1.犬が夜鳴きする!原因は?
1-1.子犬の場合
1-2.成犬の場合
1-3.老犬の場合
2.犬が夜鳴きする際の対処法
2-1.犬の近くで眠る
2-2.日中にたくさん構ってあげる
2-3.病院で薬を処方してもらう
3.犬が夜鳴きする場合の注意点
3-1.天罰方式は向いていない
3-2.先天性疾患による夜鳴き
3-3.認知症による夜鳴き
犬が夜鳴きする!原因は?
◆子犬の場合
1歳未満の子犬が夜鳴きをするのは、人間の赤ちゃんと同様で自然な行動です。
子犬の場合は基本的に一日中そばでお世話をする必要があるため、夜も鳴いておねだりをすることは普通のことと考えて良いでしょう。飼い主さんはできる限り、子犬のそばで様子をみてあげましょう。
どうしてもそばにいられない場合は、飼い主さんのにおいのついた毛布などをそばに置いてあげると子犬は安心することができます。
子犬の夜鳴きには個体差があるため、毎晩夜鳴きが激しい子犬がいる一方、子犬の頃からほとんど夜鳴きをしない犬も中にはいるようです。
◆成犬の場合
犬が1歳を過ぎると、多くの場合、夜鳴きの頻度は段々減ってきます。しかし、中には成犬になっても夜鳴きをしてしまう犬がいます。
成犬の夜鳴きの原因として考えられるのは、飼い主さんに何か要望を伝えようとしているのではないかと考えられます。
・日中に遊び足りていない
日中、飼い主さんがあまり構ってあげていないと、犬は遊び足りず、夜になっても一緒に遊んでほしいと要求してくることがあります。
体力が余っていて、うまく眠りにつけないというのも原因の一つです。適度に運動をさせ、夜に眠くなるよう促してあげましょう。
・お腹が空いている
ご飯の量が少ないと、お腹が空いて眠りにつけず、もっと餌がほしいとおねだりすることがあります。
ご飯の与えすぎに注意しながら、成長に合わせてご飯の量を少し増やしたり、ご飯の回数を調節したりして様子をみましょう。
・暑いまたは寒い
犬の寝床の環境を整えてあげることも、夜鳴きの防止には大切なことです。寝床の温度が適温でないと、犬は熟睡できずに夜鳴きをしてしまうことがあります。
暑い夏や寒い冬には、犬の暑さ対策や寒さ対策がしっかりされているかを確認しましょう。
特に季節の変わり目など、愛犬の体調管理のためにも、温度管理には注意が必要です。
◆老犬の場合
老犬期とは、一般的に小型犬・中型犬の場合は10歳頃から、大型犬の場合は8歳頃から始まるといわれています。
老犬期では、夜鳴きをする犬の割合が、成犬に比べて一気に増えます。
老犬になると、成犬の頃に比べ体力が衰え、自分でできることが減ってくるため、些細なことでも不安に思うことが原因と考えられます。
また、老犬の夜鳴きは、認知症の症状による場合も多いです。認知症による犬の夜鳴きは、不安や欲求など、原因のあるものだけではなく、突発的に始まることがあるため、注意が必要です。
シニア犬として自宅で介護している愛犬が、毎晩夜鳴きを行う場合は、認知症の疑いがあるため、動物病院で獣医さんに相談するのが良いでしょう。
<参考URL:https://www.docdog.jp/2019/05/magazine-dogs-s-s-134.html>
<参考URL:https://vetseye.info/opinions/op023/>
犬が夜鳴きする際の対処法
◆犬の近くで眠る
犬が夜鳴きをする理由の一つに不安によるものがあります。
不安を解消するために有効なのが、飼い主さんがそばにいてあげることです。一緒に寝ることで犬は安心して眠りにつきやすくなります。
夜は愛犬をケージに入れるという飼い主さんは、ケージを飼い主さんのそばに置いてあげましょう。
犬は、飼い主さんが見える場所にいたり、飼い主さんの気配やにおいを感じたりすることで、安心感を得ることができます。
愛犬を安心させて熟睡させることが、夜鳴きの防止に繋がります。
◆日中にたくさん構ってあげる
日中、愛犬に構ってあげる時間が十分であれば、犬は満足して夜ぐっすり眠ることができるため、夜鳴きの防止に繋がります。
成犬の場合は、犬種に合った運動量を定期的にさせてあげることが大切です。毎日のお散歩だけではなく、必要であればドッグランなどへ連れていき、思いっきり走らせてあげましょう。
飼い主さんは、日中愛犬に接する時間を多くとることで、愛犬の変化に気が付きやすくなり、夜になって愛犬が夜鳴きをしたときも、原因が特定しやすくなります。
注意が必要なのは、夜間、愛犬に構ってしまうのを避けなければならないことです。
深夜に愛犬が夜鳴きをした際、その場で構ってしまうと、犬は鳴いたら構ってくれたと学習してしまいます。この学習を繰り返すと、犬はさらに夜鳴きをするようになってしまいます。
また、夜に一緒に遊んでしまうと昼夜逆転の原因になってしまい、健康にもよくありません。
あくまでも構ってあげるのは日中に限定し、遊ぶ時間と寝る時間のメリハリをつけましょう。
◆病院で薬を処方してもらう
愛犬が老犬の場合や、成犬でもあまりに夜鳴きがひどく、他の対処法が効かない場合は、精神安定剤やサプリメントを飲ませるという選択もあります。
DHA(ドコサヘキサエン酸)などが含まれるサプリメントには、脳神経細胞を活性化させる働きがあり、老犬の認知症予防にもつながるとされています。
ただし、飼い主さんの判断で市販の薬を飲ませることはとても危険なので、犬に薬やサプリメントを与える際は、必ず動物病院で愛犬にあった薬やサプリメントを処方してもらいましょう。
犬が夜鳴きする場合の注意点
◆天罰方式は向いていない
天罰方式とは、犬のしつけ方法の一種です。愛犬が問題行動を行った時に、飼い主さんが直接叱るのではなく、犬が嫌がる現象を発生させることで、問題行動をやめさせる方法です。
例えば、飼い主さんがやっていると気づかれないよう、大きな音を出したり、水をかけたりする方法などがあります。
この天罰方式のしつけですが、犬が夜鳴きをした際に行うには向いていません。鳴くことで、不安や要望を伝えている犬に対して、天罰方式を使ってしまうと、不安をより大きくさせてしまったり、恐怖心を植え付けてしまうことになりかねません。
驚いたり、嫌がったりすることで、一時的に泣き止むかもしれませんが、根本的な解決にはなりません。大切なのは、不安に思っていることの原因をなくしてあげることです。
<参考URL:http://www.hidamari-hosp.com/2016/02/24/344/>
◆先天性疾患による夜鳴き
先天性疾患とは、遺伝子的に生まれつき持っている疾患のことをいいます。
生まれつき耳が聞こえづらかったり、てんかんの発作で眠りが浅かったりすると、不安を感じやすく夜鳴きを繰り返してしまうことがあります。
先天性疾患については完治させることは難しいため、獣医さんに相談しながら症状を和らげてあげる工夫が必要になります。
夜鳴きに先天性の疾患が関係している場合は、しつけにより夜鳴きをやめさせることは効果的ではありません。
<参考URL:https://cutia.jp/rouken-deme.html>
◆認知症による夜鳴き
シニア犬では、認知症の症状としての夜鳴きの可能性が考えられます。
犬の認知症は、老化により、脳神経細胞や自律神経がうまく機能しなくなることで発症するといわれています。
これらの場合も、先天性疾患と同じく、しつけによる改善は難しいため、獣医さんへの相談と通院が必要になります。
認知症に関しては、特に11歳以上の老犬になると注意が必要です。夜鳴きだけではなく、徘徊やトイレの失敗などをするようになった場合は、認知症を疑い、病院で相談をしましょう。
認知症は老化現象のため、一度発症すると完治はできませんが、生活習慣の改善により、予防をしたり、進行を遅らせたりすることができます。
例としては、日光浴をさせたり、お昼寝をあまりさせないようにすることで、昼夜逆転になるのを防ぎ、規則正しい体内時計を作ってあげることが挙げられます。
また、寝たきりになってしまうとどうしても運動不足になり、夜眠れずに夜鳴きをしてしまうことがあるため、適度に運動をさせるようにしましょう。
外でゆっくり歩かせてあげるのが理想ですが、外に出るのが難しい場合は、家の中に滑りづらいマットを敷いたり、つまずいてしまうような物を置かないようにしたり、老犬が安心して歩けるような環境づくりをしてあげることも大切です。
まとめ
犬の夜鳴きの原因は明確に決まっておらず、犬の年齢や性格、生活環境などによって様々な原因が考えられます。
そこで大切なのは、愛犬特有の夜鳴きの原因を特定することです。
不安や不満を伝えようとしているのか、老化現象によるものなのか、一緒に生活している飼い主さんだからこそ気づいてあげられることがきっとあります。原因を特定し、それぞれの犬にあった対処法を行うことが、夜鳴きの早期解消につながります。
今回ご紹介した夜鳴きの原因例やいくつかの対処法が、少しでも愛犬の夜鳴きに悩んでいる飼い主さんの力になれば嬉しいです。
– おすすめ記事 –
・犬の鳴き声から分かる気持ち7選 |
・今まで幸せをくれた老犬に恩返し!犬の認知症への向き合い方 |
・【獣医師監修】犬の尿漏れ・失禁の原因は?考えられる病気と対処法 |
・犬の粗相はわざと?原因別の対処法をご紹介します |