ペット栄養管理士とはどのような資格?また、資格の取り方は?

2023.07.08

ペット栄養管理士とはどのような資格?また、資格の取り方は?

 ペットに関わる資格の中で最近注目されつつあるものの1つに「ペット栄養管理士」があるのはご存知でしょうか?「ペット栄養管理士」はペットの食事におけるスペシャリストといわれており、様々な年代の方が資格取得に挑戦されています。  よって今回は「ペット栄養管理士」についてご説明していこうと思います。

ペット栄養管理士とは

ペット栄養管理士

ペット栄養管理士とは、ペットの健康の維持増進のためにペットフードの安全性の確保及び品質の向上を促進するために発足した学会である「日本ペット栄養学会」が2002年5月に設けた民間資格です。

ペットの栄養に関する知識の普及と指導に必要な人材を育成するとともにペットの健康維持向上を図ることで動物の愛護に寄与することを目的としています。

なお、日本ペット栄養学会ではペット栄養管理士認定委員会並びにペット栄養管理士認定委員会の事務局を設置しており資格制度を円滑に進められるようにもしています。

ペットは人とは必要とする栄養素が違ったり、摂取してはいけないものがあったりするためそれらについての正しい知識やペットごとのライフステージにあわせた食事や量などを飼い主さんにお伝えすることがペット栄養管理士の役割といえるでしょう。


ペット栄養管理士の仕事内容

ペット栄養管理士の主な仕事内容は、ペットそれぞれに合わせた食事の種類や量などについて飼い主さんに伝えることや、食を通してペットの健康を守ることなどとなります。

例えば、動物病院では入院しているペットの体調を見ながら獣医師の指示の下、食事の管理を行ったりペットショップにおいてはペットの食事や健康管理に悩んでいる飼い主へさんに適切なアドバイスを行ったりすることなどが仕事内容となるでしょう

また、ペット栄養管理士としての経験を積むことによって、将来的には自分でペットの手作りフード教室やペットの食事に関する講習会の開催、さらにはペットと一緒に食事ができる飲食店を開業などといった独立を目標としている方もいるようです。


ペット栄養管理士の働く場所

ペット栄養管理士は動物病院やペットショップ、ペットフード販売会社などさまざまなペット関連の職場で活躍が期待できる資格となります。

どこの職場でもペットの食に関する正しい知識が求められることや場合によっては飼い主さんのお悩みに沿ったアドバイスを提供する必要があるため、コミュニケーション能力も必要となってくることなどが特徴となります。

ただ、ペット栄養管理士のみの求人は多くはないため、多くの場合トリマーや動物看護師、ドッグトレーナーなどペットに関わる他の仕事をしつつ、ペット栄養管理士の知識を発揮することが多いようです。

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ペット栄養管理の受験資格

ペット栄養管理士の認定試験を受けるためには日本ペット栄養学会のHPに記載されているように、以下の4種類のいずれかに該当する必要があります。

①講習会の全ての教程(A・B・Cの3教程)を修了した者

②大学において獣医学(獣医学科、獣医保健学科等)、畜産学(応用動物学・ 資源動物学・動物生産学・応用生命科学・応用生物科学・生物機能科学・ 生物資源科学等)、農芸化学(バイオサイエンス学科等)のいずれかの課程を修めた者

上記学科(獣医学科を除く)に在籍の大学生は、3年次の10月末に受験資格を得るものとする。
また、日本ペット栄養学会 認定委員会 が定めた「ペット栄養管理士特別認定校(専門学校)」にて「愛玩動物看護師受験資格を有する者」。特別認定校(専門学校)に在籍の専門学校生は2年生10月末より受験資格を得るものとする

③認定定委員会が上記①・②と同等、もしくはそれ以上の資格を有すると認定した者

④平成14年1月開催の「ペット栄養管理者養成講習会」受講者

この中で受験資格を満たすためには①が最もハードルが低いでしょう。実際、ほとんどの方は①の講習会である「ペット栄養管理士養成講習会」を修了されているみたいですね。


ペット栄養管理士養成講習会とは

では、「ペット栄養管理士養成講習会」とはどのようなものなのでしょうか?

ペット栄養管理士養成講習会は、動物関係や栄養学関係の学位取得や専門の学校に在籍・卒業していなくても、ペット栄養管理士の受験資格を取得することができる講習会となります。

日本ペット栄養学会のHPでは受講資格について以下のように記載されています。

  • ペット栄養管理士の資格を取得しようとする方
  • ペットの栄養等に関する知識を取得する意欲のある方

※年齢・性別・国籍等の指定はありません。

主催しているのはペット栄養管理士委員会で、講習科目は「ペットフード総論」、「ペット基礎栄養学」、「ペット臨床栄養学(衛生学含む)」の3科目となり、栄養学の基礎から始まって犬や猫などの動物の体の仕組みや必要な栄養などがテーマとなります。

実際の講習としては上記の3科目の内容をかくかく3等分し、A・B・Ç教程にて行われますがA教程は例年1月下旬、B教程は例年6月下旬、C教程は例年9月上旬というように約4ヶ月に1回、年に3回程度の開催となるため、講習の受け逃しがないように注意が必要です。

なお、申込み時期によって講習がどこから始まるかは変わってくるためB・C・AでもC・A・Bでもどこから受けても問題ありません。

講習の開催場所は今までは基本的に東京のみだったのですがコロナ禍の影響もあり、最近ではeラーニング形式によって行われています。また、eラーニングで講習会が開催される場合は1教程ごとに一定の期間が設けられており、期間内に動画を視聴すれば1教程修了となるため現地で開催される場合よりも、より便利に受講することができます。

教程を受講するごとにそれぞれ修了証書が送られてくるので、最終的にペット栄養管理士の試験までにA・B・Ç全ての教程を修了すれば受験資格が得られることになります。


ペット栄養管理士を目指すために

ドッグフード

①~④のいずれかに該当することによってペット栄養管理士の認定試験を受けることができますが、その試験とはどのようなものなのでしょうか?

◆年間試験回数は3回

  
ペット栄養管理士の認定試験は1年に3回の頻度で東京大学にて行われ、直近の試験月は日本ペット栄養学会のHPに記載されています。試験の内容は「ペットフード総論」、「ペット基礎栄養学」、「ペット臨床栄養学(衛生学含む)」から100問出題されており、マークシート方式で制限時間は2時間となります。

なお、受験回数に制限は設けられておらず、不合格だった場合は何回でも試験に挑戦することができます。

試験に合格後はペット栄養管理士としての認定登録が必要となりますが、それには日本ペット栄養学会の学会会員であるという条件が必要なため、認定登録申請と伴わせて学会会員の登録も行うことを忘れないようにしましょう。

登録が完了するとペット栄養管理士認定証が交付され、認定証の有効期限は3年間となりそれ以降は更新制となります。

◆ペット栄養管理士の合格率

ペット栄養管理士の認定試験の合格率は非公開のため正確な数字を把握することはできませんが、実際にペット栄養管理士の試験を受けた方の声を確認すると「思ったほど難しくなった」や「講習会の内容を理解していれば大丈夫」というような難易度は低めといった感想のほうが多いようです。

ただし、栄養学や衛生学など人によっては普段関わることの少ない知識も必要なため、講習会の内容や一つ一つの問題をしっかり理解しておくことはもちろんですが可能ならば日本ペット栄養学会から販売されている過去の試験問題および類似問題を掲載した問題集を試験対策用に購入することをおすすめします。

◆ペット栄養管理士の難易度

ペット栄養管理士の認定試験じたいの難易度は低めのようですが、ペット栄養管理士を目指す場合に忘れてはいけないのが費用の問題です。

まず、受験資格を満たすための1つの手段であるにはペット栄養管理士養成講習会を修了するためには日本ペット栄養学会のHPによると以下の費用が必要となります。

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