1.犬の多頭飼いをする時の心構え
2.
2-1.犬の多頭飼いのメリット
2-2.犬の多頭飼いのデメリット
3.犬の多頭飼いをする時に準備する物
3-1.頭数分のグッズが必要
3-2.多頭飼いの場合のトイレ
3-3.多頭飼いに便利なグッズもある
4.犬の多頭飼いをする時、ケージは一緒でいい?
4-1.ケージの数はどうすれば良い?
4-2.ケージを置くスペースが十分にない場合は?
4-3.愛犬や環境に合ったケージやクレートを選ぼう
【掲載:2019.10.30 更新:2020.09.17】
犬の多頭飼いをする時の心構え
犬を飼うということは、その子と人生を共にするということです。それは犬の数に関係なく、多頭飼いをする場合も同じ。一頭一頭に同様の愛情を注がなくてはいけませんよね。
犬一頭を家族として迎え入れるだけでも、生活は激変します。様々なアイテムを揃えなくてはなりませんし、愛犬をお世話する時間もお金も必要になるのです。飼い主さんのライフスタイルは、大きく変わることでしょう。
多頭飼いをするということは、簡単にいえばその時間やお金が頭数分かかるということです。まずは、飼い主さん自身がしっかりと心構えをしておく必要があります。
まず、多頭飼いをするには「時間」「経済面」「居住空間」、この3つに対して余裕がなくてはなりません。
更に先住犬がいる場合は、その子が健康面や行動面にトラブルを抱えていないか、新しく家族を迎えいれた場合に生活を共にできるか、これらを見極める必要があります。
そして、家族全員の同意を得られるかという点も重要ですね。
これらをすべてクリアできる場合に、多頭飼いを始められると考えましょう。
安易な気持ちから、飼う犬の数を増やすことは決してしないでください。残念ながら多頭飼育崩壊が起きたり、先住犬と仲良くできなくて新たな飼い犬を手放すなど、悲しい結末を迎えるケースが実際にあります。
一つ一つが大切な命だということをしっかりと認識してくださいね。
犬の多頭飼いのメリットとデメリットは?
多頭飼いをする場合、大きなメリットもあれば、やはりデメリットもあります。その点をしっかりと覚えておきましょう。
◆犬の多頭飼いのメリット
– ①犬に囲まれて生活できる –
多頭飼いをする飼い主さんは、やはり愛犬家であることが前提でしょう。大好きな犬に囲まれて幸福な時間を過ごせる、これがやはり大きなメリットとなりますよね。
また、避けて通れないのが愛犬を亡くしてしまうこと。愛犬が複数いる場合、一匹がなくなった場合のペットロスを軽減できる場合もあります。
– ②社会性が身に付く –
先住犬が新しく迎えた子に家庭でのルールを教えてあげるケースも実際にあります。犬は元々、群れで生活をしてきた動物です。先住犬がリーダーとなり、新しい子の教育をしてくれるかもしれませんよ。
また、多頭飼いは犬の社会性が身に付くともいわれています。犬同士で人とは構築できない関係を築くこともできるのです。※愛犬以外の犬とも合わせるともっと犬社会を構築できます。
– ③犬同士で楽しく遊べる –
犬同士の相性が良ければ、一緒に遊び合ったり、楽しい時間を過ごしたりすることもできるでしょう。犬同士にしかできない遊びができるのは、愛犬にとっては嬉しいことであり寂しくないですよね。
– ④留守番中のストレス軽減 –
更に「留守番の際に愛犬が寂しくないように」という思いから、新しく犬を迎え入れる飼い主さんは結構多いですが、これも大きなメリットの一つといえます。
犬同士が仲良く一緒に留守番ができれば、ストレスの軽減も図れるでしょう。飼い主さんとしても、心の痞えが少しはとれますよね。
– ⑤分離不安の予防 –
愛犬が複数いると飼い主さんの愛情が分散されるので、愛犬に対しての過保護な接し方が改善されやすい傾向にあるそうです。分離不安などを防止できる可能性がありますね。
◆犬の多頭飼いのデメリット
– ①飼育費用が倍になる –
医療費や食費、消耗品やトリミングなどにかかる費用が、愛犬の数だけ倍になります。万が一病気や怪我などをした際には、毎年のワクチンや予防注射に加えて、莫大な医療費がかかる可能性もあるのです。
余裕をもって、しっかりと必要資金を貯めておかなくてはいけません。
– ②お世話にかかる時間が増える –
愛犬それぞれにお世話の時間が必要です。しつけ、散歩やシャンプー、病気・怪我などの際には看病など、これも同じように頭数分増えると考えておいた方が良いでしょう。
もちろん、一緒に遊んだりコミュニケーションをとる時間も必要です。室内の掃除や餌の準備なども毎日ありますよね。
飼い主さん自身に時間的余裕があるのか、お世話にさける時間を作れるのかよく考えましょう。
– ③問題行動も倍となる –
愛犬に問題行動がみられる場合、その問題も倍になる可能性があります。
例えば、留守番中にイタズラをされてしまう場合、一緒になって行動されれば片付けも倍となりますよね。無駄吠えに関しても、連鎖して倍になれば近所迷惑になってしまう可能性があります。
これは個体によってそれぞれなので、このようなトラブルを抱えない家庭も多いとは思いますが、一応頭に入れておきましょう。
– ④健康面には要注意 –
新たに子犬を迎え入れる場合、ワクチン接種が完了するまでは先住犬との接触を避けなくてはいけません。
子犬は免疫機能が未発達です。ちょっとした病気から重症化する可能性もあります。ワンクチン完了までは、他の犬とは直接接触させないようにしましょう。
また子犬に限らず、多頭飼いの場合は感染症などに注意が必要です。一匹の発症から他の子に伝染してしまう病気もあるので、愛犬に異常がみられた場合は、すぐに動物病院を受診したり、隔離して予防することがすすめられます。
– ⑤相性が悪い場合のトラブル –
犬同士の相性が悪かったり、仲良くなれなかった場合には、様々なトラブルが発生することとなります。喧嘩が日常茶飯事になれば、ケガを負ったり、犬と飼い主さんの両者にとって大きなストレスとなるでしょう。
いずれかが愛情を独り占めしたくて攻撃的になる可能性もありますし、それまで何の問題もなかった先住犬の問題行動が始まったり、体調を崩したりなど、起こる可能性のあるトラブルを予め予想しておくべきです。
どうしても同じ空間にいられないとなれば、犬同士が接触しないように生活環境を変える必要もでてくるでしょう。
犬の多頭飼いをする時に準備する物
一頭の犬を飼う場合も、多頭飼いをする場合も、必要な犬用品の種類には大きな差はありません。
ただし、基本的にその数は頭数分必要だと考えておきましょう。
◆頭数分のグッズが必要
「多頭飼いだから用意しなくてはならない」というアイテムは基本的にありませんが、「必要数は増える」ということを頭にいれておいてください。ドッグフードやおやつ、トイレシート、飼育する上で必要なものは大体が「×頭数分」です。
食器やリード、ベッドやトイレ、ケージやクレートなど、先住犬が使っているものとは別の物をできれば用意してあげてください。ケージに関しては詳しく後述しますので、そちらもチェックしてみてくださいね。
◆多頭飼いの場合のトイレ
室内で排尿・排便をする場合のトイレに関しては、個体によって、居住環境によって必要数が変わってきます。
一つのトイレでも順番に用を足せる場合もあれば、一頭がすれば続いてすぐに排尿したくなる子もいます。少しでもトイレが汚れていたら、別の場所に漏らしてしまう子も中にはいるでしょう。
スペースに余裕があれば複数のトイレを置いたり、一か所のトイレスペースを広くすることをすすめますが、いずれの場合もトイレシートでできるように訓練が必要となります
📌【おすすめ記事】犬の多頭飼いに最適なトイレとは?トイレ準備に必要な情報を徹底解説!
◆多頭飼いに便利なグッズもある
もちろん、多頭飼いの飼い主さんにとって便利な犬用品も様々な種類が販売されています。
例えば、二股のリードなどは、犬二匹に対して持ち手が一つになるので便利です。ケージなども柵内に仕切りがあり、住み分けができるタイプもあります。
多頭飼いを始める前に、まずはどれだけのアイテムが新たに必要なのかをしっかりと確認しておきましょう。
犬の多頭飼いをする時、ケージは一緒でいい?
犬を飼う上で、必要なアイテムの一つともいえるケージ。愛犬が眠る場所として、行動の制限を目的として、しつけに利用してなど、その他様々な用途に役立つアイテムですよね。
一般的には愛犬が一頭であれば、一つのケージを用意している家庭が多いと思います。しかし、多頭飼いをする場合、ケージはどうすればよいのでしょうか?
◆ケージの数はどうすれば良い?
前述した犬用品と同様に、ケージもできれば頭数分用意することがすすめられます。
犬にはそれぞれが、ゆっくり落ち着いて休める場所が必要です。生活を共にするようになり、愛犬同士がどんなに仲良くなろうとも、個室は用意しておくべきだといえます。
ケージが頭数分あれば、食事の際に扉を閉めて与えることで横取りなどを防止できます。ある個体が薬を服用している場合にも、餌に混ぜて薬を与える際に、他の個体が誤って薬を誤飲してしまうことを防げますよね。
とはいえケージは一つ置くだけでも、かなりの場所をとります。室内の広さに余裕がなければ、生活空間を圧迫してしまうでしょう。
このような面においても、やはり多頭飼いをするための環境を整えることが重要なのです。
◆ケージを置くスペースが十分にない場合は?
室内に十分な広さを確保できない家庭も中にはあるでしょう。ケージを頭数分置くのが難しい場合においても、やはり個室は愛犬のためには必要です。
そんな時はケージではなくクレートを利用するなどして、愛犬が個々に休めるスペースを作ってあげましょう。クレートは室内に限らず、外出など移動の際にも重宝します。持っていて損はありませんよ。
サークルを利用して、しきりをつけることで、それぞれのスペースを確保する方法もあります。
やり方を工夫すれば、限られた空間内にも愛犬それぞれの部屋を作るのは可能なのです。
◆愛犬や環境に合ったケージやクレートを選ぼう
ちなみに、クレートとは持ち運びが可能な犬小屋のようなもので、ケージは側面に加えて床面・天井があるものをさします。
サークルは側面が柵などで囲われており、天井・床面が付いていないものです。
現代ではペット用品も便利なアイテムが増えており、天井を付けられるサークルや省スペース用サイズのケージなども多数販売されています。
収納スペースが付いた商品もありますので、まずは情報収集をしてみてください。室内の環境と愛犬にピッタリのアイテムが見つかるかもしれませんよ。
犬の多頭飼いの準備に関するまとめ
多頭飼いには、メリットもあればデメリットもあります。軽い気持ちで始められるようなことでは決してありません。
ゼロの状態から、どれくらい大変なのかを想像するのは難しいですよね。実際に多頭飼いをしている方のブログや記事を読んでみると、その体験談などから雰囲気が伝わってくるかもしれません。
まずは情報収集と、自分にできるのかをしっかり考えることが大切です。
私自身も多頭飼いをしている飼い主の一人です。我が家には4匹の愛犬がいるので、はっきりいってしまえば確かに大変です。しかしそれ以上に、幸福感も得られていることも事実なのです。
多頭飼いを考えている方は、物理的な準備に限らず、心の準備もきちんとしておきましょう。犬に囲まれた、幸せで快適な毎日を過ごせるように尽力してくださいね。
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