1.ビションフリーゼの毛の色
1-1.ビションフリーゼの毛の色は「白」
1-2.子犬のころは純白じゃなくても大丈夫
2.ビションフリーゼのルーツ
2-1.原産はフランス/ベルギー
3.ビションフリーゼの見た目
3-1.ビションフリーゼは小型犬
3-2.愛らしい顔つき
3-3.白くてくるくる巻き毛
4.ビションフリーゼのお手入れ
4-1.トリミング
4-2.夏はサマーカットで涼しく
4-3.ブラッシングは毎日
5.ビションフリーゼの性格
5-1.陽気で活発、家族には穏やかで愛情深い
5-1.トレーニングの飲み込みも早い
6.オス・メスで見られる性格の違い
6-1.ビションフリーゼのオスは甘えん坊
6-2.ビションフリーゼのメスはしっかりもの
7.ビションフリーゼとの接し方
7-1.甘やかしすぎはNG
7-2.褒めて伸ばす
8.ビションフリーゼの飼い方
8-1.こまめなお手入れが大切
8-2.毎日の散歩
8-3.バランスの良い食事
9.ビションフリーゼの病気
9-1.毛量が多い犬に多い「急性湿潤性湿疹」
9-2.垂れ耳の犬に多い「外耳炎」
9-3.小型犬に多い「膝蓋骨脱臼」
ビションフリーゼの毛の色
◆ビションフリーゼの毛の色は「白」
毛色は純白とされています。トイプードルと見た目は似ていますが、ブラック、ブラウン、アプリコット等の毛色はビションフリーゼには認められていません。
◆子犬のころは純白じゃなくても大丈夫
子犬の頃は、手足の先や耳の周りなどがわずかにフォーンやタンに色づくことがあります。しかし、子犬の頃は純白でなくてもビションフリーゼとして認められます。
純粋犬種の犬籍登録をしている一般社団法人ジャパンケネルクラブも「純白である。生後12カ月前までは被毛に僅かなベージュ(シャンパン)の傾向があってもよいが、この色合いは犬の10%以上を覆ってはならない」としています。
ビションフリーゼのルーツ
柴犬や秋田犬のような日本古来の犬は、ビションフリーゼのようなカールした毛は持ち合わせていません。ビションフリーゼはいったいどこからやって来たのでしょうか?
◆原産はフランス/ベルギー
ビションフリーゼのルネッサンス時代にイタリアからフランスに持ち込まれたことが始まりとされています。
フランス原産のウォーター・ドッグ「バルベ」に見た目が似ていたことから「バービション(barbichon)」と名付けられ、後に短縮して「ビション」と呼ばれるようになりました。ここにフランス語で縮れた、との意味を持つ「フリーゼ」を付けて、現在の名前ビションフリーゼになったのです。
フランスに渡ったビションフリーゼは、貴族の間で大流行し、人物像のそばに度々描かれました。ナポレオン3世時代にはベルギーにも普及し、両国で愛されています。
世界大戦時には他の犬種同じく絶滅寸前でしたが、愛好家たちの努力によって数が増えて歴史もあります。
ビションフリーゼの見た目
ビションフリーゼのルーツがわかったところで、今後は見た目の特徴を見ていきましょう。
◆ビションフリーゼは小型犬
体高は25cm~29cm、体重は約5kgで小型犬に分類されます。体のバランスはやや胴長短足体型をしています。
ビションフリーゼは小型犬の中でもがっしり体質です。愛玩犬の一種ですが、比較的骨量・筋肉量ともに多く遺伝的な病気も少なく健康的です。
運動が好きな犬種でもあるため、外で走り回ることでストレス発散します。
◆愛らしい顔つき
真っ白な毛の中に、まんまるで黒い瞳と鼻が浮かんでいます。チラっと見える舌はピンク色で唯一のカラーポイントです。
◆白くてくるくる巻き毛
「純白」以外にくるくるの巻き毛がビションフリーゼの特徴です。
また、ビションフリーゼの毛はダブルコートという二重構造になっています。オーバーコートは外的から身を守る巻き毛、アンダーコートは体温・湿度調整をする柔らかい毛をしています。なでるときはオーバーコートが手にあたるため、しっかりとした弾力が感じられます。
ダブルコートの犬の特徴として、換毛期があります。春は冬毛から夏毛に生え変わり、秋は逆に夏毛から冬毛に生え変わるのです。
ただ、ビションフリーゼは抜け毛があまり多くありません。毎日ブラッシングしていれば問題ないでしょう。
ビションフリーゼのお手入れ
◆トリミング
ビションフリーゼの被毛は絡まりやすく毛玉になりやすいです。そのため、2週間に一度のシャンプーと月に1度のカットが望ましいとされています。
実際に、1ヶ月も経つとビションフリーゼの毛はボサボサになってしまいます。毛も伸びて目に入ることもあるので月に一度のトリミングはやはり必要でしょう。
一番有名なカットは、綿菓子のような丸いカットスタイルです。20世紀にアメリカ人トリマーが考案したもので、「パウダー・パフ」と呼ばれます。
パウダー・パフ以外にも、テディベアカット、きのこカット、モヒカンなど毛の量を活かしたカットが楽しめます。
◆夏はサマーカットで涼しく
ビションフリーゼのサマーカットを楽しむ飼い主さんもたくさんいらっしゃいます。サマーカットでは胸の前の方や背中、体のサイド部分、お尻周りを短めにカットします。
夏バテ対策にも最適なだけでなく、全体的に毛の量が少なくなるので、飼い主さんのお手入れも楽になります。
◆ブラッシングは毎日
ビションフリーゼの毛はカールしているため、放置すると絡まってしまいます。絡まりがたくさんできると水分が上手く蒸発せず、皮膚が蒸れた状態になります。蒸れが原因で皮膚病になったり、トリミング時に毛玉をカットするため綺麗なパウダー・パフが作れなくなってしまいます。
ブラッシングは愛犬とのコミュニケーションでもありますので、触れ合う時間の一部と考えて、できるだけ毎日ブラッシングをしてあげてください。
ビションフリーゼの性格
ビションフリーゼは見た目と同じような可愛らしい性格をしているのでしょうか?ビションフリーゼの主な性格をご紹介します。
◆陽気で活発、家族には穏やかで愛情深い
ビションフリーゼは、人にも犬にもフレンドリーな性格をしています。自分より大きな犬にも臆することなく上手にコミュニケーションを取ります。荒っぽい性格ではないため、ドッグランでも安心して遊ばせることができるでしょう。
家の中では気を遣える犬です。賢く辛抱強い面もあるため、子供がいるご家庭でも問題ないでしょう。
ただ、愛情深く気を遣うために、ストレスを溜めやすい性質も持ち合わせています。慣れ親しんだ場所を作ってあげたり、毎日の運動をかかさないようにしてあげましょう。
◆トレーニングの飲み込みも早い
素直に飼い主の言うことを聞くため、トレーニングしやすい犬種です。賢いため飲み込みも早い方です。
ビションフリーゼは甘え上手なので、飼い主はほだされず、良いことと悪いことはちゃんと教えましょう。無駄吠えや夜泣きは子犬のころのしつけが重要です。
あくまで飼い主が主人であることを、飼い主自身が忘れないようにしましょう。
オス・メスで見られる性格の違い
実は、犬にはオス・メスで性格の違いが見られます。ビションフリーゼを性別ごとに性格を見ていきましょう。
◆ビションフリーゼのオスは甘えん坊
もともとビションフリーゼは甘えん坊ですが、オスは得にこの一面が強いです。飼い主との時間をとても大切にするため、頻繁に遊びや散歩でコミュニケーションを取れる人に向いています。
逆にひとりでお留守番させるような場面が多いと、甘えん坊のビションフリーゼのオスにはストレスとなります。
◆ビションフリーゼのメスはしっかりもの
メスは独立心が高く、しっかり者が多いです。独立心が高いといってもわがままな訳ではなく、家族への愛情と独立心のバランスがとれているイメージです。
基本的に優しい性格をしているので、子供や高齢者がいるご家庭はメスの方が向いていると言えるでしょう。
ビションフリーゼとの接し方
陽気で活発、愛情深いビションフリーゼには、どう接するのが正解なのでしょうか?一緒に暮らしていくうえでのコツをご紹介します。
◆甘やかしすぎはNG
ビションフリーゼは甘え上手です。可愛らしい見た目に加えて、可愛らしい仕草をされるとなんでも許してしまいそうになります。
しかし、問題行動を起こした際、何もせずに許してしまうと「やってもいいんだ」と勘違いさせてしまいます。してはいけないこと、してほしくないことは、しつけの一環として教えてあげましょう。
あくまで飼い主が主人であることをわかってもらうことも重要です。ビションフリーゼが自分の立場が上であると思ってしまうと、無駄吠えをしたり言うことを聞かなくなってしまいます。これはつまり、危険な場面で愛犬を制御できないことを意味します。
愛犬ビションフリーゼを守るためにも「甘やかしすぎはNG」です。
◆褒めて伸ばす
甘やかすことがダメなら叱ればいい!とはならないのがミソです。褒めて伸ばすことで、ビションフリーゼの陽気な性格をそのまま出してあげることができます。
しつけをする際は、怒鳴ったり手を出したりせず、声のトーンを下げて短い言葉で注意しましょう。何回も繰り返す場合には無視することも有効です。
ビションフリーゼの飼い方
一緒に暮らすには、お手入れがかかせません。ビションフリーゼはそれほど手のかかる犬種ではありませんが、主に気を付けたいことをご紹介します。
◆こまめなお手入れが大切
ビションフリーゼは豊かな毛の持ち主です。逆にとらえると、毛のお手入れが必須なのです。
まずは毎日ブラッシングをしましょう。毛のもつれを防ぐことで皮膚病を予防できますし、毛艶を出すこともできます。
合わせて週に1~2回程度、耳のケアも行いましょう。毛の量が多いうえに垂れ耳なので耳ケアは欠かせません。
◆毎日の散歩
陽気でフレンドリーということは、人や他の犬とのコミュニケーションが欠かせないことを意味します。また、元気であることは、エネルギーを体内にたくさん蓄えているということです。
室内で遊ぶだけでは不十分ですので、外に散歩へ出かけましょう。運動量自体は多くないため、1日2回10分程度で大丈夫です。
◆バランスの良い食事
どの動物にも言えることですが、健康には食事が大切です。栄養バランスの偏った食事は病気の原因となります。また、犬の場合は綺麗な被毛を保てなくなってしまいます。
最適な栄養バランスは健康状態や年齢にも関わるため、獣医やペットショップ店員と相談しながら決めると良いでしょう。
ビションフリーゼの病気
最後にビションフリーゼがかかりやすい病気をご紹介します。
ビションフリーゼは愛玩犬にもかかわらず遺伝的疾患のない、健康的な犬種です。「小型犬」であることと「毛量が多い」ことが主たる原因となります。
◆毛量が多い犬に多い「急性湿潤性湿疹」
急性湿潤性湿疹は、別名ホットスポットと呼ばれる病気です。気温が上がることで体温も上昇し、皮膚が蒸れて雑菌が増殖してしまうことで発症します。
病名に「急性」がつくように、一度発症するとあっという間に進行します。痒みがあるため掻きむしったり、必要以上に舐める行為が見られます。過度に行うとその部分だけ脱毛したり、出血・膿に繋がります。
思い当たる行動が見られたらすぐに動物病院で診てもらいましょう。
-
【予防方法】
- ブラッシングを毎日する。
- 濡れた日は、しっかりと乾かす。
- 夏はサマーカットをする。
- アレルギー検査を受けておく。(アレルギー体質の犬は、皮膚疾患にかかりやすいといわれています。)
- 体重管理をする。(肥満傾向のある犬は、急性湿潤性湿疹を発症するリスクが高いといわれています。)
◆垂れ耳の犬に多い「外耳炎」
外耳炎とは、耳の穴の「外耳」という部分に炎症が起こる病気です。湿気がこもることで菌が繁殖したり、耳ダニなどの寄生虫が増えたりすることで発症するため、垂れ耳のビションフリーゼは要注意です。
外耳炎になると痒み・痛みが出るため頭を振ったり、床に押し付ける仕草が見られます。また、耳垢が増えるため臭くなります。
耳掃除をする際に、見た目・臭いが気になったら獣医に診てもらいましょう。中長期的な対応が必要な場合もあるため、根気強く直していく必要があります。
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【予防方法】
- 耳のお手入れ
- 日常チェック
◆小型犬に多い「膝蓋骨脱臼」
膝蓋骨脱臼とは別名パテラとも呼ばれる、後ろ足にある膝蓋骨が正常な位置から外れてしまう状態をいいます。
程度によってグレードが4つに分けられていて、軽度であれば無症状であることがほとんどです。しかし、重度の膝蓋骨脱臼になると歩行困難になるほど、怖い病気なのです。
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【予防方法】
- 床に滑り止めを使って、関節に負荷がかからないようにする。
- 家具の配置を工夫して、高いところから飛び降りないようにする。
- 体重管理する(膝蓋骨脱臼は、肥満による膝への負担が原因で発症することもあります。)
まとめ
ビションフリーゼの毛色が「白」だけであることから、歴史や特徴をご紹介しました。思い描いていたビションフリーゼと一致していたでしょうか?
素直でとても可愛らしい犬種ですので、ぜひ興味を抱いていただけると幸いです。
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