1.コーギーはこんな犬種!
2【2種類のコーギー】しっぽのあるカーディガンとしっぽのないペンブローク
3.コーギーのしっぽを切る理由
3-1.牧羊犬として活動するため
3-2.キツネと間違われないようにするため
3-3.納税を避けるため
3-4.コーギー「らしさ」を保つため
3-5.断尾は必要ない!
【掲載:2020.05.11 更新:2022.07.08】
コーギーはこんな犬種!
コーギーは胴長短足の中型犬です。
口角があがっているため笑っているように見える顔がチャーミングです。
コーギーは外交的で友好的な性格をしています。喜怒哀楽も豊かに表現してくれるため、コミュニケーションを取りやすい犬種と言えるでしょう。
牧畜犬なので飼い主をよく見ており、指示も的確に聞いてくれますよ。
体高は25~30cm程度です。体重はオスで10~12kg、メスで9~11kgほどになります。脚は短いものの筋肉がしっかりと付いているタイプで激しい運動もこなすことができます。
【2種類のコーギー】しっぽのあるカーディガンとしっぽのないペンブローク
コーギーには「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の2種類がいます。日本で目にする多くはペンブロークで、カーディガンに比べて鼻が太く短いという特徴があります。
実はカーディガンは断尾する習慣がなく、犬種基準にもしっぽの長さに関する記述はありません。反対にペンブロークは昔から断尾されてきた歴史があり、コーギーのしっぽの長さは「断尾または5.1㎝まで」と決められています。
コーギーのしっぽが切られる理由
コーギーのしっぽを切る理由は、牧畜犬としての歴史が深く関わっています。
◆牧羊犬として活動するため
コーギーが追いかけていたのは、自分よりも何倍も大きい牛です。牛はメスで700kg、オスだと1000kgも体重があります。
体格差のある牛を動かすため、コーギーは牛のかかとを噛んで誘導していました。その際、牛が誤ってコーギーのしっぽを踏まないように断尾していたのです。しっぽのケガによる感染症を防ぐため、この時代には必要な処置だったと言えます。
また、しっぽを切ることによって狂犬病を予防できる、運動能力が上がると信じられていた歴史的背景もあります。こちらは今となっては迷信とわかりますが、当時の民衆には正誤を確かめる方法がなく信じるしかできなかったようですね。
◆キツネと間違われないようにするため
コーギーのしっぽはふさふさとした長毛で円柱形をしています。キツネのしっぽや毛色が似ていることから、キツネと見間違われることがしばしばあったようです。そのため、牧畜犬としての仕事中のコーギーがキツネと見間違われ、射殺されることがありました。
コーギーの断尾は野生のキツネと区別がつくようにするため、という訳です。
◆納税を避けるため
時代は進み1700年代のジョージ王朝時代、イギリスではしっぽのついた犬に課税をしていました。これは、当時貴族のあいだで流行していた鹿狩りを犬が邪魔しないようにするためです。
元々は犬のつま先や足を傷つけて早く走れないようにせよ、指示されたものですがそれでは牧畜犬として働くことができません。そこで畜産農家は貴族に納税することで犬の足を守る権利を得たのです。
しかし、できれば納税したくない畜産農家はコーギーのしっぽを切り落とすことで税金対策をすることを思いつきます。断尾すれば早く走れなくなると思わせることで納税を免れたのです。
◆コーギー「らしさ」を保つため
<長い間しっぽを切られてきた背景があるコーギーは、世間一般ではしっぽがない犬種として認知されています。/span>人が考えるコーギーらしさに合わせるため、いまでも断尾の習慣が続いているのです。
これには、コーギーのスタンダードとして「断尾または5.1㎝まで」と決められていた背景もあるでしょう。しかし2020年4月現在、一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)のウェルシュ・コーギー・ペンブロークのページにはしっぽに関する記載はありません。
ペットとしての飼育なら断尾は必要ない場合も!
現代において、ご家庭でペットとして飼う場合はコーギーのしっぽを切る必要性はありません。牧畜犬として働く場合は安全性を考えて断尾することもあるでしょうが、コーギーが家庭内でしっぽを踏まれてケガしたり転んだところを踏みつぶされたりはしないからです。
子犬でも痛覚があるとされているため、道徳的観点からヨーロッパでは断尾を禁止する国もあります。
尻尾を切り落とすデメリットとは?
◆断尾時の痛み・感染のリスク
多くのコーギーは尻尾を切られても記憶にはないようです。しかし、中には痛みの記憶を持っているコーギーもいます。成犬になってからしっぽ付近を触られることを嫌がることがあります。
また、切断されたしっぽがまだあるかのように痛むこともあります。これを幻肢痛(げんしつう)と呼びます。人間では脚や腕を失った方に現れる症状です。コーギーのしっぽにも骨や血管、神経が通っているため断尾で失ったしっぽが痛むことがあるそうです。
さらに、断尾するときに感染症にかかるリスクも当然あります。
◆会陰ヘルニアのリスク
会陰(えいん)ヘルニアは肛門周辺の筋肉が弱ることにより隙間が生まれ、お腹の中の腸や脂肪が出てきてしまう病気です。腸が出てくると便がうまく出せず排便障害になり、膀胱が出てくると排尿障害になります。
会陰ヘルニアの原因は遺伝やホルモン異常、加齢などがあげられます。これに加えて、しっぽの切断がリスクになると指摘されているのです。断尾することによりしっぽを振ることが減り、筋肉が発達しなくなるためと考えられています。
しっぽ付きコーギーが欲しい場合
しっぽつきのコーギーが欲しい場合には、ブリーダーから直接迎えることになります。
現在のペットショップでは基本的に、断尾がされた状態で販売されています。
ブリーダーで相談をするとしっぽを切らずに、引き渡してくれる場合があります。
1度相談してみる良いでしょう。
まとめ
1100年代から続く長い歴史の中でコーギーは牧畜犬として働いてきました。その間、ケガを予防するため生後まもなく断尾する習慣が続きました。しかし、現代においてはケガのリスクが低いため断尾する必要はありません。子犬であっても痛みを感じると言われており、道徳的観点からヨーロッパでは断尾を禁止する国もあります。みなさんも、キツネのようなフサフサした可愛いしっぽを持つコーギーも検討してみてはいかがでしょうか?
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