1.犬が隠れるのはなぜ?
2.犬が隠れる理由
2-1.物音に驚いた
2-2.怖い
2-3.狭いところが好き
2-4.習性
2-5.飼い主さんの気を引きたい
2-6.好奇心
3.犬が飼い主さんの後ろに隠れる理由は?
3-1.怖がっている
3-2.ぴったりくっつきたい
3-3.飼い主さんを守ろうとしている
4.犬が隠れたときの対処法
4-1.出てくるのを待つ
4-2.粗相をしていなか確認する
4-3.おやつなどの食べ物を利用する
4-4.体調不良であれば動物病院へ
犬が隠れるのはなぜ?

ペットを飼っている家庭が増え続けている現代では、犬の飼い方も昔と比べて随分変わってきました。今では犬を外で飼っている方よりも、室内で一緒に過ごしている方の方が圧倒的に多いでしょう。
そんな室内にいるはずの愛犬が、気付いた姿を消している…そういった場面に直面したことのある方が愛犬家の皆さんの中にも沢山いるはずです。
こういった犬が隠れる行動には、いったいどんな意味があるのでしょうか。実は、そこにはさまざまな理由と、愛犬が抱く気持ちや心理がその姿と共に隠れているのです。
まずは、一般的に挙げられる犬が隠れる理由について紹介していきましょう。
犬が隠れる理由
犬が隠れる仕草や行動を見せる場合、以下の様な心情が関係している可能性が高いです。愛犬の様子を思い起こし、心当たりがないかチェックしていきましょう。
◆物音に驚いた
犬が隠れる理由の一つとして、物音に驚いたことが原因である場合が考えられます。
元々怖がりの性格をしていたり、心に傷を負った保護犬など、ちょっとした物音に対しても恐怖や不安を感じやすい子がいるのです。そのような子には、特に見られやすい行動だといえるでしょう。
ただでさえ、犬の聴覚は人間の何十倍も優れています。人間にとっては気にならない物音でも、犬にとっては恐怖の対象となるケースは珍しくないのです。
例えば、車のクラクション・皿が落ちて割れる音・外からの大きな音・花火の音、時には普段から身近にあるテレビやラジオを含めた生活音などが、これに当たります。
このような恐怖を感じる音がきっかけで、テーブルやソファ、ベッドの下、家具の隙間などの暗くて狭い場所に隠れてしまいますが、これは自分の身を守るための防衛本能が働いた結果で、本能的に現れる行動ともいえますね。
ショックのレベルが高ければ高い程、身体がブルブルと震えたりと、隠れる行動以外にも恐怖を感じていることを表すサインがみられるでしょう。
◆怖い
物音に通じるものがありますが、それ以外にも恐怖を感じることで犬が隠れる場合があります。
例えば、留守番中にイタズラをしてしまい、飼い主さんが帰宅して気付かれると愛犬が物陰に隠れるケースがこれに当たります。部屋でイタズラをしたために飼い主さんに怒られる!という恐怖を感じて隠れてしまうのでしょう。
愛犬が賢いからこそ人間の感情を敏感に察知し、恐怖を抱いているといえますね。
また、家族が口論している様子を見かけて、怖い!!どうしたんだろう?!と恐怖や不安を感じ、犬が物陰に隠れる場合もあります。
◆狭いところが好き
犬の隠れる行動は、マイナス的な感情に限って現れるわけではありません。中には、単純に狭い場所が好きだから、愛犬が常に隠れている様に見えるケースもあるのです。
特に、怖がりだったり人見知りの性格をしている子は、広い場所よりも外敵から自分の身を隠せる狭い場所を好む場合が多く、そこに安心感を覚えているのです。
新居に引っ越したばかりの時期や、子犬を迎え入れたばかりで不慣れな環境に置かれた状況でも、愛犬に狭い所や隠れられる場所を好む状態が見られることがあります。
◆習性
犬が隠れる理由には、習性もその一つとして挙げられるでしょう。
犬の先祖は、山中の穴ぐらなどの狭くて暗い場所で生活していました。現代の犬にもその名残があるために、狭くて暗い場所に落ち着きを感じる傾向にあり、外敵の目から逃れて身を守る本能もこれに関係しています。
犬種や個体差によって生まれつき警戒心の強い子もいますが、このようなタイプにも動物的な本能・習性として、身を隠せる場所を好む傾向が多くみられるそうですよ。
恐怖・不安・ストレスなどを感じているのではなく、落ち着くから隠れているというパターンの場合は、問題視する必要も、心配をする必要もないといえるでしょう。
◆飼い主さんの気を引きたい
飼い主さんに構ってほしい、飼い主さんの気を引きたい、といった感情から、愛犬が隠れることもあります。
この場合、姿が見えないことで飼い主さんが自分を探して構ってくれた、という経験を過去にしているのではないでしょうか。
それを覚えていて、隠れることで自分に関心を持ってくれる、と学習した可能性が高いです。
大好きな飼い主さんに注目して欲しいという、愛犬なりの愛情表現だとも考えられますね。
ただし、寂しさを感じての行動である可能性も考えられるため、心当たりのある飼い主さんは、愛犬との過ごし方や遊び方、コミュニケーションの取り方を見直してみましょう。
一緒におもちゃ遊びをする時間が足りない、散歩量が適切ではない、などといった愛犬にとってストレスとなっている原因があるのかもしれません。
◆好奇心
好奇心の強さから、愛犬が隠れているように見える場合もあります。特に生後数か月の子犬などには、多くみられるかもしれませんね。
狭い場所などに興味を持って、好奇心からその場所に身体を入り込ませたくなるのでしょう。結果的に飼い主さんからは、愛犬が隠れている状態に見えてしまうのです。
中には、飼い主さんがどんな反応をするかな?という興味をもって、そのような行動をとっている子もいるでしょう。
特に生活する上で問題になっていなければ、無理に止めさせることはありません。
犬が飼い主さんの後ろに隠れる理由は?
愛犬が家具の隙間や狭く暗い場所などに隠れるのではなく、飼い主さんの後ろに隠れる場合があります。このような経験をしたことのある飼い主さんも、少なくないのではないでしょうか。
隠れるという行動は同じですが、隠れる場所が違うことでその理由に違いは出てくるのか、しっかりチェックしていきましょう。
◆怖がっている
愛犬が飼い主さんの後ろに隠れる理由の一つとして、何らかのものに対して恐怖を感じていることが挙げられます。
これは、飼い主さんのことを愛犬が信頼しており、頼りにしている気持ちの表れだともいえるでしょう。
愛犬が後ろに隠れた時の状況を思い返してみてください。その時、散歩中に大きな音がした、何かが起きてびっくりしたなどという、愛犬が恐怖を感じる何らかの事象が起きていたのではないでしょうか。
飼い主さんの後ろに隠れるのは、愛犬からの「助けて欲しい」というサインだと考えておきましょう。日頃からよく観察し、愛犬が苦手としているものを理解しておく必要があります。
この様な場合は、早めに恐怖を感じている対象を発見し、愛犬からその不安に思う気持ちを取り除くよう対処してあげることが大切ですね。
◆ぴったりくっつきたい
犬には、信頼している仲間同士でお尻をくっつけ合うという習性が元々あります。これには、お互いの見えない部分を確認し合うという目的があるのです。周りを監視することで、自分に危機が迫っていないかを確認しているのかもしれませんね。
現在ペットとして飼われている犬達にもこの習性の名残があり、信頼している相手にお尻をくっつける様子がよくみられます。
眠るときなどに、身体の一部を飼い主さんに密着させる子も沢山いますよね。その時の表情は、どこか安心しているようにみえるのではないでしょうか。
この場合は愛犬が安心している状態なので、この反応を静かに見守ってあげてください。
◆飼い主さんを守ろうとしている
何かに警戒している飼い主さんを守るために、愛犬が飼い主さんの背後に移動する場合があります。
特に正義感の強い性格をしている子や、飼い主さんが大好きで厚く信頼している子に見られがちな行動だといえるでしょう。
犬は本来集団行動をする動物のため、群れの仲間をお互いに守ろうとする習性を持っています。仲間であり群れのリーダー的存在である飼い主さんを、背後から守るために後ろへ移動するのだと考えられているそうです。これも、習性の名残ですね。
このような行動が愛犬にみられたら、それは、飼い主さんのことを家族の一員として信頼している証だといえるでしょう。
犬が隠れたときの対処法

愛犬が隠れる様々な理由を紹介してきましたが、その原因によっては適切な対処が必要な場合もあります。
飼い主さんがどう対応すればよいのか、主な4つの対策・対処方法を紹介していきますので参考にしてみてください。
◆出てくるのを待つ
恐怖や不安から隠れている場合は、無理矢理引きずり出してはいけません。
恐怖心が強い場合は、飼い主さんが伸ばした手に噛み付いてしまう可能性があります。また、隠れている愛犬を怒鳴りつけたり、大声で叱る行為もNGです。愛犬の恐怖心や不安感を、さらに煽る結果となるでしょう。
ほとんどの場合、時間の経過と共に気持ちは落ち着きます。愛犬自身が自ら出てくるのを待ってあげてください。
愛犬が出てきた時には優しく声を掛けたり、たくさん撫でて安心させてあげてくださいね。
◆粗相をしていなか確認する
愛犬が隠れている場所から出てきたら、念のため粗相をしていないかすぐに確認してみましょう。
恐怖心などから隠れていた場合は、怖くてお漏らしをしている可能性が十分にあるのです。
それに気付かずに放置してしまうと、せっかくトイレのしつけができていたのに、そこがトイレスペースだと愛犬が勘違いしてしまいます。トイレトレーニングのやり直しにも繋がってしまいますので、すぐに片付けるよう注意してくださいね。
◆おやつなどの食べ物を利用する
愛犬が好奇心などから、入ってはいけない場所や危険な場所に隠れてしまう場合は、早急に出てきてもらわなくてはいけません。この時は、おやつやおもちゃなど愛犬の好きなものを見せてその場を動いてもらいましょう。
そして、二度とその場所へ愛犬が入れないような工夫をしてください。おやつで出てきてもらうのを繰り返してしまうと、「ここに隠れたら良いことがある」と学習してしまいます。
特に、隠れることで愛犬が怪我をする恐れのある場所などへは、厳重に立ち入りを禁じてください。
その代わり、愛犬が落ち着ける安全なスペースを別の場所に作ったり、ケージを利用している場合はその内部環境を見直すなどして、安心できる場所を提供してあげましょう。
また雷の音など、飼い主さんの力ではどうにもできない騒音で愛犬が怯えてしまう場合にも、おやつなどを利用して音から気を逸らさせる方法が有効的ですよ。
◆体調不良であれば動物病院へ
これまで紹介してきた理由からではなく、体調不良が原因で愛犬が隠れているように見える可能性も考えられます。
愛犬に元気がなくぐったりした様子が見受けられる場合は、怪我による痛みや病気の発症、身体に起きた何らかの障害や変化が、現れているのかもしれません。できるだけ早めに動物病院を受診することをおすすめします。
食事の際にドッグフードなどへの食いつきが通常と異なっていなかったか、普段より静かで元気のない状態がどれくらい続いていたのか、排泄物の様子はどうか、愛犬の様子を思い返してみてください。そして可能な限り詳しい情報を獣医師に伝えましょう。
また、愛犬が隠れていた場所をチェックして、粗相や嘔吐の後がないかも併せて確認してみてくださいね。
まとめ
犬の物陰などに隠れる行動は、愛犬家の中では意外とあるあるの話です。
隠れる理由は犬によって様々で、ただの遊びであったり、本能からくるものであったり、または恐怖や不安、病気が原因となっていたり。
どんな対処をするかは隠れる理由によって選び方が変わってきますので、まずはその原因をみつけることから始めてくださいね。
特に問題のない行動であれば、愛犬を見守り、可愛らしいその姿に微笑んであげましょう。
原因の判別がつかず、それが問題だと感じる場合は、プロに相談するのも一つの手です。ドッグトレーナー監修記事などもネット上には沢山ありますので、それを参考にしてみるのもよいでしょう。
愛犬が隠れている理由を知ることで、また一つ、愛犬のことを理解できるようになれるはずです。
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