ポインター犬ってどんな犬?なんで「ポインター」っていうの?

2020.10.17

ポインター犬ってどんな犬?なんで「ポインター」っていうの?

鳥猟犬として活躍するポインター犬は、獲物の位置を知らせる優秀なワンちゃん。 ポインター犬の“ポインター”は、どんな意味なのでしょう? 特徴や性格、飼育方法、価格など、ポインター犬を詳しく説明していきます。

【目次】
1.ポインター犬ってどんな犬?
 1-1.「ポインター」の意味とは?名前の由来は?
 1-2.同じ役割をする「セッター」とは何が違う?

2.イングリッシュポインターの外見的な特徴
 2-1.ほっそり系の大型犬
 2-2.垂れた耳で優しい顔立ち
 2-3.光沢のある短毛

3.イングリッシュポインターの性格は?
 3-1.攻撃性が少ない
 3-2.家族に忠実でコミュニケーション上手
 3-3.子どもとの生活や、多頭飼いもこなす

4.ポインターの飼育方法について
 4-1.たくさんの運動量が必要
 4-2.広くて快適な環境で飼育する
 4-3.留守番時間はなるべく短めにする
 4-4.指示に従わせるように「しつけ」を
 4-5.被毛のお手入れを丁寧に

5.ポインターの価格について

6.まとめ

ポインター犬ってどんな犬?

ポインター犬とは、獲物の位置を知らせるために人間の狩猟に同行する犬の総称です。

イングリッシュポインターをはじめ、ジャーマンポインターやほかの犬種もポインターの分類として位置づけられています。
それぞれ犬種名に“ポインター”が入っていますが、単に「ポインター」と言うときは、イングリッシュポインターのことを指すのが一般的です。

そこで、今回の記事では、「ポインター=イングリッシュポインター」としてみました。イングリッシュポインターをメインに、“ポインター犬”に迫ってみましょう。

◆「ポインター」の意味とは?名前の由来は?

まず、ポインターの意味についてです。
ポインター犬は、長い間、鳥猟犬として活躍していた歴史があります。

ただ、猟犬といっても、自身が獲物を攻撃することはありません。
獲物を見つける力に長けていて、発見すると人間に「いるよ」と知らせてくれます。

犬が人間に“知らせる”手段と言えば、“吠える”というイメージがあるかもしれません。
でも、イングリッシュポインターの教え方は、なんとボディランゲージで指し示すのです。

獲物を発見すると、自分の鼻で獲物の方を指し示すような低めの姿勢を保ちながら立ちます。
そして、片足だけを上にあげて獲物の位置をハンターに教えます。
獲物の場所を教えている姿勢を「ポインティング」と言い、それが由来となってポインター犬と言われるようになりました。

今でこそ、世界各国で家庭犬として飼われているイングリッシュポインター。
でも、鳥猟が行われている国では現役で活躍しているイングリッシュポインターもいます。

◆同じ役割をする「セッター」とは何が違う?

猟犬のなかには、「セッター」もしくは「セター」と言われるワンちゃんがいます。

狩猟のお供として大活躍する点ではポインター犬とほぼ同じですが、獲物の位置の知らせ方が少し違います。

セッターの場合、獲物を見つけると地面に座る姿勢をとります。
獲物に向かって構える姿勢をすれば、後は人間が仕留めるだけです。
睨みをきかせて、獲物が動けないようにできる優秀なセッターもいます。

このように、「構える(セットする)」姿勢で狩猟のサポートをするところから、セッター犬と言われるようになりました。
セッター犬には、イングリッシュ・セッターやアイリッシュ・セッター、ゴードン・セッターなどの犬種がいます。

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イングリッシュポインターの外見的な特徴

次に、イングリッシュポインターの特徴についてです。

◆ほっそり系の大型犬

イングリッシュポインターの立ち姿は、とても綺麗です。
キリっと前を向いた頭、長くてすらっとした足を持ち、無駄な筋肉がなく引き締まった体型など、シルエットの美しさが魅力のワンちゃん。

体高が61~69センチ程度、体重が20~25程度と大型犬の分類です。
体は大きいですが、全体的にほっそりしているので、気品や凛々しさも感じられます。

◆垂れた耳で優しい顔立ち

丸く大きな瞳、シュッと結んだ口元、ペタンと垂れた耳など、全体的に優しい表情をしているイングリッシュポインター。
誰からも親しまれるような穏やか系の顔立ちが魅力的です。

◆光沢のある短毛

「レモン&ホワイト」「オレンジ&ホワイト」「レバー&ホワイト」「ブラック&ホワイト」が普通のカラーですが、単色や3色構成も認められています。
毛は光沢を持ち、上品な雰囲気があります。


イングリッシュポインターの性格は?

イングリッシュポインターの性格について見てみましょう。

◆攻撃性が少ない

猟犬というと、敵に対してもひるむことなく向かっていく、「ワイルド」「強い」というイメージが一般的でしょう。
勇敢な性格のような気がしますよね。

でも、イングリッシュポインターをはじめ、ポインター犬はとても穏やか。
猟犬として働いていても、自分は敵に向かっていってはいけないと分かっているので、基本的には攻撃性がほぼありません。

◆家族に忠実でコミュニケーション上手

猟に行けば、人間に獲物の位置を教えることが役割です。
そのため、「人間の指示を守る」「人間に上手に伝える」とコミュニケーション能力が優秀です。
そして、周囲を見渡しながら任務をこなすことから、空気を読むことも得意。
集中力が高く、飼い主さんに忠実な性格をしています。

◆子どもとの生活や、多頭飼いもこなす

イングリッシュポインターは社交的で、“孤独”よりも“仲間との時間”を好みます。
子どもがいる家族や多頭飼いをしている家庭でも、飼育することができるでしょう。
攻撃性があまりなく、無駄吠えに悩むことも少ないです。


ポインターの飼育方法について

ポインターの体の特徴や性格を踏まえて飼育方法を見ていきましょう。

◆たくさんの運動量が必要

とても落ち着いている性格ですが、運動に対してはかなり意欲的。
遊んだり、歩いたりの場面では、エネルギッシュに動き回るでしょう。

散歩に行けば、嬉しそうに走り出すこともありますし、家族との遊びでもはしゃぐ様子を見せてくれます。

大型犬で体が大きいこともあり、散歩時間はたっぷりと確保したいところです。
1回あたり1時間程度を1日に2回が理想的。
散歩から帰っても、「まだまだ散歩できるよ」と言わんばかりのタフさを見せることもあるでしょう。

飼い主さんが散歩に連れて行けない状況は、イングリッシュポインターにとっては苦痛なことです。
持ち前の筋肉が動かせず、だんだん足腰が弱まるかもしれません。
それに「散歩したいのに散歩できない」という欲求が通らない状況で、ストレスから問題行動へとつながる可能性も。
イングリッシュポインターとの散歩や遊びは、できる限り、たくさんの時間をかけてあげてくださいね。

◆広くて快適な環境で飼育する

体が大きいので、飼育環境は広いスペースが理想的です。
「ペット可」となっていたとしても、アパートなどの共同住宅での飼育は難しいでしょう。

戸建住宅なら飼いやすいかもしれませんが、動きが制限されるような狭い間取りはケガをしやすいので注意しなければなりません。
イングリッシュポインターは、散歩以外でも活動的です。
家のなかに家具や荷物が多い環境では、動くたびにぶつかってしまうかもしれません。

また、フローリングの上は滑りやすく、足腰への負担という心配もあります。
滑りにくい素材の床に変えたり、家具の配置を見直したりなど、快適な環境に整えてあげましょう。

◆留守番時間はなるべく短めにする

イングリッシュポインターは、攻撃性が少ない性格をしています。
テリトリーもあまり意識せず、家族と一緒にいる空間にホッとすることの方が多いでしょう。
飼い主さん家族や、ほかの仲間の動物と一緒にいる時間がお好みなので、ひとりぼっちの留守番はあまり好きではないかもしれません。
集中力があって賢いので留守番は可能ですが、その時間が長ければ不安に感じてしまうでしょう。

ときどき、ちょっとした時間の留守番であれば、あまり心配はいりません。
ただ、毎日のように朝から晩まで留守番となれば、孤独を感じやすく、問題行動を起こすことも。
散歩時間の確保も難しくなるので、なるべく留守番は短めしましょう。

◆指示に従わせるように「しつけ」を

体力があって活発な面もありますが、基本的には穏やかなワンちゃんです。
ただ、もともと猟犬ですから興奮状態になりやすい面があります。

飼い主さんを見極める賢さもあるので、頼りない対応をすると指示に従わなくなることも。

子犬の頃から、イングリッシュポインターの気持ちを優先して育てていると「自分が一番では?」と勘違いするでしょう。
ちょっとしたワガママ犬になるので注意が必要です。
イングリッシュポインターに「自分が従うべき相手だ」と思わせなければ、いざという時にコントロールできなくなってしまいます。

本来、優しく攻撃性の少ないイングリッシュポインターも、飼い主さんの対応次第では気が強い性格に変化してしまう恐れもあるでしょう。
子犬のときから、しっかりしつけに取り組むことが大事です。

◆被毛のお手入れを丁寧に

イングリッシュポインターは短毛のため、「お手入れが楽」「抜け毛が少なめ」と言われています。
ただ、ダブルコートの被毛なので、季節の変わり目が近づくと抜け毛は増えるでしょう。

基本的なお手入れは、週に1回から数回程度でもOKです。
短毛種用のブラシで優しく撫でるようにブラッシングする、または、水を含ませギュッと絞ったタオルで体を拭いてあげるお手入れでもいいでしょう。

汚れ具合に応じて、ときどきはシャンプーが必要です。
体が大きいのでシャンプー量の減りが早いかもしれませんが、ワンちゃん用の品質の良いものを使ってくださいね。

また、「すすぎをしっかり」「シャンプー後はきちんと乾燥させる」など、手間と時間がかかります。
大型犬なのでシャンプーのお手入れは大がかりです。
不慣れな人が行うと、シャンプーそのものが嫌いになってしまう可能性も。
2人がかりでやるとシャンプー時間の短縮にもなるでしょう。
自宅でのシャンプーがスムーズになるように、子犬の頃からシャンプーに慣れさせておくといいかと思います。

また、垂れ耳の特徴を持つポインターは、通気性が悪くて耳が汚れやすいです。
ブラッシングやシャンプーのときに、耳のお手入れをしましょう。
基本的には耳の入り口を軽くふいてあげるだけでも清潔さを保てます。
奥まで綿棒を入れようとすると内部が傷つくリスクがあるので、注意しなければなりません。

耳がかゆそうなときは、トラブルが起きている可能性もあります。
気になるときは、動物病院で診察と処置を行ってもらうと安心です。


ポインターの価格について

ポインターは、日本ではそれほど、知られている犬種とは言えません。

繁殖の頭数が少ないため、「イングリッシュポインターを迎えたい」と考えたときに、お迎えできる子がなかなか見つからないケースも多いでしょう。

出産情報があっても「実は予約待ち」の状態で、なかなかタイミングが合わないこともあるかと思います。
日本では、あまり市場で見かけない希少なワンちゃんと言えるでしょう。

また、イングリッシュポインターの価格は、月齢や性別、毛色、顔立ちなどで、決まります。
血統が良ければ、価格もかなり高くなります。
逆に、家庭のペットタイプなら、それよりも低い価格で買えるでしょう。

販売店舗によって、価格帯には幅が見られますがおおよそ30万円前後が価格相場の参考にできるでしょう。
25~35万円くらいを予算として考えておくといいかもしれませんね。


まとめ

ポインターとして優秀なイングリッシュポインターは、美しいシルエットでたくさんの人を魅了するワンちゃんです。
ほっそりしつつも筋肉質で走る姿は、見惚れてしまいます。

一緒に暮らすときには、ポインターの特徴や性格をおさえておきましょう。
人間との関わりが得意なワンちゃんなので、毎日のたっぷりの散歩や遊び、スキンシップを通じて、ポインターが寂しい思いをしないようにしてくださいね。

もともと優しくフレンドリーな性格ですが、猟犬の“エネルギッシュな面”がある点は忘れてはいけません。
集中力があって優秀なので、子犬の頃からしつけをすれば習得してくれるでしょう。
しつけ不足で問題行動に発展しないようにしましょう。



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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!


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