【獣医師監修】犬が嘔吐する原因とは?黄色い液体の正体と、嘔吐の時に病院に行くべき目安

2026.02.06

【獣医師監修】犬が嘔吐する原因とは?黄色い液体の正体と、嘔吐の時に病院に行くべき目安

犬はカラダの構造上、人よりも嘔吐しやすいという特徴があります。その内容や吐く理由はさまざまで、一時的な現象であることから危険性の高いもケースの場合もあります。 飼い主さんは愛犬が嘔吐をした際に一時的な生理現象のようなものなのか、危険性のあるケースなのかをある程度判別できるようにしておくことが大切です。 この記事では愛犬が突然黄色の嘔吐をした時や、その他の嘔吐の原因、病院受診の目安についてお話しします。

【掲載:2023.10.22  更新:2026.02.06】

犬が黄色い嘔吐をする原因

伏せをしている柴犬

犬は、時々黄色い液体や黄色の泡を吐くことがあります。
黄色の液体が愛犬の口から出てくるとびっくりする方もいるかと思いますが、黄色い液体の正体は主に『胃液』なので緊急性は少ないといえます。

犬が黄色い嘔吐をするのは、長時間胃が空っぽ(空腹状態)な状態が続いた時に見られます。
本来十二指腸に分泌されている胆汁が空腹時に胃に逆流してしまい、その刺激で嘔吐するといわれています。

先程、黄色い嘔吐は主に胃液とお話ししましたが、実際には胃液と胆汁が混ざったものなのです。
このような嘔吐をすることを「胆汁嘔吐症候群」と呼びます。

胃が空っぽになりやすい時間帯の明け方や夕方に、このように黄色い液体を嘔吐した場合には、空腹が原因ということでほぼ間違いないでしょう。

対策としては、食間時間を長く開けすぎないようにすることです。食事の回数を増やし、空腹の時間を短くしてあげましょう。
まずは、全体的なごはんの量は変えず、3〜5回と分食して与えてみてください。早朝や就寝時間近くでなかなか飼い主さんが用意するのが難しい場合は、オートフィーダーが役立ちます。

ペット用オートフィーダー カメラ付 ペット用オートフィーダー カメラ付

時間の間隔を狭めても状況が変わらない時には、ごはんの量があっていないのかもしれません。給餌量の確認をすると共に、おやつなどを食事の間に適量挟んであげたりしながら、空っぽ状態の胃を作らないよう努めてみてください。

これらの対策をしても嘔吐が続く場合には、違う疾患が隠れていることもありますので、かかりつけの獣医さんの診察を受けるようにしましょう。


犬の嘔吐の種類

犬の嘔吐には命に関わる危険なものと、様子を見ても大丈夫なものに分かれます。
犬がなりやすい嘔吐の種類を紹介していきます。

前提として、少しでも嘔吐の症状に異常を感じた際には、きちんと観察・写真で記録して病院へ行き、獣医さんの診察を受けるようにします。
あくまで参考としてくださいね。

◆透明の液体や泡

透明の液体や泡を吐いた場合には、水を一気飲みした可能性があります。
暑い日などに散歩後に水を一気飲みしたために、気持ち悪くなり透明の液体を嘔吐することがあります。
水をたくさん飲むと胃捻転など緊急性の高い疾患になる可能性もあるため、水をたくさん飲む子はこまめに少量ずつ吸水するようにしましょう。

さらには、車酔いや極度のストレス、緊張している時などに透明の泡を嘔吐することがあります。犬は酔いが強いとヨダレが大量に出て、泡となり嘔吐することがあります。

そのような透明の液体や泡を嘔吐した時には、強いストレスを感じていることがあるため、その原因を早めに特定して取り除いてあげましょう。
車酔いがひどい時には、酔い止めの薬を使ったりあまり揺れない道を選ぶなど、車酔い対策をしてお出かけをするようにしましょう。

◆茶色混じり

茶色混じりの嘔吐はフードの可能性が高いです。フードが消化されて吐くと茶色混じりの嘔吐をします。

茶色混じりの嘔吐をした後によく様子を観察して、いつもと変わらず元気もあればそれほど問題はありません。繰り返すようならば、病気の可能性があるため獣医師の診察を受けることが大切です。

さらに茶色混じりの嘔吐が見られた時は消化済みか固形のまま吐いているかをチェックします。もしフードを食べてすぐに嘔吐している場合には、アレルギーなどの可能性もあるため愛犬の様子をよく観察しましょう。

さらには、茶色混じりの吐瀉物に血が混じっていないかもチェックします。血混じりの嘔吐をしている時には、胃潰瘍や胃炎、腸炎など消化器官が炎症している可能性があります。

重大な病気が隠れている可能性もあるため、血混じりの嘔吐をした際には必ず動物病院を受診しましょう。鮮血だったり、時間が経つと茶褐色に血が変化するため、吐瀉物の内容をメモしたり写真に撮っておき、診察の際にスムーズに行くようにするとよいです。

◆赤色混じり

赤色混じりの場合には、吐血の可能性が高いです。口腔内が切れて出血している可能性もあります。歯茎から少量出血している時や、口腔内に傷口がある場合にはあまり心配はいりません。

しかし、食道や口腔内に腫瘍ができていたり、鼻から口に血が流れて嘔吐している時は、何か病気の可能性が高いため、動物病院にて治療を受けるようにしましょう。

◆異物交じり

散歩の途中に食べてしまったものや草、毛玉などを嘔吐することがあります。毛玉というと、猫なイメージもありますが、犬も毛玉を吐くことがあり、特にゴールデンレトリバーやポメラニアンのような長毛の犬は毛玉を吐く可能性が高いです。

嘔吐物の中に異物が混じっていた場合に気をつけたいのは、誤飲してしまった時です。
愛犬に与えた記憶のない欠片などが吐瀉物の中に混じっていると、誤飲している可能性があります。誤飲したものにより腸閉塞など、命に関わる重大な疾患を引き起こす可能性があるため、動物病院にて早めに診察を受けるようにしましょう。

誤飲したものによっては、ウンチとして出てくることもありますが、開腹手術が必要な場合もあります。
早めに動物病院で診察を受けましょう。


病院に連れて行くべき状況

休んでいるコーギー

犬の代表的な嘔吐の原因である、乗り物酔いやストレスで吐いたりした場合には様子見や改善に努めればよいですが、以下の状況なら要注意です。
中には命に関わる疾患が隠れている場合もあるため、少しでも愛犬の様子に違和感がある時には、動物病院に行くようにしましょう。

◆何度も繰り返し吐く

何度も繰り返し吐いている時は、上記で紹介した腸閉塞や胃捻転などの重大な疾患にかかっている可能性があります。
何度も繰り返し嘔吐する他にも、発熱や下痢、意識が朦朧としている、眼振など症状がないか愛犬をチェックしましょう。

腸閉塞の症状として、何度も吐く、空吐き、大量のヨダレが出る、下痢、ふらつき、神経症状などが見られます。普段からよく様子を観察するようにして、少しでも異常があればすぐに動物病院に連れて行きます。

気温の変化による熱中症や低体温症でもこのように何度も繰り返し吐くことがあるため、愛犬が適温で過ごせるように飼育スペース内は温度管理をしましょう。

◆下痢の症状もある

犬が体調不良の時に嘔吐とよく一緒に見られる症状として下痢があります。
嘔吐と下痢はさまざまな病気の症状でもあり、臓器の腫瘍などが原因で嘔吐と下痢をすることもあります。

複数の症状がある場合、症状が進行している可能性も高いため、早めに動物病院を受診してプロにお願いすることが安心です。

下痢の内容を血混じりの便をするのか、水下痢なのか、軟便なのかなど便の様子を写真やメモに残しておき診察の時に見せるとスムーズです。
採取できるようならば密閉容器に下痢を少量採取して持っていくと、良いでしょう。

◆吐きそうで吐かない

何回も空吐きを繰り返しており、吐きそうで吐かないという状況は、誤飲した異物が食道内などで詰まっているか、上記でも紹介した胃捻転、腸閉塞を発症している可能性があります。
異物が詰まっている時には早く取り除かないと窒息してしまう可能性もあるため、注意が必要です。

吐きそうで吐かない時は、愛犬の口腔内や食道に何か詰まっていないか口のまわりを観察したくなりますが、無理に見ようとしたり取り出そうとすると、さらに異物が奥に詰まってしまうこともあるためやめましょう。

また、熱中症の時にもこのように吐きそうで吐かないという症状が見られます。
熱中症は嘔吐の他にも、カラダが熱くなり熱が39.5〜40℃になります。
さらには、荒い呼吸、大量のヨダレ、ぐったりするなど他の症状もあるため分かりやすいです。

熱中症で吐きそうで吐かない時には、カラダを冷やして日陰の風通しのよい場所に行き応急処置をしながら病院へ向かいましょう。
太い血管のある鼠蹊部や、脇の下などを保冷剤で冷やして風通しのよい場所で安静にさせます。水で濡らしたタオルをカラダにかけてあげるのも有効です。

注意点としては、冷水をいきなり浴びせてしまうと内臓がびっくりしてしまい、さらに空吐きがひどくなる可能性があります。
カラダの負担になり、ショック死の危険もあるためカラダを冷やす際には、少しずつ冷やしながら病気へ向かいましょう。


まとめ

犬が嘔吐する時の嘔吐の種類や原因について紹介しました。
黄色い液体を吐く場合には、空腹で胆汁を吐いてることが多いです。
分食にしたり食間を短くするなど対応すれば、あまり問題はありません。

嘔吐の内容は健康のバロメーターでもあるため、よく観察して必要に応じて動物病院を受診しましょう。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に17医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドック(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴をもち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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のえコアラ

のえコアラ

犬の専門学校を卒業後、犬のテーマパークにて飼育員を5年間しておりました。 様々な犬種の飼育経験があります。 その後ホームセンターでペット用品の販売をしておりました。 現在はペット系の記事を中心にライター活動しております。 資格 愛玩動物飼養管理士1級 小動物看護士


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