1.パーソンラッセルテリアの特徴について
1-1.イギリス原産の小型犬
1-2.誕生の背景には「ジャックラッセルテリア」がいる
1-3.毛色は単色ホワイトorそのほかの色の模様が入る
2.パーソンラッセルテリアはどんな性格?
2-1.アクティブ系で優れた能力の持ち主
2-2.明るく友好的にふるまう
2-3.飼い主へ忠実
3.パーソンラッセルテリアの飼い方を紹介
3-1.しつけは早くから取り組みたい
3-2.運動に付き合ってあげる
3-3.問題行動に注意する
3-4.抜け毛のケアをする
3-5.ケガをしないような部屋づくり
3-6.誤飲に注意する
3-7.寂しい思いをさせない飼い方
パーソンラッセルテリアの特徴について
ジャックラッセルテリアを知っている人なら、パーソンラッセルテリアを見た瞬間に、「瓜二つ」と思うのではないでしょうか。
まずは、パーソンラッセルテリアという犬種の特徴について見ていきましょう。
◆イギリス原産の小型犬
パーソンラッセルテリアは、体高は31~38センチ、体重5~7キロほどの小型犬で、犬の分類上は「テリア」に属しています。
テリアは、地中にいる小動物の狩猟能力に優れている犬種で、体は小さいもののとても勇敢な特徴があります。
パーソンラッセルテリアも、テリア種の性質を受け継ぎ、小型犬でありながら負けず嫌いアクティブ系のワンちゃんです。
◆誕生の背景には「ジャックラッセルテリア」がいる
犬種誕生のきっかけになった人が牧師”だったことから、牧師という意味を持つ“パーソン”を含んだ犬種名「パーソンラッセルテリア」になりました。
ジャックラッセルテリアとは、名前はもちろん、見た目のとても似ています。
実は、パーソンラッセルテリア生みの親となるジャックラッセル牧師は、「ジャックラッセルテリア」の生みの親でもあるのです。
もともとラッセル牧師は、キツネなどの小動物を地中に追い込んで捕獲するために「体が小さく、狩猟の能力が高い犬」を作るためのブリーダーとして活躍していました。
そこでジャックラッセルテリアを作り出すために、かなり尽力をした人物です。
ジャックラッセルテリアの交配に、さまざまな犬を用いていく過程で、2パターンのやや違った体格の犬へと進化していきました。
ジャックラッセルテリアとは違った体つきの犬は、ラッセル牧師の死後しばらく経った2001年、別の犬種「パーソンラッセルテリア」として公認されることとなったのです。
このように、「ジャックラッセルテリア」と「パーソンラッセルテリア」は近縁の関係にあります。
見た目がそっくりなのも頷けますね。
◆毛色は単色ホワイトorそのほかの色の模様が入る
パーソンラッセルテリアには、短い毛をしている「スムース」、長く粗いウェービーの「ラフ」というように、短毛も長毛もいます。
ちょっと硬めの毛質が特徴的です。
パーソンラッセルテリアの毛色は、ホワイトだけで構成されている単色のパターン、またはホワイトをベースにタンやレモン、ブラックの斑が入るパターンがあります。
ただ、パーソンラッセルテリアという犬種としては、「ホワイトの割合が多く、斑が入るなら頭部やしっぽにだけ」というのが理想とされています。
パーソンラッセルテリアはどんな性格?
パーソンラッセルテリアはどんな性格をしているのでしょうか?
◆アクティブ系で優れた能力の持ち主
パーソンラッセルテリアは人間の狩猟のお手伝いをしていたワンちゃんなので、柔軟に動ける体力があります。
狩猟本能により、自分よりも体の大きな動物に対する恐怖心はあまりなく、勇敢に向かっていけるタイプです。
また、パーソンラッセルテリアは、小動物を見ると好奇心が働き、興奮して追いかけ回そうとします。
◆明るく友好的にふるまう
好奇心が旺盛なので、遊ぶことが大好きです。
獲物を追いかけるときは勇敢でクールなワーキングドッグになりますが、普段は明るくふるまい親しみやすいワンちゃん。
テリアと言われる犬種はたくさんいますが、そのなかでもパーソンラッセルテリアは温和な方と言われています。
◆飼い主へ忠実
猟犬だったこともあり、パーソンラッセルテリアは主人と認めた人へ忠実です。
信頼できるリーダーと分かれば尽くすタイプで、愛情を持って接すれば献身的なワンちゃんとなるでしょう。
パーソンラッセルテリアの飼い方を紹介
次にパーソンラッセルテリアの飼い方のポイントをいくつか紹介します。
◆しつけは早くから取り組みたい
パーソンラッセルテリアはもともと賢いのですが、狩猟犬として活躍していたこともあり、負けず嫌いな面も。
しつけが不十分だと、自分の主張を押し通すことが当然と思い、コントロールができなくなることもあります。
もともと、何かを成し遂げようとする努力や執着心が高いワンちゃんです。
早めのしつけで、本来の賢い頭脳を良い方向へ向けてあげたいものです。
また、早くから社交性を身につけることが重要です。
人間やほかの動物と関わっていくなかで、頑固で怖い物知らずの気性が和らぐかと思います。
◆運動に付き合ってあげる
パーソンラッセルテリアは、小型犬で体はコンパクトボディですが、スタミナに溢れています。
本能的に動きたがるので、それに合わせて運動させなければストレスを溜めます。
ちょっとした散歩だけでは全然足りないワンちゃんです。
1回30分から1時間ぐらい、2回行うのが理想的です。
また、アウトドアで豪快に動くと喜ぶので、ドッグランや野原など広いところでのアクティブな遊びにも付き合ってあげましょう。
◆問題行動に注意する
狩猟欲が強いパーソンラッセルテリアは、問題行動が見られることもあります。
獲物を見つけるために吠える、発見した獲物を穴に追い込むために吠える…というように、パーソンラッセルテリアの狩猟では「吠えること」がとても大事な行動でした。
その習性により、本能的に吠えることは多いです。
好奇心が旺盛なタイプなので、「知らない人がいるよ」「窓の外を何かが通ったよ」「誰かがチャイムを押したよ」など、自分のテリトリーへ近づくものに対して警戒して吠えることがよくあります。
狩猟犬としては素晴らしい能力ですが、家庭犬としては「無駄吠え」として近隣トラブルに発展するかもしれません。
何かを見つけても極端に反応しないように、無駄吠えをおさえるためのしつけをしましょう。
また、噛み癖にも注意が必要です。
子犬の頃は、どんな犬でも甘噛みをします。
歯の生え変わりで「歯がかゆい」、楽しく遊んでいるつもり…など、噛み癖のきっかけになる行動はいくつかあるでしょう。
噛むことは犬にとっては本能的なもので完全に止めさせることは難しいかもしれません。
ただ、人の手など「噛んではいけない」ものは、重点的に教えることが大事です。
パーソンラッセルテリアは、家族以外には警戒心を見せることもあります。
人を噛んではいけないことを知らずに成長すると、恐怖や狩猟本能から誰かを噛んでしまうリスクも考えられます。
無駄吠えや噛み癖は、子犬のころにしつけに取り組み、コントロールできるようにすれ防げる問題です。
時間はかかるかもしれませんが、根気よくしつけをしていくようにしましょう。
◆抜け毛のケアをする
パーソンラッセルテリアはダブルコートの被毛ですから、抜け毛は多い方かもしれません。
短毛、長毛にかかわらず、日頃のブラッシングはとても大事です。
毛の長さによっては抜け毛を放っておくと絡まりがひどくなるため、特にブラッシング頻度を多めにするといいかもしれません。
毛の長さに合わせて、ブラッシングアイテムを準備してくださいね。
◆ケガをしないような部屋づくり
パーソンラッセルテリアは、室内でもとても元気です。
飼い主さんの後を追って走り回ったり、面白そうなおもちゃを使って一人遊びをしたり、ソファーの上からジャンプをしたり…など、エネルギッシュな毎日を過ごすでしょう。
ただ、注意したいのが室内環境です。
ツルツルしたフローリングでは、活動的なパーソンラッセルテリアは滑ってケガをする可能性があります。
家庭で飼われている犬は、フローリングでの転倒により股関節を痛めるケースも多いです。
ケガ予防のためには、床材にカーペットやマットなど滑りにくい素材を取り入れるなどの工夫をすることをおすすめします。
また、パーソンラッセルテリアは、狩猟時代の名残から、本能的に狭いところに入っていくこともあります。
家具やテレビの隙間、ソファーの後ろなど、入ったときに危険となる場所がないか部屋の環境を整えましょう。
◆誤飲に注意する
パーソンラッセルテリアは好奇心が旺盛な犬種で、誤飲には注意が必要です。
誤飲を防ぐポイントは、小さいものを床に落とさないようにするという飼い主さんの心がけと、何でもかんでも口に入れないように「落としたものもスルーできるようにしつけること」です。
飲み込むと中毒のリスクがある人間用の薬やタバコ、気管を傷つけるリスクがあるプラスチック破片…など、日常生活には誤飲で命取りになるものがたくさんあるので注意しましょう。
また、犬用のおもちゃが遊んでいるうちに取れて飲み込んでしまう事例もあるので、おもちゃに小さい部品がついていないか、また壊れた部分がないかをときどきチェックしましょう。
◆寂しい思いをさせない飼い方
元気いっぱいのパーソンラッセルテリアは、大好きな飼い主さんと過ごす時間に幸せを感じています。
そのため、孤独な時間が大の苦手です。
「屋外で飼う」「留守時間が長い」「あまりスキンシップをとらない」など、放任主義で飼われるとストレスから荒々しい性格になることもあります。
また、留守番が長引きそうなときは、誤飲や事故のリスクを減らす工夫をすることが大事です。
例えば、「キッチンに入らないようにゲートで仕切っておく」「誤飲を防ぐためにケージのなかで過ごさせる」などです。
寂しい気持ちからストレスが溜まると、病気や問題行動へ発展することも多いです。
できるだけ一緒の時間を過ごしてあげましょう。
パーソンラッセルテリアとジャックラッセルテリア…何がどう違う?
“テリア”と名前に入っていることはもちろん、パッと見ても似た雰囲気を持つ、「パーソンラッセルテリア」と「ジャックラッセルテリア」。
違うポイントについて焦点をあてて、ひとつずつ見ていきましょう。
◆大きさ
まず、大きさが違います。
ジャックラッセルテリア | パーソンラッセルテリア | |
体重 | 5~6キロ程度 | 5~7キロ程度 |
体高 | 25~30センチ程度 | 31~38センチ程度 |
見た目 | 筋肉質で体長が長め | 筋肉質でスクエア型 |
ジャックラッセルテリア、パーソンラッセルテリアともに小型犬です。
ただ、パーソンラッセルテリアの方がちょっと足長でその分、体高があります。
また、ジャックラッセルテリアは体が長めでがっしりしていますが、パーソンラッセルテリアの方はスクエア型です。
パーソンラッセルテリアの方が、ちょっと大きいワンちゃんですが、1~2キロ、もしくは10数センチの体格の差のため、両者を横に並べて見比べないかぎり、違いは気付きにくいかもしれません。
◆毛
次に「毛色」の違いです。
どちらの犬種も、毛の色は「ホワイトが優勢」が理想的です。
ただ、パーソンラッセルテリアの方は、頭部やしっぽに斑がある方が望ましいとされていますが、ジャックラッセルテリアの方は斑の位置に制限はないようです。
まとめ
パーソンラッセルテリアとジャックラッセルテリアは、もとは同じだった犬種だったため、瓜二つ。
見た目の見分けはかなり難しいですが、どちらもそれぞれの魅力に溢れるワンちゃん達です。
パーソンラッセルテリアは、負けん気が強く、たくましい性格です。
トレーニングでの吸収力は高めで、飼い主さんが根気よくしつければ楽しみながらいろいろと覚えてくれるでしょう。
良い関係を築き、パーソンラッセルテリアとの時間を大事に過ごしてあげてくださいね。
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