中型犬用キャリーバッグの選び方
◆使用時間で選ぶ
ペット用キャリーバッグには、大きく分けてハードとソフトの2つのタイプがあります。基本的に、ハードキャリー本体がプラスチック製のもの、ソフトキャリーは布製でできているもののこといいます。
キャリーバッグの選び方で重要なのは、使用時間と用途です。それぞれに特徴があるので、その点に注意して適切なキャリーバッグを選ぶ必要があるといえるでしょう。
使用時間・用途ごとに、どちらのタイプが合っているのかを紹介していきましょう。
・短い時間の散歩やお出掛けには?
30分から1時間以内の短い時間の場合、ソフトタイプのキャリーバッグがすすめられます。
ソフトタイプはハードタイプと比べて、コンパクトで気軽に使いやすいです。デザインや形状の種類が豊富にあり、リュックタイプ・トート・ショルダーバッグなどと持ち運びに便利なタイプが選べるというのが、大きなポイントでしょう。飼い主さんが長距離を歩く場合にはとても重宝します。
ただし、ソフトキャリーには、底板が柔らかく不安定な状態になるというデメリットがあります。愛犬にとっては、足元が安定せずに負担を感じる時間が続くこととなります。10~15分おきには、愛犬の体勢を変えながら使用する必要があるでしょう。
特に、犬との密着度が高い商品(スリングタイプなど)を使用する際には注意が必要です。
また、ハードタイプに比べるとやはり頑丈性では劣ります。しっかりした商品でなければ簡単に破られてしまうので、愛犬がやんちゃで力が強い場合には、あまり向いていません。
犬が同じ体勢でリラックスできる時間は、5分が限界だともいわれています。1時間以上連続して使用する時や、こまめに体勢を変えられない場合には、底板に安定性のあるしっかりとしたキャリーバッグを選ぶようにしましょう。
底板が不安定なタイプの商品を使用する時は、短時間でこまめに休憩ができるときに限って使用し、愛犬の負担を最小限に抑えてあげてください。
・長時間の移動を要する場合には?
2~3時間以上の移動には、本体がプラスチックや金属などでできているハードキャリーバッグがすすめられます。自家用車での移動や、公共交通機関を利用しての旅行などに適しています。
ハードキャリーバッグには、犬が足を踏ん張りながら安定した状態で過ごせるという特徴があります。安定性が高い上に、衝撃から愛犬を守ることもできるのです。
さらに移動以外にも、目的地到着後にはハウスとしても使うことができるので、宿泊先や災害時においても重要なアイテムとなります。
また、布製のソフトキャリーと比べて、掃除がしやすく、頑丈であるというメリットもあります。粗相などをしやすい子や、力が強い子に適しているのはハードタイプだといえますね。
デメリットとして挙げられるのは、場所を取ること、重さがあることです。長距離の持ち歩きには不向きでしょう。
◆使いやすさで選ぶ
使い勝手の良さや、愛犬にとっての安全性の高さも、キャリーバッグを選ぶ上で重要なポイントです。
まず使いやすさとして、組み立てやすいか、開閉はしやすいか、愛犬の出し入れが難しくないか、掃除はしやすいか、といった点に注目しましょう。
特に、愛犬に噛み癖がある、興奮しやすいといった様子がみられる場合は、扉が上部についているタイプがおすすめです。愛犬を持ち上げてキャリーバッグから出すことができますし、出し入れの際に噛まれるといったリスクを避けることができるしょう。
また、中型犬となると、比較的体重のある子もいますよね。小型犬と比べると中型犬の場合、キャリーバッグを抱えて長距離を歩くのは飼い主さんにとっても中々の負担となるでしょう。
そこで、愛犬が中型犬であれば、キャスターの有無にも注目することをおすすめします。
使いにくい商品を購入してしまうと、結局買い替えが必要となるケースも考えられます。そういった状態を回避するためにも、総合的にみて使用しやすいキャリーバッグを選ぶようにしましょう。
◆安全性の高さで選ぶ
安全性の高さや愛犬が感じる負担の少なさについてです。何よりも大切なのは、愛犬の安全を守ること、負担を軽減してあげることですよね。
キャリーバッグを選ぶ際には、以下の点に注目してください。
- 飛び出し防止リードが付いている。
- 危険な金具が内側に飛び出していない。
- プラスチック部品など、誤飲の危険を招く物が付いていない。
- 衝撃が吸収でき、倒れる、ぶつかられるなどしても変形しない。
犬はキャリーバッグの中では、自分自身を守ることができません。守ってあげられるのは、飼い主さんだけです。
移動手段としてはとても便利なキャリーバッグですが、使用中は愛犬の自由が奪われることは確か。可能な限り、負担が少なく、安全性の高い商品を選ぶように留意してください。
◆リュックタイプやカート・バギーも選択肢に
キャリーバッグには様々なタイプが存在します。安全性や快適性、使いやすさを考慮した上で、適切な商品を選ぶことができるしょう。
リュックタイプやトートタイプなどと、用途に合わせた形状を選べるものも多く、中には2WAY・4WAY仕様の商品もあります。
中型犬だとある程度体重の重い子もいますので、その場合はキャスター付きのキャリーバッグを選ぶのがすすめられます。もしくは、カートやバギーの購入を視野に入れて、併せて検討した方が良いかもしれませんね。
ペットカートの中にも、コット(バッグ)部分を取り外してキャリーバッグとして使える商品も沢山ありますよ。
小型犬用と比べると、中型犬以上のサイズで使用できる製品は、やはり商品数で劣ってしまいますが、根気強くぴったりのものを探してみてくださいね。
中型犬用キャリーバッグを選ぶときの注意点
◆適正サイズかチェックする
愛犬の負担を軽減するためにも、キャリーバッグを選ぶときは適正サイズであるかを見極める必要があります。
特に中型犬は、商品によっては小型犬用のキャリーバッグに入れることもあります。しかし、入れたからといって、小型犬用のキャリーバッグでは中型犬にとっては「狭すぎる」状態となっている場合が多いです。
◆サイズの目安
適正サイズの見極めは中々難しいかもしれませんが、以下のポイントを参考にしてみてください。
- 長時間使用する場合は、犬が頭をかがめてギリギリ入れる程度のサイズ。
- 短時間使用する場合は、犬が伏せをした状態がぴったりのサイズ。
狭すぎるのはもちろんよくありませんが、広すぎても負担の軽減はできません。余分なスペースが多い場合、乗り物酔いの原因となってしまうのです。
キャリーバッグ内が愛犬にとって狭すぎない、広すぎないスペースとなるように、注意して選ぶようにしましょう。
中型犬用キャリーバッグの適正サイズ
市販されている商品によっては、小型犬用・小型犬~中型犬用・大型犬用などという表記がされているものもありますが、個体差もありますし、表記が曖昧な場合もあるので、やはり飼い主さん自身がしっかりとチェックする必要があります。
◆正式なサイズはない
そもそも、犬のサイズは分類されてはいますが、正式な基準というのは設けられていません。
ジャパンケネルクラブ(JKC)では、犬種ごとの容姿・サイズなどによる正式基準があるのですが、それも大きさでの分類は定義されていないのです。
一般的には成犬体重で、10kg未満は小型犬、25kg未満は中型犬、25kg以上は大型犬、とされていることが多いのですが、これも世界的な基準が設けられていないために、団体によって定義されている体重が違ったり、施設やお店ごとにサイズの表記に差がある場合もよくあります。
このため、一概に「中型犬はこれ」とは明確にいえないのです。
◆耐荷重と適正体重
適正サイズを選ぶポイントの一つとして、耐荷重と適正体重に注目するようにしましょう。
耐荷重とはそのキャリーバッグが耐えられる総重量を、適正体重とは犬の体重のみを指した目安となります。この耐荷重と適正体重を、混同しないように注意してください。
例えば、愛犬が12kgある場合、適正体重が12kgのキャリーバッグの使用は可能ですよね。
しかし、耐荷重が12kgのキャリーバッグでは、正直不安が残ります。愛犬が暴れたり、動き回ったりした場合、キャリーバッグには体重を超えた重量がかかることとなるのです。
商品によってサイズの表記方法は様々です。耐荷重で表記されているのであれば、愛犬の体重よりも少し余裕が必要でしょう。
キャリーバッグの適正サイズとしては、中型犬という表記に左右されすぎずに、愛犬が入った状態でちょうど良いサイズか、耐荷重と適正体重に問題はないか、という点に注目することをおすすめします。
おすすめの中型犬用キャリーバッグ
◆ペットケージ SKUDOイアタ サイズ4M
耐荷重20kgのハードタイプのキャリーバッグです。商品名称はケージとなっているので、もちろんケージ・ハウスとしても使用可能!
2WAYハンドルに、扉は錆びにくいクロムメッキ加工、二重ロックシステムも付いていて、安全性も高いです。
別売りになりますが、360℃回転キャスター(4個中2個はロック付き)を取り付けることが可能です。
また、国際航空運用協会の基準を満たしているので、飛行機での運送もOKです!
◆キャンピングキャリー折りたたみ
こちらもハードタイプのキャリーバッグで、適応体重は20kg以下となっています。ハードタイプですが、折り畳み式なので、不使用時にはスリムに収納できます。
しかもシートベルトでの固定が可能なので、車内ではドライブボックスに早変わり!もちろん、移動時はキャリーとして、室内ではハウスとしても使用できる、1台で何役もこなす優れものです。
おすすめの中型犬用カート・バギー
◆多機能カート スイートハート リュックタイプ
バッグ単体ではリュック機能を持ったキャリーとして、フレームに装着すればカートとして使用できる、多機能タイプのペットカートです。適応体重は12kgまでなので、小さめの中型犬であれば使用できるサイズです。
バッグには、飛び出し防止のテントやリードフック(2本)、ジッパーで開閉可能のメッシュカバーや日よけが付いており、通気性や安全性にも優れています。
カートとしての使用時にも、ハンドルが傾いてもバッグは垂直を保つことができるので、愛犬のストレスを軽減できるでしょう。
しかも、フレームは折りたためるので車載も便利で、収納バッグ付きという嬉しい特徴も持っています。
中型犬用キャリーバッグに関するまとめ
様々なサイズや用途、デザインやブランドなど、種類の沢山あるキャリーバッグ。購入する場合は、愛犬への負担が少ないか、飼い主さんが使いやすいか、安全性は十分か、適正サイズであるか、といった項目に注意してください。
ペットショップや通販サイト、ホームセンターの犬用品売り場など、幅広くリサーチして、愛犬にぴったりの商品がみつかるまで根気強く探してみましょう!
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