大型犬の抱っこについて解説!正しい抱き方と注意点とは

2025.03.07

大型犬の抱っこについて解説!正しい抱き方と注意点とは

大型犬の飼い主さんは、愛犬を抱っこすることはできないと考えているかもしれません。しかし、正しい抱き方をすれば、大型犬でも、飼い主さんにも愛犬にも負担なく抱っこをすることができます。愛犬を抱っこすることができれば、幸せな気持ちになれたり、介護がしやすくなったりします。今回は、愛犬を抱っこする必要性をご紹介するとともに、大型犬の正しい抱き方と抱っこするときの注意点について解説します。

【掲載:2021.02.02  更新:2025.03.07】

愛犬を抱っこする必要性とは

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体が大きく、体重も重い大型犬を、あえて抱っこする必要はあるのでしょうか?
まず、愛犬を抱っこする必要性や場面について見ていきましょう。

◆診察台に乗せることができる

動物病院で診察台に乗せなくてはならない時にも、抱っこする必要があります。

また、病気やケガをしている大型犬を動物病院に連れていくには、カートや車に乗せる必要があります。
抱っこができないと、病院に連れて行くことが難しくなる場合があります。

◆介護の際に役立つ

愛犬が年を取ると、寝たきりになってしまって介護が必要になることがあります。
寝たきりになると、人と同じく、床ずれができるので、定期的に姿勢を変えてあげなくてはなりません。

その際に、正しく抱っこができれば、飼い主さんも愛犬も負担が軽減されます。

◆高いところから下ろすとき

犬が高いところから降りるときは、極端な前傾姿勢を取るため、前足に大きな負担がかかります。
大型犬の場合、前足の骨が微細に骨折したり、骨細胞が悪性化したりするきっかけになると考えられています。

◆緊急時や災害時に

愛犬が散歩中にケガをしたり、具合が悪くなったりした場合には、抱っこして移動しなければならないこともあります。
また、災害時に避難する場合、地面の状況によっては歩かせることができないこともあり得ます。

◆幸せな気持ちになれる

愛犬を抱っこすると、飼い主さんも愛犬も幸せな気持ちになれるという効果が期待できます。

飼い主さんと愛犬は、アイコンタクトや触れ合いといったコミュニケーションの中で「オキシトシン」というホルモンが増えているという研究結果は有名ですが、オキシトシンは別名「幸せホルモン」と言われます。

抱っこが好きな子であれば、抱っこされた愛犬は飼い主さんのぬくもりを感じて、信頼感が増したり幸せな気持ちになっていると言えます。


大型犬は抱っこをすることができるのか

こちらを見つめるゴールデン

一般に、成犬の体重が25kg以上の犬が大型犬とされています。

犬種によっては40kgを超えることもあり、飼い主さんも、大型犬を抱っこすることはできないのではないかと考えているかもしれません。

しかし、正しい方法で抱っこをすれば、大型犬でも、飼い主さんにも愛犬にも負担なく抱っこをすることができます。


大型犬を抱っこする際の注意点

大型犬を抱っこするのはコツさえ掴めば難しくありませんが、いくつか注意したいことがありますので、まず確認しておきましょう。

◆安定した場所で行う

犬が、ソファーやベッド、椅子の上など不安定な場所にいるときは、そのまま抱き上げないようにしましょう。

体が不安定だと犬が暴れてしまうことがありますし、飼い主さんの体も不安定になって、双方の負担が大きくなり、落下の危険性もあります。

また、足元がふらつくことがあるかもしれないので、床の上は片づけておきます。
オモチャなどが置いてあると、誤って踏んでしまうことがあり、危険です。
ある程度の広さがある安定した場所で行いましょう。

◆おろすときにも注意する

抱っこすると、当然、下ろさなければなりませんが、下ろすときにも注意が必要です。
高い位置から下ろしてしまうと、犬の脚に大きな負担がかかって傷めてしまったり、落下してしまったりする危険があります。

まず、飼い主さんがゆっくりとしゃがんで、安全に下ろすことができる高さになってから、愛犬の脚に衝撃が加わらないように注意して下ろします。

しゃがむときには、飼い主さん自身の膝や腰に負担がかからないように気をつけることも忘れずに。
できるだけ垂直に腰を下ろすと、膝や腰に負担がかかりにくいです。

愛犬の脚がきちんと地面についているのを確認してから、抱える力を緩めて犬を解放するようにしましょう。

◆無理な抱っこは禁物

大型犬は、体重が重く力も強いので、無理やり抱っこしようとすると、愛犬に押されて飼い主さんがケガをする危険性があります。
愛犬が嫌がる時には、無理に抱っこしようとせず、仕切り直しましょう。

また、無理な体勢で抱っこをすると、愛犬の体に負担がかかったり、飼い主さんが腰を傷めたりする可能性があります。
寝ている愛犬をそのまま抱き上げたり、正面から抱き着くように抱き上げたりすると、愛犬の腰に負担がかかります。
椎間板ヘルニアになってしまうこともあるので、正しい方法で抱っこしてあげましょう。

不安定な状態で抱っこをすると、落としてしまうなど愛犬のトラウマになり、抱っこを嫌がるようになってしまいます。
ポイントは、ゆっくり優しく抱き上げることです。


大型犬の抱っこの仕方

嬉しそうなハスキー

大型犬の正しい抱っこの仕方を、3つのステップで解説します。
小型犬のように簡単には抱っこできませんが、コツをつかめば無理なくできるので、練習してみてください。

◆少し高いところに乗せて安定させる

まず、愛犬を誘導して、少し高さのあるところに乗せます。

飼い主さんの体に負担がかかり、ぎっくり腰になることもあるので、床や地面から直接抱き上げないようにしましょう。

抱き上げやすい高さは、飼い主さんの体格などで異なりますので、調節してみてください。
あまり高い場所だと愛犬が不安になったり、体が不安定になったりするので気をつけましょう。

◆犬に体をくっつける

自分の体を犬の方へ近づけるようにして、犬の体が自分の正面に来るようにします。
犬の体の側面に、できるだけ多くの面積が接するように体をくっつけます。

◆両手で犬の手足の付け根をつかむ

犬の前後の脚の付け根(関節部分)の外側をつかむようにして、飼い主さんの胸の高さまで持ち上げます。
片方の手で胸の前側を支えて、もう一方の手で後ろ足の膝の裏辺りを支えます。

愛犬の頭がある側の脇を締め、反対側の腕に愛犬のお尻を乗せるようにします。
この時、犬は立って歩いている状態に近い姿勢になります。

自分の胸に犬を乗せるように抱くと、安定しやすいです。


愛犬が抱っこを嫌がる時は

愛犬が抱っこを嫌がるのには、理由があります。
原因を取り除いて、少しずつ抱っこに慣らしていきましょう。

◆抱っこを嫌がる理由

体を触られることが嫌いだったり、動きを制限されることが嫌いだったりすると、抱っこを嫌がります。

また、本来、犬の世界では抱っこされることはないため、四肢が地面から離れると不安になります。
抱っこされるといつも、爪切りやシャンプー、病院といった苦手なことがあると、犬はそれを覚えていて抱っこを嫌がるようになります。

正しい抱き方をしていないために痛みを感じたり苦しかったりする場合も、抱っこを嫌がります。

◆病気やケガで嫌がっているかも

普段は抱っこが好きなのに嫌がるようなら、病気やケガのために痛みを感じているのかもしれません。

椎間板ヘルニアや、膝蓋骨脱臼、関節炎、内臓疾患などが考えられるので、獣医さんに相談しましょう。

【獣医師監修】犬のヘルニアはどんな症状?手術の方法は? 【獣医師監修】犬のヘルニアはどんな症状?手術の方法は?

◆抱っこに慣れさせるには

愛犬を抱っこに慣れさせるには、抱っこ=良いことになるように、ご褒美をあげながら練習しましょう。

体に触れることから始めて、体を引き寄せる、脇に手を入れる、お尻に手を当てる、持ち上げる、と抱っこを段階ごとに分けて、その都度、ご褒美を与えます。
「オテ」や「マテ」などと同じように、しつけの一環として行うとよいでしょう。


まとめ

大型犬を抱っこするにはコツがいりますが、できないことではありません。
怪我や病気で動物病院に通院する時や、年を取った愛犬の介護をする際には、抱っこができないと大変です。

また、緊急時や災害の時にも抱っこをする必要が出てきます。

いざという時のために、日ごろから正しい方法で抱っこする練習をしておくと安心です。
愛犬を抱っこすることで、飼い主さんも愛犬も幸せな気持ちになることもできるので、無理のない範囲で抱っこしてあげてくださいね。



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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。


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