係性の問題で、症状の重度さにもよりますが、軽い症状であれば行動治療とトレーニングで改善や緩和することが可能です。
◆遺伝
害虫駆除に使役してきたテリア系の犬種や、土佐犬やアメリカン・ピット・ブルなどの闘犬など犬種作出の経緯から怒りやすく、攻撃的な性格を遺伝しやすくなっています。
そのため、犬種によっては遺伝により怒ることもあります。
遺伝によって起こりやすい犬種の場合は、しつけで改善される部分もありますがゼロにはなりません。
犬が怒っている時に見せる仕草・行動は?
犬が怒っている時に見せる仕草・行動にはどんなものがあるのでしょうか。
確認してみましょう。
◆歯をむきだす
歯を剥きだしにして、牙の様に見える犬歯を見せつけるようにする仕草は、怒っている仕草の代表的なものです。
◆鼻にしわを寄せる
鼻周辺の筋肉を持ちあげ、ムキムキと鼻にしわを寄せる仕草は怒っている時に見られます。
歯を剥きだす仕草同様に、わかりやすい怒るポーズといえます。
◆唸る
ウゥー、と低い地鳴りの様な声で唸る行動も、怒っている時のわかりやすい行動の一つです。
相手を威嚇する行動のため、唸った時点で相手が引きさがれば大人しくなる犬も多いです。
◆耳をペタッと下げる
立耳の犬に多く見られる行動の一つに、耳をペタッと下げる仕草があります。
これは緊張しているときに多く見られる行動です。
怒っている時には耳を下げる仕草を単独で行う事は少なく、歯をむき出していたり、唸っていたりと幾つかの仕草を同時に行うことが多いです。
◆噛もうとする
噛みつく仕草を見せる行動をとることもあります。
これは脅しでもありますが、相手の行動次第ではそのまま噛みついてしまうこともあります。
◆破壊行動を取る
留守番などで分離不安を覚えるタイプの犬に多い怒った時の行動に、破壊行動があります。
家の椅子を壊す、障子を破る、トイレシートを食い破り散らかす、など自分の怒りを不在の飼い主に見せつけようとする行動です。
◆吠える
唸る行動がエスカレートすると、犬は吠えて怒りを伝えます。
ワンワンワン!と連続して吠える声や、ウーワンワン!と唸り声を交えた吠える声、遠吠えの様なワオーン!という吠え方は犬が怒る時の典型的な吠え方です。
◆飛びつく
飛びつこうとする行動も、怒っている時によく見られます。
特に散歩中などに飛びかかろうとする行動をする犬も多いです。
そのため、散歩中に飛びかかる恐れのある犬はトラブル防止のため伸びるタイプではないリードを使う、必ず首輪またはハーネスを利用するなどが必要になります。
◆低い姿勢でゆっくり尾を左右に振る
嬉しい時だけではなく、犬は最大限に警戒している時に尾を振る事があります。
特に低い姿勢で、ゆっくりと尾を左右に振る行動は怒っている時によくみられる行動です。
尾を振っている時には、耳の様子や顔つきなどで怒っているのかどうかも判断すると良いでしょう。
怒らない犬にするには?
怒らない犬にするには、どんな方法があるのでしょうか。
確認してみましょう。
◆人間社会での社会性を身につけさせましょう
人間社会の中で順応できない犬にならいため、必要な「見える刺激」「聞こえる刺激」「触れられる刺激」を学び、慣れる事です。
順応できない事で、神経質で恐怖心がある犬を育ててしまい精神的に追い込みがちになります。自衛行動がでてしまうと自分を守るようになるため、日頃から刺激を受け社会性を身に着けましょう。
◆故意に怒らせない
わざと、面白がって、犬にちょっかいをかける飼い主の方は意外に多いです。
「待て」をしていつまでも食餌をあげない、大好きな散歩を焦らす、嫌いなブラシを見せつける、など「あれ?やっているかも?」と思う方もいるでしょう。
無意識にコミュニケーションとして行っている場合もありますが、信頼関係にも関わりますのでやめましょう。
普段犬のしつけを頑張っていたとしても、故意に怒らせることを繰り返すことで関係性がこじれる可能性は高いです。
面白がってやっている行動が、実は真逆のしつけをしていることもあるのです。
◆先の行動予測をさせる
特に不安の強いタイプや、恐怖を覚えやすいタイプには、いきなり苦手なことや初めてのことに取り組むことを避けましょう。
時間をかけ、先の行動を予測させるしつけが有効です。
例えば不安が強い犬をどうしてもペットホテルに預けなければいけないとしましょう。
まず5分、誰かに預かってもらうことから始めます。
次に10分、30分、半日と徐々に時間を伸ばしていきます。
預ける予定のペットホテルを短時間利用することも、とても良いです。
預けられても必ず飼い主が迎えに来ることを学ぶと、不安を覚えずに待つことができます。
冠婚葬祭の時などにも利用できるので、ペットホテルなどの犬の預ける場所は日常から意識しておくと良いでしょう。
◆落ち着く環境や物を用意する
ベッド、クレート、お人形、おもちゃなど、犬が落ち着くものを用意しましょう。
怒りそうだな、感じた時に、その落ち着けるものを渡すことで平穏を取り戻すことができます。
特に来客が苦手な場合や、飼い主が不在になると分離不安を起こす犬などは落ち着くことのできるクレートをつかったクレートトレーニングのしつけをすることで改善することも可能です。
◆依存、執着をさせない
分離不安症の場合は、飼い主への依存を減らす様にしつけで改善することが良いでしょう。
オモチャやお気に入りの場所がある犬の場合は、特定のものに執着させないようなしつけをすることが大切です。
特定の人、もの以外の人やものと触れ合う時間を長くするなどの問題行動矯正のしつけが、どちらのパターンにも有効です。
◆飼い主の意識を変える
犬を分離不安にさせている原因や、権勢症候群(アルファシンドローム)を起こさせている原因は、大半が飼い主にあります。
特定のものを与え続けたり、寄り添いすぎてしまったりということが多いです。
犬の問題はしつけで改善されることが多いですが、それ以上に飼い主も変わらなければいけません。
毅然とダメなことはダメ、改善したいことは意志を強く持って、しつけを貫かなければいけません。
しつけの方法や犬との距離感も、今一度見直しましょう。
犬が怒る原因を知って改善できるようにしましょう!
この記事では犬が怒る原因についてご紹介しました。
怒る原因は様々ですが、日常の飼い主との関係性を影響している場合が多くあります。
そして、怒らないようにさせるには日常の中での犬の飼い方や接し方、しつけが有効であることが多いです。
この記事で紹介した怒らせない方法は日常的に取り組むことで効果を発揮します。
ぜひ犬が怒る原因を知って、改善できるようにしましょう。
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