1.犬は寒さに強く、猫は寒さに弱いって本当?
2.冬に増える事故など
2-1.暖房器具によるトラブル
2-2.低体温症
2-3.冬ならではのトラブル
4.冬に多い病気
4-1.泌尿器・腎疾患
4-2.膀胱炎
4-3.腎臓疾患
4-4.放っておくと重症化のリスクもある風邪
4-5.関節疾患
4-6.乾燥による皮膚トラブル
犬は寒さに強く、猫は寒さに弱いって本当?
童謡でも歌われているように、雪の降るような寒い日でも犬は寒さも気にせず外で遊び、猫は寒さに弱く暖かい場所を求めてこたつで丸くなるのでしょうか。
猫は総じて寒さに弱いといわれておりイメージ通りですが、犬もシベリアン・ハスキーやアラスカン・マラミュートなどの寒い地域が原産の犬種を除き、室内飼育が進んでいる現代では寒さに弱い子が増えているようです。特に、痩せている子や子犬・子猫、高齢の子は犬種・猫種に関わらず寒さに弱いため注意が必要です。
冬に増える事故など
◆暖房器具によるトラブル
冬に特に気をつけたいトラブルとして、暖房器具による事故が挙げられます。
ヒーターなどをペットの近くに長時間置くことで冬でも熱中症になってしまうことがあります。暖房器具を使用する場合は必ず目の届く範囲に置き、暖めすぎには注意しましょう。
ホットカーペットやヒーターによる低温やけども多く起きています。ホットカーペットをケージに入れる場合はカバーや、タオルにくるむなどしてペットのカラダに直接触れないように工夫しましょう。特に高齢や病気によって自分で体位を変えられない子はこまめに体位を変えてあげるなど注意が必要です。
コードの部分をかんで、感電し口腔内が大きくただれてしまうこともあります。ホットカーペットのコードは簡単にかみ切れないようコーティングしてありますが、いたずらをして中の配線が露出していないかなどこまめにチェックしましょう。コードをかんでしまう癖のある子の場合は、エアコンで部屋の温度を調節すると安心です。
◆低体温症
寒さによる低体温症にも気をつけましょう。屋外飼育の場合はもちろん注意が必要ですが、室内飼育の場合も子犬・子猫や高齢の子、鳥やハムスター、ウサギなどの小動物さんたちは体温調節が上手くできません。低体温症を起こしやすいので、暖かい場所を確保してあげる必要があります。
◆冬ならではのトラブル
年末年始のイベントの時期も注意しましょう。クリスマスの時期に、目を離した隙に骨付き肉を丸呑みしてしまったり、ケーキを丸々1ホール食べてしまったケース、お正月に集まった親戚から人の食べ物をたくさんもらって、吐いたり下痢をしたりしてお正月から動物病院に来られるケースは決して珍しくありません。せっかくの楽しい思い出が台無しになってしまいますので、普段から人の食べ物に興味を示している子などは、特に注意しましょう。
快適な環境の整え方
部屋の温度は基本的には人が快適と感じる程度の暖かさにしてあげましょう。お留守番時にエアコンを消している場合は、ホットカーペットや毛布などを用意して暖を取れるようにしてあげるとよいです。ケージ内に暖かい場所と涼しい場所を用意し、ある程度ペットが自分でコントロールできるようにして下さい。
ケージを置く場所は窓の近くは避けてあげましょう。また、冬は乾燥しますので加湿器を利用すると風邪予防にもなります。特に子犬・子猫がいる環境ではおすすめです。お散歩の時などには、寒がりの子には洋服を着せて防寒してあげるのもよいですね。
冬に多い病気
◆泌尿器・腎疾患
寒くなると水を飲む量が減ります。飲水量が減るとオシッコが濃くなり、回数も減ります。それにより尿路結石ができたり、尿路に細菌が感染しやすくなったりして、泌尿器・腎疾患を引き起こすケースが多くなります。特に男の子は尿道が狭く尿結石が詰まりやすい傾向があり、気がつかず放置してしまうと、場合によっては生命の危険もあります。普段からこまめにお水を飲ませるよう気をつけてあげましょう。自分からあまり水を飲まない子の場合はフードをふやかしてあげるのも効果的です。
◆膀胱炎
オシッコの回数が減ることによる膀胱炎も多くなります。トイレに何度も行くのにオシッコが少量しか出ない場合は要注意です。日頃から飲水量やオシッコの回数・量などをチェックしておくと、異変に気がつきやすいでしょう。
◆腎臓疾患
高齢の子は気がつかないうちに腎臓疾患を患っている子もいます。寒くなり飲水量が減ってしまうと急激に悪化することもあります。普段から定期的に血液検査や尿検査などで体調をチェックしてあげるとよいですね。
◆放っておくと重症化のリスクもある風邪
冬は感染症が増える時期でもあります。一番多いのはウイルスの感染症による風邪症状でしょう。こじらせて重症化し肺炎などに進行してしまうと、元気や食欲がなくなってしまうこともあります。咳が出るなど異変を感じたら動物病院に相談してみましょう。
◆関節疾患
寒さで運動量が減ってしまい筋肉がかたくなることで生じる関節疾患も冬に増える病気のひとつです。もともと椎間板ヘルニアや加齢による骨の変形などがある子は痛みが出やすい時期です。温めてあげると痛みが和らぐこともありますが、ひどい場合は動物病院に相談してみましょう。痛み止めの薬や、関節のサプリメントなどを使用することもあります。
◆乾燥による皮膚トラブル
冬の乾燥によってフケや痒みなどの症状が出ることがあります。加湿器や保湿剤入りのシャンプーやコンディショナー、サプリメントなどを上手に使って乾燥肌対策をしましょう。トリミングサロンでもトリマーさんにアドバイスをしていただけると思いますので、気になる時は相談するとよいでしょう。
厳しい冬を人もペットも一緒に心もカラダも暖かく健康に過ごしたいものです。寒い思い、痛い思いをしないようにしっかり準備をしましょう!
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