シニアペットと正しく向き合えている?一番大切なことは●●です

2019.09.25

シニアペットと正しく向き合えている?一番大切なことは●●です

シニアペットと暮らしているみなさん、正しく向き合って暮らせていますか?日本で暮らすペットの高齢化が進んでいる今、シニアペットと呼ばれる7歳以上のペットたちとの向かい方が注目されています。1日でも多くペットと楽しく暮らしたい、そう考える飼い主のみなさんに是非行って欲しいことをご紹介していきたいと思います。

Team HOPE主催「シニアペットの健康を考えるセミナー」が都内で行われました。会場にはペットの健康のことを想う飼い主さんとワンちゃんたちが足を運び、シニア犬の体の健康だけでなく、心の健康や飼い主さんができるケアなどについて獣医師らから学ぶ講演会と、お家でもできる「ふれあいエクササイズ」について学んでいました。

◆Team HOPEとは

Team HOPEは、ペットの限られた一生の中での「健康な時間」を少しでも延ばせるようペットの健康管理と予防医療を通してペットにやさしい社会づくりに貢献していきます。全国の獣医師がTeamとなって、ペットの予防医療と健康管理の普及啓発活動を推進し、ペットにやさしい世界の実現を目指すプロジェクトです。

近年、人だけでなくワンちゃんやネコちゃんたちペットも高齢化が進んでいると言われています。この記事を読まれている方の中にもシニアペットと暮らしている方はいらっしゃるのではないでしょうか。セミナー内容のご紹介を見ていただくことで、お家で暮らすシニアペットとの向き合い方も変わってくるかもしれません。

Team HOPE代表 太田亟慈(じょうじ)先生

講習1

◆健康でいるために一番大切な事は「健康診断」

1990年の頃と比較してペットの寿命が平均で倍以上になっています。ただし、寿命を延ばしていくことだけが良いわけではありません。健康で暮らすことのできる期間を表す「健康寿命」を伸ばすことが大切なのです。では、健康寿命を伸ばすためには何が大切なのでしょうか。健康でいるために一番大切な事は「健康診断」なのです。

実は、8割の飼い主さんがペットの健康診断に「とても興味を持っている」と言われています。ですが、現状では健康診断を1年に1回健康診断を行っている人は4割程度です。ワンちゃんやネコちゃんたちは私達人間以上に歳を重ねるのが早いですよね、その分年齢を重ねるごとに体への変化が起こる可能性が増えてきます。人が年に1度の健康診断を行うのと同じように、大切なペットにも年に1度の健康診断を行っていくことが「健康寿命」を伸ばすカギとなっています。

◆ペットの健康診断では何をおこなうのか

Team HOPEが考えている健康診断の重要性は知って頂けたかと思いますが、実際にペットの健康診断は何を行っているのかわからないという方も多いのでは無いでしょうか。

Team HOPEに加盟をしている動物病院では、問診・視診・触診・聴診・血液検査・尿検査・便検査・レントゲンがチームホープの基本的な検査項目となり、診断を行っています。さまざまな角度から検査を行うことで、ペットの体に潜む影を早期に発見することが可能となります。

Team HOPEの加盟動物病院は、北海道から沖縄まで全国に約1600の動物病院あります。
また、Team HOPEは各地で市民講座も行っているので、動物病院への敷居が高い方やもっと獣医さんにお話を聞いてみたい!という方はお近くにお住まいの方はご参加してみてはいかがでしょうか。今年のテーマは「介護」となっており、お子さんも楽しめる体験会も実施しているので、楽しく学ぶことができます。

◆10月13日は「ペットの健康診断の日」

毎年10月13日は「じゅういさんの日」ということで、「ペットの健康診断の日」と制定されています。この日に行わなくとも、10月になったら毎年ペットの健康診断を行ってみてはいかがでしょうか。

尾形庭子先生
シニアペットの健康を考える〜わかってあげようペットの心の健康〜

講習2

ペットの問題行動を扱ってパデュー大学獣医行動診療科にて研究をしている尾形庭子先生も来日し、講義を行いました。

◆ペットの高齢化が進む日本

日本はペットの高齢化が進んでいる国の一つと言われています。幼少期に比べて長いシニア期にどう向き合っていくのか、飼い主さんのサポートを行うことができるのが獣医師であり、獣医師に求められることです。アメリカの場合、動物の医学が比較的進んでおり、治療の力だけでなく、予防医療に現在注目がされ病気を引き起こさない管理をする方法を研究しています。

◆シニアはどこからがシニア?

年齢的にはシニアでも見た目に違いが出ていない子もいれば、逆に年齢的にが若くても病気やさまざまな理由が重なり治療を重ねる子もいます。これは、犬種によっても寿命が違うため起こることです。アメリカでは、年齢で区切るのではなく、成熟期以降に推定寿命の後半25%にさしかかった場合にシニアとしており、日本のシニア期の基準とは異なります。7歳を超えたからシニアと考えるのではなく、ペットの変化に応じて接することが大切です。

◆シニア期のよくありがちな誤解

「シニアの年齢だから症状が出てしまってもしょうがない…。」といい、病院に行く意味を感じなくなり行かなくなったりする方が多いのが世界共通の課題です。また、「ごはんをちゃんと食べていれば健康だし問題ない」と考えてしまう人も多いです。

実際にヨーロッパでこうした考えを持つ飼い主さんに協力を頂き、100匹のワンちゃんで健康診断を調査を行いました。実際には、血圧異常を抱える子が50匹以上、皮膚の問題を抱えた子が50匹以上いました。同様にネコちゃんも検査を行うと、問題を抱える子が多くいることがわかりました。

獣医学は日々進歩しています。手術も負担を減らす麻酔や施術方法、薬の効果などの改良が行われており、シニアペットの症状や悩みを緩和できるかもしれません。日々の様子を確認できるのは家族です。毎日のペットの様子を診察してあげることがシニアペットのためになります。うんちの状態や食欲、眠るパターン、表情などを中心にチェックをし、まずは健康診断を行いに動物病院に行ってみませんか?シニアペットの健康を飼い主さんが援助して欲しいと思います。

お家でも簡単、ふれあいエクササイズ

Team HOPEでは、ペットが高齢になっても元気で暮らせるよう、動物のリハビリテーションの考え方に基づいた「Team HOPEふれあいエクササイズ」を制作。会場に来ていたワンちゃんと飼い主さんは手順を教わりながら、ふれあいエクササイズを楽しんでいました。

マッサージ

ふれあいエクササイズは、マッサージ・ストレッチ・筋トレの3つのステップに分けて体全体をほぐしていきます。寝たきり予防や健康寿命の延伸に繋がるものなので、是非行ってみたい!という方はこちらから手順をご覧ください!

シニアペットとの向き合い方や暮らし方をちょっとだけ変えたら、今よりもっとお互いがHAPPYになれるかもしれません。シニア期はとても長いです。少しでも健康でいられる期間を伸ばしてあげるためにも、これからはペットの健康診断や毎日のちょっとした体調チェックを習慣づけてみてはいかがでしょうか。

Team HOPE公式サイト:https://www.teamhope.jp/

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坂本 絵美

坂本 絵美

ペットのお出かけスポットやエンタメ情報などを日々追いかけて取材、撮影、執筆までオールラウンドに担当。6.9kgのBIGサイズなチワワ(※肥満じゃないよ)と自由気ままに暮らす4年目の新米ライターです。愛犬を愛でるのと同じくらいスノーボードを愛し、年間30日以上は雪山を渡り歩いてます。フットワークの軽さと動物への愛で素敵な情報をお届け!


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