1.子犬の散歩はいつから始める?
1-1.ワクチンプログラムが済めばお散歩OK
1-2.お散歩デビューまでに出来ること
2.子犬のお迎えから初散歩までのイメージ
2-1.まずはおうちの環境に慣れてもらう
2-2.お迎えの時期に合わせて予防接種を行う
2-3.まずは抱っこ散歩で外の世界を見せる
2-4.ワクチンが終了したら1週間は安静に!
2-5.少しずつお散歩を始めよう!
3.お散歩デビューまでに知っておきたいこと
3-1.必要なお散歩グッズとは
3-2.始めのうちは雨の日の散歩は控える
3-3.子犬のペースに合わせてあげる
3-4.犬はアスファルトの熱さをダイレクトに受ける
子犬の散歩はいつから始める?
子犬にとって初めての外の世界との触れ合いになる散歩ですが、始めるタイミングにはある程度の目安が存在します。
まず、その時期の考え方についてご説明していきますね。
◆ワクチンプログラムが済めばお散歩OK
子犬の散歩はいつから始めていいのか。
結論から先に申し上げますと、子犬のワクチンプログラムにおける最後のワクチン接種が終わってから1週間後が子犬のお散歩デビューを始めても良い時期となります。
ワクチンプログラムとは、どのワクチンをどれくらいの感覚で接種していくかを決めたスケジュールのようなものと考えて問題ありません。
基本的に初乳を飲んでいる子犬においては、初乳に含まれている移行抗体という免疫の効果が弱くなってくる生後8週齢前後に1回目の混合ワクチン接種を行い、その後は3〜4週間間隔で追加の混合ワクチンを2回接種することが多いです。
混合ワクチンの種類としては混合2種~混合11種までが存在しており、どの混合ワクチンを接種するかは、子犬が住んでいる環境などを考慮して獣医師と飼い主さんとで相談して決めます。
3回目の混合ワクチン接種が終わってから1ヶ月後に、原則として国内での全ての犬が接種することを義務付けられている狂犬病ワクチンを接種して、やっと子犬のワクチンプログラムは完了と考えて良いでしょう。
よって、飼い主さんとしては混合ワクチンを3回接種、狂犬病ワクチンを1回接種してから1~2週間後がお散歩デビュー開始の時期と覚えておくと良いでしょう。
◆お散歩デビューまでに出来ること
子犬には「社会化期」と呼ばれる、犬社会と人間社会のあらゆる物事に対して柔軟に対応していく力を育む期間があります。
多少の犬種差や個体差はありますが、おおよそ生後3~12、13週齢までがそれに当てはまると考えられています。
この時期は子犬にとって、まずは母犬や兄弟姉妹犬と、その後は家族となる人間たちを中心としてコミュニケーション方法を学ぶとともに外の世界の空気や音などのあらゆるものに順応するための大切な期間となり、社会化期をどのように過ごすかは成犬へと成長したときの性格形成にも大きく影響を与えるともいわれています。
混合ワクチンを3回接種、狂犬病ワクチンを1回接種してから1~2週間後のお散歩デビュー開始の時期には多くの場合、社会化期が終わってしまっていることが多いため、子犬の「社会化期」を大切に過ごしたい飼い主さんには混合ワクチンの2回接種が終わってから、子犬を抱っこしたりペットカートに乗せたりしたままお散歩を行うことをおすすめします。
子犬にとっては直接自分の足で歩かなくても外の世界の空気や匂い、音などを感じることによって「社会化」の効果があると考えられています。ただ、他の犬を触った飼い主さんや他の犬やなどは感染のリスクがあるので接触をしないように気をつけましょう。念のためペット用のウェットティッシュなどを準備していっても安心ですね。
子犬のお迎えから初散歩までのイメージ
では、実際に子犬をお家にお迎えしてからの流れを具体的にご説明していきましょう。
◆まずはおうちの環境に慣れてもらう
子犬はペットショップやブリーダー、愛護団体などから迎えることが多いと考えられますがどのような場合でも、子犬を直接お世話していたスタッフから可能な限り子犬の性格や1日の過ごし方などの情報を入手しておくようにしましょう。また、子犬が気に入っていた毛布やおもちゃなども一緒にもらってくることもおすすめします。
子犬にとって飼い主さんのおうちは全く見知らぬ場所であり、最初のうちは不安や緊張でいっぱいなことが多いでしょう。よって、子犬がおうちの環境に慣れてくれるように、事前に入手しておいた子犬の性格に合わせてあげることや気に入っていた毛布やおもちゃなどをケージの中に入れてあげることなどが大切になってきます。
子犬の性格にもよりますが1週間ほどで慣れてくれることが多いため、それくらいの時期に健康診断も兼ねて動物病院を受診し、ワクチンプログラムについて獣医師と相談することをおすすめします。
万が一、それまでに食欲不振や下痢などの症状が子犬に起きたら様子を見るのではなく、すぐに受診するようにしましょう。
◆お迎えの時期に合わせて予防接種を行う
子犬が生まれたときの環境にもよりますが、すでに生後8週齢前後の1回目の混合ワクチン接種は終えていることが多いでしょう。ほとんどの場合は子犬と一緒に1回目のワクチン接種証明書をもらってくるため、動物病院を受診時には証明書を獣医師に見せて、これからのワクチンプログラムを組み立てる必要があります。
ワクチン接種は原則として子犬の健康に問題がなく、かつ午前中に実施すること並びに接種当日は子犬の体調を頻繁に確認することが推奨されるため、飼い主さんのお仕事の事情なども考慮して接種日を決めるようにしてくださいね。
◆まずは抱っこ散歩で外の世界を見せる
混合ワクチンの2回接種が終わって1週間ほど経ってからは、子犬を抱っこしたままお散歩を行う「抱っこ散歩」やペットカートに乗せたりしたままお散歩を行うことで「社会化」のトレーニングを行ってあげても良いでしょう。
ただ、子犬の性格や飼い主さんにどこまで慣れているかによっても「社会化」のトレーニングを行ったほうが良いかどうかは、かわってきます。例えば怖がりや、まだ飼い主さんには慣れてくれていない子犬の場合は無理に「社会化」のトレーニングを行うのではなく、まずは飼い主さん自身とおうちの環境に慣れてもらうことを最優先としましょう。
なお、初めての「抱っこ散歩」などは長くとも10分程度で終えるようにすること並びにおうちに帰った後の子犬の様子は注意深く観察するようにしてあげてくださいね。
◆ワクチンが終了したら1週間は安静に!
ワクチン接種後は副反応として当日だけではなく数日後に体調を崩してしまう子犬もいることから、特に子犬の様子を注意深く確認してあげる必要があります。
特に飼い主さんとしてはワクチンプログラムが完了したらすぐにでも子犬をお散歩に連れて行ってあげたくなるかと思いますが、成犬と比べて子犬はまだまだ体力や免疫力が安定していないため、飼い主さんの判断で早く外に連れ出してしまうと感染症にかかったり体調を崩してしまったりするリスクが高まってしまいます。
よって、ワクチンプログラムが完了してから1~2週間後以上経過して子犬の体調に問題がないことを確認してからお散歩デビューをするようにしましょう。
◆少しずつお散歩を始めよう!
犬種によっては1日1~2回、1回あたり30分〜1時間ほどの散歩を必要とする場合もありますが、子犬のうちにいきなり長時間の散歩を行うことは避けるようにします。お散歩デビュー当日は10分程度でおうちに帰ることができる距離を選ぶとともに、可能な限りあまり人通りが多くない道を通るようにしましょう。
子犬がお散歩に慣れて楽しんでいるかをお散歩中や帰宅後の様子から判断しつつ、その犬種に適切なお散歩時間や回数となるように距離などを少しずつ長くしていってあげてくださいね。
お散歩デビューまでに知っておきたいこと
ここまでご説明してきたように子犬をお迎えしてからお散歩デビューまでには期間が空くことが多いため、その分飼い主さんはお散歩デビューの準備に時間をかけることができます。
最後に、お散歩デビューまでにぜひ知っておいていただきたいことやお散歩グッズのご紹介などについて記載したいと思います。
◆必要なお散歩グッズとは
お散歩グッズとしては、まずハーネス並びにリードは必ず準備するようにしましょう。
子犬によってはいきなりこれらを装着されることに抵抗を示す場合もあるため、可能ならばおうちの中で着けてみて慣れるようにしてあげても良いですね。
他には子犬が途中で排泄してしまったときに備えてペット用ウェットシートやエチケット袋、ティッシュ、便を取るためのスコップ、尿を流すための水を入れたペットボトルなども用意する必要があります。
また、お散歩デビューしたばかりの子犬は散歩の途中で動かなくなってしまう可能性もあるため、子犬を入れてあげるためのペット用キャリーバッグ、さらには水分補給用の水と折り畳みタイプのトレイも準備してあげましょう。
◆始めのうちは雨の日の散歩は控える
雨が降っている日の散歩は基本的におすすめできません。
というのも、カッパやレインブーツなどの雨具を使っても犬を雨から完璧に守ることは難しく、特にまだ発達途中の子犬は雨に濡れることで体調不良を引きおこしてしまう危険性があるからです。
子犬が成犬まで育って、かつ屋外でしか排泄しなかったり犬種によって必ず毎日の散歩が必要だったりする場合は充分に事前準備をしたうえで雨の日の散歩を行うようにしましょう。
◆子犬のペースに合わせてあげる
犬との散歩に慣れていない飼い主さんだと、ついつい自分の歩く速さのまま散歩をしてしまうことがあるかもしれませんが、基本的に散歩は「犬のための運動」との認識を忘れないようにしましょう。
特にお散歩デビューしたばかりの子犬だと外の世界に慣れていないこともあり歩くスピードが遅くなりがちなため、飼い主さんは常に子犬の状態を確認しつつ優しく声をかけるようにしてあげてくださいね。
◆犬はアスファルトの熱さをダイレクトに受ける
私たち人間は靴を履いているためアスファルトの熱さを感じにくいですが、ほとんどの犬は裸足で歩くためアスファルトの熱さによっては肉球などを火傷してしまう危険性があります。
お散歩の前や途中には必ず飼い主さんのてのひらでアスファルトの熱さを確認し、熱いと感じた場合は少し時間をずらしたり犬を抱っこしたりして熱いと訴えることのできない愛犬を火傷から守ってあげましょう。
まとめ
子犬の場合はお散歩デビューを開始する時期の検討や事前の準備など飼い主さんが行わなければいけないことがたくさんあります。
何か不安なことがあったら子犬の健康を守るためにも、気軽にかかりつけの獣医師などに相談してみてくださいね。
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