1.パグの特徴
1-1.人懐っこく室内飼い向き
1-2.褒められると伸びやすい
1-3.物覚えが悪く頑固
2.パグのしつけ
2-1.きちんと方針を決めておく
2-2.褒めるときはオーバー気味に
2-3.とにかく根気強く繰り返す
3.噛み癖を直すポイント
3-1.子犬の頃の歯が生え変わる時に
3-2.じゃれ遊んでいる時に
3-3.ストレス発散や退屈な時に
3-4.怒りや恐怖を感じている時に
パグの特徴
パグはくしゃっと押し潰されたような顔やがっちりとしたスクエアな体型が特徴的な犬種です。
かつては貴族の間で愛され、王の肖像画や美術工芸品にも登場し、セレブのアクセサリー犬のような存在でした。
最近では家庭用として飼われ、その何とも言えない愛らしさが多くの人から人気を集めています。
パグは鼻の構造の関係でいびきをかいて寝ることがありますが、そんなところも「おじさんみたいで可愛い」と人気です。
愛くるしさが大人気のパグにはどんな特徴があるのでしょうか?
♦人懐っこく室内飼い向き
パグは元気いっぱい遊び回ることが大好きですが、吠えることが少なく攻撃的になることもあまりないので、室内飼いの家庭にはおすすめです。
どんな環境にも適応しやすく、愛情深い犬種なので小さな子にも優しく接することができます。
口臭や体臭も少なく、飼いやすいと人気です。
♦褒められると伸びやすい
人懐っこい性格のパグは、褒められることが大好きです。
飼い主を喜ばせることが大好きなので、褒められると喜んでもらえていると感じ、もっと頑張ろうとします。
人といることが大好きな反面、見知らぬ人に対する警戒心が低いので、あまり番犬向きとはいえないようです。
長時間の留守番も苦手なので、一緒にお出かけするかペットホテルなどの利用をおすすめします。
♦物覚えが悪く頑固
パグは少々頑固なところがあるので、自分の意思を通したがります。
また、一度覚えたことをなかなか変えようとはしないので、飼い主側でもきちんとルールを決めて、家族で統一してからしつけをする方がいいでしょう。
頑固な面はありますが、幼いうちは飼い主の言うことを素直に聞く力も持っているので、基本的なしつけは子犬のうちに済ませておくことをおすすめします。
パグのしつけ
パグは物覚えが悪い一面があるので、繰り返し根気強くしつけを続けることが大切です。
パグの性格から、しつけをする上で重要なポイントは3つあります。
♦きちんと方針を決めておく
パグは一度覚えてしまうとなかなか変えることができないタイプの犬種です。
「やっぱりこれがダメ」といったしつけ直しがききにくく、人によって言うことが違うとなかなか覚えることができません。
たとえば「おすわり」と「シット」のように、1つのコマンドに対して日本語と英語の2種類があります。(コマンド=飼い主の指示)
さまざまなパターンのコマンドが存在してしまうと、混乱して覚えが遅くなってしまうことがあるので、言い方やできればイントネーションまで揃えられるとより良いです。
しつけをする前に、家族の中できちんと方針を決めてコマンドを統一しておきましょう。
幼少期は素直に物事を覚えやすいので、しつけは早いうちがおすすめです。
♦褒めるときはオーバー気味に
前述の通り、パグは褒められて伸びるタイプなので、思い切り叱るのは本当に危ないことをしてしまった時などに抑えておき、普段叱るときは低く静かな口調できっぱりと「ダメ」「やめて」と制止するくらいにしておきましょう。
できた時はオーバーに喜んであげると、人を喜ばせることが大好きなパグは覚えが早くなることもあります。
ただし、あまり過剰に褒めすぎてしまうと自分がリーダーだと思い込み、ワガママに育ってしまうことがあります。
ダメなことは「ダメ」ときっぱりと伝えて、良いことと悪いことの区別をきちんとつけさせましょう。
♦とにかく根気強く繰り返す
おやつのあげすぎには注意しながら、何度も繰り返し覚えさせることが重要です。
基本的なコマンドを教える手順の一例をご紹介します。
1.まずおやつを見せます。
2.口での指示と同時にハンドサインを出して、その手を犬の頭上に持っていきます。
★この時、視線で手を追いかけて、倒れずに自然と「おすわり」の姿勢ができたら成功です。
3.上手に「おすわり」ができたら、ご褒美におやつをあげましょう。
4.1~3を1日に何度か繰り返しで行いましょう。
5.慣れてきたらご褒美なしで行ってみましょう。
もし、おやつを追いかけたり、落ち着きなくその場でクルクルと回ったりするようなら、興奮しているので一度おやつを隠して落ち着かせてからやり直してください。
「まて」と「よし」はセットで覚えさせると良いでしょう。
少しずつ「まて」の時間を延ばして、どんな場所でも「まて」ができるようになったら完璧です。
人の少ない場所から始めて、だんだん人通りの多い場所へ変えていってみましょう。
「ふせ」も同じようにおやつで視線を追わせて、自然と態勢をとらせるところから始めてみましょう。
おやつで「ふせ」ができたら次はハンドサインで、ハンドサインでできたら次は言葉だけで、というように順を追って覚えさせると良いです。
コマンドを覚えさせる時は、複数のコマンドを同時並行で覚えさせると混乱する原因となります。
まずは「おすわり」を覚えてから、「まて」、「ふせ」というように1つずつ丁寧に教え込んだ方が早く覚えてくれる可能性が高くなります。
また、しつけをする時は大体おやつをご褒美に用意すると思いますが、おやつのあげすぎには注意しましょう。
パグは愛嬌があって甘え上手なので、ついついおやつをあげすぎてしまうことも…。
食いしん坊で肥満になりやすく、元々がっちりした体型なので四肢に支障をきたす可能性があります。
基本のコマンドはただの芸としてだけでなく、事故やトラブルの防止につながります。
人や車の通りが多い場所でもきちんと飼い主の言うことを聞いて大人しくできれば、危険から遠ざけることができます。
まずは基本のコマンドをしっかり教え込んだうえで、さらにもう一つ、早いうちから対処しておきたいことがあります。それは犬の「噛み癖」です。次は他の犬とのトラブルの原因となりうる犬の「噛み癖」についてお話しします。
噛み癖を直すポイント
犬は元々「噛む」という動物的本能が備わっています。
野生の犬たちは親兄弟のもと「噛むこと」のルールを学んでいきますが、人に飼われた犬は人が教えない限り学習する機会が全くありません。
子犬の頃は力も弱く可愛らしい甘噛みで済みますが、成犬になって噛む力が強くなると、他人とのトラブルにもつながる原因となるので噛み癖はなるべく早いうちに直しておきましょう。
特にパグは小型でも噛む力が強く、本気で噛まれると大けがにつながります。
顎の力が強く噛むことが好きなので、噛み癖がつく可能性が高い犬種です。
遊んでいる時に手を甘噛みされることがあると思いますが、甘噛みを許し続けると手は噛んでいいものだと思い込んでしまいます。
噛んだ時に飼い主がびっくりしたり痛がる様子を見て、自分が主導権を握っていると思い込むようになっていってしまうので、手を甘噛みさせるのは早いうちにやめさせましょう。
成犬になるにつれ、噛む力もどんどん強くなっていくのでケガをする恐れがあります。
噛み癖がついてしまうのにはいくつかの原因があります。
♦子犬の頃の歯が生え変わる時に
子犬は生後3カ月~半年頃にかけて歯が生え変わります。
この時期は、人間の赤ちゃん同様、歯のあたりがムズムズしたり違和感を感じる為、甘噛みなどをしてかゆみを発散させます。
この歯の生え変わり時期には、歯固め用に専用のおもちゃを与えてかゆみを発散させてあげましょう。
♦じゃれ遊んでいる時に
じゃれて遊んでいる時に、手を軽く噛んでくるパターンです。
元々噛む力が強いパグは、甘噛みでありながらも軽い痛みを感じると思います。
そのまま噛ませていると、より深く癖づいてしまうので、噛まれたらできるだけ低い声で「やめて」など注意しましょう。
その際、遊ぶのをやめてその場を離れると、「噛むと遊んでもらえないんだ」ということを覚えるようになるので効果的です。
またパグは気道が狭く、噛みちぎって飲み込んだ塊が喉を塞ぐと、吐き出す前に窒息してしまう恐れがあるので、おもちゃの選び方や電気のコード、ゴム、犬にとって有毒な観葉植物にも注意しましょう。
♦ストレス発散や退屈な時に
パグは噛むことが好きなので、ストレス発散や退屈な時に物を噛むことが多くなります。
しかし、しつけをしていない限りパグには噛んでもいいもの、噛んではいけないものの違いは分かりません。
噛む力が強いと、物を砕いて飲み込んでしまう可能性があるので、噛むこと以外でストレス発散させてあげましょう。
たとえば、散歩や運動をさせてあげたり、撫でたりしてスキンシップをとってストレスを発散させてあげましょう。
小物であれば噛むことができないように収納しておくことができますが、家具などのしまっておけない物を噛んでしまう場合は、先ほどと同じくなるべく毅然とした態度ではっきりと注意し、ゲージの中に閉じ込めておきます。
その後、「これを噛んだら閉じ込められる」と理解し、大人しくなったらゲージから出してあげましょう。
この時、出たがって暴れたり鳴いたりしている時に出してしまうと、逆に「鳴けば出してもらえる」と思い込んでしまいます。
必ず何もせずじっとするようになってから出すことを心がけましょう。
♦怒りや恐怖を感じている時に
言葉を話すことのできない犬がとる意思表示です。
子犬のうちに甘やかし過ぎると、パグは自分が主導権を握っていると勘違いし、この原因から噛みついたりするようになってしまいます。
子犬の頃から正しい主従関係を築けておけば抑えることができます。
もし、噛まれた場合にはなるべく大きなリアクションをとるのではなく、低い声で「痛い」「ダメ」「やめて」などと言い放ち、しばらく無視をしてみましょう。
人と過ごすことが好きなパグにとっては、飼い主に無視されることはとても寂しいことです。
関わってもらえないことで「これはダメなんだ」と理解することができるので、悪いことをした時は、言葉より無視やゲージに閉じ込めるのが効果的だといえます。
ただし、あまりやり過ぎるとかえってストレスになってしまうことがあるので、愛犬の性格や叱った時の様子を見ながら行うようにしてください。
前述の通り、パグは一度覚えてしまったことを変えるのは苦手なので、子犬のうちに噛み癖を直しておきましょう。
また、子犬の頃から主従関係を明確にするよう心がけてください。
パグは覚えることが苦手という性格的に、ワガママになりやすい傾向にあります。
愛犬の要望を簡単に聞き入れてしまうと、パグは自分がリーダーだと勘違いして主従関係が逆転してしまいます。
何かおねだりをしてきた場合、可愛い愛犬のお願いを聞いてあげたいのはやまやまですが、聞いてあげる前に「おすわり」や「まて」をさせるなどの基本のコマンドを取り入れて、必ず飼い主が主人であるということを理解させるような行為をすることをおすすめします。
パグを選ぶときは相性重視で
パグのしつけは早めに済ませておきたいところですが、もちろん個体差があるのでしつけを身につけるスピードはそれぞれ違います。
パグを飼う場合、まず選ぶ時は見た目より性格で選ぶことをおすすめします。
子犬の頃から人懐っこく元気いっぱい動き回っている子の場合、大きくなってから問題が出ることがめったにないと言われています。
一方、引っ込み思案な子や臆病な子は大きくなってからムダ吠えをしたり、お友達のワンちゃんたちと上手く付き合えない場合があります。
もちろん、それぞれ個体差はありますが、傾向として参考にしてみてください。
子犬の頃の性格は大きくなってからのしつけのしやすさに大きく関わってきます。
見た目だけでなく、実際に会ってみて自分との相性を見て決めましょう。
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