1.犬は生姜を食べても大丈夫!
2.犬に生姜を与える際の注意点
2-1.生姜単体では与えない
2-2.アレルギー反応に注意
2-3.加工した生姜は食べさせない
3.生姜の成分と期待できる効果
3-1.カリウム
3-2.マグネシウム
3-3.カルシウム
3-4.食物繊維
3-5.ジンベイン
3-6.シンゲロール
3-7.その他
【掲載:2022.09.28 更新:2023.01.12】
犬は生姜を食べても大丈夫!
薬味や漢方として馴染みのある生姜。独特の風味があり、「ワンちゃんには与えてはいけない」という漠然とした考えがある方も多いかと思います。
注意すべき点もありますが結論からいうとワンちゃんは生姜を食べても大丈夫です!
愛犬に生姜を与える際の注意点はどのようなところなのか、食べることでどのような効果を得られるのかを見ていきましょう。
犬に生姜を与える際の注意点
私たち人間も生姜を食べるときはそんなに大量に摂取しませんよね。それと同様でワンちゃんに与えるときも少量にしましょう。
- 体重5kgほど…小さじ4分の1
- 体重10kgほど…小さじ2分の1
- 体重15kgほど…小さじ1
あくまで目安となりますが、参考にしてみて下さい。初めて与える場合は、味が少しわかるほどのごく少量でよいでしょう。
摂取しても良い食べ物ではありますが、アレルギーの可能性もありますし、総合栄養食であるドライフードを与えている場合は必要な栄養素は普段の食事で補えているはずなので、多く摂りすぎないよう注意が必要です。
◆生姜単体では与えない
犬も生姜だけ食べさせようとしても口にすることはないかとおもいますが、生姜を与える際は必ず「すりおろす」か「刻む」などをして細かい状態で与えましょう。
生姜は皮にも多くの栄養が含まれていますので、皮は剥かずにそのまますりおろすのがよいでしょう。皮まで使う際は農薬や汚れがついているかもしれませんので、十分に洗い流してくださいね。
与える際には生姜のしぼり汁やすりおろしたものをドックフードに混ぜたり、手作りごはんに少し加えたりするのがおすすめです。
薄くスライスしたものやそのまま欠片を与えるのは、ワンちゃんにとっては刺激が強すぎてしまいます。
手作りごはんのスープなどに風味付けとして生姜をスライスしたものを入れても構いませんが、愛犬に与える前には取り出しておきましょう。
◆アレルギー反応に注意
生姜を初めて食べるときに、アレルギー反応を起こしてしまう子もいます。
1回目で発症する子もいれば、複数回食べてから発症する子もいるため、生姜を与える際は毎回ワンちゃんの様子をきちんと見るようにしましょう。
またワンちゃんは人間の何倍も嗅覚が強いため、生姜の匂いに警戒してごはんを食べないこともあるかと思います。その場合、無理に食べさせるようなことはせず、ワンちゃんが食べ進めるまで待ちましょう。
◆加工した生姜は食べさせない
多くのご家庭にあるチューブ状の生姜は、生姜のほかにも保存料や着色料などの添加物が含まれていることもあるため、ワンちゃんに与えるのはおすすめできません。
また、ガリは生姜を薄くスライスし、お酢につけた人間用の食べ物です。そもそもお酢はワンちゃんが好まない食べ物ですので、与えないようにしましょう。
紅ショウガやガリも同様ですので、ワンちゃんには与えないでください。
生姜の成分と期待できる効果
犬が生姜を食べることで得られる効果とは一体どのようなことなのでしょうか。
人間は身体がポカポカしたり、免疫力アップしたりというところが有名ですが、実はワンちゃんにも同様の効果が期待できます。
生姜は9割は水分で出来ています。そんな生姜に含まれている基本的な栄養素は「ミネラル」と「食物繊維」です。
◆カリウム
生姜に含まれるミネラルの中で、もっとも多く配合されている栄養素がカリウムです。
カリウムは必須ミネラルのひとつで、ワンちゃんにも欠かせない栄養素の一つです。カリウムの働きとしては、体内の塩分量を調節し、血圧を下げてくれたりします。
生姜以外の食物だと、レンコンやバナナなどに多く含まれています。
◆マグネシウム
マグネシウムも必須ミネラルのうちのひとつです。
骨や歯の形成に関係しており、丈夫な身体を作ってくれます。マグネシウムが不足すると骨の形成に影響がでたり、不整脈や高血圧を引き起こす可能性があります。
マグネシウムは魚や豆類に多く含まれています。
◆カルシウム
カルシウムは骨や歯だけでなく、筋肉の収縮にも作用する重要な物質です。カルシウムが不足すると、骨の密度が低下し骨折しやすくなってしまいます。
カルシウムを多く含む食材としては、牛乳やチーズなどが有名です。
◆食物繊維
食物繊維という言葉は聞いたことがあっても、それがなにか詳しく説明できる方は少ないのではないかと思います。食物繊維は不溶性と水溶性の2種類に分かれており、それぞれ異なる役割を持っています。
生姜に含まれる食物繊維は、水に溶けない不溶性食物繊維です。
身体の中で水分を吸収し、腸を刺激することで排便の手助けをします。
食物繊維が多い食材としては、こんにゃく類やきのこ類があげられます。
◆ジンベイン
ジンベインとは生姜に含まれるたんぱく質の分解酵素のことです。
お肉と生姜を一緒に煮込むとお肉が柔らかくなるのは、このジンベインのおかげです。消化吸収にも役に立つため、夏バテなどの食欲が落ちているときの食事にちょこっと生姜をプラスするだけでも効果的です。
◆シンゲロール
生の生姜の中にもっとも多く含まれている辛み成分がこのジンゲロールです。
ファイトケミカルと呼ばれる成分で、血流をよくすることで発汗を促したり、免疫力を高めてくれる効果があります。
ジンゲロールはガン細胞の動きを抑制する働きをもっているので、ワンちゃんのガン予防にも効果的です。また殺菌作用もあるので、ワンちゃんのお口の中を綺麗に保ってくれます。
また、生姜を加熱すると、先ほどのジンゲロールはショウガオールと呼ばれる成分に変化します。ショウガオールは代謝をよくし、身体の深部から熱を発する働きがあります。生姜を加熱し、ジンゲロールをショウガオールに変化させることで、より高い効果を摂取することができます。
◆その他
生姜に含まれる抗炎症成分により、心臓病の予防を期待できます。生姜にはワンちゃんの血圧が低くなるのを防ぎ、血液の中に含まれる脂質の量を減らす効果があります。
また、生姜の香りには食欲増進効果があります。それに加え、疲れた体を癒す疲労回復効果や胃腸の調子を整える効果も期待できます。
これらのことから生姜は健康維持に役立つ成分をたくさん含んだ優秀な食材と言えます。
生姜を使用したワンちゃんのおすすめレシピ
ワンちゃんも生姜を食べられることがわかったので、ここからは生姜を使用したレシピをいくつかご紹介できればと思います。ぜひご自宅のワンちゃんに作ってあげてくださいね。
◆生姜スープ
【材料】
・人参…適量
・鶏肉…適量
・きのこ…適量
・水…適量
・すりおろした生姜…ほんの少量
【作り方】
① それぞれの具材をワンちゃんが食べやすい大きさに細かく切ります
② お鍋に水を入れ、具材を加えたら沸騰するまで火にかけます
③ 火を止めたら、30分程度放置して冷まします
④ 完成
具材はワンちゃんの好みでアレンジしても楽しいですね。スープにすることで、ワンちゃんも簡単に生姜を摂取することができます。
◆生姜焼き
【材料】
・薄く切った豚肉…適量
・すりおろした生姜…ほんの少々
・ごはん…適量
・野菜…適量
【作り方】
① 使用する野菜はすべて下茹でしておきます
② すりおろした生姜を炒めた後、そこに豚肉を加えてさらに炒めます
③ すべて同じお皿に盛り付けたら完成
使用する野菜はワンちゃんの好きな野菜を使用しましょう。人参や白菜などがおすすめです。このレシピならワンちゃんと一緒に生姜焼きを食べることができますね。このとき使用する生姜はチューブ状の生姜ではなく、きちんと生の生姜をすりおろしたものを使用しましょう。
◆生姜クッキー
【材料】
・小麦粉…50g
・おろし生姜…ほんの少量
・水…適量
【作り方】
① 小麦粉の中におろし生姜を入れて混ぜる
② すべて混ぜ合わせた粉の中に水を入れていき塊になればOK
③ 厚さが均一になるように生地を引き延ばし、お好きな型で抜く
④ オーブントースターで焼けたら完成
まとめ
いかがでしたか?
ワンちゃんが生姜を食べても大丈夫なの?という飼い主さんの疑問を解決することができましたでしょうか?
生姜はワンちゃんにとって刺激の強い食材ですが、少量であれば生姜を与えても問題はありません。使える食材が増えるといままで以上にワンちゃんのごはんのレパートリーが増えるので、毎日のごはんの時間がいまよりもっと楽しくなるのではないでしょうか。なにを作ってあげようか考える時間も楽しみのひとつになりそうですね。
最近では生姜入りのドッグフードも販売されているほど、生姜はワンちゃんにとっても健康にいい食材です。体内の活性化にも効果が期待できるので、涙やけなどの肌トラブルに悩むワンちゃんにおすすめです。
ワンちゃんと同じ生姜を使用したメニューのごはんを囲む日が訪れますように♪
– おすすめ記事 –
・日本人のソウルフード「あんこ」!犬が食べても大丈夫? |
・犬にそばはOK?アレルギーなどの注意点 |
・犬に椎茸を与えてもいい?栄養素や期待できる効果、注意点は? |
・犬にもまたたびは効果ある?犬にとってまたたび要素のあるモノとは? |