【掲載:2021.06.19 更新:2026.05.12】
犬は梅干しを食べていいのか

結論から言えば犬が梅干しを食べても害はありません。
しかし、どんな食べ物にも適量があります。与えすぎはよくありません。
◆犬にとって必要な塩分の量
犬が1日に必要とするナトリウムの量は、体重1kgあたり50mgといわれています。これは、塩分に換算すると、体重1kgあたり0.127gです。例えば、体重10kgの場合、1.27gが必要量となります。
◆食物アレルギー
どんな食べ物も、アレルギーの原因(アレルゲン)となることがあります。
初めて梅干しを与える際にはごく少量にして、様子を注意深く見守りましょう。アレルギー症状が出た場合に備えて、動物病院の診療時間内に与えることをおすすめします。
アレルギーの症状は、皮膚や目、耳などに痒みや赤みが出る、嘔吐や下痢などです。
犬が梅干しを食べて得られる効果
ここでは、梅干しの健康効果のうち、犬も得られるかもしれない効果について、ご紹介します。
ただし、梅干しに含まれるクエン酸やポリフェノールには、人にとって健康効果があるという研究報告が多数ありますが、犬については研究が行われていないため、同様の効果があるかはハッキリと分かっていないのが現状です。
◆抗酸化作用
梅に含まれる梅ポリフェノールには、抗酸化作用があります。抗酸化作用とは、活性酸素の働きを抑制することです。
活性酸素自体はカラダに必要なものですが、必要以上に働いて細胞を傷つけてしまう面があります。細胞が傷つくことは、老化やガンにつながると考えられます。
抗酸化作用のある梅ポリフェノールには、老化やガンの予防効果が期待されます。
◆血流改善
梅ポリフェノールには、血流改善の効果もあり、高血圧や動脈硬化の改善や予防に役立つと考えられます。
◆疲労回復
梅干しには、クエン酸が多く含まれています。梅干しの酸っぱさのもとです。
クエン酸は、エネルギーを生み出す「クエン酸回路」を活性化し、効率よくエネルギーを作る働きがあります。
疲労とは、エネルギーが不足している状態といえるので、クエン酸には疲労回復効果が期待されます。
◆ミネラルの吸収をサポート
クエン酸には、ミネラルの吸収をサポートする働きもあります。
◆肥満の抑制
ポリフェノールには、脂肪の吸収を抑制する効果もあり、肥満体質の犬にはおすすめの成分です。
◆食欲増進
前項の通り、梅干しには脂肪の吸収を抑える働きが期待できますが、一方で、クエン酸の酸っぱさが唾液の分泌を促すため、食欲増進効果も期待できます。
相反する効果があるため、与える量には気をつけましょう。
梅干しを与える際の注意点

◆種や青梅は与えてはいけない
梅干しは犬が食べても大丈夫な食べ物ですが、種と青梅は絶対に与えないでください。犬に梅干しを与える際には、必ず種を取り除きましょう。
◆種と青梅の危険性
腸閉塞の恐れ
犬は食べ物を丸呑みする習性があるため、種が入ったままの梅干しを与えると、そのまま飲み込んでしまう可能性があります。多くの場合、消化されずに排せつ物とともに排出されますが、特に小型犬にとっては大きいため、喉や腸に詰まってしまう恐れがあります。
喉に詰まれば窒息する可能性が、腸に詰まった場合には腸閉塞になる可能性があり、最悪の場合は命に関わります。腸閉塞になると、内視鏡による処置や開腹手術が必要です。
消化器官を傷つける恐れ
梅の種は、先が尖っています。このため、丸呑みした場合に消化器官の粘膜を傷つける恐れがあります。
シアン化水素中毒の恐れ
種や熟していない青梅には、「アミグダリン」という物質が含まれています。
アミグダリン自体に毒性はありませんが、動物の体内で分解される過程で、「シアン化水素」という青酸系の猛毒を発生させます。
青梅のアミグダリン含有量は多く、シアン化水素中毒になる可能性が高いです。また、種をかみ砕いてしまった場合にも、シアン化水素中毒を起こす恐れがあります。
散歩中に、落ちている生梅を食べてしまう事故も起こりえます。拾い食いをさせないように注意しましょう。
万一、愛犬が種や青梅を食べてしまった場合には、体調の変化の有無を確認したうえで、かかりつけの獣医師さんに相談してください。
◆危険な症状
シアン化水素中毒の主な症状は、下記のとおりです。
・嘔吐
・めまい
・血圧低下
・発熱
また、病状が悪化すると、痙攣したり呼吸が止まったりして死に至るケースもあります。
これらの症状が見られたら、すぐに動物病院を受診してください。
◆誤飲・誤食の対処法
大原則は、すぐに動物病院に連絡して、指示を仰ぐことです。そのうえで、速やかに動物病院へ連れていきましょう。
多量に食べた場合
多量に食べて塩分過多になった場合には、愛犬に十分に水を飲ませます。そのうえで、嘔吐や下痢、ふらつきなどの症状が出ないか、様子を見てください。
飲ませられない場合には、無理をせず、なるべく早く動物病院を受診しましょう。また、水を飲ませるのは、あくまで応急処置です。必ず、動物病院を受診してください。
種を詰まらせた場合
種が喉や食道に詰まると、呼吸困難を引き起こすことがあります。舌が青っぽくなっている(チアノーゼ)や倒れてしまうなどの症状がある場合には、緊急度が高いです。
応急処置として、愛犬の口を開けて舌を引っ張り、気道を確保します。必ず、動物病院に連絡を取ってください。
種が胃腸に詰まった場合、急な嘔吐や腹痛などの症状が現れることがありますが、自宅での応急処置はできないため、早急に動物病院を受診してください。
種の吐かせ方
食塩水を使って吐かせる方法がネット上で見かけられますが、おすすめできません。吐けば問題ありませんが、吐かなければ塩分が吸収され、最悪の場合は塩中毒になる可能性があるからです。
吐かせる場合には、オキシドールを使ってください。
市販されているオキシドールは、ほとんどの場合、3%溶液です。ここでは、3%溶液であることを前提として説明します。
犬の体重1kgあたり1~2mlを舌の奥へ流し込みます。数分で吐き出す場合もあれば、吐き出さない場合もあります。
15分ほど様子を見て吐き出さなければ、もう1度流し込みます。オキシドールを2、3回流し込んでも吐かない場合には、自宅での処置は諦め、動物病院へ連れて行ってください。
その際には、食べたもの、食べた量、いつ頃食べたのかなどの情報を獣医師さんに伝えます。食べたものと同じものがあれば、持参しましょう。
どれくらいの量が危険?
犬の塩分致死量は?
犬の塩分致死量は、一般的に、体重1kgあたり4gといわれています。体重10kgの場合、塩分40gが致死量となります。
致死量に至らなくても、塩分を過剰に摂取すると心臓や腎臓に負担がかかり、さまざまな病気の原因となる可能性があります。
梅干しの適量と致死量は?
梅干し1粒の可食部は、13g程度です。これに含まれる食塩相当量は、塩漬けの梅干しで2.4g、調味料漬けで1.0gです(文部科学省日本食品成分データベースより)。
調味料漬けとは、塩漬けした梅を水につけて塩抜きをした後、調味料に漬けたもので、はちみつ漬けや昆布梅などのことです。
梅干しの致死量は、体重1kgあたり、塩漬けで約1.6粒、調味料漬けで約4粒となります。体重10kgの犬であれば、塩漬けの梅干し16粒ほどとなります。
一方、適量は、体重1kgあたり、塩漬けで約0.05粒、調味料漬けで約0.12粒となり、体重10kgの犬の場合、塩漬けの梅干し1/2粒程度といえます。
与える頻度は、週1度程度に留めておきましょう。
梅干しの与え方
◆種を取り除いて細かく刻む
上述の通り、犬が種を食べることは危険なので、まず種を取り除きます。果肉を細かく刻んで、ウェットフードに混ぜて与えると食べやすいです。
◆酸味を嫌う愛犬には
果肉を細かく刻んだものを、ジャガイモなど酸っぱさを和らげる食材と混ぜ合わせて与えてみましょう。
これでも食べない場合には、無理に与えることはやめておきます。
◆塩抜きをする
塩分が高い梅干しは、塩抜きをして与えるとよいでしょう。
1Lの水に対して塩1gを入れたものに、梅干しを入れます。この時、梅同士が接触しないようにするとよいでしょう。塩を入れるのは、浸透圧によって塩分を抜けやすくするためです。
塩抜き時間の目安としては、塩分濃度が20%の場合、約3時間で塩分は約15.5%、約8時間で約14%、24時間で約5~10%まで塩抜きされます。
時間を短縮したい場合、30~40℃程度のぬるま湯を使っても構いません。
まとめ
梅干しには、犬にとって害になる成分は含まれていないので、少量食べたからといって慌てる必要はありません。また、クエン酸やポリフェノールなどが含まれ、少量であれば健康効果が期待できます。
梅干しを食べられる犬には、刻んだ果肉をフードに混ぜたり、ジャガイモなど酸味を抑える食材と混ぜて与えたりするのがおすすめです。
梅干しの適量は、ごく少量です。飼い主さんによっては、量の加減や塩分の調整が難しく感じることもあるでしょう。
その場合には、梅を原料に含む犬用の製品を利用するとよいでしょう。犬用の製品であれば、塩分も調整されているので、与えやすいです。
ただし、与えすぎは禁物です。
愛犬の体調や病気と照らし合わせて与えてもよいか判断するようにしましょう。
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