1.犬の世界でもいじめが起こるのか
2.犬同士のいじめの原因
2-1.新入り犬を優先しすぎる
2-2.新入り犬が積極的
2-3.新入り犬が先住犬より優位に立ちたがる
2-4.先住犬の警戒心や縄張り意識が強い
3.愛犬が飼い主にいじめられていると感じる行動
3-1.無視をして他の犬を可愛がる
3-2.可愛いからと意地悪をして楽しむ
3-3.人ごみに連れて行く
犬の世界でもいじめが起こるのか
結論からお話しすると、犬の世界にもいじめのようなものはあります。
特に多頭飼いしているお家で起こることが多いため、多頭飼いをしている、または検討中の飼い主さんは注意が必要です。
では、犬のどんな行動がいじめになるのでしょうか。
犬同士のじゃれ合いでよく見かけるのが「おもちゃを奪う」「どちらか片方の上にもう片方が乗っかろうとする」、そしてそれらを「阻止しようとする」などの仕草です。
阻止している犬の立場に立てばいじめのように見えますが、これらの行動は犬本来のあるべき姿です。
犬はもともと群れで生活していたため上下関係を大切にしているのですが、それは人間のように年齢で決まるものではありません。
先住犬や新入り犬といった経験値も関係なく、上記のような行動を繰り返すことで次第にパワーバランスが決まっていくのです。
上を取られまいと必死に抵抗する犬の様子からいじめのように見えてしまうこともしばしばでしょう。
犬のいじめはそれらの行動がエスカレートし、片方の犬だけが苦しむ状況を指します。
上下関係を作るじゃれ合いは双方が入れ替わりながら行われるのに対し、いじめは一方的なのです。
いじめだと判断するポイントは以下の通りです。
-
・片方の犬だけがいつもじっと耐えている
・片方の犬が犬同士の遊びに乗ろうとしない
・片方の犬が追い詰められた時にだけギャンギャンと激しく吠え立てている
・もう1匹の犬と会わないように一定の場所から出てこようとしない
多頭飼いをするときにはいじめのリスクがあるという認識のもと、犬同士が少しずつ距離を詰めていけるような工夫が必要となるでしょう。
犬同士のいじめの原因
実は、犬同士のいじめの原因はとても明確だと言われています。
ここでは代表的な原因を4つご紹介しますので、自分と愛犬のことを振り返りながら読んでみてください。
◆新入り犬を優先しすぎる
多頭飼いを始めた時は、環境の変化についていけるかという心配もあるため、ついつい新入り犬を優先的にお世話することが多くなるかもしれません。
しかし、それでは先住犬が飼い主さんの愛情が分散してしまったと寂しさを募らせ、新入り犬を攻撃してしまうことがあるのです。
これは新入り犬が子犬でも成犬でも関係ありません。
先住犬は自分よりも優先される存在ができてしまったこと自体が悲しいので、「あの新入りはまだ子犬だから」と理解してくれる可能性はゼロに近いです。
飼い主さんはそのことを十分に理解し、これまで以上に先住犬に寄り添った生活を心がけましょう。
◆新入り犬が積極的
先住犬が大人しい性格の子だったり、シニアとなり穏やかな生活を送っていたりするような家に、活発で積極的な新入りがくることで、先住犬を苦しめることもあります。
新入り犬に激しくちょっかいを出された時に「それは良くない、だめだ」と指導ができるような先住犬なら日が経つにつれて関係性が落ち着いていきますが、そうでない場合には、放置していると新入り犬が先住犬をいじめるような構図になってしまっていることがあるでしょう。
先住犬の様子を見て、時には飼い主さんが間に入ってあげることも大切です。
◆新入り犬が先住犬より優位に立ちたがる
多頭飼いを始めて数年は仲良く暮らしていたのに、先住犬に衰えが見え始めた頃から急に新入り犬によるいじめが起こる場合があります。
この現象は特に年齢差のある犬同士で起こりやすく、今まで先住犬に勝てなかった新入り犬が「今度こそ自分が優位に立とう」とある日突然攻撃的になってしまうのです。
これまでいくら仲良く暮らしてきていても、新入り犬がこのモードになってしまえば関係ありません。
飼い主さんとしては悲しいですが愛犬たちのケージを分けるなどして生活空間を分離し、シニアの先住犬が穏やかに暮らせるように工夫してあげましょう。
◆先住犬の警戒心や縄張り意識が強い
先住犬が神経質な性格で警戒心が強かったり、自分と飼い主さんだけの生活に強い縄張り意識を持っていたりする場合は、新入り犬をいじめてしまう可能性があるでしょう。
たとえ新入り犬が良い子でも、このタイプの先住犬には関係ありません。
先住犬の性格をよく理解した上で新入りを迎えるのは厳しそうだと判断したなら、多頭飼いはあきらめましょう。
愛犬が飼い主にいじめられていると感じる行動
可愛さ余ってついついやってしまう飼い主さんの行動が、実は愛犬にとっては苦痛だったということもあります。
代表的な3つの行動をご紹介しますので、今日から自分の行動を見直してみてくださいね。
◆無視をして他の犬を可愛がる
愛犬がいる場で愛犬を無視して他の犬を可愛がる行為は、愛犬からすると辛いものです。
ヤキモチを妬いて必死にアピールする愛犬はとても可愛らしいかもしれませんが、その姿を見ることの代償に大きな心の傷を作っていることを忘れてはいけません。
飼い主さんには家族や恋人、友達などさまざまな繋がりがありますが、愛犬にとっては飼い主さんが全てです。
愛犬の信頼や愛情を裏切る行為はしないようにしましょう。
◆可愛いからと意地悪をして楽しむ
嬉しそうに食べているおやつを急に取り上げるなど、愛犬に意地悪をしてしまったことはありませんか?
飼い主さんにとってはスキンシップのつもりでも、「自分の嫌がることをして飼い主さんが喜んでいる」という状況は犬にとって非常に悲しい出来事です。
場合によっては信頼を無くしてしまうかもしれません。
意地悪をされた愛犬が大きなリアクションを取り、喜んでいるように見える場合もあるかもしれませんが、それは飼い主さんの勘違いであることが多いので覚えておいてくださいね。
◆人ごみに連れて行く
「愛犬をお留守番させるよりは…」と飼い主さんが良かれと思ってやってしまうのが、愛犬をお祭りや大型ショッピングモール、観光スポットなど人の多い場所に連れていくことです。
飼い主さんは愛犬と一緒に楽しみたいと考えているかもしれませんが、愛犬はどうしてこんなところに連れてこられたのか全く理解できません。
初めての匂いがたくさんする人混み、大きな音で流れる音楽、花火の破裂音や太鼓の音など、犬にとっては身の危険を感じるような要素がたくさんあります。
愛犬にストレスを与えないためにも、過ごし慣れたお家でお留守番する方が快適な場合もあると認識を改めましょう。
いじめを受けた時の犬の気持ち
いじめを受けた犬は、人間と同様に心に傷を負ってしまいます。
活発だった犬でも他の犬と関わる際に萎縮したり、殻に閉じこもったりするような性格に変わってしまうこともあるでしょう。
そもそも自分のケージに引きこもって外に出なくなり、触れ合いを拒否する犬もいます。
いじめを受けた時にどれほど深く傷つき、悲しい気持ちになったのか伝わってきますね。
犬のいじめを察したらしたいこと
犬のいじめを察したとき、飼い主さんにできることは一体何でしょうか。
ここでは代表的な行動を2つご紹介します。
◆性格の違いを考える
まず、犬にもそれぞれに性格があり、それによって相性もあるということを理解しましょう。
お散歩に行った際に吠え合ってしまう犬もいれば、友好的に挨拶し合える犬もいると実感したことがあるでしょう。
多頭飼いをする時には、先住犬と新入り犬の相性を考えなければうまくはいきません。
活発だったり穏やかだったりといった軸となる性格が似ていなくとも、お互いに他の動物と歩み寄るような姿勢が見えるタイプなら仲良く暮らせる可能性は高くなります。
しかしそれでもいじめが起こってしまったという場合には、別の部屋で生活させて徐々に共同生活に慣れさせるといった工夫をしてみましょう。
◆先住犬を優先させる
多頭飼い成功の鍵は「先住犬を優先させる」ことです。
ごはんやおやつを与えるときはもちろん、散歩や遊び、声をかけたり撫でたりといった細かな行動も全て先住犬から始めます。
こうすることで自然と上下関係を示すことができ、新入り犬が先住犬をいじめる可能性が格段に下がります。
しかしそれでもいじめが起こってしまった時には、先住犬をかばって新入り犬だけを叱るようにしましょう。
何があろうと先住犬が1番だという姿勢を貫くことが大切です。
まとめ
いかがでしたか。
この記事では、犬のいじめについて徹底解説しました。
犬の世界にもいじめが存在するというのは少々ショッキングなお話だったのではないでしょうか。
愛犬の健やかな生活を築くのも飼い主さんの果たすべき責任の1つです。
ぜひ、この記事を参考にして、愛犬をいじめから守ってあげてくださいね。
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