1.犬にお米を与えてもいいのか
1-1.炊いたお米
1-2.生米
1-3.玄米
1-4.雑穀米
1-5.米麹、米ぬかなど
2.お米に含まれる栄養
2-1.糖質
2-2.たんぱく質
2-3.ビタミン
2-4.カルシウム
2-5.マグネシウム
犬にお米を与えてもいいのか
結論から言うと、犬にお米を与えることで犬の健康に害を及ぼすと言うことはほぼありません。市販の犬用エサやおやつの中には米や玄米を使ったものがあるほどです。
しかし、あげるお米の種類や状態にしっかりと注意しなければ、犬の健康に害を及ぼしてしまうことが十分に考えられます。ここからは、お米の種類ごとに犬に与えても大丈夫かどうかを解説していきます。
◆炊いたお米
炊いたお米は、犬に与えても大丈夫です。炊いてあるため消化もよく、でんぷんや植物性タンパク質が豊富なため、体を動かす原動力となってくれます。
しかし、いくら炊いてあっても、犬の消化管は植物を消化することは得意ではありません。下痢や消化不良を起こしてしまう可能性があるため、あげる量はほどほどにしておきましょう。
◆生米
生米を与えることは、あまり犬にとって好ましくありません。原因は複数ありますが、主に栄養の面と消化の面で適していないと言われています。
栄養面に関して、生米は非常に硬く、人間でも消化することが極めて難しい食べ物です。ましてや肉食動物の犬では、うまく消化することはできないでしょう。そのため、たとえ食べたとしても体にうまく栄養素を取り込むことができません。
これらに関連して消化面ですが、消化できないということは胃や腸にダメージを与えてしまうということです。生米は消化不良や下痢を犬に起こしてしまうと言われています。これらのことから、生米は犬に与えない、また犬が触りそうな場所には置かないことが大切です。
◆玄米
玄米は、犬に与えても大丈夫です。米に比べてミネラルやビタミン類が豊富で、より健康志向な食生活を送らせることが可能となります。
しかし、米に比べて消化がしにくいという面もあるため、白米よりも多めの水で炊いたやわらかめのものを与えるようにしましょう。また、消化管の働きが弱い子犬や高齢権に与える時には、フードプロセッサーや包丁で粒を細かくしてあげると、消化もしやすく健康にも優しくなります。
◆雑穀米
そもそも雑穀米とはなんでしょうか?雑穀米とは、「白米をベースとし、そこにとうもろこしや小麦などを除いた穀物を混ぜたもの」です。
白米をベースとしているため、前提として危険性は高くありません。また、雑穀とされる穀物の中にも犬にとって危険であったり中毒症状を引き起こすようなものは含まれていません。しかし、思わぬアレルギーを持っている可能性がないとは言い切れませんので、その点には注意してください。
◆米麹、米ぬかなど
米麹、米ぬかは白米を基としたものなので、犬に与えても大丈夫です。
これらの食品を発酵食品と呼ばれ、もとの食材から違う食材に変わるわけではないので健康に関して危険はありません。余談ですが、この発光という反応は犬や私たち人間の体内でも起こっており、発酵によって生じる物質が犬に危害を加えるということはまずあり得ません。
ですが、白米と同じで与えすぎは禁物です。
お米に含まれる栄養
ここまで、お米は量さえ守ればあげても大丈夫なことを説明してきました。ここからは、お米に含まれる栄養素について説明をしていきます。
◆糖質
お米は、大部分がでんぷんでできています。では、そのでんぷんとはいったいなんなのでしょうか?簡単にいうと、でんぷんは糖の塊です。
糖の1番小さい単位は、グルコースと呼ばれる物質です。単糖と呼ばれます。単糖にはグルコースのほかに、植物の体を作るセロビオースや、乳に含まれる蛾ラクトースなどが含まれます。このグルコースがたくさん繋がって塊となったものが、でんぷんなのです。糖質制限ダイエットなどでまず米を抜くのは、こういったことが理由となっています。
お米100gあたり、77gの糖質が含まれると言われています。約8割近くなので、相当な量ですね!
◆たんぱく質
タンパク質は、お米100g中に約7g含まれていると言われています。肉や魚に比べると非常に少ないため、タンパク質の補給目的で犬に米を与えるのは危険であると言えそうです。
◆ビタミン
お米に含まれるビタミンは主にビタミンBで、お米100gに約0.1g含まれています。非常に少ないですね。ビタミンの不足は犬に非常に重篤な病気をもたらします。注意したいところですね。
しかし、犬は人間と違い体内でビタミンを合成することができる動物です。そのため過剰にビタミン不足の心配をする必要はありませんが、やはりお米だけで補おうとするのはやや無理があるかもしれません。
◆カルシウム
お米100g中に含まれるカルシウム量は、約0.005gです。とても少ないですね…
骨の形成などの働きがよく知られているカルシウムですが、実は筋肉の運動や脳の働きにも密接に関わっています。これらの働きは即生命に直結するため、カルシウムは全く疎かにすることができない物質です。
特に子犬においてはカルシウムが多く含まれたミルクやパウダーを与えることも少なくないため、これもやはりしっかりと補ってあげましょう。
◆マグネシウム
お米に含まれるマグネシウムの量は100g中およそ0.023gです。カルシウム同様。こちらもとても少ないですね…
マグネシウムもまた体液の働きや、腎臓の働きなどでとても重要な物質ですのでしっかりとフード等で補うことが必要になってきます。
犬に与えるお米の量
ここまで犬に対するお米について説明をしてきましたが、実際に与える場合どれくらいあげても大丈夫なのでしょうか?
犬種やワンちゃんの体の大きさによって量はまちまちなのですが、日頃あたえているフードの量のおよそ5分の1程度にとどめるべきだと考えられます。理由は先述したお米中の糖質の量にあります。
人間と同じように、糖質の過剰摂取は犬の肥満の原因となります。また、カロリーもお米は高いですので、あげすぎにはくれぐれも注意しましょう。
犬にお米を与える際に注意すること
ここまで、量を守れば犬にお米を与えても大丈夫だということを説明してきましたが、さらに注意しなくてはならないことがいくつかあります。しっかりと目を通しておいてください。
◆味付けはしない
「お米だけで食べさせると味がしなくてかわいそうだから…」と塩や味噌などで味付けをする人がいますが、そういったことはしないようにしましょう。
人間の感覚での塩加減では、犬にとっては辛すぎます。必要な塩分の量を超えているというわけです。これはドッグフードをかじったりしたことがある人ならばわかると思うのですが、ペット用のフードは人間が食べてもほぼ全く味はしません。
循環器障害の原因になったりもするため、味付けはしないようにしましょう。
◆冷ます
犬は、熱々のものを食べることに慣れていません。熱いものが苦手な人のことを「猫舌」と呼びますが、犬も同じくらい熱いものが苦手です。
犬の舌の薄さを見ればなんとなくイメージできるかもしれませんね。このような理由から、犬にご飯を与える場合は多少硬くなってしまっても冷ましてからあげることが大切です。
◆アレルギー
犬の中には、お米にアレルギーを持っている子がいる可能性があります。お米は、食品の中では非常にアレルギーの起きにくいものとされています。
しかし、あらゆるものが身近にある社会ですから、どんなものにアレルギーを持っていても不思議ではありません。アレルギーがないかどうかをしっかり見極めるため、初めは殊更に抑えめの量から与えるようにしましょう。また、アレルギーらしき症状が起こった場合は速やかに動物病院へ連れて行きましょう。
犬の穀物アレルギーとは
犬の穀物アレルギーは、犬でよく見られるアレルギーの1つです。犬用のペットフードやおやつには穀物が多く含まれているのが理由だと考えられています。
アレルギーは未然に防ぐことはできません。ですが起こったアレルギーを毛起きないようにすることはできます。動物病院へ連れて行き、まずはアレルギーの原因となっている食材を特定しましょう。その後、それを省いた食生活を続けていけば解決です。
中でも小麦はアレルギーを起こしやすい食材だと言われているため、与える際には注意しましょう。
犬にお餅を与えてもいいのか
犬にお餅を与えることはお勧めしません。成分自体はお米と大きくは変わりませんが、犬が喉に詰まらせて窒息する可能性が非常に高いです。
基本的に、犬は人のような咀嚼はしません。犬の歯は獲物を仕留めるためのもので、食べるためのものではないからです。そのため、犬に餅を与えてしまうと丸呑みしてしまい窒息してしまう可能性が非常に高いです。
まとめ
ここまで、犬にお米を与える際の注意点について説明をしてきました。
量やあげ方さえきちんと守ればワンちゃんの健康に非常に有用な食べ物なので、しっかりと注意して与えるようにしましょう。それでは、良いペットライフを!
– おすすめ記事 –
・犬はカニカマを食べられる?気になるカニやちくわについても徹底解説 |
・犬に豆腐を与えたい!ポイントと与え方を解説 |
・犬はバナナを食べても大丈夫?注意点やメリット、バナナの与え方を知ろう! |
・犬に納豆をあげたい!メリットや与えるときのポイント、適量を紹介 |