1.高級な犬種とされるのはどんな犬?
2.世界で高級とされる犬種12選
2-1.サモエド
2-2.チベタンマスティフ
2-3.チャウチャウ
2-4.ローシェン
2-5.アザワク
2-6.エスキモー
2-7.ファラオハウンド
2-8.ロットワイラー
2-9.アフガンハウンド
2-10.ビアデッド・コリー
2-11.スタッフォードシャーブルテリア
2-12.アイリッシュウルフハウンド
3.高級な犬と暮らすために知っておくべきこと
3-1.入手が難しい犬種が多い
3-2.体格が大きい犬が多い
3-3.飼育費用がかかる
高級な犬種とされるのはどんな犬?
「高級」といえば、犬に限らず、頭に浮かぶのはやはり「価格が高い」ことですね。高級な犬種も、概ね価格が高く、血統にもよりますが、相場で30万円~40万円以上はするようです。
最も高い犬として有名になったチベタン・マスティフは、100万~数千万円という破格の値段がつきます。
希少で入手が困難であったり、人気が高いため需要が高かったりすると、それに伴って価格も高くなり、やはり高級となります。
日本国内で言えば、国内にブリーダーがなく海外から輸入しなければならない犬種や、ブリーダーが少なく入手が困難な犬種は、価格が高くなる傾向があります。
世界で高級とされる犬種12選
ここでは、世界で高級とされる12の犬種を簡単にご紹介します。
◆サモエド
日本では、テレビ番組に登場したことから、知名度とともに人気が上昇しました。
純白で、ふさふさした被毛が特徴的です。また、アーモンド形の目と上向きの口角によって、「サモエド・スマイル」と呼ばれる表情が形成されるのも、人気が高い理由の一つでしょう。
ロシア北部およびシベリアを原産とし、牧鹿犬や、ソリや荷車を引く使役犬として重用されていました。飼い主とともに生活し、小屋の中で寝ることもあり、暖房代わりにもなっていたそうです。南極探検隊の作業犬としても活躍しました。
性格は、友好的で、開放的、注意深く、活き活きとしていて、狩猟本能はごくわずかです。
価格の相場は30~40万円ほどで、高額になると100万円以上になることもあります。高額になる理由は、頭数が少ないこと、テレビがきっかけで人気が高まったことなどです。
◆チベタンマスティフ
チベット原産で、古くからヒマラヤの遊牧民の作業犬およびチベットの僧院の護衛犬として使役されてきました。性格は、よそよそしく、警戒心が強いとされています。体高はオスで66cm以上、メスで61cm以上、平均体重は64~82kgと、超大型犬です。
頭数そのものが少ないうえ、繁殖期が1年に1度しかなく、チベット高原では気圧の差に適応できずに多くの子犬が死ぬこともあり、非常に希少です。
ジャパンケネルクラブ(JKC)によると2021年の登録数は0なので、残念ながら日本では見ることができないでしょう。
平均価格は約76万円で、2014年に中国で行われたペット市では、1200万元(約2億円)で取引されました。この額は、犬の購入金額としては、世界最高だそうです。これ以前にも、1億円以上で取引された例があり、世界一高級な犬とも言われています。
◆チャウチャウ
ずんぐりむっくりの体型と、中心にギュッと寄ったユニークな顔が特徴的です。日本で人気が出た当時は、「チャウチャウちゃう」というシャレも流行りました。
番犬や狩猟犬として飼育されていた中国を起源とし、2000年以上前から知られていました。鎖国政策のため、1800年ごろまで他国では見られませんでした。
独立心が強く、誠実な一方、超然とした一面も持ち合わせ、静かな犬と言われます。
平均価格は、3,950ドル(約54万円)と高額です。
JKCの2021年の登録数は0で、日本で出会うことはまずないでしょう。
◆ローシェン
ビションフリーゼやマルチーズなどのビション系に属する、フランス原産の愛玩犬です。中世には「生ける湯たんぽ」として婦人の寝床に同伴されたとか。理解力があり、愛情豊かで、活き活きとしています。
「ローシェン」とは、ドイツ語で「小さなライオン」という意味です。被毛は伝統的なプードル・スタイルにカットされて、しっぽは先端の飾り毛を除いて完全に刈られるため、小さなライオンのような姿をしており、犬種名の由来となっています。
JKCの2021年の登録数は0で、日本で見ることはまずないでしょう。
個体数が少ないため、非常に高額で、平均価格は90万円前後です。
◆アザワク
アフリカのニジェール、マリ、アルジェリアの一部をカバーするアザワク渓谷原産です。ガゼルや野ウサギ、ダチョウなどの狩りや、ハイエナやジャッカル、ライオンといった捕食動物を撃退するサイトハウンドで、遊牧民の家族生活にとって重要なコンパニオンとされています。
長く他に流出することがなかったため、希少価値が高まったことから高級な犬種の一つとなりました。
俊敏で、用心深く、知らない人間には距離を置いて、控えめなこともあります。一方、家族や心を許した人に対しては、穏やかで愛情深い性格です。
JKCの2021年の登録は1頭と非常に希少で、日本で見ることはかなり難しいでしょう。
◆エスキモー
カナディアン・エスキモー・ドッグのことで、カナダ原産です。太古からカナダの北極圏でイヌイットによって飼育されてきた古代犬種で、そり引きに使われていました。
1970年代には、純血の個体が約200頭しかいなくなるほど減少し、絶滅寸前になりました。
大型犬ですが、温厚で友好的な性格で、子どもと一緒に遊ぶこともできます。また、猫やウサギ、他の犬などとも仲良くできると言われています。
JKCの2021年の登録数は0で、残念ながら日本で出会うことはまずないでしょう。
◆ファラオハウンド
ファラオ・ハウンドはマルタ原産ですが、紀元前3000年ごろの古代エジプトでガゼルの狩猟犬として活躍していたものが、フェニキア商人によりマルタに連れてこられたと言われています。日本ではあまり人気がありませんが、マルタ共和国では国犬の称号を与えられました。
嗅覚と視覚を使って狩りをし、俊敏で、利口、性格は友好的で愛情深く、遊び好きです。
JKCの2021年の登録では0で、残念ながら日本で出会うことはないでしょう。
◆ロットワイラー
原産国はドイツで、起源はローマ時代まで遡り、最古の犬種の一つと考えられています。家畜の番や追い立てに使役されていました。
気立てがよく、基本的に落ち着いていて、子ども好きです。忠誠心が非常に強く、従順で、素直で熱心に作業をします。
JKCの2021年の登録数は220頭で、日本では希少ですが、ドイツやアメリカでは人気ランキングに常に入る憧れの犬種となっています。
価格相場は25~80万円と言われ、ドッグショーなどで優勝争いをするような血統は80万円ほどの値がつくこともあるそうです。
◆アフガンハウンド
原産はアフガニスタンで、狩猟に用いられていました。
長いシルクのような被毛と、東洋的な表情を伴う力強さと威厳の両方を持ち合わせます。人を見ても気に留めていないように見え、威厳があって超然としており、ある種の鋭い精悍さがあります。
JKCの2021年の登録数は75頭で、かなり希少と言えるでしょう。日本で出会えたら、かなりラッキーかもしれません。
◆ビアデッド・コリー
イギリス原産で、約2000年前からハイランド地方で飼育され、牧羊に使われていました。長い口髭が特徴的で、「ビアデッド」の名があります。
落ち着いて知的であり、神経質さや攻撃的なところはありません。陽気で甘えん坊なところもあり、人と一緒にいることが大好きです。
国内のブリーダーは非常に少なく、2022年の価格相場は36万円以上です。
JKCの2021年の登録数は40頭と、かなり希少と言えます。
◆スタッフォードシャーブルテリア
イギリス原産で、闘犬用にブルドッグとスムース・フォックス・テリアなどを交配して作出されたとされています。
不屈の精神と勇気を持ち、たいへん利口です。子供に対しては特別の愛情を注ぎ、大変信頼できます。
2022年の価格相場は、50万円以上です。
自治体によっては、飼育に規制がある場合もあります。
JKCの2021年の登録数は41頭で、かなり希少です。
◆アイリッシュウルフハウンド
アイルランド原産で、17世紀末まで狼や鹿の狩りに用いられていました。体高は、オスで79cm以上、メスで71cm以上、平均体高が85~90cmと全犬種中最大です。
気性は穏やかで、「家庭では小羊のようで、獲物を追っているときにはライオンのよう」と形容されます。
JKCの2021年の登録数は5頭と、非常に希少です。日本で出会うことは、かなり難しそうです。
平均価格は、4,150ドル(約56万円)と高額です。
高級な犬と暮らすために知っておくべきこと
◆入手が難しい犬種が多い
そもそも個体数が少ない、繁殖期が少ない、長く原産地の外に出ることがなかったなどの理由から、希少な犬種が多く、入手が難しいです。
日本国内のブリーダーが少ない、あるいはないことも多く、入手方法が海外からの輸入に限られる場合も少なくありません。
◆体格が大きい犬が多い
体格が大きい犬が多く、スタッフォードシャーブルテリアのように自治体によっては飼育に規制がある場合もあります。
体格が大きいと、たとえ性格が穏やかでも、力が強く、きちんとしたしつけをしなければ、飼い主さんが制御することも難しくなるでしょう。また、不慮の事故が起きた場合、ぶつかっただけでも重大な結果を招きかねません。
必要とする運動量も多く、飼育スペースも広くなければならないため、購入前によく検討する必要があります。
◆飼育費用がかかる
体格が大きいことに伴い、必要なフード量も多くなりますし、ペットシーツなども大きなものが必要です。
その他、首輪やリード、ケージなども大きく、特別なものが必要になることも多く、費用は高額になるでしょう。
薬の量も多くなるため予防医療(ノミ・ダニ・フィラリア駆除)だけでも高額になりますし、ペット保険に加入する場合にも保険料が高くなります。
まとめ
世界には、高額で取引される高級な犬種が存在します。これらには希少なものも多く、入手が困難な場合が多いです。
希少である理由としては、長く原産地から外に出ることがなかった、そもそもの個体数が少ない、繁殖期が少ないなどが挙げられます。
飼育する際には、入手の困難さや、体格が大きいことが多いため、しっかりしたしつけが必要なこと、飼育費用がかかることなどを踏まえて検討する必要があります。
これらの高級な犬は、日本での飼育頭数がかなり少ない、または全くないため、国内で出会うことはなかなかないでしょう。出会えたら、ラッキーかもしれませんね。
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