犬がアスパラを食べても大丈夫?含まれる栄養素や注意点は?

2023.09.20

犬がアスパラを食べても大丈夫?含まれる栄養素や注意点は?

春が旬で、みずみずしく甘い野菜のアスパラガス。現代ではスーパーなどで通年手に入る身近な食材の一つでしょう。鮮やかな緑が、サラダや炒め物などに姿を変えて、食卓を彩ってくれますよね。それではこのアスパラガス、犬にとってはどんな野菜となるのでしょうか。今回は、アスパラガスに含まれる栄養素や、犬に与えることでえられるメリット、また注意点などを紹介していきます。しっかりとチェックしていきましょう。

犬にアスパラを与えても良い?

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アスパラガスは、生ではなく加熱することで、犬に与えても良い食材となる野菜です。このポイントを抑えておけば、愛犬と一緒にアスパラを楽しむことができるでしょう。
ただし与える上での注意点は他にもあり、それについては後述しますので最後までしっかり確認してくださいね。
まずは、アスパラガスにはどのような栄養素が含まれているのか、チェックしていきましょう。
 

◆アスパラガスに含まれる栄養素

アスパラガスにはビタミンやミネラルなど、魅力的な栄養素が豊富に含まれています。
ちなみに、アスパラにはグリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスなどの種類がありますよね。発芽後に太陽光を当てて栽培されるのがグリーンアスパラガス、太陽光を遮断して土中で育てられるのがホワイトアスパラガスです。栄養的な観点でみると実は、グリーンアスパラガスの方が栄養豊富だといわれているそうですよ。
それでは、アスパラガスに含まれる主な栄養素を紹介していきましょう。

◎アスパラギン酸…うまみの元となるアミノ酸。
◎ルチン…そばに含まれていることで有名な栄養素で、アスパラガスには穂先に多く含まれる。
◎βカロテンなどのビタミン…体内でビタミンAに変換される。その他、ビタミンC、ビタミンEが含まれている。
◎葉酸…赤血球をつくるのを助けるビタミン。代謝に関与している。
◎カリウム…体内のナトリウムや水分を調節する。
◎食物繊維…便通の改善効果が期待できる。

◆期待できる効果

栄養豊富なアスパラは、愛犬の健康サポートにも効果を発揮します。アスパラを与えることで、どのようなメリットが期待できるのか、代表的な成分ごとにその効果を解説していきましょう。

アスパラギン酸

アスパラガスに含まれる機能成分であるアスパラギン酸は、新陳代謝を活発にして、疲労回復効果が期待できるアミノ酸の一種です。

ルチン

ポリフェノールの一種で抗酸化作用のあるルチンは、老化予防に効果的です。アスパラギン酸の吸収を助けてくれます。毛細血管を強くし血流を改善する効果や、利尿作用、血圧降下作用が期待できるでしょう。

βカロテン

カロテノイドの一種であるβカロテン。このβカロテンから作られるビタミンAは、主に皮膚・被毛の健康状態を保って、丈夫な粘膜や歯をつくる作用をもっています。
犬の場合、体内でビタミンAに変換される性質があるのですが、必要な分だけがビタミンAに変換されて、残りは肝臓に蓄えられます。そして尿と一緒に排出されるため、ビタミンの過剰摂取になる心配がないのです。
ちなみに、アスパラに含まれるこのビタミンA・C・Eは、免疫力の維持にも力を発揮する代表的な成分でもあります。ビタミンCにはガン予防・生活習慣病の予防に対する効果、ビタミンEには血液中のコレステロールを減らして血行をよくする効果が期待できます。

葉酸

血液を構成する成分の材料となる栄養素で、新しい細胞を作るのを促す働きをもっています。さらに、赤血球の生成、動脈硬化を予防する効果が期待できるでしょう。

カリウム

ミネラルの一つであるカリウムには、浸透圧を調整する作用があります。体内に溜まった塩分を尿と一緒に体外へ排出し、血圧が高くなるのを防いでくれます。神経の伝達、筋肉の収縮にも役立つ栄養素です。
ただし、加齢や腎臓病で腎機能が低下している場合は、余分なカリウムを上手に体外へ排出できなくなるため、高カリウム血症(血液中のカリウム濃度が上がる症状)を発症する心配があるのです。高カリウム血症は、痙攣・頻脈・不整脈などを引き起こす原因となりますし、重篤になると命に関わる危険性もある恐ろしい症状です。特に、シニア犬・腎臓病を持つ個体、心機能が低下している個体にアスパラを与える時は注意しなくてはいけません。不安を感じる方は、必ず獣医師に相談してから与えるようにしましょう。

食物繊維

便通に問題を抱えている子の強い味方である食物繊維。愛犬が便秘や軟便に悩んでいる場合に、上手に利用したい栄養素の一つです。
ただし多く与えすぎると、下痢や消化不良の原因となる可能性があります。愛犬の様子を確認しながら、適量を与えることを徹底しましょう。

◆アレルギー

アスパラガスには、犬にとってアレルギーの要因となるものが基本的に入っていません。
しかし初めて与える際には、必ず少量ずつ与えて様子を見るようにしましょう。
下痢・痒みなどの体調不良がみられた場合の対処法は、まず与えるのをやめることです。そして、早急に動物病院を受診してください。

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アスパラを与える時は新鮮なものを

愛犬にアスパラガスを与える時は、新鮮なものを選ぶことがすすめられます。穂先が締まっている新鮮なものを選ぶのが重要なポイントなのです。根元まで張りがあって、みずみずしいものを選びましょう。
切り口が乾いていたり、茶色く変色しているものは避けてくださいね。硬い場合は食物繊維が多いために、消化不良を起こす可能性があります。
必ず柔らかいものを選び、購入後は時間経過とともに固くなるために早めに使うようにしましょう。
ちなみに、2021年までの国内での生産量1位は北海道で、2位佐賀、3位熊本と続いています。産地にも注目すると良いものが手に入るかもしれませんね。


アスパラガスの与え方

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愛犬にとって嬉しい効果をもつ栄養素が豊富なアスパラガスですが、NGな与え方をするとデメリットをもたらすこととなってしまいます。
以下の3つのポイントを抑え、上手に調理して食事に活用してください。

◆最適な量

アスパラガスに限ったことではありませんが、適量を超えて大量に与えてしまうと、どんな食べ物でも健康被害に繋がる恐れがあります。
特にアスパラは食物繊維が豊富なため、前述したように、与えすぎるとお腹を壊してしまう可能性があるのです。
メイン食材ではなく、おやつや、トッピング・アクセントとしてドッグフードに加えて使用することがおすすめです。また、アスパラだけでは必要な栄養素をカバーできないので、他の食べ物と一緒にバランスよく与えるようにしましょう。
あくまで目安となりますが、犬にアスパラを与える際の最適な量を紹介していきますので参考にしてみてください。

<1日に与える量の目安>
◎小型犬…1/3本程度
◎中型犬…1/2本程度
◎大型犬…3/4~1本程度

以上は、健康な犬の場合の適量であり、基本的な目安です。個体差はありますので、愛犬の様子をみながら判断しましょう。
また、高い栄養効果を持っている食材とはいえ、毎日与え続けると栄養バランスを崩す可能性も考えられます。毎日継続して与えることは避けましょう。

◆加熱する

アスパラガスは、必ず加熱してから与えるよう徹底してください。生で与えることは、避けなくてはいけません。
生のアスパラガスは硬くて消化に悪いだけでなく、アルカロイドという中毒性物質をわずかですが含んでいるのです。アルカロイドは、植物が実の熟す前に食べられるのを防ぐための成分であり、苦味のある植物の多くに含まれています。
アスパラガスを加熱して適量与える分には問題ないのですが、もし大量に与えて、愛犬に震え・嘔吐などの中毒症状がみられた場合は、すぐに病院を受診してください。
ちなみにアスパラガスには、お湯などで茹でてもあまり栄養素が逃げないという特徴があります。しかし水に溶けやすいビタミンを含んでいるため、電子レンジで温める・蒸す・焼くなどの調理方法がおすすめです。

◆細かくカットする

アスパラガスを切らずにそのまま与えてしまうと、消化不良の原因となります。必ず、愛犬の口の大きさに合わせて、細かく刻んでから与えるようにしましょう。
特に子犬や老犬は噛む力が弱いため、丸飲みしてしまう可能性が高いです。喉に詰まらせると危険なので、細かくカットしたり、ペースト状にして与えることを徹底してくださいね。


アスパラガスの茎は与えても大丈夫?

アスパラガスの成長した茎の部分は、非常に硬いです。そのため、茎の部分を与えないように注意しましょう。茎の部分を誤飲した場合、内臓を傷付けたり、腸閉塞になる危険性があるのです。基本的には与えないことが前提ですが、茎を与える場合には、ピーラーで固い皮を剥いていから柔らかく茹でることを徹底してください。
また、葉の部分には中毒性があります。嘔吐や下痢、腹痛などの症状を起こす可能性がありますので、葉の部分は与えないように気を付けましょう。


アスパラガスを与える時の注意点

 
前述したように、アスパラガスにはわずかながらアルカロイドという中毒物質が含まれています。そのため、必ず加熱してから与えなくてはいけません。
茎の根元より1cm程を切り落としてピーラーで固い皮をむき、細かくカットしてから柔らかく茹でて与えるのがおすすめですよ。
また、生野菜にはシュウ酸という成分が含まれています。このシュウ酸には、体内のカルシウムと結びつくとシュウ酸カルシウム結石という結石を作る可能性があるのです。アスパラガスのシュウ酸は、水溶性のため茹でることで減らすことが可能です。この理由からも、加熱(茹でる)してから与えることが必須条件といえるのです。

◆猫も飼っている家庭では要注意!

愛犬と一緒に愛猫をペットとして飼っている家庭も少なくありません。アスパラは、猫にとっても与える際に注意が必要な食材であるため、より注意が必要です。
猫の場合、アルカロイド成分に敏感で、解毒力も弱いことから危険であるとされています。
もし猫が生のアスパラを食べてしまうと、嘔吐・下痢・震え・痙攣などの症状が起き、神経に影響がでるといわれています。また、消化不良や胃腸炎などを引き起こす可能性も高まるでしょう。
生のアスパラを愛犬に与えないことと同時に、愛猫にも決して与えないよう注意してください。


まとめ

アスパラガスは、与え方を間違えなければ大きなメリットをもたらしてくれる食材の一つです。
新鮮なものの選び方や与える部位、加熱すること、適量を与えること、細かくカットすることなど、これらをしっかり守って、愛犬が活発でエネルギー溢れる生活ができるよう、食事によるサポートをしていきましょう。
アスパラを使用した犬用手作りごはんレシピも、様々な種類が存在するので情報を集めてみるとよいでしょう。レシピ記事を検索して目次を調べてみるなど、愛犬が気に入るメニューを探してみてくださいね。
犬用の手作りごはんには、基本的に味付けをしないことポイントです。キャベツやニンジンと併せてスープにするのも良いですし、ナスと一緒に加熱してトマトを添えたサラダ風のご馳走で彩りが増すのも素敵です。簡単に作れるものも多数ありますので、手作りご飯初心者の飼い主さんも是非挑戦してみてくださいね。
アスパラを使った人間用メニューに愛犬用のオリジナルメニューを並べれば、一緒に鮮やかで健康的な食事タイムを楽しむことができるでしょう。
元気で健やかな毎日を送るためにも、食事の面でのサポートも視野に入れてみてください。



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


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