犬にレバーを与えるメリットとは?栄養素と与える際の注意点&おやつ3選

2021.03.16

犬にレバーを与えるメリットとは?栄養素と与える際の注意点&おやつ3選

レバーは栄養豊富な食材として知られ、愛犬にも与えたいものの一つです。いくつかの注意点を守れば、犬にレバーを与えることに問題はありません。犬は、レバーの匂いを好むため、嗜好性も抜群です。今回は、レバーの栄養素や犬に与えるメリットをご紹介するとともに、絶対に守りたい注意点を解説します。併せて、レバーを使ったおすすめオヤツもご紹介しますので、ぜひ参考にしみてください。


犬にレバーを与えてもいいのか

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◆基本的には与えても良い

人間にとってはスタミナ補給や貧血改善におすすめの食材の一つであるレバーですが、犬に与えてもいいのか、気になるところです。
結論としては、犬にレバーを与えても基本的に問題はありません。レバーは、皮膚や粘膜を健康に保つために役立つ食材とされていて、ドッグフードの中にも原材料にレバーを含むものがあります。健康な犬であれば、一般的なスーパーでも簡単に手に入る牛や豚、鶏などのレバーのどれを与えても、特に問題はありません。

◆与えてもいい量

レバーは、犬に与えてもいい食材ですが、与えすぎは禁物です。レバーには、鉄分やビタミンA(レチノール)、脂肪が豊富に含まれています。このうち、レチノールは脂溶性ビタミンであり、過剰に摂取すると体内に蓄積してビタミンA過剰症になる恐れがあります。また、脂肪の摂りすぎが良くないことは、言うまでもありません。
では、犬に与えてもいいレバーの量とは、どの程度でしょうか?ビタミンAは、一般的な犬であれば、1日あたり150μgの摂取が望ましいとされています。これは、鶏レバーに換算すると、1g程度です。1日だけ過剰に摂取する分には、体調に影響があるわけではありませんが、毎日与えることは避けた方がよいでしょう。
また、総合栄養食であるドッグフードには、十分量またはそれ以上のビタミンAが既に含まれているため、ドッグフードとともに与える場合にはビタミンAが過剰になる恐れがあります。週に1度程度、オヤツやトッピングとして少量与えるとよいでしょう。手作り食の場合、週に一度、1日に与える肉の量の半分が目安とされています。


レバーに含まれている栄養素

レバーには、牛、豚、鶏と種類がありますが、栄養素的にはやや違いがあります。ここでは、レバーに共通に含まれている栄養素について見ていきましょう。

◆鉄分

レバーと言えば、鉄分が真っ先に思いつくのではないでしょうか?ささみと比べて、豚レバーで約65倍、鶏で約45倍、牛で約20倍の鉄分が含まれています。

◆ビタミンA

ビタミンAには、脂溶性のレチノールと水溶性のβ-カロテンの2種類があります。レバーに含まれるビタミンAは、脂溶性のレチノールです。水溶性のβ-カロテンは、過剰に摂取してもオシッコと一緒に排出されて体内に蓄積することはありません。一方、脂溶性のレチノールは、上述の通り、過剰に摂取した場合に排出されず、体内に蓄積し、中毒性があります。レバーの中でも、鶏レバーがビタミンAを最も多く含みますが、豚とはあまり差がありません。一方、牛は、鶏レバーの約1/13と少ないのが特徴です。

◆ビタミンB群

ビタミンB群とは、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチンの8種類のことです。レバーには、このビタミンB群が多く含まれています。どの種類のレバーであっても、大きな差はありません。


犬にレバーを与えるメリット

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◆鉄分の効能

鉄分は、ヘモグロビンに含まれ、体の隅々に酸素を運ぶ赤血球を作るのに欠かせない栄養素です。貧血の予防や、疲労回復の効果が期待できます。レバーなどの動物性食品に含まれる鉄は、野菜や海藻などに含まれる鉄に比べて吸収率が高く、疲れやすい子に有益です。ただし、鉄欠乏性貧血のお薬を処方されている場合には、控えてください。

◆ビタミンAに期待される効能

ビタミンAには、皮膚や粘膜を丈夫にして、目の機能を改善する効果や、癌の予防・抑制効果が期待されています。フケが多く被毛に艶がない犬や、免疫が低くて傷の治りが遅い犬、白内障やガンの心配のある犬に有益とされます。

◆ビタミンB群に期待される効能

ビタミンB群は、粘膜や皮膚の健康、脳や神経を正常に保つ働き、貧血を予防する効果があります。ビタミンB群は、補酵素として働き、エネルギーを作るのに欠かせない栄養素ですが、トータルで摂取しないとうまく働きません。レバーは、ビタミンB群をまんべんなく含むので、優秀なビタミンB源となるでしょう。ビタミンB1が欠乏すると食糞をすることがあると言われているので、食糞癖の改善に活用してみてもいいかもしれません。


犬にレバーを与える際の注意点

◆加熱をする

食中毒など様々なリスクが伴うため、生レバーを与えることは、おすすめできません。
レバーを与える際には、必ず十分に加熱して与えてください。鶏レバーには、サルモネラ菌の汚染があり、冷凍しても数年生存しています。また、牛では、カンピロバクター汚染やO-157汚染があり、これらは乾燥に強く、少量でも感染・発症する感染力の強い菌です。
豚では、サルモネラ菌、カンピロバクターのほか、E型肝炎ウイルスに感染するリスクもあります。これらの菌は、人畜共通感染症の病原体です。犬の場合、子犬やシニア犬では症状が出ることがありますが、症状の出ない「不顕性感染」の場合が多く、知らずに保菌していて人間にうつしてしまう可能性があります。これらの病原体は、75℃以上1分間の加熱でほとんどが死滅することが分かっています。
さらに、鶏、牛、豚のレバー全てで、犬回虫などの寄生虫に感染するリスクがあります。冷凍された小指の先ほどの鶏レバーから、300匹以上の犬回虫の幼虫が検出されたという報告もあります。
子犬の場合、多数の寄生虫により、下痢や腹痛、嘔吐を起こしたり、栄養の吸収が阻害されて発育不良になったりする危険性もあります。茹でる、または焼くことで、これらのリスクを排して安全に食べることができるので、与える際には中までしっかり火を通しましょう。

◆アレルギー

どのような食材も、食物アレルギーの原因であるアレルゲンになり得ます。最初に与える際には、少量にして、アレルギー反応を起こさないか愛犬の様子を確認しましょう。アレルギーを発症した場合に備えて、初めて与える時はかかりつけの動物病院の診療時間中に与えることをおすすめします。アレルギーを発症すると、掻く、舐める、または噛む動作が見られます。また、下痢や嘔吐など消化系の症状を引き起こすこともあります。

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◆鮮度

レバーは傷みの速い食材なので、なるべく鮮度の高いものを与えましょう。鮮度の良いものは、鮮やかな赤みがあり、しっかりとした光沢があります。白く濁っているものは、鮮度が落ちてきています。また、黄色味がかっているものは、脂肪が多いため、おすすめできません。

◆ビタミンA過剰症

ビタミンA過剰症の症状としては、

・腎臓、肝臓機能の低下
・食欲不振
・体重減少

があります。
その他、頭痛、吐き気、骨や皮膚への悪影響や、急性中毒になれば命にかかわる場合もあります。
犬は人間と比べると、ビタミンAの上限値が高いとも言われており、過剰摂取に神経質になる必要はありませんが、与える量は少量に留めましょう。また、気になる方は、含有量が低い牛レバーを選ぶとよいでしょう。

◆膵炎の既往歴

レバーは、脂肪を多く含んでいます。脂肪分の摂りすぎは、肥満の原因となるだけではなく、膵炎を引き起こす恐れがあります。過去に膵炎の既往歴(膵炎に罹ったこと)がある犬の場合、与える前にかかりつけの獣医さんに相談することをおすすめします。

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◆食事療法をしている場合

食事療法をしている愛犬の場合、かかりつけの動物病院で相談しましょう。特に、低脂肪食を与えている場合は、必ず獣医さんに確認してから与えてください。


レバーを使った犬のおやつ4選

◆スナックボーイ レバーカット

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鶏レバーをひとくちサイズにカットした食べやすい犬用スナックです。お肉本来の味を小さな一粒の中にぎゅっと凝縮しました。食べやすいサイズになっているので、幼犬から高齢犬までご使用いただけます。

◆金紗 鶏むねとレバーが入った旨みあふれる厚切り仕立て/ひとくち仕立て

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なめらかでふんわりやさしい口当たりに仕上げた《金紗》シリーズです。あっさりした旨みの鶏むね肉生地に、奥深い風味のレバー入り生地を合わせた2つのおいしさ、濃厚な旨みがじんわり広がり、満足感のある味わいです。栄養バランスに優れた、総合栄養食のおやつで保存料、合成着色料、発色剤、酸化防止剤は不使用。

◆無添加良品 鶏レバーチップス 60g

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無添加良品は、気になる添加物をなるべく使わない安心のシリーズです。嗜好性の高い鶏レバーの味わいをそのまま活かしたオヤツは、やわらかで食べやすく、チップスタイプなので、超小型犬・小型犬やシニア犬にも安心して与えられます。

◆フリーズドライのムネ肉レバーミックス 犬用 18g

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鶏原料100%で作られた、レバーミックス。フリーズドライの機能はそのままに与えやすい粒タイプです。

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レバーを使った簡単手作りオヤツ

レバーを使って簡単に手作りできるおやつのレシピを、ご紹介します。食欲の落ちたシニア犬や、トレーニングのご褒美にピッタリです。サイズも愛犬に合わせて細かく調節できるので、ぜひ活用してみてくださいね。材料は、お好みのレバー適量です。

【作り方】

1.ひと口大に切ったレバーを血抜きする
2.沸騰したお湯で茹でる(中まで火を通すこと)
3.トースターで2分ほど焼いて、水分を飛ばす


まとめ

レバーは栄養豊富な食材で、健康な犬であれば、与えても大丈夫です。レバーには、ビタミンAや、鉄分が豊富に含まれています。
また、補ビタミンB群が満遍なく含まれているので、優秀なビタミンB源となるでしょう。ただし、レバーのビタミンAは脂溶性であり、体内に蓄積してビタミンA過剰症を引き起こす可能性もあります。
特に、総合栄養食を与えている場合、十分またはそれ以上のビタミンAがフードに含まれているため、与えすぎに気をつけましょう。
さらに、高脂肪なので、肥満の原因となるほか、膵炎を引き起こす恐れもあるため、既往歴のある犬の場合、与える前に獣医師さんと相談してください。
寄生虫や感染症の心配があるので、必ず、中までしっかり火を通したものを与えましょう。レバーは栄養満点なうえ嗜好性が非常に高いので、週に1度のオヤツやトッピングとして、上手に活用してみてください。



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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。


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