愛犬の落ち着きがない!病気の可能性は?対処法はある?

2022.12.18

愛犬の落ち着きがない!病気の可能性は?対処法はある?

犬が室内をウロウロしたり、ブルブル震えていたりと、落ち着きのない様子をみせることがあります。実際に目にしたことのある飼い主さんも少なくないでしょう。愛犬の落ち着きがない時、そこにはどのような原因が隠されているのでしょうか。今回は犬の落ち着きがない原因について解説していきましょう。緊急性を要する病気である可能性もゼロではありません。万が一に備えて、しっかりチェックしていきましょう。

犬の落ち着きがない原因

落ち着きのない犬

愛犬がそわそわしている、落ち着かずウロウロ動き回っているなど、普段とは異なる行動がみられる時、飼い主さんとしては心配になり不安を感じますよね。
この行動は、一体どのような原因からみられるのでしょうか。
その時の犬の心情だったり、ストレスなどの現れ、または病気の可能性も考えられます。早急に対処が必要な場合もあるため、まずは原因を特定しなくてはいけません。
犬の落ち着きがない場合に、考えられる原因を紹介していきますのでチェックしていきましょう。

◆犬の落ち着きがない原因①興奮をしている

犬は怒ったり警戒している時以外にも、嬉しい気持ちによって興奮する場合があります。この気持ちの高ぶりが起こる際に、落ち着きがない様子をみせることがあるのです。
例えば、飼い主さんが帰宅した時、ごはんやおやつがもらえる時などに、興奮状態となって待ちきれなくなり、飼い主さんの指示を無視することさえあるでしょう。
この気持ちによって問題行動が引き起こされる場合は、しつけをし直すなどの対応が必要となりますが、基本的には嬉しい気持ちを表しているだけなので、大きな心配をすることはないでしょう。

◆犬の落ち着きがない原因②不安やストレスがある

何らかの要因によって強い不安を精神的に感じると、リラックスできない上に眠れず、落ち着きがなくなる場合があります。これは人間にもいえることですね。
不安やストレスを可能な限り取り除く必要があるのですが、まずは愛犬が何をストレスとして感じているのかを特定しなくてはいけません。
犬も個々に性格が違うので、それぞれに苦手なものや恐怖を感じるものには差があります。
ペットホテルなどの普段とは違う場所や環境に預けられると不安を感じる、他人や子供が苦手なワンちゃんであればその対象人物に抱っこされるとストレスを感じる、外から聞こえる物音に恐怖しているなど、理由として考えられるものはさまざまです。
神経過敏な性格で怖がりであれば、こういった苦手となる対象がたくさん存在するかもしれません。
愛犬が落ち着きなく動き回った際の状況や、性格などを踏まえて考え、何に対して不安やストレスを感じているのかをしっかり観察して判断しましょう。

◆犬の落ち着きがない原因③怪我や病気などで痛みがある

ケガや病気による身体の痛みや違和感が原因で、犬の落ち着きがなくなる場合があります。
ケガであれば、傷口をしきりに舐めようとする行為がみられるかもしれません。また痛みの程度によっては、眠りが妨げられることもあるでしょう。
普段と違う様子を感じたり、何らかの症状を発症している場合には、早めに動物病院を受診し、獣医師に相談することがすすめられます。早急に治療や対策が必要なケースもあります。
それでは次に、病気が原因で落ち着きがなくなる場合について、詳しく解説していきましょう。


落ち着きがない犬の考えられる病気と症状

病気が原因で犬の落ち着きがなくなる場合、原因として考えられる病気にはさまざまあります。それは、体調が悪ければリラックスして寝付けなかったり、じっとしていられない状態になるケースの方が多いためです。
特に落ち着きがなくなる症状が目立つ病気の一例を紹介していきますので、万が一に備えて覚えておきましょう。
 

◆てんかん

ついさっきまで普通にしていたのに、急に落ち着きがなくなった時は、「てんかん」による発作の可能性が疑われます。
症状が強い場合は突然倒れてけいれんを引き起こしてしまいますが、てんかんの前兆や軽度なレベルのものであれば、よだれを垂らしたり、ソワソワするだけで終わる場合もあるのです。
通常てんかん発作は、数十秒から数分で収まります。その後、落ち着きがなくウロウロする症状がしばらく続くでしょう。
けいれん発作を起こしている際中に飼い主さんが偶然見ておらず、その後の落ち着きのない状態の時に気付く場合もありますので、よだれの有無を参考にしてください。
てんかんの場合、あまりに長い間発作状態にあると、愛犬の命にかかわることがあります。気になる様子が見られる場合は、一度病院を受診しましょう。

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◆認知症

人間にとっても身近な病気である認知症は、犬の場合も、比較的高齢の犬に多くみられる病気です。
一度に眠る時間が短くなったり、昼夜逆転しているような生活行動の変化がみられるなどの様子がみられます。
症状が進行すると、夜鳴きや、室内をウロウロ徘徊したり、同じ所をグルグル回るようにもなるでしょう。
年齢がシニアの域に入ってからこの様な行動がみられるのであれば、認知症が疑われる可能性が高いということを覚えておいてください。
病院での治療によって症状が落ち着く場合もありますので、まずは獣医師に相談してみましょう。

◆誤飲や誤食

犬が誤飲や誤食をして胃腸の不快感を覚えると、ウロウロと動き回る場合があります。
異物の誤飲は腸閉塞に進行すると、命を落とす危険性のあるとても恐ろしいものです。嘔吐・下痢を伴うケースもあるので、不安そうな表情を浮かべているでしょう。
誤飲後、数週間から数カ月経ってから腸閉塞などの症状が起こることも珍しくありません。落ち着きのない様子の他、嘔吐・下痢などの症状がみられる場合には、すぐに動物病院へ向かいましょう。

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◆副甲状腺機能低下症

副甲状腺機能低下症を犬が発症すると、落ち着きがなく、物事に過敏になるなどの症状がみられることがあります。
副甲状腺からは、パラソルモンというホルモンが分泌されているのですが、これは体の働きを維持するのに必要なカルシウム・リンの濃度を調整する役割をもっています。
副甲状腺からパラソルモンの分泌が少なくなってしまうと、血液中のカルシウム濃度が下がり、低カルシウム血症という状態に陥り、震えや運動失調、神経過敏になる、攻撃性が増す、といった症状が現れるのです。
この病気は放置すると、けいれんが酷くなり、命に危険が及ぶこともあるとても怖いものです。血液検査で分かりますので、気になる方は一度獣医師に相談してみましょう。


病院に連れっていった方が良い場合

前述したように、目的への期待感や嬉しさから興奮して落ち着きがなくなる場合は、病院に行く必要はないでしょう。しつけの面で困っていて自分では解決できない場合は、ドッグトレーナーなどペット関連のプロに相談した方が良いかもしれません。
また、ストレスや不安が原因の場合も、まずはその理由を見極めて、可能な限りその対象を取り除くよう努力してください。怖がっている場合は、優しく声を掛けたり、一緒にいるよ、大好きだよという気持ちを伝えてあげてくださいね。
そして、これらとは違い病院に連れて行くべきケースは、紹介してきた病気の可能性が考えられる時です。
てんかん、認知症、誤飲・誤食、副甲状腺機能低下症などが疑われる様子や症状がみられた場合は、早急に動物病院を受診することをおすすめします。


犬が落ち着きのない際の対処法

落ち着きのない犬の対処法

認知症による落ち着きのない状態がみられる場合は、円形のペットサークルを用意すると良いでしょう。
認知症の症状の一つに、ウロウロしたりグルグル回る行動の他、狭い所に入って抜け出せなくなるといった様子がみられるケースもあります。
円形のペットサークルであれば、その中を歩くことで身体をぶつけずに済み、愛犬のストレスが軽減されるのです。狭い所に身体が挟まる心配もなくなるでしょう。
狭い場所で窒息したり、パニックを起こす可能性もありますので、自由に歩かせたいからといって室内に放しておくのは余計に危険な目に合わせることとなってしまいます。
認知症となると、ご飯やトイレのお世話も大変になったり、散歩中に苦労することもあるでしょう。しかし大切な愛犬を守るために、出来る限りのサポートをしてあげてくださいね。

認知症以外が原因で落ち着きがない場合は、愛犬に優しく声を掛け、触って落ち着くかどうか様子をみましょう。

神経過敏な状態である可能性も考えられるので、大きな声で呼びかけたり、物音をたてすぎないよう配慮することが大切です。緊急性を感じる症状がみられる場合は、すぐに病院を受診しましょう。
嬉しさからくる興奮が原因であれば、「待て」などのコマンドで落ち着かせたり、ご褒美のおやつを利用してしつけのし直しにチャレンジしてみてください。


まとめ

愛犬に落ち着きのない様子が見られた時は、まずその原因を判断することが重要です。
普段からしっかりと愛犬を観察していれば、行動パターンや性格などが把握できますし、身体の異常にも早めに気付くことができるかもしれません。
命に危険が及ぶ病気が原因の場合もありますので、少しでも心配があるようでしたら、一度獣医師に相談してみるのが一番安心です。病気の早期発見にも繋がりますし、問題なければないで飼い主さんも安心できるでしょう。
毎日の観察やスキンシップを図ることを怠らず、普段とは違う愛犬の様子にいち早く気付ける飼い主でいられるように努めていきたいですね。



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


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