極小のビーグル「ポケットビーグル」を知っていますか?

2020.09.27

極小のビーグル「ポケットビーグル」を知っていますか?

今回紹介するのは、ペットとして大人気のビーグルの中で、さらに希少価値が高い「ポケットビーグル」です。 別名「ミニビーグル」「オールドイングリッシュポケットビーグル」「ミニチュアビーグル」「トイビーグル」「ティ―カップビーグル」とも呼ばれています。 どの名前から見ても「小さい」ということは明白だと思いますが、そもそもあまり聞きなれない名前ではないでしょうか。 それもそのはず、残念ながらポケットビーグルは過去に絶滅をしてしまったビーグルの種類なのです。 近年、オリジナルに近い品種が誕生しましたが、今回はそんなポケットビーグルついてまとめていきます。

ポケットビーグルとはどんな犬?

普段皆さんもよく見ることがある現存する常のビーグルは「体高33-38センチ、体重8-14キロ」で中型犬に分類されます。
それに対し「ポケットビーグル」は「体高18-30センチ、体重3-7キロ」と物凄く小さく、現在であればミニチュアダックスフンドやミニチュアプードルなどと同じ小型犬に分類されます。ちょっと想像しただけでも頭の中の「カワイイな」が止まりませんね。

ポケットビーグルは、15~16世紀ごろギリシャの小型のハウンド犬とイギリスのハウンド犬とを交配し、誕生としたといわれています。

イギリスで誕生したハウンド系(狩猟犬)の中では最も小さい犬種で、イギリスのハウンドの血を引いていることから、ブラッド・ハウンド、ハリアの影響が強く外貌に現れているのが大きな特徴です。

当時、イギリスでは娯楽としてウサギ狩りが盛んにおこなわれていましたが、ポケットビーグルの優れた嗅覚やすばやい動作、特徴的な鳴き声が狩りに適していたので、大切に飼われていました。

捕まえたウサギはレッドカラント(アカスグリ)ゼリーとよく一緒に食事にされたことから、
ジェリードックとも呼ばれていたそうです。

今では中型犬であるビーグルしかいないですが、15~16世紀ではほとんどのビーグルのサイズが小さく、当時のビーグルは今でいうポケットビーグルでした。


イギリス王家に愛された「ポケットビーグル」

ポケットビーグルは、イギリス王家からも愛されている犬でした。
あの有名なエリザベス女王(1世)も飼っていたといわれており「歌うビーグルたち」と呼んでいたそうです。またジェームス1世は、彼の妻に宛てて「親愛なる小さなビーグルたちへ」という書き出しの手紙を送っていたともいわれています。

ポケットビーグルは元々ウサギ狩りに特化した狩猟犬でしたが、狩りのスタイルも他の狩猟犬と異なっておりました。集団(パック)でフィールドに展開し、お互いに鳴き合うことで獲物を知らせ追い詰めていくというものでした。このことから、ポケットビーグルのことを「シンキング・ビーグル」や「フィールドの音楽家」と呼んでいたそうです。
しかし、一度16世紀に絶滅してしまったのです。


なぜ「ポケットビーグル」は絶滅してしまったの!?

狩猟犬として活躍していたポケットビーグルですが、イギリス貴族の趣味であった狩猟のニーズの変化によって「絶滅」してしまったのです。

15~16世紀のイギリス王家や貴族は馬の鞍に装着した袋に入れて狩場へ運び、大型猟犬では手に負えない小さな獲物を対象に狩猟を楽しんでいました。

しかし、貴族たちが歩きながらウサギ狩りを楽しむ流行から、馬を使った大規模なキツネ狩りが流行してしまったのです。
そのため、フォックスハウンドなどの大柄でスピードのある猟犬が好まれるようになり、その結果、狩猟犬としてのニーズがなくなり、ポケットビーグルは絶滅してしまいました。

今であれば室内飼いすることも多く小型犬が人気傾向にあるので、生まれた時代さえ違えば人気犬種になったかもしれませんね。


現在のビーグル起源

ビーグルという名前の由来には諸説ありますが、フランス古語の「大きく口を開けた」という意味の「begueule」が訛ったという説や、大声で鳴くという意味の「beugler」、小さいという意味の「beag」などの言葉から名づけられたという説があります。

17世紀ごろのアメリカでもビーグルと呼ばれる名前の犬がいましたが、こちらはパセットハウンドのような見ためをしており、イギリスのビーグルとは違うビーグルだったようです。その後、アメリカでもビーグルが輸入されるようになると、輸入されたビーグルがたちまち人気をあつめました。

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ポケットビーグル・ビーグルの外見

ビーグルは、スヌーピーのモデルとなった犬です。
スヌーピーは4足歩行から2足歩行になりましたが、チャーリー・ブラウンなどの人間と比較からすると、体高33-40センチの実際のビーグルくらいだと思います。

ビーグルはハウンド犬としては小柄ながら、頑丈なカラダつきをしています。根元からピンと立って、ややカーブしている尻尾も特徴のひとつで、尻尾の先だけ、毛が白くなります。

長い垂れ耳と、大きな目が、ビーグルらしさの大きな特徴です。目の色はブラウンかヘーゼルです。口吻の先は角ばり、鼻孔が大きく、鼻筋は真っすぐです。
被毛は、ホワイト、ブラック、ブラウンからなるトライカラーが一般的です。トライカラーもその色合いにより「クラシック」(背中にブラックが入る)、「ダーク」(茶色と黒のマーキング)、「フェイデド」(薄めの黒と茶色のミックス)などに分類されます。


ポケットビーグル・ビーグルの人気な毛色

No.1 ハウンドカラー(トライカラー)

ハウンドカラーは、ビーグルやバセットハウンドなどの猟犬特有の3色カラーを差します。別名トライカラーとも呼ばれる、白・茶・黒の被毛を持つパターンです。
ビーグルのなかでも一番ポピュラーな毛色で、日本でも頻繁に見かける被毛カラーであると言えます。
色味は白地をベースとし、その上に茶や黒のはっきりとした模様(ぶち)が現れています。模様の出方は個体差がありますが、成犬のビーグルの場合、頭部や耳は茶、背中から尻尾にかけて黒が乗るパターンが多いようです。


ポケットビーグル・ビーグルの性格

やんちゃで好奇心旺盛な面があり、大の遊び好きです。子犬でもパワフルに動き回り、成犬になれば高さ1mくらいなら簡単に飛び越えるジャンプ力を持っています。イタズラ防止とともに、ビーグルの事故防止のためにも、室内の整理整頓は徹底しましょう。

また、興奮しやすく夢中になりやすい性質もあります。特に、ビーグルはにおいで獲物を探すセントハウンドのため、散歩中に気になるにおいを見つけると、そこから動かなくなってしまうこと多いです。子犬のころから「マテ」や「オスワリ」など、制止させる合図を覚えさせてください。

さみしがり屋なので、長時間の留守番などはストレスをためてしまいがちです。旅行などで家を空ける際は、シッターと綿密に打ち合わせをして、できるだけビーグルがさみしくないよう配慮してあげることが大切です。


ポケットビーグル・ビーグルと一緒に暮らす中で気を付けたい点

◆エサの食べ過ぎ、誤食

ビーグルは頑丈な身体を持っているため好発する病気はありませんが、犬の中でも群を抜いて“食いしん坊”です。そのため、油断するとあっという間に太ってしまいます。一旦太ってしまうと、運動が億劫になり食べることだけが楽しみとなり、さらに太ってしまう悪循環に陥ります。

また、ビーグルはとくに食いしん坊なので、届くところに食べ物を置かないなど、誤食には充分に注意が大切です。人の食事や、食べ物のニオイがついたビニール、串、トレーなどを誤食すると、中毒を起こしたり消化管内で詰まったりする恐れがあり、大変危険なので気を付けましょう。

◆無駄吠え

吠える事が仕事だったため、無駄吠えに気をつけないといけない犬種でもあります。
かまってほしいという要求や身体的なストレスなど、なんらかの理由があってポケットビーグルは吠えています。まったく吠えないようにしつけることは難しいものの、吠えている理由を理解し対処することで無駄吠えを少なくすることができます。

◆耳のお掃除

垂れ耳は通気性が悪く蒸れて外耳炎になりやすいと言われていますので、コットンや綿棒などでこまめに掃除してあげる事も大切です。
短毛種なのでトリミングは必要ありませんが、ダブルコートの毛がみっしりと生えていて、抜け毛は多いほうです。ブラッシングは毎日しましょう。
3週間に1回程度シャンプーすると、抜け毛がかなり落ち着きます。ビーグルは皮膚炎を起こしやすい犬種だと言われているので、シャンプーは低刺激がおすすめです。

◆運動不足

ビーグルは、小さいがとてもタフでスタミナのある犬種です。運動不足はストレスになるので、毎日朝夕30分程度の散歩を欠かさないようにし、ときにはドッグランなどで思い切り走らせることで、エネルギーを発散させましょう。また、いっしょにゲーム性のある遊びをしたり、おもちゃを隠して宝探しをさせたりすると喜びます。

ビーグルがとても喜ぶ遊び方は、探索欲求を満たすような遊びです。すぐれた嗅覚を使って獲物のニオイを追いかける猟を行ってきたため、気になるニオイを追わずにはいられない習性をもっています。梅雨などの散歩にあまり出かけられない時期は、おやつを部屋の中に隠して探させるなどを、工夫してあげると満足します。

噛むことによる家具の破壊トラブルが多い犬種です。しっかりしつけが済むまでは、留守をするときなどはサークルに入れるなどしてトラブルを予防しましょう。また、噛むと命にかかわる電気のコード類や噛み傷をつけられたくない家具などには噛み防止用の塗布剤を塗っておくことも有効です。さらに、犬が生活する環境にはつねに噛んでよいおもちゃを用意しておきましょう。


ポケットビーグル・ビーグルのかかりやすい病気

ビーグルはスタミナ豊富で、病気にかかりにくく丈夫なのが特徴の犬種です。
かかりやすい病気としては椎間板ヘルニア。さらには、目の病気にかかりやすく「白内障」、「網膜萎縮」などを引き起こしてしまう可能性があります。

ビーグルの平均寿命は12歳~15歳です。
ですが病気にかかりにくい犬種という事もあり、20歳まで生きるというケースも少なくないようです。しっかり健康管理をしてあげれば、長生きしてくれる犬種です。

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復活した「ポケットビーグル」

一度は、絶滅した「ポケットビーグル」が2000年代初頭、再び復活しました。その名も「クイーン・エリザベス・ポケットビーグル」です。

ダックスフント、パグ、ビーグルを交配させて作られた犬で、このポケットビーグルは通常のビーグルと違い狩猟犬ではありません。

そのため、過去に存在したポケットビーグルとは少し違うかもしれませんが、
性格がとても穏やかなで動きもゆったりとしているので、小さい子供でも安全性が高くペットに適した犬となっています。


ポケットビーグルの入手方法

残念ながら現在の日本では入手することは、ほぼ不可能です。
アメリカでは「クイーン・エリザベス・ポケットビーグル」がいますが、まだまだ数が少なく入手は困難と考えられます。

今後、頭数が増えてペットショップなどでも出会えるようになったらうれしいですね。


まとめ

近年にビーグルの新しい犬種「クイーン・エリザベス・ポケットビーグル」が誕生したこともあり、かつてのポケットビーグルの姿がまたそこら中で見られる日が来るかもしれませんね。

もちろん普通のビーグルもカワイイですが、ポケットビーグルが飼育できる日がくるといいですね。



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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!


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