犬は砂糖を食べてもOK?そのリスクと絶対食べてはいけない糖とは?!

2024.03.13

犬は砂糖を食べてもOK?そのリスクと絶対食べてはいけない糖とは?!

身近な調味料である砂糖。砂糖や砂糖が入ったお菓子はどのご家庭にもたくさんあると思います。では、犬は砂糖を食べても大丈夫なのか?そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。結論は「大丈夫だけど必要がない食べ物」です。なんで犬には必要ないの?砂糖で病気になることはある? そんな疑問を解決しながら「犬が絶対食べてはいけない糖」についても説明します!


【掲載:2023.03.02  更新:2024.03.13】


犬は砂糖を食べても大丈夫なのか

砂糖

砂糖は犬にとって「与えてはいけない食材」ではありませんが「与える必要がない食材」です。

砂糖に含まれる糖質は、犬にとっても必要な三大栄養素のひとつです。
タンパク質や脂質よりも、速やかにエネルギー源として使用され、とくに脳のエネルギーになると言われています。

それだけ大切な栄養素が入っているなら、「与える必要がないのはなぜ?」と思う方も多いと思います。
それは、砂糖を与えなくても日頃の食事で十分糖質を摂取できるからです。

糖質(糖分)は、砂糖だけでなく、お米などの穀物やイモ類、果物にも多く含まれているため、普段の食事をしっかり食べていれば十分です。
わざわざ砂糖でプラスに摂取する必要はなく、逆に砂糖など甘いものを食べすぎると、糖分過多となってしまう可能性があり注意が必要です。

では、犬にとって必要な糖質の量はどのくらいになるのでしょうか??


犬に必要な糖質の量

みなさんは、犬に与えるべき正しい栄養バランスを知っていますか?
人間と同じように犬にも理想の栄養バランスがあります。

    <犬の理想の栄養バランス>

    50% タンパク質・脂質(肉、魚など)
    25% 糖質(穀類、イモ類、果物など)
    25% 繊維質・ミネラル塁(キャベツ、にんじんなど)

犬の場合、糖質は1日の食事の4分の1が目安です。
これを大きく越える食事が続く場合、過剰摂取となってしまいます。
ワンちゃんは、美味しそうなものがあればどんどん食べてしまうので、飼い主さんがしっかりと食事の管理をしてあげてください!

では、大量に糖質(糖分)を与えることはなぜ良くないのでしょうか。
生きるために必要な栄養素のひとつなので、「たくさん与えてあげても良いのでは?」と思ってしまう方も多いと思います。

しかし、人間と同じで糖質を摂りすぎることで、肥満や病気などワンちゃんの生活を大きく変えることに繋がります。どんなリスクがあるのか、次で詳しく説明していきます。


犬に砂糖を与えることで引き起こされる病気

犬が落ちていた砂糖を少し舐めてしまったなど、少量の砂糖ですぐに健康に影響がでることは少ないですが、糖分の過剰摂取が長期的に続くことで引き起こされる病気があります。

◆糖尿病

まず特に注意したいのが糖尿病です。
犬も、糖分を摂れば血糖値が上昇し、その上昇を抑えるために体内でインスリンというホルモンが働きます。

糖尿病は、インスリンが減少したり血糖値を抑える作用が低下したりすることで、血糖値の高い状態が続いてしまう病気です。
高血糖の状態が続くと、食欲や元気がなくなり嘔吐・下痢などの症状がでます。さらに進行すると、神経障害や昏睡をおこし、死に至る可能性もあります。

犬の糖尿病は一度かかると完治が難しいといわれており、早期発見が重要になってきます。
初期症状があらわれにくいとも言われていますが、比較的気付きやすい初期症状が3つあります。

・多飲多尿  
・食欲の増進
・体重の減少

とくに、食欲はあるのに体重は減っていく(増えていかない)、というのは異常な状態です。
これは、糖尿病になることで体が糖質をエネルギーとして使えなくなり、その代わりにタンパク質や脂質をエネルギーとするため体重減少へと繋がります。

また、水を飲む量が増えたり、おしっこの回数が増えたりする場合もあります。
一緒にいる時間が長い飼い主さんは気付きやすいポイントですが、仕事で昼間は家にいない場合など気付かない可能性が高いです。

朝入れたお水が夜にはどのくらい減っているか、を日頃から確認する習慣を付けると気付きやすくなると思います!

犬の糖尿病は、一度引き起こすと長い付き合いになる病気なので日々の予防をしっかり行い、できるだけ早く異変に気づけるように愛犬の健康観察を習慣化しておきましょう!!

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◆肥満から引き起こされる病気

続いて、犬の肥満が引き起こす病気についてです。
犬も人間と同じで、エネルギー源として摂取した糖質も消費されなければ、脂肪として蓄積され肥満を招いてしまいます。

とくに毎日一緒に過ごしている愛犬だと体形の変化には気付きにくいかもしれません。
しかし、肥満から引き起こされる病気には、動脈硬化、高血圧、心臓病、脳梗塞などがあり、どれもワンちゃんの命に関わる重大な病気なので注意が必要です!

また、必要以上に太ってしまった場合、病気にならないようダイエットの必要があります。
人間でもするのが大変なダイエットは犬にとってもかなりのストレスになります。

犬はひとりではダイエットはできないので、飼い主であるあなたが、栄養バランスを考えて食事制限をしたり、積極的に運動をさせたりしなくてはいけません。
大切な愛犬にストレスを与えるのも心苦しいですよね。

「少し太っただけ」「ぽっちゃりくらいが可愛い」など飼い主が甘く考えずに、
愛犬と長く幸せに過ごしていくためにも、日頃から適切な体重管理をしてあげましょう。

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◆その他のリスク

その他のリスクとして、個体差はありますがドッグフードを食べなくなる場合があります。

砂糖(甘い物)を日頃から与えることで、ワンちゃんが「甘いものは美味しい」と覚えてしまうとドックフードに物足りなさを感じてしまう場合があります。
ドッグフードなどの普通の食事を食べなくなってしまうと、栄養不足につながる場合もあるので、砂糖などの甘いものは頻繁に与えないことが大切です。

もし、甘いものなどをあげる場合は、食事の時間はドッグフード、指示やしつけを守れた時のご褒美におやつ、などしっかり与える場面を分けてあげるようにしましょう。

また、人間の食べる甘いお菓子はペット用のお菓子よりも多くの糖分が入っている場合がほとんどなので、絶対に与えてはいけません。
ワンちゃんは、大好きな飼い主が美味しそうに食べていると興味を持って欲しがると思います。かわいい愛犬が欲しがるとついついお菓子をあげたくなってしまいますが、そこは甘やかさずに頑張りましょう!!


犬が大量の砂糖を食べてしまった際の対処法

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◆水を飲ませる

犬が砂糖を大量に食べてしまったときは、まず水をたくさん飲ませてあげてください。

砂糖を大量に食べた場合、犬も胃もたれのような状態となります。
人間と同じで、犬も胃もたれのときにごはんをたべると気分を悪くして嘔吐してしまう恐れがあるので、しばらくは与えないようにしましょう。

水をたくさん飲ませた後、嘔吐などもなくごはんを食べたがる場合は、消化しやすいようにドッグフードをぬるま湯でふやかして、胃に負担がかからないようにしてあげてください。
与える量も最初はいつもの4分の1くらいにして、様子を見ながら増やしてあげてください。

◆動物病院に行く

人間のお菓子やキッチンにある砂糖など、犬が大量の糖分を食べてしまうと下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。

もし、砂糖を食べた後に下痢や嘔吐の症状がある場合は、すぐに動物病院へ連れていき、「どのくらいの量を食べたか」「いつ食べたか」など、その時の詳しい状況を獣医師に伝え、診察をしてもらってください。

犬が砂糖を食べることで、すぐに命に関わることはないと言われていますが、下痢や嘔吐で苦しんだり、継続的に食べることで肥満から病気を引き起こしたり、様々なリスクがあります。

日頃から甘いものを食べ慣れているワンちゃんは、砂糖の匂いをたどって食べてしまう可能性もあるので、キッチンにはいれない、机の上などに人間のお菓子を出しっぱなしにしないなど、私たちも気をつけるようにしましょう。


絶対に与えてはいけない危険な糖分

同じ糖分でも、犬に絶対に与えてはいけないのが「キシリトール」です!

キシリトールは砂糖よりも低カロリーの人工甘味料で、人間の食べ物には多く使われていますが、犬にとってはとても危険な食べ物になります。

犬がキシリトールを摂取すると、急激にインスリンが増え低血糖になる恐れがあります。
摂取量によっては、10~30分程度で発作や腎不全になる可能性もあるため非常に危険です。
落ちていた人間のガムを食べてしまうなど、万が一犬がキシリトールを摂取してしまったと思われる場合はすぐに動物病院へ連れて行くか連絡をするようにしましょう。

私たちが食べられるお菓子でも、犬が食べると危険なお菓子はたくさんあります。
人間の食べ物をむやみに与えることは控え、犬が入る部屋ではお菓子は届かないところにしまうようにしてください。

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まとめ

犬にとって砂糖は、少量であれば食べても問題ないですが「必要のない食べ物」です。
いままでおやつを必要以上にあげてしまっていた方も多いのではないでしょうか?

むやみに甘いものをあげてしまうと、ワンちゃんの幸せな生活を一変させてしまいます。
いままでおやつを与える頻度が多かった飼い主さんも、今後は与えすぎないように気をつけてみてください。

そして、できるだけワンちゃんを毎日観察してあげてください。
人間のように言葉で伝えることはできませんが、飼い主さんがよく見てあげることでワンちゃんの身体の変化も気づいてあげることができるはずです。

大切な愛犬とできるだけ長く幸せに過ごしていくためにも、必要な栄養は食事から摂り、ご褒美やワンちゃんの楽しみとしておやつを活用するようにしましょう!



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