豚肉は犬にとって効果的な食材??与え方の注意点を知ろう!

2022.04.29

豚肉は犬にとって効果的な食材??与え方の注意点を知ろう!

人間の食生活でもメインとなる食材の一つである豚肉。家庭によっては常備してあったり、好物だ!という飼い主さんも多いでしょう。ではこの豚肉、犬にとっては与えても良い食材だといえるのでしょうか?今回は豚肉に焦点を当てて、その成分や期待できる効果などを紹介していきます。与える上での注意点も、併せてしっかりチェックしてくださいね。豚肉が愛犬の健康をサポートする存在となるのか…みていきましょう!

犬は豚肉を食べても大丈夫?

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ドッグフードには、豚肉の成分が入っているものが多いです。このことからも分かるように、豚肉は犬に与えても基本的には問題のない食材だといえます。
ただし人間同様、生肉のままで与えるのはNG行為です。愛犬に豚肉を与える際には、その量はもちろん、加熱処理をするなど与え方にも注意が必要となります。
与え方にさえ気を付ければ犬にとっても、豚肉は栄養素が豊富で有用な食材の一つとなります。愛犬の健康的な体作りをサポートしてくれる存在となり得るでしょう。
それではまず、豚肉に含まれる成分や期待できる効果について詳しく解説していきましょう。

◆豚肉に含まれる主な成分

豚肉は栄養素が高く、たんぱく質が豊富です。さらに、ビタミンとミネラルのバランスが良い食べ物であるともいえます。そのため、ドッグフードの材料として使用されることが多いのでしょう。
ちなみに主な栄養素として、たんぱく質・ビタミン・鉄分・亜鉛・リンなどが挙げられます。またビタミンB群も多く含まれているそうですよ。
犬の体内では、動物性たんぱく質の原料となるアミノ酸がエネルギー源としての大きな役割を果たしており、筋肉を作る・細菌やウイルスから体を守る・血液を通して栄養素を身体中に送る、といった働きをしています。
豚肉は動物性たんぱく質のかたまりとまでいわれているので、犬の体にとって魅力的な食材だといえるのです。
主な成分ごとにもう少し詳しく紹介していきましょう。

ビタミンB群

豚肉には糖代謝を促すビタミンB1を始めとして、エネルギー代謝に必要なナイアシン、ヘモグロビン生成に必要なビタミンB12などといった多くのビタミンB群が含まれています。
中でも、糖質を燃焼してエネルギーに変える際に欠かせない栄養素となるビタミンB1は、100gあたり0.901mgあり、あらゆる食品の中でもトップクラスの含有量を誇るのです。

たんぱく質

たんぱく質は三大栄養素の一つといわれており、筋肉・骨・皮膚などを作る重要な成分です。さらに、体内の酵素や免疫物質を作り出す役割をも担っています。ビタミンCやEにも劣らない、抗酸化作用があることも分かっているようです。
たんぱく質が不足してしまうと、皮膚トラブルが発生したり、疲れやすくなってしまいます。また、新陳代謝のために不可欠である血管を若々しく保つためにも、たんぱく質は大切な働きをしているのです。

鉄分

鉄分には、赤血球の中のヘモグロビンと結合して、体内に酸素を運ぶ重要な役割があります。また、過剰な活性酸素を取り除くことで免疫機能の維持にも関与しており、健康には欠かせない栄養素の一つといえるでしょう。

◆期待できる効果は?

前述したように、豚肉にはビタミンB群がたくさん含まれています。ビタミンB群は、疲労回復や夏バテに効果的といわれている栄養素です。愛犬の身体の調子を整える効果も期待できるでしょう。
特に、小食であったり、激しい運動をした後の犬などには、豚肉を与えることで効率よく栄養素を補えるというメリットが与えられます。
さらに肉類には、体内でたんぱく質を作り出すのに欠かせない必須アミノ酸が多く含まれており、特に豚肉はこの必須アミノ酸がバランスよく配合されています。体に欠かせないたんぱく質をも、効率よく体内に取り込むことができるのです。ちなみに体の形成に必要なアミノ酸20種の内、必須アミノ酸と呼ばれる9種のアミノ酸は、食事から摂る必要があります。これも豚肉が効果的な食材としておすすめされるポイントの一つですね。
そして豚のレバーは、牛肉・鶏肉のレバーよりも低脂肪であり、タンパク質に加えて鉄分も豊富です。貧血予防にも力を発揮してくれるでしょう。

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◆犬に与えるデメリットは?

豚肉には、骨や歯の発達に不可欠な栄養素であるリンが含まれています。これが欠乏すると、筋力低下・脱力などの症状が現れるのですが、リンの不足に関しては心配することはなく、むしろ取り過ぎに注意をする必要があります。
リンが過剰に摂取されると、カルシウムの吸収を妨げてしまうのです。また、腎機能に障害がある場合、血中のリン濃度が高くなり、慢性腎臓病悪化の要因になるともいわれています。
腎臓病を患った犬は腎機能の低下によって、体内から余分なリンを排出できません。このため、食事制限がとても重要となります。
肉や魚に含まれている有機リンは半分程しか吸収されないのですが、食品添加物に含まれる無機リンのほとんどは吸収されてしまいます。特に、ソーセージなどの加工食品には注意が必要でしょう。
さらに豚肉には、犬にとって消化しづらい脂肪も豊富に含まれます。脂肪の多い部位を大量に与えてしまうと、消化不良や膵臓の炎症などを起こしてしまう可能性が考えられるのです。豚肉を与えた後に愛犬が、嘔吐・下痢などの症状に見舞われないように気を付けてあげてくださいね。
そしてもう一点、アレルギーにも注意が必要です。稀なケースではありますが、豚肉に対してアレルギーをもつ犬もゼロではありません。初めて豚肉を愛犬に与える際は、少量ずつ食べさせて様子をみましょう。体調に異常が見られた場合は、すぐに与えるのをやめてください。アレルギー反応が原因で現れる症状としては、目の充血や湿疹、嘔吐、ぐったりした様子が見られるなどの状態が挙げられます。

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犬に豚肉を与える時の注意点

犬に与えることでたくさんのメリットを得られる豚肉ですが、与える際に気を付けるべき注意点がいくつかあります。
以下の内容をしっかりチェックし、安心安全に与えられるよう徹底してください。

◆骨は与えない!!

骨付きの豚肉も販売されているので手軽に手に入れることができますが、骨まで与えるのは危険です。犬は骨を噛むのが大好きな動物ですが、100%安全だとは言い切れないのです。
加熱された骨は脆くなっています。削れた骨を飲み込むことで、内臓を傷付けてしまったり、消化できずに腸に詰まり、腸閉塞を引き起こしてしまう可能性が考えられます。

◆加工食品は与えない!!

前述したソーセージに加えて、ハムやベーコンなどの加工肉はできるだけ与えないようにしましょう。世界健康機関からも、ソーセージ・ベーコン・ハムなどは、燻製や大量の塩分によって発がん物質を伴うと発表されています。
犬は多少の塩分を与えても大丈夫な体内構造をしていますが、特に腎臓病を患っている犬には危険が伴います。愛犬の健康を守るためにも、加工肉はもちろん加工食品を与えることは避けた方がよいでしょう。

◆脂身を与えすぎない!!

豚肉の脂には、コレステロールを減らしてくれるオレイン酸・抗酸化作用のあるステアリン酸が含まれており、茹で汁やスープなどの調理法で与えると、脂が溶けるので健康的には良いです。しかし、与えすぎると肥満の原因となってしまうので注意が必要です。与える量や頻度にも気を付けましょう。
部位によって異なりますが豚肉は脂身が多い食材なので、犬用手作りフードに利用する場合は、脂身の少ない部分を使用するよう心掛けてください。ちなみに、ヒレが一番脂質の低い部位となります。

◆積極的なたんぱく質の摂取を推奨できない場合も!!

腎臓に疾患(腎不全や慢性腎臓病など)がある場合、また肝臓病で高アンモニア血症・腹水などがみられる場合には、たんぱく質を過剰に摂取しない方が良いです。どうしても豚肉を与えたい飼い主さんは、勝手に判断する前に一度獣医師に相談してみましょう。


豚肉の与え方

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せっかくの魅力的な栄養素をもつ食材であっても、与え方を誤ってしまってはメリットを得られません。与え方はもちろん、その量にも注意が必要です。
豚肉を総合栄養食へのトッピング・おやつとして与える場合には、1日の最適カロリー量の10%以内に留める必要があります。豚肉に限ったことではありませんが、与えすぎると愛犬が体調不良を起こしてしまう可能性が十分にあります。ドライフードに混ぜる場合も、手作り食で与える場合も、適切な量を考えて総合的なカロリーに配慮してくださいね。
併せて適切な与え方を紹介していきますので、しっかりチェックしていきましょう。

◆加熱をする

記事冒頭でも紹介したように、豚肉は加熱して与えることが必須条件です。生の豚肉には雑菌が付いていたり、寄生虫感染などの問題があるのです。質の悪い寄生虫にあたると、命を脅かされるケースも実際にあるので軽視してはいけません。
愛犬の健康を守るためにも、茹でる・蒸すなどの方法で必ず火を通して与えることがすすめられます。焦げが付くと犬にとって有害な成分となる可能性があるので、焼く場合にはその点に注意しましょう。

◆小さくカットする

犬の口には、切り裂くための歯はあっても、すりつぶすための歯が存在しません。そのため、食べ物を噛まずに丸飲みしてしまう習性があるのです。大きいサイズのまま与えてしまうと、消化不良の原因となったり、喉に引っ掛かるリスクが高まります。必ず、豚肉を食べやすいサイズにカットしてから与えるよう配慮してください。

◆生では与えない

加熱が必須だと紹介してきた通り、豚肉を生のまま与えることは絶対にしないでください。寄生虫などの問題に加えて、食中毒の可能性も高まってしまいます。
胃のむかつき・下痢・発熱・無気力・筋肉の炎症・痛み、などこれらの症状が愛犬にみられた際には、早急に動物病院を受診してください。

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体調を崩した場合の対処法は?

豚肉を与えた後に愛犬の身体に異常が起きた場合は、すぐに豚肉を与えるのを止めましょう。適切な量・与え方を守っていても、やはり個体差はあります。身体に合わずに下痢などを起こしてしまう場合もあれば、前述したようにアレルギーを発症してしまうケースも考えられるのです。
体調不良がみられた場合は、できるだけ早めに病院を受診して獣医師に相談してください。その際には、どれ程の量を与えたのかをしっかり申告し、可能であれば排泄物・嘔吐物を安全な方法で持ち込みましょう。


まとめ

たんぱく質やビタミンが豊富で、愛犬の健康にとっても魅力的な豚肉。人間にとっても人気の高い食材なので、ペットと一緒にご飯を楽しめると幸せですよね。特別な日には、新鮮な豚肉で食事をグレードアップしてみてはいかがでしょうか。
豚肉を使ったレシピもネット上で沢山紹介されています。料理編集部サイトやペット用レシピの紹介サイトなどを、是非チェックしてみてくださいね。
ただし、必ず加熱して与えることなどの調理法や適切量などはきちんと守りましょう。万が一体調を崩した場合には、すぐに対処法にのっとって動物病院を受診してください。
豚肉に対して問題をもたない体調の子にとっては、健康的なメリットが豊富な魅力的な食材となります。愛犬の食事やおやつに、豚肉で一工夫を凝らしてみましょう。

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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


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