犬の介護に疲れ、辛い人へ。少しでも介護が楽になる改善策

2020.06.11

犬の介護に疲れ、辛い人へ。少しでも介護が楽になる改善策

老犬になると老衰や病気で体が不自由になることが多く、それを見ているだけでも飼い主さんは精神的に追い込まれてしまいます。そこに介護の肉体的負荷がかかるとさらに一人で悩んでしまう方も多くいます。今回は、老犬介護が辛い理由や知っておいてほしいことを中心にご紹介致します。

老犬介護が辛い理由はなんですか?

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老犬介護で精神的に辛くなってしまう飼い主さんは非常に多く、逆に辛いことが1つもないような愛犬介護はないのではないでしょうか。
ここでは、老犬介護が辛くなってしまう理由や考え方1つで変わる気持ち、または対処法についてご紹介致します。

◆完璧な介護を目指していませんか

家族の一員である可愛い愛犬のため・・。そんな風に考えて、完璧な介護を目指してしまっていませんか。
もちろん愛犬のために完璧な介護をしてあげたいという気持ちは大切なことであり、愛するからこそそんな気持ちが生まれます。
しかし、完璧な老犬介護などないことを知っておくことも大切です。
結果論からお話してしまうと、人の介護同様に完璧を目指して頑張りすぎてしまう飼い主さんほど老犬介護が辛くなってしまい、精神的に耐えられなくなってしまう傾向にあります。
その犬の状況によって介護法は様々で、老犬介護に慣れている人でさえ「その犬」の介護に関しては手探りで行います。
完璧な介護などないということを知っておくことも大切です。

◆一人で頑張っていませんか

家族構成など様々な要因が関わってくるので一概には言い切れませんが、一人で老犬介護を頑張りすぎてしまうと辛くなってしまいます。
愛犬のことが大好きな飼い主さんは、ただでさえ愛犬の老衰や病気によって精神的に辛い状況です。
そこに介護による体の負荷などが加わり、肉体的疲労によってさらに精神的にも追い込まれる傾向にありますが、自分にかかっている負荷に気がつけないほど頑張ってしまう方もいます。
介護に費やすことができる労力や時間に差があるものの、やはり短時間の分担であっても家族みんなで介護できる状態だと、肉体的にも精神的にも楽です。
他に家族がいない場合は、老犬介護に慣れているペットシッターや老犬介護士に短時間でもお願いすると、肉体的負担が減るのでおすすめです。
愛犬を人に任せるということは、飼い主としてどうなのか?と考える方もいますが、他人に頼るということは実は愛犬のためにも良いことです。
老犬介護で辛い・悲しい・苛立つなどネガティブな感情で愛犬に接してしまうと、どこかで必ず犬に伝わってしまい犬も辛い状態に追い込まれます。
そのため、可愛い愛犬だからこそ、飼い主さん自身が良いコンディションで介護できることが何より大切です。

◆いつまで介護が続くのか心配していませんか

犬の状況によって大きく異なりますが、犬に関わらず人であっても基本的に介護は辛いことが多いものです。
元気な頃の犬と比較すると、排泄や歩行・食事を中心にお世話が増えるため、いつまでこんな生活が続くのだろう・・と心配になってしまう飼い主さんも多くいます。
しかし、人と比較すると犬は寿命自体が短いことから必然的に介護時間も短くなる傾向にあり、永遠に続くような過酷な日々は案外すぐに過ぎ去ってしまうことが多くあります。
極力自分の介護負担が減るよう、家族や有料サービスを利用、介護が簡単になるようなグッズを利用するなどして、軽減できる負担は軽減させましょう。
愛犬が亡くなった後に後悔しないよう、元気な頃の愛犬の笑顔を思い浮かべてその日その日を飼い主さん自身が幸せに過ごせるよう気持ちをもっていけると良いですね。

◆金銭的な負担がありませんか

老犬になると医療費や介護グッズ費用が想像以上にかかります。
医療費についてはどうしようもできませんが、例えば介護用品は人間用のオムツにしっぽの穴をあけたりして代用したり、おしりふきを使い捨てから繰り返し洗って使えるものに変更、ネットで中古品を探すなどの工夫が必要です。
それでも金銭的にどうにもならないような場合は、多目的ローンを利用するなど一時的に負担を軽減することを考えることも必要です。
最近では、犬の病気や健康維持に活用できるペットローンや医療費支払を目的としているペットローンなども数多くあるので、調べてみるのも良いでしょう。
犬の介護用品は本当に高額な商品が多く、特に中型犬や大型犬となると歩行サポート用品でも数万円~それ以上することもありますが、愛犬介護は永遠に続くものではありませんので、一時的な精神的負担を軽減するために金銭的な負担を減らすことも時には大切です。

◆ご近所トラブルになっていませんか

認知症を中心に夜泣きなどでご近所トラブルになってしまい、精神的に辛い思いをしている飼い主さんも非常に多くいます。
そんなときは、愛犬のいる部屋の窓に防音シートを貼るなどして対策を行うことができますが、最悪の場合は防音ゲージを利用するのも対策の1つです。
また、睡眠導入効果がある薬を飲ませるのも効果的ですが、実は薬によっては逆効果となるケースや老犬の身体に悪影響を及ぼすもの・全く効果が表れない場合もあります。
睡眠導入剤に関しては、しっかりと獣医師に相談して納得した上で使用する必要があります。まずは昼間日光浴を行わせたり適度な刺激を与える(外に連れて行ってあげる)・犬用のサプリメントやアロマオイルなどを活用してみることをおすすめします。


同じく老犬介護をしている人の様子を見てみませんか

◆SNSで「#老犬介護」を調べてみよう

老犬介護に関しては一人で悩んでしまい辛い、という話をよく耳にします。
私も老犬介護時はSNSの犬友達に支えられていましたが、同じ経験をしている方々について知ること・同じ経験をしている方々の投稿を見ることは、精神的・肉体的負担を軽減するために有効に働く場合があります。
普段身近な人だからこそ辛いことを話せない・同じ経験をしている人だからこそ話せることがあるのはもちろん、他人の老犬介護経験を聞くことで役立つ情報があるかもしれません。
一人で悩まずに、一度SNSで同じような経験をしている人の記事を読んでみるのも良いのではないでしょうか。

⇒Twitterで「#老犬介護」を見てみる


老犬介護を楽にするグッズを使ってみませんか

犬は家族の一員として大切にされるようになり、最近では犬や飼い主さんに嬉しい介護グッズも増えました。
非常に便利な介護グッズも多く、歩行サポートや排泄サポート、床ずれ予防用品なども数多くあります。
体の不自由な愛犬が快適に過ごせるようにするのはもちろんですが、飼い主さんの肉体的負担軽減についても考えて検討すると良いですね。

●歩行サポートグッズ
歩行サポートグッズ一覧
購入

●ドッグカート
ドッグカート一覧
購入

●床ずれ防止グッズ
床ずれ防止グッズ一覧
購入


犬の介護はプロの手を借りるのも大切です。

◆往診のある動物病院

老犬の病気に関してはやはり獣医師に実際に診てもらうのが一番です。
かかりつけの動物病院で往診を行っていない場合は、愛犬の体について親身に相談にのってくれる往診対応可能な獣医師を探すのも良いでしょう。

◆ペットシッター

ペットシッターに一時的にお願いして、肉体的負担を軽減するのも良いでしょう。
最近では老犬介護士資格保有のペットシッターも多くいるので、調べてみてください。

◆老犬ホーム

どうしても辛い状況が続いて自分では面倒がみられない状態になってしまったら、老犬ホームにお願いするのも対策の1つです。
ただし、老犬ホームごとに面会規定など様々ですので、いつでも面会できるような自身の条件に合った場所を見極め、お世話するスタッフと愛犬の相性についても考慮する必要があります。


犬の介護が辛い時に関するまとめ

犬の介護が辛いという話は頻繁に耳にしますが、老犬介護で大切なことは飼い主さん自身が精神的に良いコンディションで愛犬のお世話をすることです。
頑張りすぎてしまったり、完璧にしようとしてしまう気持ちはとてもよく理解できますが、愛する愛犬は、きっと何より飼い主さんが笑顔で自分に接してくれることに幸せを感じるのだと思います。
認知症などで飼い主さんを認識できなくなってしまう犬もいますが、一番辛い状況におかれているのは愛犬です。
自分だったらどうされたいのか問いただしながら、介護される立場になって考えてみると良いですね。



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動物看護士(日本能力開発推進協会/日本キャリア教育技能検定協会)、老犬介護士(日本キャリア教育技能検定協会)、犬の管理栄養士(全日本動物専門教育協会)、ドッグトレーニングアドバイザー(日本ペット技能検定協会)等、動物関連資格を多数保有。大型犬2頭、中型犬1頭、小型犬(保護犬)1頭、猫3頭と暮らしながら、役立つペット関連情報を提供しております。


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