1.犬が朝ごはんを食べない(残す)理由
1-1.運動不足
1-2.わがまま
1-3.代謝や気候の変化によるもの
1-4.ヒート(生理、発情)
1-5.体調が悪い
2.犬が朝ごはんを食べずに吐いた
2-1.様子を見て病院へ行く
3.犬が朝ごはんを食べない時の対処法
3-1.温めて匂いをたたせる
3-2.朝ごはん前にお散歩をする
3-3.朝夜で別メニューをあげる
3-4.フードの種類を変えてみる
3-5.夜ごはんの量を減らす
3-6.一定時間でご飯を下げる
犬が朝ごはんを食べない(残す)理由
犬が朝ごはんを食べない理由は、体調不良だけではありません。そこでまずは、犬が朝ごはんを食べなかったり、完食できずに残してしまったりする原因から紹介していきます。
◆運動不足
特にチワワなどの小型犬の場合、室内でたくさん動き回っていれば散歩をしなくても運動量は十分足りている、と思われがちですが、実はそうではありません。犬種や年齢、飼育環境などによっても若干異なりますが、犬に必要な1日あたりの散歩量は、小型犬で30分、中型犬で1時間、 大型犬で2時間ほどだといわれています。
とはいうものの、天気が悪い日が続いたりして、毎日散歩に行くことができないこともあるかもしれません。すると運動量が少なくなってしまい、食餌から摂取したカロリーを消費しきれず、朝ごはんを食べなかったり残したりすることがあります。
◆わがまま
ずっと特定のフードが大好きでこだわりがあるのだろうと思っていたのに、最近になって急に全く食べなくなってしまった、という経験をお持ちの飼い主さんは少なくありません。もし他のフードやおやつなら食べるという場合は、犬がフードの味に飽きてしまい、単にワガママや好き嫌いをいって朝ごはんを食べないでいる可能性が考えられます。
また、犬はとても学習能力が高いので、朝ごはんを食べられなかったときにおいしいものを食べさせてもらった、という経験がある場合、わざと朝ごはんを食べないこともあります。
◆代謝や気候の変化によるもの
これは人間も一緒なのですが、犬も老化によって代謝が低下します。すると運動不足のときと同じように消費カロリーも少なくなるため、お腹が空かずに朝ごはんを食べられないことがあります。また、高齢犬は足の痛みなどでエサ置き場まで歩くのも辛い場合があり、お腹は空いているけれどごはんを食べに行かず、ずっと寝てることもあります。
さらに、犬は季節の変わり目など、気候の変化に対してストレスを感じることがあります。そしてストレス反応の一つとして食欲が落ちることがあります。
気温が高い時期であれば、夏バテをして食欲が落ちている可能性も考えられるでしょう。
◆ヒート(生理、発情)
犬は生後6~10カ月頃に初めてのヒートを迎え、その後は1年に1~2回のペースで起こります。そしてヒート中は食欲がなくなることが多いため、避妊手術をしていないメス犬であれば、発情出血がないかどうかを確認してみましょう。
◆体調が悪い
これまでは病気以外で朝ごはんを食べなかったり残してしまったりする原因をご紹介しましたが、食欲低下は体調不良のサインである可能性ももちろんあります。食欲の低下は特定の病気にみられる症状ではなく、消化器系疾患や感染症、呼吸器系疾患、神経疾患、口内トラブル、腫瘍など、あらゆる病気にみられます。
犬が朝ごはんを食べずに吐いた
愛犬が朝ごはんを食べないだけでも心配ですが、朝ごはんも食べずに吐いてしまった場合は、動物病院に連れていくべきかどうか悩む方も多いと思います。そこで次は、朝ごはんを食べずに嘔吐してしまった時の対処法や、動物病院を受診する目安についてご紹介します。
◆様子を見て病院へ行く
朝ごはんを食べないだけでなく、さらに吐いているとなると、病気が原因で朝ごはんを食べることができなかった可能性が考えられます。愛犬の様子や行動をよく観察して、以下のような症状がないかどうかをチェックしましょう。
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・元気がない
・下痢をしている
・水も飲めていない
・ぐったりしている
・口の粘膜が青白くなっている
・呼吸が荒い
・よだれが出ている
・口臭がきつい
1つでも当てはまる症状がある場合や、嘔吐や食欲不振が複数回続く場合、子犬や老犬などの場合は、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。
判断に悩む場合はかかりつけの動物病院に電話をして、獣医師に相談して判断を仰いでみても良いでしょう。
犬が朝ごはんを食べない時の対処法
犬が朝ごはんを食べない場合、ちょっとした工夫をするだけで食欲が改善されることがあります。では、犬が朝ごはんを食べない時の適切な対処法には、どんなものがあるのでしょうか。以下に、飼い主さんが自宅で実践できる対処法を6つご紹介するので、ぜひ試してみてください。
◆温めて匂いをたたせる
私たち人間は、おいしそうな食べ物や美しく盛り付けされた料理をみると食欲がそそられますよね。しかし、犬の場合は食事の見た目と食欲はほとんど関係がなく、味を感じる「味蕾(みらい)」の数も少ないため、味覚もあまり重要ではありません。
実は、犬の食欲を増進させるために一番重要なのは嗅覚です。そのため、香りが強い食べ物に対して食欲がそそられます。ドライフードもウェットフードも温めると匂いが強くなるため、軽く電子レンジで温めてから与えてみると良いでしょう。
◆朝ごはん前にお散歩をする
運動量が足りていない場合の対策としては、朝ごはん前に少しお散歩をして、お腹を空かせてみる方法がおすすめです。
実は朝の散歩には他にもメリットがあり、「しあわせホルモン」と呼ばれているセロトニンの分泌が促されてリラックスできたり、ほどよく体力を消費するのでその後のお留守番中にぐっすりお昼寝をしてくれたりします。
また、飼い主さんの健康面に対するメリットも大きく、犬と同じように、セロトニンの分泌が促されたり、生活リズムが整って質の良い睡眠がとれるようになったりします。そのため、ぜひ普段から朝ごはん前にお散歩をするようにしてみてください。
◆朝夜で別メニューをあげる
飽きっぽく食欲にムラがあるという悩みをお持ちの場合には、朝と夜でメニューを変えてみるのも一つの手です。
ただし、2点ほど注意点があります。
まず、フードの種類やメーカーによって1日に与えても良いフードの量はさまざまなので、1日に必要なエネルギー量をしっかり計算して、カロリーオーバーにならないように注意しましょう。
また、容量の大きなフードを購入している場合、食べきるまでに単純計算でこれまでの2倍の日数がかかります。時間が経つとフードはどんどん酸化して風味が落ちてしまうため、小分けのものを購入するか、ジッパータイプの袋を使用して小分けにするなどして、なるべく袋の開け閉めが少なくなるように工夫しておくと安心です。
◆フードの種類を変えてみる
ひとくちにドッグフードといっても、水分含有量によって、ドライ、ソフトドライ、セミモイスト、ウェットの4種類があります。また、例え同じメーカーのドライフードでも、商品によって粒の大きさや固さ、風味などに違いがあるため、食欲を刺激するためにフードの種類を少し変えてみるのもおすすめです。
高齢犬の場合は、栄養価が高く1日あたりの給餌量が少ないフードに変更してみても良いですし、口内炎や歯周病などで口の中が痛くて朝ご飯を食べられない場合には、カリカリからウェットフードに変えるだけで、食事中の痛みが軽減される可能性もありますよ。
ただし、いきなりフードの切り替えをしてしまうと下痢をすることがあるため、まずは元々あげていたフードに少量を混ぜる程度にして、少しずつ切り替えてみてください。
また、元々あげていたフードにウェットフードやスープタイプのものをトッピングして、味や匂いに変化をつける方法もオススメですよ。トッピングは総合栄養食を選ぶようにするとより良いですが、ヒート中や体調が悪い場合などには栄養バランスの問題は一旦置いておいて、茹でた野菜やお肉、犬用のチーズなど、愛犬が好みの食材があればそれをトッピングして食欲を刺激してみてください。
◆夜ごはんの量を減らす
フードのパッケージを見てみると、必ず体重ごとの給餌量が記載されています。この給餌量には○g~○gと幅があることがほとんどなので、朝ごはんの時間にお腹が空くように一番少ない量に変更して、さらに朝ごはんより夜ごはんの量を少なくすると、自然と朝にはお腹が空いてご飯を食べてくれるかもしれません。
◆一定時間でご飯を下げる
単純にわがままで朝ごはんを食べていない場合、置きエサにするなどして犬の気が向いたときにフードが食べられる状態にするのはNGです。というのも、「別に今食べなくても後で食べればいいや」と犬に思わせてしまうことになってしまうからです。
わがままをいっている場合はお腹が空けば食べてくれることがほとんどなので、「今食べないと朝ごはんは食べられないよ」というアピールのために、30分以上食べないときはご飯を下げるようにしましょう。日頃からその習慣をつけておくと、わがままをいわずに素直に食べてくれるようになりますよ。
犬は何日までご飯を食べなくて大丈夫か
健康な成犬で、他に何も変わった様子がなく水分をしっかり摂れているような場合は、2~3日ご飯を食べなくても大丈夫だといわれています。
ただし、子犬や老犬の場合や、他になにか症状がみられる場合などはこの通りではなく、丸1日ごはんを食べないだけで全身状態が悪くなってしまう事もあります。そのため、このような場合はすぐに動物病院を受診するようにしましょう。
まとめ
こちらの記事では、犬が朝ごはんを食べない理由や対処法、動物病院を受診した方が良いかどうかを見分けるポイントを解説しました。
ワンちゃんが急に朝ごはんも食べずに寝ているときは、体の不調が原因かそうではないのかを見分けることが重要です。他の症状の有無を落ち着いて確認したり、何か原因となるようなことがなかったかどうかを思い出したりして、特に問題がなければこちらの記事で紹介した対処法を参考に、ぜひ食欲を刺激してみてください。
ただし、何か体調に異変がある場合や原因がわからず不安な場合などは、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
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