1.ビションフリーゼのアレンジカット
1-1.スタンダードカット
1-2.テディベアカット
1-3.きのこカット
1-4.マロンカット
1-5.ショートブーツカット
1-6.マイアミカット
1-7.サマーカット
1-8.パピーカット
2.ビションフリーゼのかわいいカットスタイルを維持するために
2-1.ブラッシングの頻度は?
2-2.ブラッシングを嫌がる時は?
2-3.換毛期はあるの?
【掲載:2020.01.13 更新:2022.12.20】
ビションフリーゼのアレンジカット
ビションフリーゼは「ダブルコート」といわれるタイプの被毛で、巻き毛の犬種なのでお手入れをせずに放ってしまうと毛同士が絡んで毛玉ができてしまいます。
見た目の可愛らしさだけでなく衛生面を考えても定期的なトリミングが必要になってきます。
また、全体的にプードルにも似ているビションフリーゼですが、シングルコートとダブルコートの違いから、毛質は後者の方がもこもことしていて、ふわっと丸いフォルムを作りやすいので、さまざまなアレンジカットが楽しまれています。
◆スタンダードカット
最もビションフリーゼらしいともいえるカットです。耳がどこに隠れているかわからないほど、顔全体をふわふわの毛が覆うまんまるのフォルムがキュートなスタイルになっています。
呼び方はさまざまで、「ビションフリーゼカット」「まんまるわたあめパウダーパフ」などとも呼ばれます。
ビションフリーゼが元々持つ毛質のおかげでできるカットなのですが、実は「このスタイルにしたい!」と思い立ってすぐにできるものではありません。人間がきれいなロングヘアを維持するのと同じように、子犬の頃からのベースづくりが大切なのです。
できれば、同じトリミングサロンに通って、いずれはスタンダードカットにしたいと伝えておくと安心です。
◆テディベアカット
顔と耳を分けてカットする方法です。スタンダードカットの場合は耳まですっぽりと覆ってしまうスタイルですが、テディベアカットの場合は耳の丸みも目立つようにカットするので少し変わった雰囲気になります。
もこもこの毛がさらにぬいぐるみのような愛らしさを際立たせてくれるのです。
◆きのこカット
スタンダードカットに近いスタイルですが、まん丸ではなくきのこの傘のようにちょっと平べったい形がかわいいスタイルです。
トイプードルにも人気のスタイルで、毛質がもこもこだからこそ楽しめる形ですね。
◆マロンカット
こちらもほとんどスタンダードカットに近い形ですが、トップだけ尖らせることでマロンのようなとってもかわいいスタイルになります。
「キューピーヘア」や「ビションフリーゼモヒカン」と呼ばれることもあります。
ミニチュアシュナウザーなど他の犬種にも人気のスタイルですが、このマロンのようなたっぷり豊かなフォルムはビションフリーゼだけなのです。
◆ショートブーツカット
ビションフリーゼのもこもこ感を強調するように、足元までボリューミーに太くカットするスタイルのことです。
◆マイアミカット
トイプードルに人気のカットです。胴体~足の上部分はバリカンを使って短めにし、足先としっぽだけ丸くポンポンを作るようなスタイルになっています。
現代的でおしゃれな雰囲気ですが、昔からあるスタンダードなトイプードルのカットスタイルなのです。
その他、季節や年齢に合わせたカットスタイルもあるので、トリマーさんに相談しながらスタイルを決めるのもよさそうですね。
◆サマーカット
ビションフリーゼに限らず、夏仕様に短くカットしたスタイルのことです。
ビションフリーゼのようにダブルコートの犬種は毛量が多く熱がこもりやすいので、夏バテなどを引き起こす可能性があります。そのため、夏場は前胸や背中、体のサイド部分、お尻周りを短めにカットする「サマーカット」がおすすめです。
ただ、短くしておくと飼い主さんのお手入れも楽になるのですが、元々毛は犬の皮膚を守るために生えています。
バリカンで毛を刈り落とすと、皮膚が外気にさらされて、紫外線などの影響を受けやすくなります。サマーカットで必要以上に刈ってしまうと、かえって体温調節が上手くできなくなり、熱中症になってしまうこともあります。
また、まんまるのビションフリーゼカットを目指したい場合は、一度思い切り短くすると伸びるまでに時間がかかってしまったり、毛質が変わってしまうこともあるので覚えておきましょう。
◆パピーカット
子犬の時にするカットスタイルのことですが、子犬はほとんどカットする必要はありません。
毛が柔らかく、スタンダードカットはまだまだ先のことなので、それに向けてこまめにブラッシングしたり、美しい被毛を保つための準備をしておきましょう。
ビションフリーゼのかわいいカットスタイルを維持するために
ビションフリーゼのようにダブルコートタイプといわれる犬種は、外側の長い毛と内側の短い毛の二層構造になっています。
他にもチワワやポメラニアンなどがダブルコートの犬種として代表的ですが、このタイプは外側の長い毛が絡まりあって毛玉ができやすいので、こまめなお手入れが必要なのです。
また、ビションフリーゼの場合、さらに「巻き毛」という特徴が加わってさらに絡まりやすくなります。
毛玉ができてしまうと、せっかくスタンダードカットを目指して伸ばしていても切らなくてはならない事態になるかもしれないので、2~3週間に1度のシャンプー、月に1度はトリミングサロンでのきちんとしたお手入れがおすすめです。
◆ブラッシングの頻度は?
ブラッシングの頻度は、できれば「毎日」がベストです。
人間でいうくせ毛のように、ビションフリーゼは巻き毛なので、他の犬種に比べてさらに絡まりやすく毛玉ができやすい犬種です。毛玉ができてしまった時、無理にブラッシングで梳かそうとすると、かなりの痛みを加えてしまったり、皮膚にとっても大きな負担となります。
毎日ブラッシングを続けていれば、毛玉を防ぐことにつながるので根気強く頑張りたいところです。
また、ブラッシングには毛玉防止の他にホコリを取り除いたりノミやダニの予防、適度な刺激が血行促進につながったりします。
さらにワンちゃんの体をしっかり観察できるタイミングなので、何か皮膚におかしなことが起こっていないかチェックすることができます。
ワンちゃんの美しい被毛は皮膚の健康が重要なので、ブラッシングの時間は大切にしましょう。
毎日のブラッシングがどうしても難しい場合、万が一毛玉ができてしまった時は無理にブラッシングせず、カットする方法をとりましょう。
◆ブラッシングを嫌がる時は?
「ブラッシングを嫌がって全然大人しくしてくれない…」とお悩みの飼主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
ビションフリーゼに限らずブラッシングが嫌いな場合、よくおやつやおもちゃで気を紛らわしながらブラッシングをする方法があります。
また、ビションフリーゼのブラッシングには主に細いピンが集まった「スリッカーブラシ」と細かいところに便利な「コーム」を使用します。
まずはスリッカーブラシを使って胴体をブラッシングします。
この時、力を入れ過ぎず、皮膚が痛くない程度の力で軽く梳くようにブラシを動かしましょう。
首の下やお腹周りなど、普段見えにくいところまでブラッシングします。
大まかにもつれを取り除いたら、コームで細かい抜け毛などを取り除きます。
ワンちゃんが痛がらないようにスリッカーブラシ→コームの順で使うことをおすすめします。
顔はコームを使って細かいところまできれいに梳かします。
顔の近くは特に怖がりやすいので、あまりブラシを視界に入れないことがポイントです。
◆換毛期はあるの?
ダブルコートの犬種は比較的抜け毛が多いといわれていますが、個体差はあるもののビションフリーゼは抜け毛が少なめです。
とはいえ、全く抜けないわけではないので、やはりこまめなブラッシングが必要です。
換毛期は特に抜けた毛が毛に絡まって毛玉になりやすいので、見落としがちなお腹やわきなどしっかり見てあげてください。
ビションフリーゼってどんな犬種?
◆歴史や名前の由来
ビションフリーゼはフランスが原産の犬種です。フランス語でビションは「可愛い・飾る」、フリーゼは「巻き毛」という意味からその名前が付けられ、愛玩犬として愛されてきました。
最近でこそその人気は高まっていますが、実ビションフリーゼの起源は14世紀とかなり古いのです。
元々は「バルビー」と呼ばれる大型犬と白い小型犬の「マルチーズ」をかけ合わせて作られました。
他にもプードルなどとの交配も重ね、現在の形になっていきました。今でもどこかトイプードルっぽさを感じる理由に納得できますね。
14世紀にはイタリア、16世紀にはフランスに持ち込まれて愛玩犬として愛されるようになりました。
それまで純血種を守り抜いていましたが、さまざまな犬種との交配が進んでいったため、純潔なビションフリーゼは一時絶滅の危機に陥っていたのです。
その後、フランスのブリーダーによって何とか血統を復元することができ、犬種として公認されるまでになりました。
それからまた数世紀、今度は上流階級の愛玩犬ではなく一般家庭犬として広まっていきました。
サーカスなどで活躍したり、大道芸を披露したり、そのおかげか今でもチャーミングで人懐っこい性格が定着していきました。
◆性格
ビションフリーゼは、人懐っこく陽気な性格です。家族にも従順でとても聞き分けのよい性格の子が多いです。
コミュニケーションをとることが好きなので、家族と過ごしたり他の動物との相性もよく多頭飼いにもおすすめです。
毛質が少々特殊なのでお手入れの大変さは多少ありますが、性格だけで見ると初めての方にも飼いやすい犬種だといえます。
他の動物との喧嘩もほとんどないのですが、ストレスを溜めこんでしまう繊細な一面も持つ犬種です。コミュニケーションをとっていないと、かえって寂しくなってストレスにつながってしまうこともあるので、なるべく普段から積極的に触れ合うことをおすすめします。
主に水辺で活躍していたバルビーと呼ばれるウォーター・スパニエルを先祖に持つことから活発な一面もあります。運動神経もよく動くことが大好きなので、毎日のお散歩にプラスして、ドッグランなどに連れて行くのも効果的です。
また、ビションフリーゼは突然スイッチが入ったかのように走り回ったりすることがあります。これをビションフリーゼ特有の習性で、「ビションブリッツ」と呼ばれています。
場所に関係なくいきなり始まることがあるので、飼い主さんは心構えが必要です。
なぜビションブリッツが起こるのか、まだはっきりとした原因はわかっておらず、終わるタイミングも本人が満足した時点で自然とおさまる少し不思議な現象です。
特に何か問題があるわけではないようですが、急に走り出して何か障害物や他のワンちゃんにぶつかってしまったり、事故につながってしまうこともあるので、散歩中はきちんとリードはつないでおいた方が安心です。
◆見た目の特徴
体重は3~5kgくらいが一般的ですが、中には10㎏近い子もいたり、かなり個体差が大きい犬種です。小型犬に分類されますが、比較的筋肉質で遺伝的疾患もなく、健康的であることから飼いやすいともいわれています。
体格はトイプードルに近いものがあるようですが、もこもこの純白の毛はビションフリーゼならではの魅力です。
元々はフランスが原産ですが、1950年代にアメリカに持ち込まれ、今のビションフリーゼを代表する「スタンダードカット(パウダーパフスタイル)」が生み出され、その個性的なスタイルが話題となりました。
真っ白でふわふわの毛に真っ黒のつぶらな瞳や鼻が際立って、ぬいぐるみのような愛らしさが昔から高い人気を誇っています。
かわいいふわふわもこもこスタイルは普段のお手入れが重要!
ビションフリーゼのまんまるなフォルムは簡単にカットできるわけではありません。トリミングサロンに連れて行って失敗した…という飼い主さんもいらっしゃるそうです。
せっかくの “ふわふわもこもこ”なビションフリーゼの毛質を最大限に活かしたアレンジカットを楽しむなら、口コミなどをチェックしてビションフリーゼのカットを得意とするトリミングサロンを選んだ方が安心です。
また、きれいな毛を保つためには毎日のブラッシングがとても重要です。
毛玉ができてしまうとアレンジカットを楽しむどころか、ワンちゃんの健康そのものにも影響を及ぼしてしまうことがあるので、きちんとケアしていくことが大切です。
無理に自分で対処してしまうとワンちゃんが痛い思いをしてしまうので、普段のブラッシングやお手入れで何か困ったことがあれば、ペットショップの店員さんやトリマーさんに相談してみましょう。
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