犬にごぼうを与えても良い?
ごぼうは犬に与えられる食材です。
犬が中毒症状を起こす成分は含まれていませんので、与え方や量に注意すれば、犬の健康維持にとっても良い食材と言えるでしょう。
犬の消化器官は多くの食物繊維を消化することには向いていませんが、消化しやすいように手を加えることで、ごぼうは犬にも与えられます。
ただ、ごぼうはキク科に属していますのでキク科の野菜にアレルギー反応がある犬に与える際には注意が必要です。
◆ごぼうに含まれる栄養素
ごぼうには食物繊維が多く含まれ、100g中におよそ5.7gの食物繊維が含まれているとされています。
不溶性食物繊維に含まれるリグニンと、水溶性食物繊維のイヌリンが含まれているため便秘解消や糖質の吸収を遅らせる効果が期待できます。
特にイヌリンは胃腸に入ると水分を吸ってゲル状になります。
ゲル状になることで糖質を包み込み、吸収を遅らせることで血糖値の急上昇を抑える働きをします。
ナトリウムやカリウム、マグネシウムやカルシウムの他にもリンや鉄といったさまざまなミネラルも含まれています。
ビタミン類では、ビタミンB1とビタミンB2、ビタミンB12とビタミンCが含まれており、葉酸とビオチンも含まれています。
アスパラギン酸やアルギニンといったアミノ酸も含まれていますので、疲労回復や免疫力向上への効果も期待できる以外にも、ごぼうにはセレンやポリフェノールといった抗酸化作用がある栄養素が含まれてます。
◆期待できる効果
期待できる効果として代表的なものに便通改善があります。
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維が便の量を増やし、腸のぜんどう運動を促すことで便の排出効果が期待できます。
腸のぜんどう運動は体を動かすことでも促進されますので、ごぼうを与えるとともに適度な運動をさせると、さらに効果的かもしれません。
また水溶性食物繊維のイヌリンは胃にとどまる時間が長いため満腹感を持続させる他に、「天然のインスリン」ともいわれていて糖質の吸収を抑えて血糖値の急上昇を予防する働きがあります。
イヌリンを摂取することによって、犬にとっても糖尿病の予防が期待できます。
アルギニンやアスパラギン酸といったアミノ酸の働きにより疲労回復や免疫力向上といった効果も期待できるでしょう。
またカリウムが含まれていることで血圧維持にも効果が期待できることもあげられます。
カリウムにはナトリウムを排出する作用があるため塩分を摂取したときの血圧上昇を抑える働きをします。
歯や骨の形成に必要不可欠なカルシウムも含まれています。
カルシウムはビタミンD3と合わせて摂取することで体内に吸収されやすくなりますので、犬に日光浴もさせるとよいでしょう。
日光にはビタミンD3が含まれているので、カルシウムの吸収がよくなります。
抗酸化作用があるセレンというミネラルも含まれている他、皮の付近にはポリフェノールも含まれています。
ポリフェノールは、植物の光合成によって生成される抗酸化物質で、ほとんどの植物に含まれています。
セレンと同じく抗酸化作用がありますのでがん予防の効果も期待できます。
◆メリット
ごぼうを与えることのおおきなメリットに、便秘改善の効果が期待できることがあります。
ごぼうに含まれる食物繊維は便を大きくすることで便通を促します。
また水溶性食物繊維のイヌリンが糖質の吸収を抑えるため糖尿病の予防が期待できるというメリットがあります。
抗酸化物質であるセレンやポリフェノールが含まれていますので、がん予防の効果が期待できるなど、ごぼうは犬にとってメリットのある食材といえるでしょう。
ごぼうの与え方
犬に与える際のポイントは、できるだけ細かくすることと加熱することです。
量としては、下痢や便秘といった消化不良を起こす可能性があるので、与えすぎないようにし、便の状態を見ながら少しずつ与えるようにしましょう。
皮にはポリフェノールなどの栄養素が含まれていますが、むいてしまっても問題ありません。
アク抜きについては、茹でて与えるのであればアク抜きをする必要はありませんが、気になるようであれば1分ほど水にさらす程度のアク抜きにします。
小型犬に与える場合は、柔らかくなるまで茹でてから細かく刻むかすりおろして、主食のトッピングにするのもよい方法です。
中型犬や大型犬では、繊維を断つように薄くスライスしてから与えてもよいでしょう。
大きな犬でも与えすぎないようにし、おやつ程度の量にとどめておきます。
◆最適な量
与える量は、トッピングやおやつ程度の量にとどめるようにします。
食物繊維を多く含むごぼうを与えすぎると便が大きくなりすぎてしまい、逆に便秘になりやすくなってしまいますので注意が必要です。
本来肉食動物である犬にとって、多くの食物繊維を消化することは苦手なため、与えすぎると消化不良を起こす可能性があります。
ごく少量を与えるところから始めて便の状態を見ながら調節し、適量を探って行くのもいいかもしれません。
総合栄養食のドッグフードを与えている場合は、全体の栄養バランスを崩さない程度の量にすることがポイントです。
手作り食を与えている場合も、食物繊維が多すぎないようにレシピを工夫してあげましょう。
◆加熱する
与え方の1つ目のポイントは、十分に加熱することです。
生のまま犬に与えると消化不良を起こす可能性がありますので、必ず茹でるか蒸して、加熱してから与えるようにしましょう。
加熱するときは柔らかくなるまで火を通しましょう。
柔らかくなるまで加熱することで、消化しやすくなります
◆細かくする
与え方の2つ目のポイントは、できるだけ細かくすることです。
乱切りやささがきのように切り口の面積が大きくなる切り方にするとイヌリンが増えるといわれていますが、人間が食べる大きさでは犬の消化器官にとっては負担となります。
細かく刻んだりすりおろし、食物繊維をなるべく細かくしてから与えるようにします。
細かくすることで、食物繊維が細かくなり消化しやすくなります。
フードプロセッサーを使うのもよいでしょう。
ごぼう茶は飲ませても大丈夫なの?
ごぼう茶にはカフェインが含まれておらず、犬にとって有害となる成分も含まれていないため犬に飲ませても大丈夫です。
必ず原材料を確認してから与えるようにし、ごぼう以外の添加物が含まれていない製品を選ぶようにしましょう。
犬にごぼうを与える際の注意点
犬に与える際の注意点としては与えすぎないことです。
元来肉食動物である犬の消化器官は多くの食物繊維を消化することに適していないため、与えすぎると消化不良を起こす可能性があります。
食物繊維には便を大きくする働きがありますが、ごぼうを与えすぎると便が大きくなりすぎてしまい、逆に便秘になってしまう可能性もありますので便の状態を見ながら与える量を加減してください。
特に子犬の時期は消化器官も強くないため、特別な事情を除いて与えることを控えたほうが無難でしょう。
また痩せ気味や痩せている犬には与えないほうがいいかもしれません。ダイエット効果が期待できるごぼうを与えると体重が増えないかもしれないので、適性体重より軽い犬には与えない方が無難だといえます。
ごぼうはキク科の野菜なので同じキク科の野菜にアレルギーがある犬に与える際は注意してください。
今までアレルギー反応がなかった犬でも反応が出ることがありますので、キク科の植物にアレルギー反応がある犬に与えるときは、かかりつけの獣医師に相談してからにしましょう。
与える場合でも最初はごく少量を与えて様子を見るようにして、異変を感じたらすぐにかかりつけの獣医師に相談するとよいでしょう。
ごぼうにはタンパク質やリンも含まれているため、かかりつけの獣医師から肉を与えないよう指示されている場合は、事前に獣医師に相談してみることをおすすめします。
まとめ
ごぼうは食物繊維が豊富でミネラルやビタミンを含むため、犬の健康維持に効果が期待できます。
犬に与えることで便通などの腸内環境の改善、免疫力の向上といった効果が期待できますが、与える量と与え方には注意が必要です。
ごぼうを与える際は、必ず柔らかくなるまで加熱し、フードプロセッサーなどで細かくして与えましょう。
またトッピングやおやつ程度の量にし、食餌全体の栄養バランスをなるべく崩さないようにします。
与える量と与え方のポイントをおさえれば、ごぼうは犬にとっても良い食材ですので、犬の健康維持に役立つことでしょう。
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