1.ワイアーフォックステリアの歴史
2.ワイアーフォックステリアの特徴
2-1.見た目
2-2.大きさ
2-3.被毛
2-4.寿命
ワイアーフォックステリアの歴史
ワイアーフォックステリアはイギリス原産の犬種で、猟犬として古い歴史があります。
「ワイアー」とは文字通り特徴的な硬めの被毛を表しており、「フォックステリア」は猟犬としてキツネ狩りをしていたことから、後に呼ばれるようになりました。
イギリスで猟犬として活躍した後1880年代にアメリカで犬種登録されると、第二次世界大戦後には大人気となりました。
ワイアーフォックステリアは純血種として早くに認められた犬種なのです。
また、人気のあまり「最初に専門誌ができた犬種」としても知られています。
現在のワイアーフォックステリアの人気は落ち着いてきているものの「典型的なイギリス犬種」として、根強いファンがいます。
ワイアーフォックステリアの特徴
ここからは具体的に、ワイアーフォックステリアの特徴を4点に絞って解説していきます。
◆見た目
ワイアーフォックステリアの見た目で最も特徴的なのは、横から見ると体長と体高がほぼ同じでスクエア型の体型をしていることです。
元猟犬らしくがっちりした肩にしっかした長い首、やや短めの背中、真っ直ぐに伸びた前足と長めの後ろ足のプロポーションがスクエア型をつくりだしています。
顔立ちは、V字型に垂れた耳と幅広で長いマズルが特徴的で、とても愛嬌があります。
また、猟犬は脱尾されることがありますが、近年では動物愛護の観点から不必要な脱尾は行われておらず、ワイアーフォックステリアのしっぽは長めで、まっすぐ上に伸びています。
◆大きさ
ワイアーフォックステリアは小型犬に分類されていますが、体高は約39cm、体重は約8kgとやや大きめの印象です。
女の子の方が少し小さい傾向がありますので、大きさが気になる方は女の子を検討してみるといいでしょう。
ちなみに体高とは、犬が立ち上がった状態での地面から背中までの高さのことで、頭の大きさは関係ありません。
また体長とは、犬を横から見た時の胸からおしりまでの長さのことで、頭やしっぽは含まれません。
◆被毛
ワイアーフォックステリアの被毛はホワイトがベースになっており、そこにブラック、タン、ブラック&タンのマーキングが入ります。
ワイアーフォックステリアの元々の被毛はキツネとよく似ていましたが、猟の時にキツネと区別がつかなくなって危険なので、改良されて現在に至りました。
◆寿命
犬の平均寿命は大きさによって異なり、小型犬の方が長生きする傾向があります。
小型犬の平均寿命は14歳前後であるのに対し、ワイアーフォックステリアの寿命は13歳前後のため平均的と言えるでしょう。
ワイアーフォックステリアの性格
ワイアーフォックステリアは「テリア」とつく犬種が基本的に持っている性格を強く持つ、典型的なテリア気質です。
活発で明るく、元気いっぱいの遊び好きな一方で、興奮しやすく、ほかの動物を追いかけてしまうような喧嘩っ早い一面もあります。
また、頑固な気質もありますので、根気強く、しっかりとしたしつけを行う必要があります。
さらに、ワイアーフォックステリアは家族に対して愛情深いため、見知らぬ来訪者などには警戒心を強める傾向があります。
しつけと同様に社会性を磨く交流にも力を入れましょう。
ワイアーフォックステリアの病気
ワイアーフォックステリアは遺伝性疾患も少なく、比較的健康な犬種です。
しかし、以下の3つの病気にはよく注意しておきましょう。
①皮膚が炎症を起こす「皮膚炎」
ワイアーフォックステリアは皮膚疾患になりやすい犬種です。
日頃から定期的にシャンプーをして清潔を保ち、ブラッシングやコーミングを丁寧に行っておけば疾患の早期発見ができます。
また、高温多湿の日本の気候は皮膚疾患を引き起こしやすいため、ワイアーフォックステリアは基本的に空調の整った室内で飼育しましょう。
②高度な運動をした後に注意したい「肩や膝などの関節の脱臼」
猟犬として獲物を追い、狭い巣穴などにも入り込んでいた名残とも考えられますが、ワイアーフォックステリアは肩などの関節を脱臼しやすい犬種です。
高いところからジャンプしたり、たくさん走ったりした後は注意深く様子を観察してください。
いつもと異なるところがあれば、早めに病院を受診しましょう。
ワイアーフォックステリアは辛抱強いため、あまり痛みを訴えない傾向があります。
よく観察して、汲み取ってあげてください。
③まぶたの内側にもまつ毛が生えてしまう「二重睫毛」
二重睫毛とはまぶたの内側にもまつ毛が生えてしまうことで目が刺激され続け、目ヤニや目の痒みなどの症状がでる病気です。
掻いているうちに眼球を傷つけて、結膜炎や角膜炎にまで悪化してしまう可能性もあります。
症状に気づいたら、早急に動物病院で目を刺激している部分の睫毛を抜いてもらいましょう。
また、すぐに病院にいけない時には、悪化を防ぐためにもエリザベスカラーを着用させて掻けないようにするのも対策の一つです。
ワイアーフォックステリアの飼い方
ワイアーフォックステリアは小型犬ですが、とても活発でパワフルです。
運動不足はストレスの原因となりますので、1時間程度の散歩を1日2回程度行ったり、ランニングやボール遊びなどの運動量の多い遊びを多く取り入れたりする必要があるでしょう。
また、いざ飼うとなると気になるのが、ワイアーフォックステリアの特徴的な被毛のお手入れ方法やわんぱくな気質のしつけ方ですよね。
以下で解説していますので、実際に一緒に暮らすことを想像しながら読んでみてくださいね!
◆お手入れ
ワイアーフォックステリアは抜け毛も少なく短毛のため、お手入れはそれほど難しくありません。
皮膚と被毛を清潔に保つために定期的なシャンプーと、週に2、3回のブラッシングやコーミングを行えば十分でしょう。
また、トリミングをする際にはワイアーフォックステリアの特徴的な毛質が変わってしまわないように、トリマーさんとよく相談することを心がけてください。
ドッグショーに出演するワイアーフォックステリアは、トリミング・ナイフで被毛を抜き、オーバーコートを太くして毛並みを良くする「プラッキング」と呼ばれる特別なトリミングを行います。
家庭犬ではほとんど行われないケアですが、ショードッグのような毛並みにしてみたいという方は試してみてもいいかもしれません。
ワイアーフォックステリアは皮膚が敏感な子も多いため、様子を見ながらお手入れしてあげましょう。
◆しつけ
典型的なテリア気質のワイアーフォックステリアは正直に言えば、しつけのしやすい犬種ではありません。
飼い主さんは威厳を保ちながら根気強くトレーニングをする必要があります。
ポイントは、子犬の頃から「良いこと」と「悪いこと」の区別をはっきりさせて接することです。
特に子犬の頃はつい甘やかしてしまいがちですが、言ったことを守っていないけど「まあいいか」とおやつをあげてしまったり、要求吠えに「うるさいけど仕方ない」と応えてあげたりするのはやめましょう。
ワイアーフォックステリアは賢いので、こうすれば要求が通ると学習してしまいます。
家族によってしつけにばらつきが出ないように、あらかじめ家庭内ルールを話し合っておくのも大切です。
また、ワイアーフォックステリアは家族への愛情が深く、飼い主さんを喜ばせるのが大好きな一面もあります。
「悪いこと」をしたときは低めの声で嫌そうな顔をして注意し、「良いこと」をした際には高めの声で笑顔を作りたくさん褒めてあげることで、コントロールできるようになるでしょう。
さらに、ワイアーフォックステリアは家族を守るために来訪者に警戒心を強めたり、ほかの動物とけんかっ早くなったりする一面もあります。
ケージやサークル内で「待て」ができるように訓練しておくと同時に、子犬の頃から他の人や犬と一緒に遊ばせて社会性を育ててあげましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
この記事ではワイアーフォックステリアについて歴史から特徴、飼い方までを徹底解説しました。
ワイアーフォックステリアは決して楽に飼える犬種ではありませんが、根気強くしつけを行ってコントロールできるようになれば、相棒のような関係性になれる素敵な犬です。
ぜひ、この記事を参考にしてワイアーフォックステリアと楽しい生活を送ってください!
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