愛犬が言うことを聞かないのはなぜ?!その理由と対処法は?

2022.06.11

愛犬が言うことを聞かないのはなぜ?!その理由と対処法は?

愛犬との幸せな毎日を過ごすためには、日常的なお世話や愛情を注ぐことがもちろん大切ですが、適切なしつけを施すことも重要なことです。しかし、しつけは簡単なことではありません。飼い主さんの中には、愛犬が言うこと聞かない!といった悩みを抱えてイライラしてしまう方も少なくないでしょう。今回は、愛犬がなぜ言うことを聞かないのか、その理由と対処法について紹介していきます。

犬が言うこと聞かないのはなぜ?

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犬を飼う上で飼い主さが抱える悩みの一つに、愛犬が指示に従わないという、しつけに関する問題が挙げられます。しつけやトレーニングをしたはずなのに、なぜか愛犬が言うことを聞かない、とお困りの方は意外と多いのではないでしょうか。中には、初めの内は言うことをきいていたのに、なぜか途中から指示に従わなくなった、といったケースもあります。
それでは、愛犬が言うことを聞かない場合、そこにはどのような理由が隠されているのか。その原因によっては、飼い主さんと愛犬との関係性や、生活習慣、しつけの見直しなどが必要となるかもしれません。
現在このような悩みを抱えているという飼い主さんは、愛犬の普段の様子や関わり合い方を頭に浮かべながら、思い当たるふしがないかチェックしていきましょう。


犬が言うこと聞かない理由

愛犬が飼い主さんの指示に従わない、無視をする、なぜか言うことを聞かない。このようなケースは、珍しいことではありません。
これには様々な問題が、要因として挙げられます。
 

◆指示の意味が分かっていない

周知の事実の通り、犬は人間と言葉での会話はできません。犬が気持ちや感情を伝えるために使うのは、基本的にボディランゲージですよね。
しかし、犬は人間の言葉が話せないだけで、人間が使う単語を覚えることができるのです。このため、しつけやトレーニングの際に、コマンドとして短い単語を教えるのがセオリーとなっています。
例えば、誉め言葉としてよく使われる「いい子」ですが、愛犬がこの言葉を覚えていなければ、犬にとってはただの音であり、褒められているという認識をもてません。
何度も言っている言葉だし意味は分かっているだろうと飼い主さんが思っていても、愛犬の中ではその言葉が身に付いていない、といったケースも十分考えられるのです。
また、一度は理解した言葉であっても忘れてしまっているという場合もあります。
愛犬が言葉に対して戸惑ったような反応を見せた場合は、もう一度復習することをおすすめします。
新しいことを覚えるためのトレーニングも大切なことですが、繰り返し復習して愛犬にしっかり学習させることもとても重要なポイントなのです。
言葉が愛犬にとって、ただの音・フレーズとして認識されていれば、もちろん指示に従うことができません。言葉と行動や結果が結びついてこそ、愛犬は飼い主さんのコマンドを理解することができるのです。

◆言うことを聞きたくない

愛犬が別の何かに集中したり熱中している最中に、言うことを聞かないといったケースも珍しくありません。
例えば、よくこの問題が起こるのが呼び戻しの際です。
普段は言うことをきくのに、何か他のものに意識を集中しているタイミングだと、名前を呼んでも無視されたり、反抗的な態度をとられる、といった経験のある方は結構多いでしょう。
こういった場合に、自分がどう対応していたかを少し思い返してみてください。
呼んでも反応しないからといって、愛犬の名前を何度も何度も呼んでいたのではないでしょうか?
呼び戻し訓練が不十分な場合にこの行動をとってしまうと、犬にとっては呼び戻しのコマンドがいわばBGMのような状態になってしまうのです。結果、呼び戻しは愛犬からすると意味のないコマンドとなり、名前を呼んでも来なくなるというわけですね。
まずは、愛犬の注意をこちらに向け、聞ける状態にしてからコマンドを出すことを意識しましょう。訓練が不十分だと感じる場合は、注意を向けてから呼び戻しをした方が、成功率も高く学習もしやすいのです。

◆混乱している

愛犬が言うことを聞かない原因には、しつけの方法に問題があったというケースもよくあります。
最も多いのが、飼い主さんの言葉遣いが原因となる場合です。
人間にとっては、「来い」「おいで」「come」のどれもが同じ意味だと理解できる言葉でしょう。しかし犬にとっては、それを理解することがとても難しいことにあたります。
毎回違う言葉で指示を出すと犬は混乱してしまい、何を指示されているのか分からなくなってしまうのです。
こうして犬がコマンドに迷ってしまった時、その様子は人間からすると言うことを聞かないように見えてしまうのでしょう。
対策としては、コマンドに使用する言葉を統一することが挙げられます。家族間でも同じ言葉を使うように、注意し合うことが大切ですね。詳しくは後述しますので、そちらもチェックしてみてください。

◆反抗期の可能性

人間には、思春期を迎えて訪れる反抗期という時期がありますよね。実は犬にもこのような期間があるといわれています。
犬は生後6ヶ月から1歳頃に自我が芽生え始め、この子犬の頃になると、飼い主さんを試すような行動をとったり、反抗的な態度をとるようになる場合があるのです。人間の赤ちゃん同様、イヤイヤ期とも呼ばれています。
反抗期は、元々の性格的な部分の関与が大きいとされているため、全ての犬がなるわけではありませんし、犬種ごとに差が出るわけでもありません。
人間の様にある程度の時間が経ったり、年齢を重ねれば落ち着くようにも思えますが、犬の場合は正しく対処しないと長引くケースがあるようなので注意が必要です。対処法については後に解説しますので、参考にしてください。
ちなみに反抗期によくみられる行動としては以下の行為が挙げられます。

◎吠える・唸る・噛むなど
散歩やご飯・おやつが欲しいなどという要求を通すためにイタズラや問題行動を起こしたり、お手入れの際に唸る・噛むといった様子がみられる。

◎食べていたものを食べなくなる
これまで食べていた食事内容に口を付けなくなり、嗜好性の高いおやつなど、別の食べ物を欲しがる様子を見せる。

◎しつけたことをやらなくなる
オスワリやマテなど、既に覚えていて今まで出来ていたことを、急にやらなくなる。

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犬にも、人と同様、「反抗期」があります。それまでできていたことができなくなったり、指示に従わなくなったりする時期です。飼い主さんは問題行動に悩んでしまうかもしれませんが、犬の成長過程においては自然なことです。反抗期について理解して正しい対応を取れば、お互いの信頼が増し、素晴らしいパートナーになれるでしょう。今回は、犬の反抗期について、時期や行動、正しい対処法を詳細に解説します。

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◆病気や身体の不調が原因

愛犬の態度が緩やかではなく急に変化した場合は、病気や怪我などで身体に痛みや異常を発症している可能性が考えられます。
それによって、身体を動かしたり反応するのが億劫になっていたり、即座に動けないために、言うことを聞かないように見える場合もあるのです。
またシニア期に入ると、老化に伴って耳が遠くなったり、聞こえにくくなることも珍しくありません。言うことを聞かないのではなく、声が聞こえていないパターンもあるということを覚えておきましょう。
この場合もちろん愛犬は、悪いことをしているつもりは全くないのです。イライラせずに、正面から現状を受け止めてあげてください。
また、愛犬の状態に異常を感じた場合や、病気・怪我が疑われる場合は、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。病気であれば早期発見に繋がる可能性もありますし、老化によるものかが判断できなければ獣医師に相談するのが一番安心です。


犬に言うこと聞いてもらうための方法

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愛犬が言うことをきいてくれない場合、まずはその理由を知ることが重要です。そして理由によって、適切な対処法を選んで行動しましょう。

◆主従関係をはっきりさせる

犬は野性時代に、集団で生活をする動物でした。元々群れのリーダーの命令に従う性質をもっており、本来であれば主従関係を守ることができるのです。
このことから、愛犬が飼い主さんの言うことを聞かない要因の一つとして、飼い主さんをリーダーと認識していないことあげられます。
このケースでは、飼い主さんが愛犬よりも上の立場だと理解させることで、問題が解決する可能性があるといえるでしょう。
犬と人間との主従関係については様々な見解がありますし、個体それぞれがもつ性格によっても違いはありますが、主従関係が原因だと感じられる場合は関係性の見直しを図ってみてください。
散歩の際はリードがピンと張らないように飼い主さんが前を歩いたり、食事のタイミングは飼い主さんが決めるなど、愛犬にとって飼い主さんがリーダーであり信頼できる存在だということを認識させるのです。

◆指示を出す時の言葉を統一させる

犬にしつけをする際に、とても重要なポイントは、指示する言葉を一つに統一することです。
日本語を使うのか、英語を使うのか、またどの単語(言葉)を使うのかを、事前にしっかり決めておくのです。
指示を出すたびに違う言葉を使われては、愛犬が混乱してしまいます。
家族など複数の人間でしつけを行う場合は予め話し合って、使う言葉を決定しておきましょう。
また、その言葉以外でコマンドを出さないことをルールとして徹底してください。家族全員が共通認識をもつことが、成功のカギとなります。

◆反抗期の場合

反抗期が原因だと感じられるのであれば、反抗的な態度に対して適切な行動を示す必要があります。
自分の要求を通すために唸ったり吠えたりする場合は、リアクションを返さずに無視をするのが効果的です。
反応したり怯んで要求に従うと愛犬が勘違いして、問題行動がエスカレートしてしまう可能性があるのです。
こういった態度をとっても無駄だということを認識させ、相手にされないことを理解できれば自然と改善されるでしょう。

普段の食事以外のものを要求する場合には、少し様子を見てからすぐに片付けてしまうのが一つの方法です。
その後におやつや他の食べ物を与えることもしてはいけません。
飼い主さんが与えたタイミングで食べなくては、食事がもらえないということを学習させましょう。
ただし、体調不良によって食べないケースもあるので、しっかり愛犬の様子を観察して判断してくださいね。
そして、今までしつけたことをやらなくなった時は、もう一度トレーニングをし直す必要となるでしょう。反抗期の再トレーニングは中々難問ですが、愛犬の機嫌をみながら挑戦してみてください。


犬のしつけに必要なこと

犬のしつけで最も重要なポイントは、褒める・叱るといった行為を愛犬が行動した直後に行うことです。
愛犬が行動してから時間が経ったときにアクションを起こしても、犬は行動との関連性を見出すことが出来ずに混乱してしまうでしょう。
ダメなことはすぐにダメだと伝えること、良いことはすぐに沢山褒めてあげることを徹底してください。
褒めることも叱ることも、タイミングを逃さないことがとても重要なのです。
また叱り方にも注意が必要です。怒鳴ったり叩いたりするのはNG行為です。愛犬が恐怖や警戒心を抱いてしまい、信頼関係が悪化する恐れがあります。場合によっては無視をすることも大切なので、愛犬の状態や性格をしっかり把握し、適切な方法をとらなくてはいけません。
ペットのしつけに関してはネット上でも様々な情報を得られますので、体験談やしつけの記事を参考にしてみるのもおすすめです。

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まとめ

愛犬が言うことを聞かない場合、飼い主さんに原因があるケースも少なくありません。
まずはどんな理由から言うことを聞かないのかを、愛犬の態度や様子を観察して探ってみましょう。
しつけのし直しや、信頼関係の回復が必要であればそれに尽力するしかありません。時間と自分との闘いとなりますが、愛犬との快適な暮らしのために努力する必要があります。
また、病気などが疑われる場合は早めに獣医師に相談してくださいね。
愛犬のことをきちんと理解すること、自分に落ち度がなかったかを改めて一度考え直してみることが、問題解決の糸口になってくれるかもしれません。



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!

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