1.セント・ハウンドに属する「フォックスハウンド」とは?
1-1.犬種グループはいくつある?
1-2.鋭い嗅覚が特徴のセント・ハウンドグループ
1-3.嗅覚ハウンドの犬種の特徴とは
2.フォックスハウンドについて知ろう~特徴・歴史は?
2-1.大型で筋肉質
2-2.大きな目と垂れ耳
2-3.キツネ狩りで大活躍をしていた歴史
2-4.日本では珍しいフォックスハウンド
4.イングリッシュ・フォックスハウンド
4-1.原産国と歴史について
4-2.体の大きさは?
4-3.主な特徴は?
4-4.どんな性格をしているの?
5.アメリカン・フォックスハウンド
5-1.原産国と歴史について
5-2.体の大きさは?
5-3.主な特徴は?
5-4.どんな性格をしているの?
6.フォックスハウンドを飼うときのポイント
6-1.自由に活動できる広めのスペースで飼うのがおすすめ
6-2.たっぷり散歩させる時間を確保
6-3.早いうちにしつけておく
セント・ハウンドに属する「フォックスハウンド」とは?
フォックスハウンドは、犬種グループの「セント・ハウンド」に属する犬種のひとつです。
◆犬種グループはいくつある?
ジャパンケネルクラブでは、世界中にたくさんいる犬を特徴や性質などをもとに、牧羊犬や牧畜犬、番犬、猟犬、家庭犬など10のグループに区別しています。
日本では10のグループ分けですが、アメリカやイギリスなどでは7グループです。
◆鋭い嗅覚が特徴のセント・ハウンドグループ
フォックスハウンドは、ジャパンケネルクラブのグループ分けでは、第6グループとなる「セント・ハウンド」に属している犬種です。
10個に分かれている犬種グループのなかには、猟犬として活躍する「ハウンド」という犬種グループがあります。
ハウンドには、鼻を活かして活躍する「第6グループ嗅覚ハウンド(セント・ハウンド)」と、視力を活かして活躍する「第10グループ:視覚ハウンド(サイト・ハウンド)」と2つのグループに分類されています。
フォックスハウンドは、前者のセント・ハウンドに属する種類に属しています。
同じグループには、フォックスハウンドのほか、ビーグルやバセットハウンドなどもいて、フォックスハウンドと同じような働きをすることができます。
◆嗅覚ハウンドの犬種の特徴とは
犬はもともと嗅覚に優れているため、古い時代から人間の狩猟の手伝いのために発展してきた犬種があります。
嗅覚ハウンドに属している犬種の多くは、地面のニオイを嗅ぎながら獲物を追い詰め、獲物の位置を人間に教える働きができます。
また、猟犬といっても2つの系統があり、イノシシや野ウサギ、シカなどの獲物の狩猟には「獣猟犬」、鳥をメインとしている狩猟には「鳥猟犬」が活躍しています。
嗅覚ハウンドのグループに属する犬は、主に獣を狩るときの使役犬です。
フォックスハウンドについて知ろう~特徴・歴史は?
フォックスハウンドがどんな犬なのか、特徴や歴史について見ていきましょう。
◆大型で筋肉質
フォックスハウンドは、体重30キロ前後の大型犬です。
足が長く、スラっとした雰囲気があります。
引き締まった筋肉の持ち主で、バランスのよい体型です。
◆大きな目と垂れ耳
大きくスッキリとした目元で、凛々しい表情をしています。
垂れ耳が印象的な優しい顔立ちです。
◆キツネ狩りで大活躍をしていた歴史
フォックスハウンドは、キツネ狩りを目的として作り出されることになった犬種です。
キツネ狩りは、16世紀のイギリスで、「貴族のスポーツ」として流行したもの。
食べるための狩りではなく、キツネを追い回して楽しむことを目的としたスポーツでした。
そのキツネ狩りで、キツネを追いかけ回す役目をしていたのが、フォックスハウンドです。
中世の半ばを過ぎた頃には、キツネ狩り以外にも家庭犬として飼われるようにもなり、広まっていきました。
キツネ狩りについては、動物愛護の観点から2005年には法律により禁止されています。
狩猟で培ったパワフルさが好まれ、現在も各国で狩猟などの使役犬として活躍中です。
◆日本では珍しいフォックスハウンド
猟犬として用いられてきた背景から、日本ではあまり見かけることがない珍しい犬種です。
フォックスハウンドの代表犬種とは?
アメリカやフランスなどでもキツネ狩りが行われていたことから、そもそもはイギリスで発展したフォックスハウンドは。
各国へ渡った後は独自の犬種として種類ができています。
なかでも代表的なフォックスハウンドが、「イングリッシュ・フォックスハウンド」と「アメリカン・フォックスハウンド」です。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
イングリッシュ・フォックスハウンド
単に「フォックスハウンド」というときには、「イングリッシュ・フォックスハウンド」のことを指します。
◆原産国と歴史について
“イングリッシュ”が犬種名に入っていることから分かるように、イギリス原産のワンちゃんです。
イングリッシュ・フォックスハウンドのもとになったのは、現在は絶滅した「サザン・ハウンド」という犬種と考えられています。
サザン・ハウンドの起源は明確ではないですが、9世紀もしくは11世紀には誕生していたとのこと。
当時のサザン・ハウンドは、シカ狩猟に用いられ人気がありました。
ただ、次第にキツネ狩りが流行り出すと、以前ほどの人気はなくなりました。
そして、キツネ狩りにぴったりな犬種を作ろうと、サザン・ハウンドにさまざまな犬種が混ぜてイングリッシュ・フォックスハウンドが誕生。
サザン・ハウンドの姿は、1800年代には消えていきました。
イングリッシュ・フォックスハウンドが作出する過程で、いくつかのハウンド犬が使われていますが、それらの外見や特徴を受け継ぎつつ、現在のように優れた能力を持つ美しいワンちゃんとなりました。
◆体の大きさは?
イングリッシュ・フォックスハウンドの体長は58~69センチほど、体重は25~34キロほどです。
とても大きく頼りがいのある大きさですね。
◆主な特徴は?
大型サイズで筋肉質、たくましい体つきをしているイングリッシュ・フォックスハウンド。
骨太で丈夫な長い足、そして厚い胸板で颯爽と走る姿は、勇ましさだけでなく、美しさも感じられます。
大きな瞳で遠くを見つめる表情は、堂々とした凛々しい雰囲気があります。
狩猟のために長く働くことを目的に作られた犬なので、スタミナに溢れています。
持久力があり、軽やかに走るジョギングのような散歩がぴったりです。
また、基本的な毛色は「白」「茶」「黒」が混ざったトライカラーです。
◆どんな性格をしているの?
狩猟のときは勇猛果敢に攻め込んでいくタイプですが、ふだんは賢く穏やか、知的です。
「この人はリーダー」といったん認めた相手には忠実で、訓練性にも長けています。
また、群れで生活していた歴史があるので、ほかの犬に対しても社交性があります。
多頭飼いをしても、トラブルを起こすタイプではないでしょう。
ただ、やはり狩猟犬としての血が騒ぎ、警戒心は高めです。
知らない相手には距離を置き、番犬のような反応もします。
頑固な部分が前面に出るとしつけに苦労するため、訓練をしっかりと行い、愛玩犬とは違った飼い方が理想的です。
アメリカン・フォックスハウンド
次に、アメリカン・フォックスハウンドについて見てみましょう。
◆原産国と歴史について
イギリスで生まれたフォックスハウンドがもととなって、アメリカで誕生していったのが「アメリカン・フォックスハウンド」です。
イギリスで発達したイングリッシュ・フォックスハウンドがアメリカに渡ったのが1650年頃のこと。
つまり、歴史的にはアメリカン・フォックスハウンドの方が浅めです。
イングリッシュ・フォックスハウンドをルーツに持ちますが、犬種としては違ったワンちゃんです。
1700年代には当時のアメリカ大統領だったワシントンにも愛され、イングリッシュ・フォックスハウンド以外の猟犬の血が混ざって現在の「アメリカン・フォックスハウンド」という犬種になりました。
◆体の大きさは?
アメリカン・フォックスハウンドの体長は53~63センチほど、体重は24~34キロほど、32キロ前後が平均的です。
オスの方がやや大きめに育つことが多く、34キロほどの体重の個体もいます。
全体的に引き締まり、狩猟にぴったりなパワフルさが感じられる犬種です・
イングリッシュ・フォックスハウンドと比べると、骨格が細めで、やや小ぶりに見えるでしょう。
◆主な特徴は?
イングリッシュ・フォックスハウンドとよく似た見た目です。
垂れ耳で可愛さもある反面、たくましい体つきをしています。
長く健康的な足に、無駄のない筋肉でスポーツマンタイプの外見が特徴的です。
毛色に関しては、何色でも認められ、豊富なバリエーションです。
短い被毛は滑らかな毛質で、毛のお手入れもそれほど頻繁でなくても毛玉ができにくいでしょう。
◆どんな性格をしているの?
イングリッシュ・フォックスハウンドと同じように、頭が良い犬です。
もともとも、狩猟の現場で人間に仕えてきたことから、リーダーと認めた飼い主さんには従順です。
持ち前の警戒心を働かせ、何かを判断する力にも長けています。
狩猟中には「獲物を吠えて知らせる」という役割だったので、基本的に吠えることは多いでしょう。
「知らない人」「見知らぬ音」などには敏感に反応し、よく吠えるため、しつけでコントロールしていくことも大事です。
フォックスハウンドを飼うときのポイント
イングリッシュ・フォックスハウンドとアメリカン・フォックスハウンド、歴史的にも通じる部分があるため、見た目も性格もとても似ているワンちゃん達です。
それでは、次にフォックスハウンドを飼うときのポイントを見てみましょう。
◆自由に活動できる広めのスペースで飼うのがおすすめ
家族や仲間と一緒にいるのが好きで孤独が苦手なフォックスハウンドは、屋内で飼うことがおすすめです。
ただ、体が大きいため、マンションやアパートなどは広さが不十分ですが、庭がある戸建て住宅飼いやすいでしょう。
◆たっぷり散歩させる時間を確保
猟犬でアクティブに過ごしていたフォックスハウンドは、家庭犬となっても運動量は変わりません。
散歩時間を多めに確保し、フォックスハウンドの大きな体に合わせた運動をさせてあげましょう。
「1回につき1時間ずつ」の散歩を1日2~3回は行うことが理想です。
また、「飼い主さんがジョギングしている横で走らせる」「自転車に乗った飼い主さんの横を散歩させる」など、ゆっくり歩くよりもスピード感が溢れているような散歩を取り入れると喜びます。
フォックスハウンドと一緒に暮らすためには、「散歩に行く時間を確保できる」「一緒に散歩できる体力がある」というポイントをクリアできるかどうかも重要です。
小さな体の愛玩犬を飼うよりは、ハードルが高い犬種と言えるかもしれませんね。
◆早いうちにしつけておく
フォックスハウンドは古くから「狩猟」で活躍していた犬種です。
狩猟本能があるため、「何かを見つけるとリーダーに教えなきゃ」と大きな声で吠えたり、「小さく動くものを見つけたからすぐに追いかけよう」と走り出したりと、突然ダイナミックが動きをすることもあります。
散歩では、急な動きに対応できるようにしなければなりません。
忍耐力と従順性もあるので、根気よく教え込んでトレーニングに向き合うようにしましょう。
初めて犬を飼うケースでフォックスハウンドという犬種を選ぶと、手強さを感じるかもしれません。
まとめ
フォックスハウンドの歴史や特徴についてお伝えしました。
狩猟犬と活躍していたため、ちょっとワイルドな見た目で体格も大きいですが、飼い主さんにはよく懐き穏やかな性格をしています。
何かを見つめるときの凛々しい表情、飼い主さんと触れ合っているときの優しい表情など、とても魅力溢れる犬種です。
日本ではとてもレアな存在で、なかなか出会えないかもしれません。
もし、縁あって家族に迎えることができたら、たくさん運動させて、一緒に楽しい時間を過ごしてあげましょう。
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