1.ノヴァスコシアダックトーリングレトリバーの歴史
2.ノヴァスコシアダックトーリングレトリバーの特徴
2-1.外見
2-2.被毛(毛色など)
4.ノヴァスコシアダックトーリングレトリバーはどこから飼えるのか
4-1.ブリーダーや輸入
4-2.価格
5.ノヴァスコシアダックトーリングレトリバーの気を付けたい病気
5-1.進行性網膜萎縮症
5-2.熱中症
5-3.関節炎
ノヴァスコシアダックトーリングレトリバーの歴史
では初めに、ノヴァスコシアンダックトーリングレトリバーの歴史についてご紹介していきます。
ノヴァスコシアンダックトーリングレトリバーは、FCI公認のレトリーバー犬種としては最も歴史の浅い犬種です。
19世紀前半、イギリス原産の絶滅犬種レッド・デコイ・ドッグやラフ・コリー、スパニエル種の犬やレトリーバー種の犬などを計画的に交配させ作られました。
「トーリング」と名につくことが指し示すように、デコイ猟というちょっと変わった狩猟が主な仕事でした。「トーリング」とは、英語で「おびきよせる」という意味を持ちます。
デコイ猟は主人と犬がペアで行う猟で、主な獲物は水鳥でした。その方法はというと、まず主人が水鳥のいる方へ木の棒を投げます。すると、トーリングレトリバーは木の方向に向かって走り、水鳥の気を引きます。その隙に、主人が銃でズドン、というのがデコイ猟です。
トーリングレトリバーの原産地ノヴァスコシア半島では、猟犬としてよりもペットとして人気が高く、1945年以降公認犬種として登録され、世界的に知られるようになりました。
現在は、デコイ猟の衰退により猟犬として使われる機会はかなり少なくなりました。しかし現在も、ペットやショーで世界的に人気です。日本でも数年に一度国内登録が行われています。
ノヴァスコシアダックトーリングレトリバーの特徴
それではここからノヴァスコシアンダックトーリングレトリバーの特徴について説明をしていきます。
◆外見
体つきは、レトリーバーにしては少し小さめでコリータイプの犬に似ています。しかし顔つきはレトリーバーそのもので、胸も広いです。脚はそこまで長くも短くもありませんが、足腰の丈夫さは目を見張るものがあります。目は小さく、とても優しい目つきをしています。瞳の色はブラウンで、口角は少し上がっています。耳は大きな垂れ耳で、尾はふさふさとしています。
ラブラドールやゴールデンといった他のレトリーバー種に比べて少しがっちりとしている印象を受けます。名前は聞き慣れないノヴァスコシアダックトーリングレトリーバーですが、見た目はきっと皆さんもどこかで見たことがあると思います。
◆被毛(毛色など)
被毛は非常に柔らかく、毛色はレッドやオレンジで、そこにホワイトのマーキングやパッチが見られます。被毛は水をよくはじくため、水辺で作業を行うことに非常に適しています。水鳥の猟をしていた犬らしい特徴ですね!
トーリングレトリーバーの行っていた水辺で主人が仕留めた獲物を回収する作業は「レトリービング」と呼ばれ、これは「レトリーバー」という名前の元にもなっています。
ノヴァスコシアダックトーリングレトリバーの性格
ノヴァスコシアダックトーリングレトリバーは、元々の職業柄とても活発な性格をしています。そのため、時折予測不能な行動をとって人間をびっくりさせてしまうこともあります。また、同じ理由で泳ぐことが非常に好きです。
そんなトーリングレトリバーですが、攻撃的な面はほとんどなく、人や他の犬にも非常に馴れます。またしつけもしやすく運動量も一般的なため、日本で飼うことにも適しています。
また、他のレトリーバーと同じように非常に学習能力が高いです。とても賢く、判断能力に長けています。その反面、間違ったことを覚えさせてしまうとなかなか忘れないため、しっかりと訓練を行うことが大切です。できれば、子犬の頃からプロのドッグトレーナーからの指導を受けさせるのが望ましいです。
ノヴァスコシアダックトーリングレトリバーはどこから飼えるのか
ここまで、ノヴァスコシアンダックトーリングレトリバーの特徴について説明してきましたが、いざ飼うとすると日本ではどのように入手できるのでしょうか。
◆ブリーダーや輸入
ノヴァスコシアダックトーリングレトリバーは日本での入手は非常に難しいです。入手するには、海外の専門ブリーダーから輸入を行うことが一般的です。日本でブリーダーをやっている人も一応いらっしゃいますが、現状数はあまり多くありません。
海外からの輸入にはインターネットを使用することが一般的です。専用のサイトも存在しているため、購入を検討している人は一度検索してみてください。
◆価格
ノヴァスコシアダックトーリングレトリバーを入手するときの価格は、入手方法によって変わってきます。輸入の場合は、輸送費や仲介料などを含めて大体50万円ほどかかります。
国内のブリーダーさんから購入する際は、輸送にかかるお金が少なくなるため25万円ほどで入手が可能です。
また、追加でケージやエサなども購入しなくてはならないため、購入額に1〜2万円ほど追加したのが実際にかかる費用になります。
ノヴァスコシアダックトーリングレトリバーの気を付けたい病気
ここまでノヴァスコシアダクトーリングレトリバーのことについて説明してきましたが、やはり気になるのが病気です。ここからは、ノヴァスコシアダックトーリングレトリバーがかかりやすい病気について紹介していきます。しっかり目を通してくださいね。
◆進行性網膜萎縮症
ノヴァスコシアダックトーリングレトリーバーがかかりやすい病気として、進行性網膜萎縮症(PRA)が挙げられます。この病気は、網膜につながる血管が細くなることで日数が経つにつれて段々と目が見えなくなっていくというものです。遺伝病の一種で、たくさんの犬種を掛け合わされているトーリングレトリバーでは起こりやすい病気です。
原因が未だ判然としていないため、治療法も確立されていません。動物病院で取られる治療としても、サプリメントで治療を遅らせるだけです。長い期間付き合っていく病気になるため、早期発見が大切です。「見えにくくなっているかな?」と感じる症状が見られたら動物病院へ連れていきましょう。
◆熱中症
ノヴァスコシアダックトーリングレトリーバーは非常に分厚い被毛を持ちます。また、柴犬のように季節に合わせて被毛が生え変わることもあまりありません。そのため熱を逃すことが苦手で、熱中症にかかりやすくなっています。
対策としては、外出時でも冷房をつける、常に水を新しいものに変える、散歩は涼しい日陰を選んで歩くなどが挙げられます。
熱中症はとても進行が早く、気づいた時には手遅れということも起こり得ます。特に夏場は日頃から対策を怠らず、ワンちゃんの様子に目を光らせておくことが大切です。
◆関節炎
ノヴァスコシアダックトーリングレトリーバーは非常に活発な犬です。また、ガッチリとしていて体重も重いです。そのため、非常に関節に負荷がかかりやすくなっています。
関節に負荷がかかり軟骨がすり減ると、骨同士が擦れ合って関節炎が引き起こされます。関節炎になってしまうと動くたびに痛みが生じ、運動を満足に行うことができなくなってしまいます。
「以前に比べて運動が減ったかな?」と思ったら一度動物病院へ連れて行ってみましょう。消炎鎮痛剤など、関節炎を抑えるための薬を処方してもらえます。
ノヴァスコシアダックトーリングレトリバーの飼い方
ここまでトーリングレトリーバーの詳細について説明してきましたが、最後に、ノヴァスコシアダックトーリングレトリバーの飼い方を説明します。
◆散歩
散歩の量自体は、そこまで多くする必要はありません。しかし、先述のようにはしゃぐことも非常に好きな犬種のため、ドッグランやおもちゃで定期的に遊んであげるといいでしょう。元々水辺で仕事をしていた犬種ですので、泳ぎに連れて行ってあげるのも良いかと思われます。泳ぎに連れて行く際は、川や海の水を飲ませないようにしましょう。有害な微生物が含まれている可能性があります。
◆食事
食事は、年齢や体の大きさに合わせて与えましょう。被毛や筋肉量がとても多いため、タンパク質を多く含むものを与えるのが吉です。ペットショップやホームセンターで取り扱われているため、もしわからなければ店員さんに聞いてみると良いでしょう。
また、あまり脂肪を摂りすぎると関節炎になってしまうため、肥満予防に配慮がされているものを選ぶことも大切です。
◆しつけ
ノヴァスコシアダックトーリングレトリバーは、非常に温厚でしつけもしやすいですとても学習能力が高く、教えたことはどんどん吸収してくれます。
その分、間違ったこともどんどん覚えていってしまうため、特に子犬のうちは慎重にしつけを行いましょう。特に、トイレや吠えグセ、噛み癖には注意しましょう。
まとめ
ここまで、ノヴァスコシアダックトーリングレトリバーについて説明してきました。非常に飼いやすく、一緒に過ごしていて楽しい犬種ですので、ぜひ飼うことを検討してみてはいかがでしょうか。
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