1.柴犬の性格
1-1.柴犬の性格が猫っぽいと言われる理由
1-2.柴犬が見せる、猫っぽい可愛らしい性格
2.柴犬の飼い方のコツ
2-1.主従関係を明確にする
2-2.社会化を大切に
2-3.たくさん運動させてあげる
【掲載:2020.05.27 更新:2023.03.14】
柴犬の性格
柴犬は縄文時代というはるか昔から日本人と共に暮らしてきた、歴史ある犬種です。
ピンと立った三角の耳と、可愛らしくもキリっとした顔立ち、そしてフワフワとした巻尾が特徴的ですね。
柴犬はかつて猟犬として活躍しており、忠誠心が高く勇敢で恐れ知らずな性格をしています。
そんな柴犬の性格の最大の特徴といえば、自立心が強く頑固な一面があるというところでしょう。
忠誠心が高いことから、飼い主と認めた人にはよく甘え、愛嬌を見せてくれます。しかし、ベタベタとされることは基本的に好みません。
このような自由気ままな性格が「ツンデレ」と表現され、ツンデレの代表ともいえる猫に例えられて「柴犬の性格は猫っぽい」と言われています。
◆柴犬の性格が猫っぽいと言われる理由
柴犬のルーツは古く、縄文時代の遺跡から見つかった縄文犬がご先祖様と言われています。
柴犬をはじめとする日本犬のルーツというのは諸説ありますが、一説では日本犬の多くは縄文犬同士だけでなく、ニホンオオカミと交配することもあったそうです。
また、その中でも柴犬は最後までニホンオオカミとの交配があった犬種と言われています。
なぜ交配のことについて触れるのかというと、オオカミの群れを成す習性に柴犬の性格が関係していると考えられるからです。
日本には昔、タイリクオオカミの亜種と言われている、ニホンオオカミとエゾオオカミが生息していましたが、ニホンオオカミはエゾオオカミと違って群れを作る習性がありませんでした。
前述の通り、柴犬はニホンオオカミとの交配が続いていた為、ニホンオオカミの習性を他の犬たちと比べてより濃く引き継いでいるとされています。
このことから、柴犬は周りと群れを成すような社交的である性格というよりは、猫のように警戒心や自立心が強く、独立心がある性格になっていったと考えられています。
◆柴犬が見せる、猫っぽい可愛らしい性格
猫といえば、気分屋で自由奔放で人にあまり興味がないような時と、構ってほしい!遊んでほしいと飼い主にデレデレな時がある、この2面性が特徴的ですね。
これまで柴犬の根本的な部分である、クールな性格をしている理由を紹介しましたが、柴犬の性格が猫っぽいと言われているのはしっかりと甘える一面も持ち合わせているからです。
柴犬は猟犬として活躍する中で忠誠心の強さが際立ち、飼い主としっかりと関係を築く中で、甘えたり気が緩んだ姿を見せたり可愛らしい一面見せてくれるようになりました。
とはいうものの、ずっとそばにいて撫でられていたい!愛を注ぎ続けてほしい!という洋犬のような性格は持ち合わせていませんので、どちらかというと、窓際で風や日光を気持ちよさそうに感じながら、自分の時間や飼い主との空間を楽しむことを好みます。
しかし、ずっと1匹でいることを好むわけではないので、構ってほしい時には飼い主に身体をスリスリこすりつけたり、膝の間に顔を出したりと、アピールします。
この普段は放っておいてほしいのに構ってほしい時が可愛すぎるというメリハリ・ツンデレがまさに猫らしく、見た目が凛々しい柴犬がするからこそ心をガッチリ掴まれる人多いのです。
窓際にちょこんと座っているだけで猫らしいですが、そこでまた、寝そべって顔をこすっている柴犬はさらに猫っぽく見えます!
飼い主がカメラを持って近づいても、ちらりと視線を向けるだけで知らんぷり。犬らしく飼い主に飛びつくわけではなく、マイペースな態度をとるところも猫そっくりです。
さらには、顔をこすっていた前足をペロペロと舐めだして、もう本当に中身が柴犬なんだか猫なんだかわからくなりそうですね。
他にも、柴犬に向かって名前を呼んでも来ず、その場でひっくりかえってお腹を見せてウネウネする姿を見せたりします。いつもは他の人の前ではツーンとなんの感情も抱かないクールな性格に見せかけて、飼い主だけにこの姿を見せたります。
でも実はこれ、飼い主に向かって「遊びたいなら飼い主が来てよ!」という柴犬の気持ちが表れているのです。普通なら飼い主が遊びに誘うと、犬の方から喜んで応じるところなのですが、柴犬は気分があがらないと「しょうがないなあ」といった様子を見せたりします。
柴犬の飼い方のコツ
柴犬の性格や魅力が伝わったところで、実際に柴犬と暮らすとなるとどのように飼育していけばよいのでしょうか。
柴犬は基本的には普段から生活を共にしている家族に対してとても誠実です。
リーダーと認め、一度心を許した相手には寛容ですが、警戒心が強い分、知らない人に会ったり環境が変わったりすることに対し、神経質な部分があります。
しかし、全ての柴犬が飼い主以外に懐きにくいわけではありません。
これまで紹介してきた「性格」というのは、柴犬のあくまで基本的な気質のお話です。
「人見知り・犬見知りをする」「誰にでもフレンドリーである」など、子犬の時のしつけや育てる環境によって、その子自体の性格は変わっていきます。
柴犬の子犬と暮らし始める上では以下の三点が大切です。
- 早い段階で適切なしつけを行い、主従関係を築く
- いろいろな人・物・音に慣らし、社会性を身に着けさせる(社会化)
- たくさん運動させてあげる
◆主従関係を明確にする
柴犬は元々忠誠心が高い犬種です。早い段階で柴犬よりも、飼い主の方が立場が上であるということを明確にしておかないと、飼い主のいうこと聞かなかくなってしまい、制御が出来なくなってしまいます。
これでは、飼い主さんはもちろんのこと、他の人や他の犬とのトラブルが起きる危険性が高くなってしまいますので、しっかりと子犬のうちに適切なしつけを行い、トレーニングを通して主従関係をはっきりとさせておきましょう。
◆社会化を大切に
社会化といのは「犬が社会に順応する力を養うこと」を指します。
犬は生後3週間~14週間の間に体験したことには順応しやすい傾向があり、この時期のことを「社会化期」といいます。
社会化期の初期には、親犬や兄弟犬と一緒に過ごすことで、自然と犬同士のコミュニケーションの基本を学びます。
ペットとして新しい家族に迎えられた犬たちは、そこから人間社会に馴染めるよう、人・物・音など様々なものを体験し、学んでいきます。
柴犬は元々神経質な部分がありますので、この社会化のトレーニングは非常に重要です。
ですので、柴犬を迎えた際には飼い主との関係を築く為のトレーニングに加え、他の犬や社会との関係を築く為のトレーニングが必要になります。
これらのトレーニングをしないでただおうちで過ごしているだけになってしまうと、見知らぬものに対して吠えたり、コミュニケーションがうまく取れない犬に育ってしまい、最終的に「柴犬は飼いにくい」と言われていしまう原因となります。
無理は禁物ですが、愛犬のペースに合わせながら、外の世界や犬や人間との関わり方を知ってもらいましょう。
生まれてから親犬や兄弟犬に学ぶと言っても、犬との関わりの全てを学べるわけではありません。
おうちに迎えた後にも他のワンちゃんと触れ合えると、遊べる機会も増えますし、よりコミュニケーション力に長けた柴犬へと育ちますので、是非柴犬の社会化には力をいれてあげてください。
◆たくさん運動させてあげる
猟犬であった柴犬は、高い運動能力を持っています。小型犬の分類に入る柴犬ですが、その体にはたくさんのパワーが秘められています。
散歩は毎日2回、最低でも30分は行くようにしましょう。
また、ただ歩くだけでなく、走ってみたりボールで遊んでみたり、単一的な運動にならないよう気を付けてあげましょう。
おうちでもフードの入るおもちゃで遊ばせたりロープで引っ張り合いっこをしたりと、運動はもちろんのこと、長く噛んで楽しめるおもちゃなどでストレスを発散させてあげることが大切です。
家具を噛んだり物を破壊したり、過剰に吠えるなど問題行動が見られる場合には、ストレスが溜まっていることが大半ですので、こういった行動が見られる前にその状況を改善してあげましょう。
柴犬と猫は一緒に暮らせるのか
柴犬の猫っぽい性格や行動をご紹介しましたが、柴犬と猫は一緒に暮らすことは出来るのでしょうか。
結論から言いますと、柴犬と猫を一緒に飼うことは出来ます。
しかし、柴犬と猫どちらも、それぞれの居場所や安心できる逃げ場があることが大前提です。
また、飼うタイミングとしてはどちらも子犬・子猫の時から一緒に育てるのがベストです。
社会化期が終わっている時の、他の動物に馴れていない柴犬と猫であれば、一緒の空間にいきなり同居させるのは絶対にNGです。
これまで紹介した通り、柴犬も猫も基本的な性格は似ていて、とても神経質な動物です。
お互いのストレスになってしまう他、喧嘩やパニックなどの事故に繋がる可能性がありますのでやめておきましょう。
そこからでも、柴犬・猫の性格によっては、時間をかければ一緒の空間で過ごすことも出来るかもしれません。ですがそれも、飼い主さんがペット同士傷つけあわないように十分気を使いながら、辛抱強く仲良くなる時を待つという必要があります。
また、もし仲良くなれなかったとしても、一定の距離を置いて接することができれば、それはそれで良しとするしかないのです。
◆実際に柴犬と猫を飼っている人の話
一部では実際に、柴犬と猫を両方同じ空間で上手く飼っている方がいらっしゃいます。それでは、柴犬と猫が一緒に暮らせるようになったまでの過程と、仲つつましい様子をご紹介しましょう。
これは、飼い主の努力によってとても仲良くなった柴犬・猫ペアのお話です。
猫の方が先に家で飼われており、あとから柴犬の子犬が迎え入れられました。子犬と言っても柴犬はもともと猟犬ですから、犬の中でも身体能力が高く力も強いです。そのため、力加減をすることなく猫にぶつかったり噛みついたりする遊びをすると猫に怪我をさせてしまいます。
このペアも同様に、力加減なしに興奮したままの勢いで猫と遊ぼうとした場面が幾度とみられたようです。そのたびに飼い主が柴犬に対して、猫を傷つけない程度の力加減を教えたそうです。そして、最悪のケースは避けられたのです。これも、柴犬が3~4か月のしつけをしやすいうちから、飼い主が柴犬とコミュニケーションを取って信頼関係を築き、しつけで主従関係をつくったうえで、柴犬に猫との付き合い方を教えたおかげです。
飼い主の柴犬と猫への愛情をうかがい知ることができます。そこからは、柴犬は猫に適した力加減を覚え、お互い仲良く過ごすようになったと言います。
柴犬と猫は一緒に過ごすうちに少しずつ相手と同じ行動を取り入れていったというのですから可愛らしいですね。
例えば、猫が普段から高いところにいるので、柴犬は高い場所でも怖がらず、あたかも自分もそうするのが当たり前といった様子でキャットタワーに上ったり高い塀に飛び乗ったりするそうです。
逆に普通は柴犬側しかしつけられない「オテ」や「オカワリ」も、いつの間にか練習に参加していて、猫なのに「オテ」も「オカワリ」もできるようになったというのです。どちらも可愛すぎますね!
また、犬だけではなく猫もリードをつないで散歩をしたり、洋服を着せても嫌がらなかったりと、まるで猫の方が犬っぽい行動を見せたりもしています。飼い主がこぐ自転車のカゴの中に、柴犬と猫が一緒に入っている姿はなんともほほえましいです。
他の飼い主が投稿している写真や動画でも、猫が柴犬に寄り添って寝ていたり、柴犬が猫をなめて怒られたりと夫婦漫才を見ているようでかなり癒されると評判です。
もともと犬より猫らしい性格を持つ柴犬が、より猫らしい一面を見せている様子はいかがだったでしょうか?
まとめ
柴犬の従来の性格は、一代一主と言われており飼い主には忠実ですが、他の犬や人間には無関心な傾向があります。
ですから、好奇心旺盛な子犬の頃は近所の他の犬たちと遊んでいたのに、成犬になってからは挨拶はしても遊ぶことはない、ということも多々見られます。
ただ、普段は構ってくれない柴犬も、猫のように気ままではありますが、飼い主にかまってほしい時に身体をスリスリとこすりつけてきたり可愛らしい態度を見せることもあります。
甘やかしすぎないようにしつつも、可愛らしい柴犬を堪能しつつ、良好な関係を築いていて楽しく過ごしてくださいね。
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