1.ボーダーコリーとは?
1-1.ボーダーコリーの体重推移
1-2.ボーダーコリーの運動量
3.コリーに似ている小さめの犬種シェットランド・シープドッグ
3-1.コリーと祖先が一緒?
3-2.シェットランドシープドッグの体重推移
3-3.シェットランドシープドッグの運動量
4.ボーダーコリーとシェットランド・シープドッグを比較!
4-1.体の特徴
4-2.性格の差
4-3.平均寿命の差
4-4.かかりやすい病気
4-5.飼い方
ボーダーコリーとは?
8世紀後半から11世紀ごろ、バイキングがイギリスへと旅する際につれていたトナカイ用の牧畜犬が起源と言われています。その後は、羊たちを操る牧羊犬としてイギリス人と共に生きてきました。ボーダーコリーは、今でも有名な英国羊毛の産業を昔から支えてきた働きものです。
そのため、賢く飼い主に従順な性格をしています。その反面、牧羊犬の血が騒ぐのか、車や自転車など動くものに対して敏感に反応して追いかける場面も見受けられます。しつけを間違えると、吠え癖がつくなど手を付けられない状態になってしまうこともあります。子犬期からきちんとしつけをすることが必要です。
成犬になるまでにしつけが終わり、飼い主と良好な関係が築けると、後は楽しい時間が待っています。ボーダーコリーは運動好きのため散歩だけではなく、ドッグランで自由に走ったり、ジャンプやトンネルくぐりのある協議会に出たりすることもできます。
◆ボーダーコリーの体重推移
ここでボーダーコリーが産まれてから大きくなるまでの成長スピードについてご紹介いたします。体重を目安に出していますが、ボーダーコリーの中でも大きさ・成長スピードに差があることにご留意いただければと思います。
生後3ヶ月目……5~8kg前後
生後4ヶ月目……8~10kg前後
生後5ヶ月目……10~12kg前後
生後6ヶ月目……12kg前後
生後7ヶ月目……13kg 前後
生後8ヶ月目……14kg 前後
体重:14~22kg
体高:53cm前後
ボーダーコリーは2~5ヶ月目でググっと大きくなります。その後、成長スピードは緩まり、生後12ヶ月目頃までには成犬と同等の体重となります。
小型犬の体重が10~15kg未満、中型犬の体重が20kg前後とされているため、ボーダーコリーは多くが中型犬に分類されることがわかります。ボーダーコリーはバランスのとれた身体に豊かな長毛が生えているので、体重以上に大きく見えることもあります。
◆ボーダーコリーの運動量
ボーダーコリーの運動量は大型犬並みです。散歩は朝夕の2回が必須ですし、休日は公園やドッグランなどリードをはずして自由に走り回る機会を要します。運動不足からストレスが溜まることがあるため、運動量には気を遣う必要があります。個体差はありますが、大型犬であるゴールデンレトリバーより運動するボーダーコリーもいます。
小さいコリーっているの?
体重は中型犬、運動量は大型犬並みのボーダーコリーですが、本当に小さいボーダーコリーは存在するのでしょうか?
実は、小さいボーダーコリーは存在しません。ただ、小さいボーダーコリーと言われている犬種がいます。シェルティーという愛称で呼ばれているシェットランドシープドッグです。ボーダーコリーとシェットランドシープドッグは見た目が似ているため、小さいボーダーコリーと思う人がいるのです。
コリーに似ている小さめの犬種シェットランド・シープドッグ
今日はコリー&シェルティで遊びましたー❣️超走った????恐るべし運動量‼️#コリー #シェルティ pic.twitter.com/hi5rZFtIi6
— sheltie_むぅちゃん (@merrygo55555) 2019年11月12日
ここで、シェットランドシープドッグについてご紹介します。コリーに見た目は似ていますが、体長はコリーの半分ほどしかありません。またマズルもコリーより短めです。そのためか、コリーより愛嬌のあるかわいらしい顔立ちをしています。
◆コリーと祖先が一緒?
コリーとシェットランド・シープドッグが似ているのには理由があります。というのも、両者の祖先犬は、イギリスのスコットランド地方で飼育されていた同じ牧畜犬なのです。
シェットランドシープドッグの名前にも入っているシェットランドは植物が育ちにくい環境であったため、植物を食べる家畜の体格も合わせて小さくなっていきました。その家畜を追っていた牧羊犬も小型化するための改良が行われ、現在のシェットランドシープドッグが誕生したのです。
また、ボーダーコリーは羊を集めて誘導する牧羊犬、シェットランドシープドッグは畑に家畜が入らないよう吠えて警戒する牧羊犬と役割にも違いがありました。
◆シェットランドシープドッグの体重推移
ここで、シェットランドシープドッグの成長スピードもご紹介します。
生後3ヶ月目……3kg前後
生後4ヶ月目……4kg前後
生後5ヶ月目……4.5kg前後
生後6ヶ月目……5kg前後
生後7ヶ月目……5kg 前後
生後8ヶ月目……6kg 前後
体重:6~10kg
体高:39cm前後
体重を見てわかるように、シェットランドシープドッグは小型犬に分類されます。生後2〜5ヶ月で成長スピードが早くなることには変わりありませんが、成犬になっても大きくて10kg程度にしかなりません。
両者を比べてみると、大きいシェットランドシープドッグと小さいコリーがだいたい同じくらいの体重であることがわかります。これに加えて似た見た目をしているため、シェットランドシープドッグがボーダーコリーの小さい犬であるとの勘違いの元になっているようです。
◆シェットランドシープドッグの運動量
コリーと同じく、シェットランドシープドッグも必要となる運動量は同じサイズの犬よりも多めです。1日30分以上、1日2回の散歩をできるだけ守ってあげましょう。また、シェットランドシープドッグは家族とのふれあいが大好きな犬種です。引っ張りっこやボール遊び、宝探しなどコミュニケーションを取りつつ運動できる遊びを取り入れてあげると良いでしょう。
ボーダーコリーとシェットランド・シープドッグを比較!
ボーダーコリーとシェットランドシープドッグの違いに着目して、大きさ以外にどんなところが違うのか比較してみました。
◆体の特徴
【シェットランド・シープドッグ】
・体重 オス: 6~12 kg、 メス: 6~12 kg
・体高 オス: 33~41 cm、 メス: 33~41 cm
・色 セーブル
バイカラー :ブラック&ホワイト、ブラック&タン
トライカラー:ブラック&ホワイトタン
マール :ブルーマール
【ボーダーコリー】
・体重 オス: 14–20 kg、 メス: 12–19 kg
・体高 オス: 48–56 cm、 メス: 46–53 cm
・色 セーブル
バイカラー :ブラック&ホワイト、ブルー&ホワイト、レッド&ホワイト
マール :ブルーマール、レッドマール、ライラックマール
トライカラー:ブラック&ホワイトタン、ブルー&ホワイトタン、ブルーマールタン
シェットランドシープドッグもボーダーコリーもセーブルやマール、トライカラーがあります。被皮の模様は似ているようですね。
◆性格の差
【シェットランド・シープドッグ】
聡明で愛情深く、活発な性格をしています。飼い主に忠実で人を喜ばせることや、飼い主と遊ぶことが好きな犬種です。その反面、動くものには噛み付いたり吠えたりする性質があります。しつけは必要ですが、愛嬌のある可愛らしい犬種です。
【ボーダーコリー】
全犬種の中で1番頭の良い犬種として知られています。家族に対して強い忠誠心も持ち合わせているため、家族が何を必要としているか考えて行動しようとします。他の犬と一緒に遊ぶより、飼い主と行動したがる面があります。また、シェットランドシープドッグと同じように、動くものに敏感に反応します。運動能力にも長けているため、子犬期からのしつけと関係構築が必要です。
両者とも賢く、飼い主に従順で、しつけも楽であることがわかります。その反面、しっかりとしつけをしないと荒くれ者になってしまう可能性があるところも似ています。違いとしては、ボーダーコリーよりシェットランドシープドッグの方が愛嬌がある点があげられます。
◆平均寿命の差
【シェットランドシープドッグ】
12~13歳
【ボーダーコリー】
10歳~14歳
通常、犬は大型犬より小型犬の方が長生きする傾向があります。そのため、中型犬のボーダーコリーより小型犬のシェットランドシープドッグの方が、平均寿命が長いとされています。
◆かかりやすい病気
【シェットランド・シープドッグ】
- 外耳炎
- 皮膚疾患
- コリー眼異常(コリーアイ症候群)
- 白内障
- 角膜炎
- 関節疾患
- てんかん発作
【ボーダーコリー】
- 外耳炎
- コリー眼異常(コリーアイ症候群)
- 白内障
- 進行性網膜萎縮
- セロイドリポフスチン症(CL症)
- 関節疾患
- てんかん発作
シェットランドシープドッグもボーダーコリーも長毛種であるため、外耳炎になりやすいと言われています。また、遺伝的な病気も多く、コリー眼以上や関節疾患、てんかん発作が発症しやすい犬種です。下に病気の詳細をまとめていますので、参考にご覧下さい。
コリー眼異常(コリーアイ症候群)
先天性の病気で、失明の原因の1つです。眼の眼底を包む眼膜が薄くなったり、穴が開いたりする病気です。ボーダーコリー、シェットランドシープドッグともに発症する可能性がありますが、発症率はボーダーコリーが10%程度、シェットランドシープドッグが75%程度と報告されており、かなり差があります。
角膜炎
眼の角膜に炎症を起こす病気です。原因はまつげやゴミが入ることによる外傷性と、食べ物が合わずアレルギーを発症することによる非外傷性があります。目が痒くて前足でこすろうとしたり、涙やめやにが増えるなどの症状がみられます。
皮膚疾患
遺伝的な皮膚疾患はボーダーコリーにはなく、シェットランドシープドッグのみが持っています。犬家族性皮膚筋炎や淡色被毛脱毛症などが遺伝による皮膚病です。遺伝の皮膚疾患以外にも、長毛種であるがゆえに通気性が悪くなることが原因で発症することもあります。
関節疾患
ボーダーコリーもシェットランドシープドッグも、過度な運動が原因で股関節形成不全になりやすい傾向があります。また、数は減ってきているものの遺伝が原因で発症することもあります。関節疾患になると、横座りや「モンローウォーク」と呼ばれる腰を横に振る歩き方が見られるようになります。
◆飼い方
【シェットランド・シープドッグ】
賢いためしつけをすぐに覚えてくれます。吠え癖や噛み癖がつかないように子犬期から気をつけておく必要があります。しつけができれば、家のインターホンの音にも反応しないほど物怖じしなくなる場合もあります。むだ吠えさえクリアできれば、飼いやすい犬種に入ります。
また、それなりの運動量が必要なため散歩やドッグラン通いが欠かせません。思いっきり走れる環境でストレスを感じないようにできればベターです。
日頃のお手入れはブラッシングと月に1〜2回のシャンプーが必要です。毛玉ができると蒸れやすくなり、皮膚病の原因となります。ブラッシングはコミュニケーションやマッサージにもなりますので、1日の中で時間を決めて行うようすると良いでしょう。
【ボーダーコリー】
賢いため、一度しつけができれば飼い主に従順な性格をしています。少し難しい指示を与えられることに喜びを感じるため、何も指示がなかったりしつけられないと、攻撃的な面を見せることがあります。隙を見せると主従関係のバランスが崩れることもあるため、初心者にはしつけが難しい犬種です。
運動に関しては、ドッグランで身体を動かすことも良いですが、散歩もルートをいくつか用意したりとゲーム性のある遊びと取り入れると良いでしょう。予測がつかない行動を飼い主と楽しむことでストレスが溜まらない生活が送れます。運動能力は高いですが、無茶をすると関節疾患になりますので、どちらかというと適度に運動する方が良いです。
日頃のお手入れは皮膚の蒸れを防ぐためのブラッシングと月1回程度のシャンプー、また毛並み維持・怪我予防にトリミングを行います。
おわりに
小さいコリーはいるの?という疑問に対して、シェットランドシープドッグという別の犬種が小さいコリーと勘違いされているということを答えとして出しました。ボーダーコリーもシェットランドシープドッグも、非常に賢く運動好きな犬種であることには違いありません。それぞれ身体の大きさや性格、かかりやすい病気など少しずつ違いはありますので、ご自身の家族構成や嗜好を考えて、どちらにするか決めるのが良いかと思います。この記事が検討時の参考になれば幸いです。
– おすすめ記事 –
・コリーの魅力はどんなところ?性格・価格・しつけ方法は? |
・見渡す限りの犬・犬・犬!!!ボーダーコリー好きにはたまらないギネス記録級のイベントがやばい |
・ボーダーコリーの値段はどれくらい?ブルーマールは珍しいから高いの? |
・コリーにはたくさんの種類がいる?タイプ別に性格や特徴をご紹介! |