1.ビションフリーゼを知ろう!
1-1.上流階級の人々の間で大人気だった歴史がある犬
1-2.モコモコの被毛が可愛らしい
1-3.小型犬だけど「ガッチリ」でたくましい
1-4.愛嬌があってフレンドリーなワンちゃん
2.トイプードルを知ろう!
2-1.「プードル」のなかでも小さいトイプードル
2-2.ヨーロッパで人気が高まったトイプードル
2-3.お利口さんで甘え上手!
3.ビションフリーゼとトイプードルにはどんな違いがある?
3-1.違い①:被毛の構造が違う
3-2.違い②:全体的なサイズ感が違う
3-3.違い③:筋肉量が少し違う
3-4.違い④:毛色が違う
ビションフリーゼを知ろう!
はじめに、ビションフリーゼの特徴に迫っていきます。
◆上流階級の人々の間で大人気だった歴史がある犬
ビションフリーゼは、可愛らしさと上品さが同居している犬種です。その歴史を見ると、ビションフリーゼは古い時代から多くの人々に慕われていたワンちゃんということが分かるかと思います。
地中海沿岸部がビションフリーゼのルーツとなる地域と言われています。ビションフリーゼがイタリアに渡った14世紀には、可愛さと気品を兼ね備えた見た目から、上流階級の人々の間で人気が沸騰しました。
その後、その見た目が世間に広まっていき、上流階級のみならず、一般家庭でも可愛がられるように…。
ただ、その後に人気が低迷した時期があり、「ビションフリーゼ」という犬種が消え失せる危機もあったようです。
しかし、熱心なブリーダーがその数を増やしていきます。1900年代半ばには正式に犬種として登録されました。
さらに、独創的な「パウダーパフ」というカットスタイルが注目されるようになり、今や大人気の犬種となっているのです。
◆モコモコの被毛が可愛らしい
ビションフリーゼの外見は、「モコモコ」「くるくる」「ふんわり」といった表現がぴったりですよね。ふんわりした被毛が大きな魅力と言えるでしょう。
ゆるめの巻き毛で、ぬいぐるみみたいな可愛らしさは、見ている人の気持ちをどこか温かにしてくれますね。
また、モコモコ被毛のなかには大きめの丸い瞳がチラチラ見え、愛嬌たっぷりです。
◆小型犬だけど「ガッチリ」でたくましい
頭から足まで体全体がモフモフの被毛に包まれているビションフリーゼ。毛量も多いことから、毛に包まれた状態では、体の線がハッキリは分かりづらいですよね。
実は、ビションフリーゼは結構筋肉があり、「スレンダー」というよりも「ガッチリ」タイプ。
5キロ程度がビションフリーゼの理想体重で、被毛の量が多めでモコモコ大きく見えますが、れっきとした小型サイズのワンちゃんなのです。
◆愛嬌があってフレンドリーなワンちゃん
ビションフリーゼの性格を総括すると「明るくフレンドリー」です。誰からも愛されるような風貌をしているので、おそらく多くの人が「可愛いですね♪」と近寄ってくれることでしょう。
初めての人でも、あまり緊張せずに「仲良くしましょう」と愛想よく接することができる性格です。子供のいる家庭や多頭飼いの家庭にも馴染み、どんな家庭でも迎えやすい犬種です。
トイプードルを知ろう!
次にトイプードルの特徴をまとめていきます。
◆「プードル」のなかでも小さいトイプードル
トイプードルは、“プードル”という犬種を体のサイズごと4タイプに分類させたうちのひとつです。
・スタンダートプードル⇒体高45~60センチ、大型犬
・ミディアムプードル⇒体高35~45センチ、中型犬
・ミニチュアプードル⇒体高28~35センチ、小型犬
・トイプードル⇒体高24~28センチ、超小型犬
スタンダードプードルおよびミディアムプードルの体重は10~20キロほどと、結構大きなサイズです。
ミニチュアプードルは、5~8キロくらいとプードルのなかでは、やや小さめのサイズ感。
さらに小型化をはかったトイプードルは約3キロとかなり軽めです。
◆ヨーロッパで人気が高まったトイプードル
プードルの原産国はフランスという説が濃厚ですが、「ドイツではないか」という見解もあるようです。実は、プードルの名前のルーツが「pudel(プデル)」というドイツ語が語源となっているとも言われています。
そもそもプードルは、泳ぎが大得意という体質を活かし、人間が撃ち落とした鴨を泳いで回収してくるという役割を担っていました。
次第に、貴族たちや一般家庭で飼われる「ペット」としてスポットライトを浴びるようになり、「愛玩犬」という位置の犬種になっていったのです。
やがて、小型化が進み、現在ではプードルのなかでも最も小さな「トイプードル」が世界中で大人気になっています。
◆お利口さんで甘え上手!
愛玩犬にぴったりなサイズ感で、世界中の家庭で可愛がられているトイプードル。
日本では、小型犬が好まれる傾向にありますが、トイプードルは人気犬種ランキングでは毎度のようにトップ1として登場しています。たくさんの人が知っている知名度のある犬種です。
「プードル」は、全犬種のなかでも頭が良いと言われています。個体差はありますが、お利口さんで飼い主さんへはとても忠実なようです。
そのためか、しつけもしやすく、ワンちゃんを飼うのが初心者というケースにも向いていると言われている犬なのです。
「賢い」というとちょっとクールに感じるかもしれませんが、トイプードルは結構甘えん坊。一緒に遊んだり、散歩したり、抱っこされたり、寄り添ったり…など、飼い主さんとのコミュニケーションが大好きです。
また、ビションフリーゼの性格と重なるところがありますが、トイプードルも人懐っこくて明るいワンちゃんです。社交性が高めで、「子供が何人もいる大家族」や「ほかのワンちゃん達との同居」なども難なくこなしてくれると言われています。
ビションフリーゼとトイプードルにはどんな違いがある?
ここまで、「ビションフリーゼ」と「トイプードル」の特徴や性格についてお話してきました。共通点が多く、「とても似ている犬種」と感じた人が多いのではないでしょうか。
しかし、さらに深いところまで突き詰めていくと、いくつかの違いが分かってきます。
ビションフリーゼとトイプードルの違う点について、ポイントをまとめました。
◆違い①:被毛の構造が違う
どちらの犬種もモコモコ巻き毛がトレードマークです。ボリューム感のある被毛で、まるまるとした印象が感じられます。
しかし、実は被毛構造がそれぞれ違います。
まず、ビションフリーゼの毛は「ダブルコート」という被毛構造です。
ダブルコートとは、「上毛+下毛」という二重の層からできている被毛構造のことを指します。
このタイプの犬種は、季節に応じて「下毛」の部分のボリュームが変わるのが特徴です。夏になるとスッキリ涼しく、冬になるとボリュームアップで暖かく…と、自動的に体温調整してくれます。
一方、トイプードルは「シングルコート」という被毛構造。
このタイプは、季節が変わったからといって毛が極端に生え変わるわけではなく、一年を通じてちょっとずつ「古い毛が抜ける・新しい毛が生える」と繰り返していくイメージです。
ダブルコートは、季節によっては抜け毛がたくさん出てきます。そのため、ビションフリーゼの方が、抜け毛ケアへの熱心さが求められると言ってもいいでしょう。
どちらのワンちゃんも、フワフワした被毛が魅力なので、ブラッシングでケアしてあげるほどに、ツヤのある可愛らしい見た目がキープできます。
◆違い②:全体的なサイズ感が違う
ビションフリーゼもトイプードルも、どちらも小型な犬です。
ただ、ビションフリーゼが5キロ前後なのに対し、トイプードルの理想体重は3キロ前後。2キロも違うため、両者を並べるとトイプードルの方が一回り近く「小さい」と感じられるかと思います。
◆違い③:筋肉量が少し違う
パッと見のサイズ感が違う以外に、筋肉の量もやや違いが見られます。フワフワの被毛の下はガッチリなビションフリーゼと比べると、トイプードルはちょっとスレンダー系です。
また、足の長さも少し異なります。ビションフリーゼは、足がやや短く胴が長い“胴長短足”です。ガッチリな筋肉質な体に、フワフワの被毛がプラスされるため、シルエットがかなり丸く感じられることでしょう。ちょっとドッシリと落ち着いていますね。
一方、トイプードルはスラっと足が長めです。細めの長い足に被毛が覆われていても、それほど丸くは見えないかもしれません。
両者を並べたときには、「ビションフリーゼは足が短くちょっと丸いフォルム」「トイプードルはスラっとスリム」と見分けるといいかもしれませんね。
◆違い④:毛色が違う
ビションフリーゼとトイプードルの見分け方で分かりやすいのが「毛の色」ではないでしょうか。
ビションフリーゼで認められている毛色は“純白”だけです。
つまり、「茶色の巻き毛のワンちゃん」「黒い巻き毛のワンちゃん」がいたら「ビションフリーゼではない」ということになりますね。
一方、トイプードルの場合、毛色のパターンは多めです。
ブラックやブラウン、ホワイトのほか、クリーム、レッド、グレーなど、バリエーションがたくさんあります。
ただ、基本的には、他の色が混ざることがない「一色毛」が理想とされています。
ホワイト以外の毛の場合、ビションフリーゼとトイプードルの見分けがつきやすいですが、「ホワイト」にいたっては体のサイズ感で見分けるしかなさそうですね。
大人気のワンちゃん達
日本では、ちょっと狭い住宅環境でも一緒に暮らせる小型犬の人気が高めです。
前述しましたが、3キロ程度の超小型サイズのトイプードルは、日本ではたくさんペットとして多くの飼い主さんと暮らしています。それだけ知名度も高いので、ペットショップで見る機会も多く、ブリーダーさんも見つけやすいかもしれません。
ビションフリーゼの方は、人気ランキングでは名前を見かけないものの、CMやテレビドラマなどで出演することもあり、年々注目度が高まっています。
親戚関係はないのに共通点が多いビションフリーゼとトイプードル
ビションフリーゼの原産地はフランスです。トイプードルの原産地もフランスという説が濃いです。
どちらの犬種も古くからヨーロッパを中心に、上流階級の人から愛玩犬として慕われていたという過去もあります。見た目はもちろん、ルーツまでなんとなく似ていますね。
また、愛玩犬であるため、人慣れしているというのも共通点と言えるかもしれません。
どちらの犬種も、基本的に明るく親しみやすい性格をしていて、飼い主さんが愛情を注ぐほどに、しつけもしっかりと覚えてくれる賢さもあります。
「高齢の家庭」「夫婦だけの家庭」「子供がいる家庭」「犬がたくさんいる家庭」「犬を育てるのが初めての家庭」「一人暮らしの家庭」など、あらゆるパターンでも飼いやすいと言われています。
犬種自体はまったく「別」なのですが、これほどまでに似ていると不思議な感じがしますね。
まとめ
ビションフリーゼとトイプードルは、とてもよく似ている犬種です。モコモコの被毛に覆われていて可愛らしい見た目は、本当にソックリですね!
でも、実はトイプードルの方が少し小さめでスレンダー。ビションフリーゼは、安定感のある体格で丸みが強いと言ってもいいかもしれませんね。
また、純白のみが公認カラーのビションフリーゼに対し、トイプードルはバラエティに富んだ被毛カラーが認められています。
両者の違いに迷ったときは、体の全体的なサイズ感やフォルム、そして毛色をチェックしてみてくださいね。
どちらの犬種も飼い主さんへの愛情が深く、明るく穏やかに過ごしてくれるかと思います。運動も大好きなので、たくさん一緒に遊べますよ。家族として暮らせば幸せな気持ちになることでしょう。
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