1.犬にかつおぶしを与えてもいいのか
1-1.かつおぶし
1-2.出汁
1-3.かつお(本体)
2.犬にかつおぶしを与えるメリット・デメリット
2-1.メリット
2-2.デメリット
犬にかつおぶしを与えてもいいのか
◆かつおぶし
結論から言うとかつおぶしは少量ならば与えても大丈夫です。
猫用のおやつに魚が原料のものは多くあり、犬用では少ないですが、本来は犬も猫も肉食動物なので同じものを食べても問題ありません。最近は犬猫兼用のかつおぶしが販売されていて、魚を使っているフードもあります。
犬にかつおぶしを与えるのは昔の日本独自の風習です。昔の犬は今より短命でしたが、それが直接の原因になったわけではありません。
注意点は食事全体のバランスです。
かつおぶしをあげると塩分を取りすぎてしまうのでは?と思いがちですが、削り節にするととても少なくなります。ミネラルが多く、低脂肪な食品です。中でもカリウムが100g中940㎎と多く、脂質が100g中2gと少なめです。なので、高齢犬や病気の犬の栄養補給に向いています。
◆出汁
出汁には栄養や塩分が凝縮されていますが、こちらも少量ならば問題ありません。
ドッグフードや手作りごはんに出汁をかけると香りが良くなります。
温かいと香りが強くなりますが、火傷しないように冷ましてから与えてください。犬の食欲がないときに試すと良いでしょう。
だしがらも犬が食べても大丈夫です。出汁をとる前の状態は塩分を含んでいますが、一度湯通ししたものは塩気が落ちているので安心して食べさせられます。
◆かつお(本体)
削る前のかつおぶし本体を与えるのは良くありません。
生のかつおに栄養素はたくさん含まれていますが、乾燥させてかつおぶしにすると更に塩分やミネラルが凝縮されています。
出汁が取れるということはそれだけ濃い食べ物だということです。削る前の塊の状態で食べては、栄養過多になってしまいます。
かじった塊を飲み込んで喉や腸に詰まる危険性もあるため、食べやすくして与えましょう。
犬にかつおぶしを与えるメリット・デメリット
◆メリット
かつおぶしには犬の体の働きを助ける成分がたくさん含まれています。
カルシウム、鉄分、ビタミンA,B群が豊富で体内の細胞を活性化させ、免疫力も向上します。
体内で生成されない必須脂肪酸であるDHAやEPAが多く含まれています。人間もサプリメントであえて摂取することがありますが、これらには脳の働きを良くする、自立神経の働きを良くする、血液をサラサラにする、といった効果があります。
犬に食べさせることで毛づやが良くなる、イライラを防ぐなどが期待できます。貧血や高血圧、血管に関係する病気も予防できます。高タンパクで低脂質なので高齢犬やダイエットが必要な犬に向いています。
旨み成分が含まれていて香りが強いため、食いつきが良くなるという利点もあります。犬の嗅覚は人間の100万倍以上と言われていて、人間が感じとれる香りは犬にはものすごく強い香りです。
また、手作りごはんにも使えます。コンソメや中華だしには、タマネギ抽出物や香辛料などが入っているため犬に与えることが出来ません。
そのため犬のご飯は基本知己には、味なし、素材の味はそのままで与えることが多く、犬が好きな香りを出せないこともあります。
削り節や出汁をかけると全体の香りが強くなり、残さず食べてくれる可能性があります。病気や夏バテで食欲が落ちている犬に与えると効果が期待できます。
◆デメリット
デメリットは食事の好みが変わること、体質に合わない可能性があることです。
かつおぶしを与えすぎると気に入ってしまい、元々食べていたフードを食べなくなってしまう犬がいます。偏食を防ぐためにも頻繁に与えてはいけません。
また魚はアレルギーを起こしにくい食べ物ですが、100%ないとは言い切れません。アレルギーの症状は体の痒みや発疹、下痢、嘔吐です。魚のアレルギーがあるとわかっている犬は避けましょう。
子犬の成長に良い成分を含んでいますが、まだ体質がよくわかっていないことがあるので控えましょう。アレルギーでなくても、食べた後に下痢などの症状が出ることがあります。
下痢はわかりやすい体調不良のサインです。体質が合わない犬には食べさせるのを中止してください。
犬にかつおぶしを与える際の注意点
◆量
何においても取りすぎは良くありません。
かつおぶしを与えるなら1日1回、一つまみ2g程度で週1~2回にしましょう。
犬は優れた嗅覚を持っているので、風味を感じるには十分な量です。直接食べなくても、ドライフードの袋に出汁パックを入れておくだけで風味はつきます。
自然素材のものなら心配ありませんが、加工品は添加物が使われていたり、塩分やミネラルが多かったりします。湯通ししただしがらでもミネラルが残っているので犬に与えるのは控えましょう。
食べさせ方にはポイントがあります。
冷ややっこのようにいつものフードにふりかけただけでは、犬がその部分だけ食べてあとは残す可能性があります。
缶詰などのウェットフードには薄削り節や粉末状のものを混ぜ込む、ドライフードには粉末状のものをかけてシャカシャカ振って混ぜ込むといった手間を加える必要があります。
ここで簡単な犬用ふりかけのレシピを紹介します。
犬用ふりかけ
材料:かつおぶし 煮干し(無塩) ごま(粒でもすりごまでもOK)全て適量
① 材料をミキサーに入れて混ぜる
② 細かくなったら完成
密封できる袋に入れて冷蔵庫で保存し、早めにお召し上がりください。
かつおぶしゼリー
材料:かつおぶし1g 粉ゼラチン3g お湯200ml
① かつおぶし、粉ゼラチン、お湯少しを加えてダマがないように混ぜる
② なじんだらお湯全部を加えて混ぜる
③ 冷蔵庫で冷やし固めて完成
水分も一緒に摂れてかつおぶしも少量ですむおやつです。食べさせすぎないように注意してください。おやつとして与えるのもおすすめです。
手を加えなくても厚削り節をガムのように時間をかけて食べさせると犬も満足します。おやつの目安は1日の食事の10~20%までのため、かつおぶしもいつものフードとのバランスを考えて与えなければいけません。
ペット用の削り節も販売されています。市販のおやつは成分やカロリー表示されているので調整しやすいのが利点です。袋の表示を見ながら適量を与えましょう。
◆病気
犬にかつおぶしを与えることで心配される病気は尿路結石、高カリウム症、心臓負担です。
尿路結石とは人間と同じで尿管や膀胱、腎臓に石ができる病気です。
結石が小さければ排出できますが、大きくなると尿道を塞いで尿が出にくくなってしまいます。
尿が出ないということは老廃物が体外に排出されないので命に関わります。
かつおぶしにはミネラルが多く、リンやマグネシウムが含まれています。リンはカルシウムと結合して結石のもとになります。
また、腎臓に持病のある犬は獣医師に相談し、与えすぎに注意しましょう。
高カリウム症とは血中のカリウムの濃度が上がってしまう病気です。
カリウムは必要なミネラルですが、多すぎると体に悪影響を及ぼします。人
間同様不整脈、四肢のしびれ、筋力の低下、吐き気などを引き起こし、死に至る場合があります。
犬は塩分を過剰摂取すると、人間よりも心臓に負担がかかります。汗をほとんどかかないので体外に塩分を排出しにくいのが理由です。
人間は暑くなると汗を出して塩分と水分を体外に排出します。
ところが犬は舌をハアハア出して熱を排出するだけで、皮膚から汗は出ません。
人間も犬も塩分は生きていくのに必要ですが、摂りすぎると喉が渇きます。
水をたくさん飲んで体内の水分量が増えても、犬の場合は汗が出ないため排出量が少ないままです。
溜まった水分は血管に入り、血液量が増えてしまいます。同時に血圧が上がって心臓に負担をかけることになってしまいます。
まとめ
かつおぶしは人間にも犬にも良い食べ物ですが、そればかり食べていてはいけません。
味の濃いものばかり食べて不摂生な生活をして病気になる人はたくさんいます。
これは犬も同じで、主食にするのは総合栄養食としてバランス良く作られたドッグフードです。
それ以外の食べ物は栄養補給やご褒美程度にして犬の健康を保ちましょう。
– おすすめ記事 –
・犬にお米はNG⁉︎注意すべき与え方とお米の種類について徹底解説! |
・愛犬ににんじんを与えても大丈夫?!効果や注意点を知ろう! |
・犬はカニカマを食べられる?気になるカニやちくわについても徹底解説 |
・犬に豆腐を与えたい!ポイントと与え方を解説 |