1.チャンピオン犬とは
1-1.ドッグショーとは?
2.チャンピオン犬の決め方
2-1.大会優勝に限らず優秀な犬に与えられる
2-2.カードについて
2-3.チャンピオン犬の条件
チャンピオン犬とは
チャンピオン犬とは、ドッグショーで優秀な成績を収めた犬のことを指すのですが、様々な条件や審査基準があるため、狭き門だといえる称号です。
ドッグショーには種類があり、ショーごとにCCカードやMCCカードと呼ばれるカードが発行されています。このカードを4枚(1枚はMCCカード)取得した上で、条件を満たしたワンちゃんがチャンピオン犬となれるのです。
日本国内でも、チャンピオン犬を目指してブリーディングしているブリーダーもいますし、チャンピオンから生まれた子犬は高値で取引されています。
一般的な家庭犬として日常を送っている愛犬や飼い主さんにとっては、別世界の話に聞こえるかもしれませんが、どうやってチャンピオン犬を決めるのか、その内容は気になるところですよね。
ドッグショーは、犬種ごとに決められたスタンダード(理想的な見た目など)によって判断されるため、犬種本来の姿を守ることにも繋がっています。愛犬家として、こういった知識を深めておくことも大切なことだといえるでしょう。
まずは、ドッグショーがどういった場所なのかを解説していきます。
◆ドッグショーとは?
犬種本来の姿を伝承する保護的な役目を含んでいるのが本来のドッグショーですが、一部のハンドリングを楽しむ出場者を除けば、チャンピオン犬を作る目的の出場者が大半を占めています。
クラフツ・ドッグショー、ワールド・ドッグショー、ウェストミンスター・ケネルクラブ・ドッグショーが世界3大ドッグショーといわれていますが、これらをはじめとし世界各国で大小様々なショーが開催されているのです。
出場資格は血統証のある犬で申し込みをすることと、自らハンドリングができることのみで、ハンドリングはプロに任せることも可能です。有料・無料の講習会も開かれており、そこで覚えることもできるため、誰でも参加することができるといえるでしょう。
それでは次に、チャンピオン犬の決め方や条件、カードについて、詳しく紹介していきますので、ぜひチェックしてみくださいね。
チャンピオン犬の決め方
チャンピオン犬という称号を得るためには、前述したように様々な条件をクリアする必要があります。
チャンピオン犬がどうやって決められるのか、取得しなければいけないカードはどんなものなのか、またそれに加えて必要となる条件とはなにか、これらについて解説していきましょう。
◆大会優勝に限らず優秀な犬に与えられる
ドッグショーの大会で優勝したワンちゃんが、チャンピオン犬と呼ばれると思っている方が多いかもしれません。しかし優勝者に限らず、大会で優秀な成績を収めた犬に贈られるのがチャンピオン犬の称号なのです。審査の基準を満たしている、チャンピオンと格付けされた犬を指すわけですね。
血統証の付いている犬であれば、どの子もショーへの出場が可能ですが、中でも基準に沿った美しさのある犬が審査されます。
◆カードについて
ドッグショーには、連合展・FCIインター・全犬種クラブ展など、様々な種類があります。そしてショーごとに、付与されるカードは異なるのです。
これらのカードを4枚以上揃えることが条件の一つとなるのですが、カードというのは、日本で血統書を発行するJKC(一般社団法人ジャパンケネルクラブ)が発行するチャンピオンになるためのカードとイメージしておきましょう。カードには以下の2種類があります。
◎CCカード…出陳頭数400頭以下の全犬種クラブ展で勝ち残ることで付与。
◎MCCカード…出陳頭数400頭以上の連合展・FCIインター・犬種部会展で勝ち残ることで付与。
尚、4枚の内、1枚はMCCカードが必要であり、複数枚必要なCCカードは2名以上の異なる審査員から発行してもらわなくてはいけません。また、初回取得から4年以内に4枚以上を揃えることも条件となるため、期限が限られていることも覚えておきましょう。
ちなみに、ショーに出陳しても同クラスで3頭以上が出陳しているなど、条件を満たしていない場合カードは発行されません。
◆チャンピオン犬の条件
ショーに出場して、CCカード及びMCCカードを取得するだけでチャンピオンになれるわけではありません。
カードを合計4枚獲得した上で、犬の訓練レベルの種熟度を見るテストである、家庭犬訓練試験CD-1に合格する必要もあるのです。
これらの条件を満たしてやっと、チャンピオン犬として申請・登録ができるというわけですね。
ここで、チャンピオン犬となるための条件を纏めておきましょう。
◎CCカード及びMCCカードを4枚以上獲得(最低1枚はMCCカードが必要)
◎初回のカード取得日から4年以内に4枚の取得が必要
◎4枚のカードは2名以上の異なる審査員から取得しなくてはいけない
◎家庭犬訓練試験CD-1に合格
ドッグショーの審査基準
カード獲得には、大規模及び小規模のドッグショーで好成績を収めることが必要不可欠です。それではドッグショーでは、どのようなポイントが審査基準となるのでしょうか。
主な審査基準は6つあり、犬種ごとに設定されたスタンダード(理想的な見た目)の近さで判断されます。
審査員がワンちゃんに直接触れたり、歩く姿を見たりと、様々な角度から観察をして審査を行うのです。
6つの審査基準は以下の通りです。
◎タイプ…各犬種の特色(スタンダードの本質の具現化のこと)
◎クオリティー…特色や犬質(タイプ)の充実度や洗練度
◎コンディション…当日の健康状態や精神状態
◎サウンドネス…精神的、肉体的な健康状態(怯え・威嚇などがない、骨格・筋肉の状態や噛み合わせが良い)
◎バランス…全体の調和(一部が秀でるのではなく、魅力的な各部のポイントが全体の感じを損なわないこと)
◎キャラクター…魅力やマナー(輝くものがある、ひときわ目立つマナーの良さ)
チャンピオン犬にするためには
チャンピオン犬を育成するためには、まず良い両親を揃えることが大切です。
海外の大会でチャンピオンを獲得した犬を高値で購入する場合もあれば、ブリーダーの元で生まれたワンちゃんの中からチャンピオンを取れる可能性のある子を選んでチャンピオンにする場合もあります。
ドッグショーで好成績を残せることは、その子犬を育てたブリーダーに対する評価にも直結するといえるでしょう。
ちなみに、血統書には両親の血統図が記載されていますが、チャンピオンの場合は犬名に「CH」の略号が付いていますよ。
チャンピオン犬はほとんどの場合チャンピオン犬から産まれますが、しかしもちろん、必ずしもチャンピオンを取れそうな子犬が産まれるとは限りません。
チャンピオン犬になることは、容易ではなくとても大変なことです。しかし、愛犬と共にそれを目指してもみるのも良い思い出になるかもしれませんね。
どのようなしつけや費用が必要なのかを紹介していきますので、チャンピオン犬を目指したい飼い主さんはぜひ参考にしてみてください。
◆しつけについて
基本的なしつけはもちろん必要不可欠ですが、ショーへの出場を考えると、ウォーキングが上手にできることが重要となります。
子犬が初めて散歩に出る時は、リードが張らないように注意しましょう。上手に歩けた場合は、おやつのご褒美をあげます。子犬の内は、毎回一食分のフードを持って散歩のトレーニングをするのがポイントです。
リードを引っ張る場合は飼い主さんが立ち止まり、リードが緩んだら歩き出すことを徹底してくださいね。
ちなみに、大型犬など中型犬以上となると、少しリードを引っ張るだけでも中々大変な思いをします。そういった場合は、しつけ用具を使うのがおすすめです。
イージーウォークハーネスという、引っ張ると歩きにくくなるハーネスや、ジェントルリーダーという「しつけ首輪」などがありますので、チェックしてみるとよいでしょう。
犬が首輪で引っ張るまま歩くことは、しつけとして良くないだけでなく、頚椎を痛める可能性もある危険なことです。チャンピオンを目指す目指さないに関わらず、愛犬と健やかな毎日を過ごす為にも意味のあることなので、上手なウォーキング方法は身に付けておくべきですね。
◆費用
チャンピオン犬になるためには、時間や費用がかかります。
犬質を保つための高品質なフード代、トリミングなどのお手入れ代、チャンピオンを取るまでに団体に支払う出陳量、ハンドラーに支払うハンドリング料などが、毎回必要となるのです。
そのため、チャンピオン犬を目指す場合は、飼い主さんの時間とお金に余裕があることも条件だといえるでしょう。
まとめ
複数のドッグショーで様々な条件・基準をクリアすることで手に入れられるチャンピオン犬という称号。たくさんのワンちゃん達が繰り広げる紙一重の大会で、チャンピオンを獲得できた子はとても凛々しく素晴らしい存在となるでしょう。
一般的な家庭犬であれば、チャンピオンに拘る必要は感じられないかもしれませんが、ショーに興味があったり、ドッグショーに出てみたいという程度であれば、血統証と普段の手入れ程度で出場は可能なので、思い出の一つとしてチャレンジしてみるのも良いかもしれませんね。
チャンピオン犬を目指したい飼い主さんは、時間とお金に余裕があるか、ショーに対する情熱を維持できるかしっかり考えてからトライしてみてください。
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