犬に小松菜を与えても大丈夫!期待できる効果や与える時の注意点は?

2023.02.26

犬に小松菜を与えても大丈夫!期待できる効果や与える時の注意点は?

炒め物などでも活躍する小松菜ですが、犬にも与えてよいのでしょうか?小松菜には、健康な犬にとって有害な物質は含まれていないので、犬に与えても大丈夫です。しかも、緑黄色野菜の中でも栄養価が高く、えぐみが少ないので、犬に与えやすい野菜と言えます。ただし、与える際にはいくつかの注意が必要です。今回は、犬に小松菜を与えて期待できる効果と注意点を詳細に解説します。

犬に小松菜を与えても良い?

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結論から言えば、犬に小松菜を与えても大丈夫です。
小松菜は、緑黄色野菜の中でも栄養価が高く、えぐみが少ないので、ワンちゃんにも食べやすい食材と言えます。

小松菜はアブラナ科の植物で、東京都江戸川区小松地区で栽培されていたことから、徳川綱吉が「小松菜」と名付けたと言われています。

旬は12月~2月で、冬野菜の代表格の1つです。現在は、ハウス栽培により、季節を問わず手に入ります。

◆小松菜に含まれる栄養素

小松菜の94%は、水分です。また、ミネラル、ビタミンなどがバランスよく含まれていて、とても栄養価が高い野菜です。

βカロテン

100g当たり、3100μg含まれています。
βカロテンは、犬の体内でビタミンAに変換されるという特徴があります。

カルシウム

生の葉には、100g当たり170mgと、野菜の中でもトップクラスのカルシウムが含まれています。

鉄分

赤血球に含まれるヘモグロビンを構成する成分で、赤血球をつくるのに欠かせません。さらに、赤血球が酸素を全身に運ぶ手助けもするため、貧血防止に重要な役割を果たします。

100g当たり2.8mgと、野菜の中ではトップクラスの含有量ですが、非ヘム鉄のため吸収率は低いです。ビタミンCと一緒に摂ると吸収率がアップします。

ビタミンC

ビタミンCの含有量は、100g当たり39mgです。

犬は体内でビタミンCを合成できますが、健康でも5歳を過ぎると合成能力が低下すると考えられています。「ビタミンC欠乏症」になる可能性もあり、シニア犬では食べ物やサプリメントから補給すると良いとされています。

ビタミンE

体内で細胞膜を守る抗酸化作用がありますが、働いたあとは「ビタミンEラジカル」という体に良くない成分に変化します。
ビタミンCには元のビタミンEに戻してくれる働きがあるため、ビタミンCとビタミンEが一緒に含まれるのは大きなメリットです。

カリウム

余分な塩分(ナトリウム)を排出する働きや、利尿作用があります。

※出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

◆期待できる効果

βカロテンをはじめとしてビタミン類が豊富で、バランスよく含まれています。
βカロテンは、ビタミンAとしての働きと合わせて、皮膚・粘膜の健康維持、免疫機能向上、動脈硬化の抑制、ガン予防効果、白内障の予防や角膜の健康維持にもつながる栄養素で、アンチエイジング効果も期待されます。

カルシウム、カリウム、鉄分は、同量の牛乳より生の小松菜の方が多く、また、カルシウムはほうれん草の約3倍含まれています。
カルシウムは、歯や骨の形成に重要なほか、「天然の精神安定剤」とも言われ、成長期の犬に必要な栄養素です。また、カリウムには、高血圧を予防する効果が期待できます。
鉄分と、鉄分の吸収を助けるビタミンCが豊富で、鉄欠乏性貧血の予防効果も期待できます。

また、ビタミン、カロテン、食物繊維には、肝臓の働きを助ける作用が期待できます。肝臓は、代謝機能や解毒作用、エネルギー貯蔵の役割があり、機能が低下するさまざまな不調を招きます。

◆アレルギー

葉物野菜がアレルギーを引き起こした例は、報告されていません。しかし、どんな食べ物でも、食物アレルギーを引き起こす可能性があります。

初めて与える場合には、ごく少量から始めて、与えた後は症状が出ないか様子を見ましょう。症状は数時間~数日後に出ることもあります。

アレルギー症状としては、下痢・軟便、嘔吐、皮膚の痒み、目の充血、元気がないなどが挙げられます。これらの症状が出たら、すぐに動物病院に連絡してください。
いつ、どのくらいの量を与えたか、どのような症状があるかを伝えられると、診断がスムーズになるので、メモをしておくといいですよ。

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小松菜の与え方

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◆最適な量

どのような食材も、与え過ぎはNGです。一般に、おやつやトッピングの量は、1日に必要なカロリー量の10~20%以内にとどめます。おやつなどのカロリー分、ドッグフード(総合栄養食)を減らしましょう。

小松菜100g当たりのカロリー量は、茹でた葉で14kcalです。
与える量のざっくりとした目安は、中型犬で小松菜の葉1枚程度となります。小型犬であれば1枚より少なく、大型犬であれば葉2枚程度が目安です。

尿路結石のリスクが高まるほか、アレルギー発症の原因となるため、毎日与えるのはNGです。

◆茹でる

後述しますが、小松菜には微量の尿路結石の原因となるシュウ酸が含まれています。また、食物繊維が多く、肉食寄りの雑食動物である犬には消化しづらいです。
このため、小松菜を与える際には、茹でたものを与えましょう。
茹でる際のポイントを、以下にご紹介します。

●茹で方

1.根を取り除く
2.茎に十字の切り込みを入れて、しっかり水洗いする
3.たっぷりのお湯に、茎の部分を浸けて30秒ゆでる
4.葉までお湯に入れて、15秒ゆでる
5.お湯から上げて、水にさらす(冷ます効果も)

加熱しすぎるとビタミンCが失われるので、さっと茹でるのがおすすめです。

◆小さくカットする

食物繊維が多いため、上手く噛み切れずに喉に詰まらせたり、丸呑みして消化不良を起こしたりする可能性があります。茹でた小松菜は、小さく刻んでから与えましょう。
特に、消化しにくい茎はみじん切りにすると良いでしょう。胃腸の弱い犬やシニア犬には、ブレンダーでペースト状にするのもおすすめです。

◆小松菜と栄養価の相性がよい食材

相性の良い食材としては、豚肉や大豆製品が挙げられます。
豚肉は、小松菜と一緒に食べると、高い脂肪燃焼効果が得られます。また、大豆製品は、小松菜に含まれるカルシウムの吸収を促進する効果が期待できます。

手作りごはんやおやつを作るときの参考にしてみてくださいね。

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小松菜に似た野菜

◆ほうれん草

ほうれん草は、小松菜と見た目はよく似ていますが、ヒユ科の植物で、原産地は西アジア周辺です。
小松菜の15倍のシュウ酸を含むため、アクが強く、尿路結石の原因になりやすいので、与え過ぎには注意が必要です。
鉄分と言えばほうれん草が浮かびますが、実は、小松菜の方が鉄分やカルシウムといった栄養素が豊富で、価格も安いですよ。

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◆チンゲン菜

低カロリーでシュウ酸を含んでいませんが、小松菜と比較すると栄養面では劣るところがあります。
小松菜と同じくアブラナ科の植物で、後述する「グルコシノレート」という成分を含むため、甲状腺疾患のある犬には与えてはいけない食材です。
5分ほど茹でると、グルコシノレートの濃度を低下させることができ、苦味や胃腸への刺激が減って、犬も食べやすくなります。


犬に小松菜を与える時の注意点

◆生の小松菜は与えない

小松菜には、微量(約50mg/100g)のシュウ酸が含まれています。ほうれん草は約770mg含むので、圧倒的に少ないです。
このためアクが少ないのですが、シュウ酸は尿路結石(シュウ酸カルシウム結石)の原因物質なので、犬にはできるだけ与えない方がよいでしょう。

シュウ酸は水に溶けやすいため、茹でると水に溶け出し、大幅に量を減らすことができます。
小松菜を与える際には、茹でて水にさらしたものを与えるようにしてくださいね。茹で汁にはシュウ酸が含まれるので、犬には与えないようにします。

過去に尿路結石になったことのある犬や、現在患っている犬には、症状悪化が懸念されるため、与えないようにしてくださいね。

◆甲状腺疾患のある犬には与えない

アブラナ科の植物には、グルコシノレートという成分が含まれています。グルコシノレートは、体内で「ゴイトロゲン」という物質に変化します。
ゴイトロゲンは、甲状腺ホルモンをつくるために必要なヨウ素の吸収を阻害するため、甲状腺に大きな負担を与えるとされています。甲状腺ホルモンの欠乏は、運動性の低下や無気力などの原因です。

加熱すると、グルコシノレートやゴイトロゲンは不活性化しますが、基本的に、甲状腺疾患の犬には小松菜を含むアブラナ科の野菜は与えない方がよいでしょう。

◆与え過ぎない

小松菜は水分が多いため、与えすぎると軟便や下痢を引き起こす可能性があります。また、食物繊維の摂りすぎは、消化不良からの下痢や嘔吐の原因です。さらに、カリウムが多いので、頻尿になる可能性もあります。
適量を守り、与え過ぎないように気をつけましょう。

◆肝臓疾患のある犬に与えるときは獣医師に相談

犬は、他の動物より活発にβカロテンをビタミンAに変換します。このため、βカロテンの過剰摂取は、ビタミンA中毒から、肝臓病の引き金になる恐れがあります。
肝臓疾患のある犬や肝機能の衰えているシニア犬に与えたい場合には、事前にかかりつけの獣医師に相談しましょう。定期的な健康診断で、肝機能の異常の有無について調べておくと安心ですよ。


まとめ

小松菜は栄養価の高い野菜ですが、シュウ酸やグルコシノレートを含むため、トッピングとしてたまに活用するのがおすすめです。
茹でるのが簡単ですが、肉やニンジンを細かく刻んで一緒に炒めたものをあげるのもいいですよ。油は、オリーブオイルがおすすめです。
子犬は、消化器官の機能が未発達で食べたものを上手く消化できず、嘔吐・下痢を起こしやすいので、与える際は少量にとどめましょう。
愛犬の食事を健康的で豊かなものにするのに、小松菜はピッタリの野菜です。ぜひ、活用してみてくださいね。

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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。


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