犬がクッションを噛むのは何故?理由と対策

2020.08.19

犬がクッションを噛むのは何故?理由と対策

クッションやその他の噛んで欲しくないものを犬が噛むことに対して、悩む飼い主さんが多くいます。犬がクッションを噛む理由は犬によって様々で、その原因を追究して対策を考えなければいけません。今回は、犬がクッションを噛む理由別の対処法についてご紹介致します。

【目次】
1.犬がクッションを噛んだ時の危険
 1-1.誤飲の危険性
 1-2.問題行動のエスカレート
 1-3.家具の破壊行為

2.犬がクッションを噛む理由と対策①ストレスで噛む場合
 2-1.理由
 2-2.対策

3.犬がクッションを噛む理由と対策②遊びで噛む場合
 3-1.理由
 3-2.対策

4.犬がクッションを噛む理由と対策③留守番中に噛む場合
 4-1.理由
 4-2.対策

5.犬がクッションを噛む理由と対策④構ってほしくて噛む場合
 5-1.理由
 5-2.対策

6.犬がクッションを噛む理由と対策➄上下関係が逆になっていて噛む場合
 6-1.理由
 6-2.対策

7.犬がクッションを噛む理由と対策⑥本能的に噛む場合
 7-1.理由
 7-2.対策

8.まとめ

9.犬の噛み癖に関する記事

犬がクッションを噛んだ時の危険

クッション

◆誤飲の危険性

クッションを犬が噛んでしまった時に一番怖いのが異物の誤飲です。
クッション内部には綿がたくさん詰まっていますが、綿のような柔らかなものであっても犬の体のサイズや飲み込んだ量によっては犬の体に危険を及ぼすことがあります。
また、金属や石などのようにレントゲンで確認できる異物もあれば、プラスチックやゴムのようにレントゲンでは確認が難しいものも数多くあり、体に異物が蓄積することもあります。
クッションだけでなく、噛むことを中心とした破壊行為は誤飲の危険性を高めるので早めに対処しなければいけません。

◆問題行動のエスカレート

クッションを噛む程度で犬が誤飲しなければそれほどの問題になりませんが、問題行動を放置してしまうとエスカレートして人や他犬に噛みつくようになってしまう危険性もあるので、早めに対策を練りましょう。
犬が持つ本能や習性の関係上、犬に一切噛むなというのは現実的な対策法ではないので、「噛んでよいもの・噛んではいけないもの」の識別を飼い主さん自身がしっかりとして、犬に教えてあげなければいけません。

◆家具の破壊行為

クッションを噛む犬の場合、大抵は別の家具も破壊します。
噛んだ時の家具の破片やリモコン内部の電池、電気コードなど、室内には犬にとっての危険がたくさん隠れています。
先述でご説明させていただきましたが、噛んで良いもの・悪いものの識別をできるよう犬のしつけを徹底しないと、最悪の場合は犬の命にかかわる事故に繋がる恐れがあります。


犬がクッションを噛む理由と対策①ストレスで噛む場合

◆理由

犬がクッションを噛む場合は、まず第一に犬にストレスがかかっていないか確認する必要があります。
以下が犬にとってストレスになりやすい要因です。

  • 運動量が適切でない(少なすぎる/多すぎる)
  • 犬と飼い主の関係性が適切でない
  • 犬と飼い主のコミュニケーションが十分でない
  • 環境の変化(引っ越しや飼い主の変化、同居犬が増えたり減ったりした、ケージの頻繁な移動など)
  • 叱るしつけを中心に行っている
  • 暑い(寒い)などの身体的負担、または病気による肉体的負担
  • 睡眠不足

◆対策

今一度犬のストレス要因に関して見直して、クッションを噛む根本的な原因(ストレス)を犬の生活から排除してあげるよう工夫しましょう。
どうしても改善できないようなストレス要因(例えば飼い主が変わる/ 引っ越ししたなど)であっても、飼い主さんがしっかりと愛情を注いでコミュニケーションの時間を確保。
適切な運動管理と食事管理、十分な睡眠時間の管理ができれば、時間の経過とともに犬のストレスは改善されます。
根気よく対策を練りましょう。
また、肉体的負担(痛み・痒み・不快感など)が原因で精神的にストレスが大きくなることがありますので、その場合は必ず獣医師に相談。
心身ともに健康を維持するために、適切な検査と治療が必要です。


犬がクッションを噛む理由と対策②遊びで噛む場合

◆理由

単純に遊びの一環としてクッションを噛んでしまう犬もいます。
多くの場合は、はじめてクッションを噛んだ時に飼い主が過度に構ってあげてしまったことが原因だったり、クッションを噛んで中綿がたくさんでてきた記憶から「噛むと楽しいことが起こる」という経験が記憶されてしまっています。
ドイツ式の犬のしつけでは、はじめから問題行動を経験させないようなしつけ方法をとることが多くありますが、これは誤った行為を学習させない予防としてのしつけのためです。
噛む行為を一度許してしまうとエスカレートしてしまうので、出来るだけ早めの対策が必要。
本来は、クッション(噛んではいけないもの)の代わりに玩具(噛んでよいもの)を与え、クッションの中綿がでない軽度の段階で対策を行わなければいけません。

◆対策

楽しくてクッションを噛んでしまう犬の場合は、根本的解決法として犬に破壊行為をさせない未然の予防(そもそもクッションを置かない)ことが手っ取り早い対処法となります。
既にクッションで遊ぶことが習慣化している犬の場合はなかなかしつけをし直すのが難しいものの、代わりに噛んでも良い犬用玩具を与えるのも効果的。
噛んでよいものと噛んではいけないものの判別ができるようしつけることが大切です。
また、しつけに関しては飼い主自身が良し悪しの判別基準をしっかりと明確にしておく必要があります。
判別基準がしっかりとしていないと、犬は昨日はクッション噛んでよかったのに、今日は何でだめなんだろう?と理解しにくい状況になります。

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犬がクッションを噛む理由と対策③留守番中に噛む場合

◆理由

分離不安によって留守中にクッションを噛む犬もいます。
分離不安の犬は、飼い主と一緒にいないことが原因で極度の不安やストレスを感じます。
多くの場合、これが問題行動に発展するのが特徴ですが、この場合は病気による不調が原因であったり、育った環境や現在の飼育環境、過去のトラウマや加齢など様々なことが原因として考えられるため、まずはその根本的な原因を探る必要があります。

◆対策

分離不安によってクッションを噛む場合は、そもそも分離不安になった原因について考えなければいけません。
犬の状況によっては獣医師や専門家(トレーナーやカウンセラーなど)に相談しないと解決しない場合も多いので、クッションを噛む問題行為の原因を追究する前に分離不安の原因を探り、専門家に原因に応じた対処法を相談することをおすすめします。
病気や老化による肉体的な痛みや不快感によって極度に不安を感じる犬もいるので、その場合は必ず獣医師に相談しましょう。
また、肉体的なことが原因でなく精神的なことが分離不安の原因になっている場合、極度の分離不安症状を示すときは動物病院での薬物療法が必要になるケースもあります。
行動療法(心理療法)に関しては、素人判断で行ってしまうと逆に分離不安を進行(悪化)させてしまう危険性があるので、十分注意しましょう。

📌【おすすめ記事】犬の分離不安症はどうして起こる?原因や対処方法


犬がクッションを噛む理由と対策④構ってほしくて噛む場合

◆理由

飼い主に構ってほしくてクッションを噛む犬の場合、これまでに飼い主さんが犬がクッションを噛むたびに犬に近づいたりした経験があるケースがほとんどです。
犬が噛むから叱るために近づく、声をかける、など「犬がクッションを噛む=飼い主に注目してもらえる」といった認識が犬にインプットされていることが多々あります。

◆対策

犬がクッションを噛んでいるとき、無視しながらも(目を合わせず声をかけない)様子を見ましょう。
犬がクッションに興味を示さなかったタイミング(噛むことをやめたタイミング)で十分褒めてあげることが大切ですが、このしつけ法は継続して行わないと効果がありませんので、長期スパンで考えて根気よく行いましょう。
普段犬との十分な(適切な)コミュニケーションがとれていれば、噛むといった問題行動は起こりにくいので、「犬がクッションを噛んで叱られてまで飼い主に注目してもらいたい」という状況自体を見直す必要があります。


犬がクッションを噛む理由と対策➄上下関係が逆になっていて噛む場合

◆理由

上下関係が完全に逆になっていることが原因で、好き勝手にクッションなどを噛む犬もいます。
この場合、犬は自分を家族である群れのリーダー的存在だと自覚しているため、大抵の場合はクッションの破壊行為以外にも散歩中に引っ張る、気に入らないことがあると唸るなど、何かしらの別の問題行動が起こります。

◆対策

クッションを噛む以外に他の問題行動が目立つ場合は、まずは上下関係の構築からはじめましょう。
上下関係を構築するためには決して厳しいしつけを行うのではなく、愛情をもって気長に犬とのよりよい関係性を構築する必要があります。
飼い主がリーダー的存在になるためには、ダメなことはダメ。犬の良い行いは大袈裟なほど褒めるなど、メリハリをつけてしつけを行うことが大切です。
その他、クッションを噛む行為を防止する前に、基本の5つのしつけ(お座り・伏せ・待て・来い・つけ)をマスターさせて上下関係の構築を図ることも大切です。

📌【おすすめ記事】愛犬がリーダーになってはダメ!主従関係のチェック方法や飼い主がリーダーになるトレーニング

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犬がクッションを噛む理由と対策⑥本能的に噛む場合

◆理由

犬は狩りをして獲物を捕獲してきた歴史があるので、本能的にクッションを噛むこともあります。
また、子犬の場合は歯が痒い(ムズムズする)ことが理由で噛む理由が致し方がないこともあります。

◆対策

本能的、または子犬が歯の生え変わりの時期にクッションを噛む場合は、噛んではいけないクッションの代わりに噛んでも良い(安全な)犬用玩具を与えましょう。
噛んでよいもの・噛んではいけないものの判別ができるようしつけることが大切です。


まとめ

今回は、犬がクッションを噛む理由や対策についてご紹介致しましたが、ご紹介させていただいた通り、犬がクッションを噛む理由は様々で、それによって対処法が異なります。
日々愛犬の様子をしっかりと観察して、根本的な原因が何なのかを見極めるようにしましょう。


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動物看護士(日本能力開発推進協会/日本キャリア教育技能検定協会)、老犬介護士(日本キャリア教育技能検定協会)、犬の管理栄養士(全日本動物専門教育協会)、ドッグトレーニングアドバイザー(日本ペット技能検定協会)等、動物関連資格を多数保有。大型犬2頭、中型犬1頭、小型犬(保護犬)1頭、猫3頭と暮らしながら、役立つペット関連情報を提供しております。


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