【獣医師監修】犬が乾燥剤を食べちゃった!影響と対処法について徹底解説します!

2023.10.08

【獣医師監修】犬が乾燥剤を食べちゃった!影響と対処法について徹底解説します!

食料品の袋の中に入っている乾燥剤を犬が食べてしまいそうになったという経験はありませんか? あるいは今まさに愛犬が乾燥剤を誤飲してしまい、慌てて対処法を検索しているという方もいらっしゃるかもしれません。 この記事では、実は多い「犬の乾燥剤の誤飲」に焦点を当てて、乾燥剤の種類から対処法まで徹底解説していきます! いざという時のために、ぜひ参考にしてくださいね。

犬が乾燥剤を食べてしまったけど大丈夫なの?

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湿気を防ぐために使用される乾燥剤は食料品の袋の中によく含まれています。
乾燥剤にもおいしそうなにおいが付着していることも多く、飼い主さんが何気なくごみ箱に捨てた後、犬が漁って誤飲してしまったという事故が実は多いのです。
しかし、犬は乾燥剤を食べても大丈夫なのでしょうか?

結論からお伝えすると、乾燥剤の種類によります。
食べても大丈夫な乾燥剤もあるのか!と安心した方は要注意です。
乾燥剤を捨てる前にそれがどの種類なのか確認している人はほとんどいないでしょう。
したがって、犬が乾燥剤を誤飲してしまったときには出来る限り早急に動物病院へ連れていくことが基本です。


乾燥剤の種類

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乾燥剤の種類によっては食べても大丈夫とお伝えしましたね。 
そもそも、みなさんは乾燥剤に種類があることをご存知でしたか?
ここでは主な乾燥剤である「シリカゲル」「塩化カルシウム」「エージレス」の3種類について詳しくご紹介します。

◆シリカゲル

シリカゲルは食品の中でも特にお菓子の湿気を防ぐために使われています。
無色透明のビーズ状の粒の中に無数の穴が開いており、そこに空気中の水分が吸着することで食品を湿気から守ってくれる乾燥剤です。
主成分は食品添加物としても使われる「二酸化ケイ素」なので中毒性はなく、基本的に体内で吸収されずに便として排出されます。

シリカゲルの致死量は体重1㎏あたり15gと言われており、愛犬がシリカゲル乾燥剤を1袋食べてしまったくらいでは心配する必要はないでしょう。
ただし、袋ごと食べてしまうことで胃や腸が傷ついたり、詰まったりして健康被害が起こる可能性があります。
シリカゲル自体は少量なら無害ではありますが、万一の為に動物病院に連れていくのが賢明でしょう。

◆塩化カルシウム

塩化カルシウムは押し入れや靴箱などの除湿剤として使われることの多い乾燥剤です。
元は白い粉状ですが、湿気を吸着すると液状化する特性があるため容器に入っているのが一般的です。
また、食品の乾燥剤として使う際には紙と合わせたシート状になっていることもあります。

人間に換算した場合、成人の致死量が30gと言われており、少量でも死に至る中毒性の高い乾燥剤です。
口にすると下痢・嘔吐・吐き気・腹痛などの症状が出るほか、口内や胃の粘膜がただれて出血が起こってしまいます。
目に入った場合も強い痛みが生じ角膜炎まで発症する恐れがあるため、誤飲はもちろんのこと愛犬が近くに寄れないように十分に注意しましょう。

◆エージレス

エージレスはジャーキーといった愛犬のおやつをはじめ、食料品の袋の中によく含まれている身近なものです。
乾燥剤というよりも、酸素と結合して食物を腐らせないようにする脱酸素剤の働きが強いと言われています。
基本成分は鉄剤とビタミンCのため、万が一食べてしまっても安全です。
とはいえ、食べ物ではないので愛犬が誤飲してしまわないように気を付けましょう。

愛犬がエージレスを誤飲してしまった時には、シリカゲルと同様に自然と排泄されるのを待っていれば問題ありません。
ただし、袋ごと誤飲して胃腸を傷つけてしまっている可能性が少しでもある場合には、早目に動物病院に連れて行ってあげることが重要です。


犬が乾燥剤を食べてしまったら病院へ連れて行くべき?

繰り返しになりますが、犬が乾燥剤を誤飲してしまった時は必ず病院へ連れて行ってください。
乾燥剤には中毒性の高いものと低いものがあり、低いものなら経過観察でも問題ないことが多いでしょう。
しかし、万一のことがあります。
乾燥剤がきれいに排泄されたり、催吐処置で上手に吐いてくれたりすればいいのですが、動物病院へ行くのが遅く閉塞が見られる場合には開腹手術が必要になってしまいます。
愛犬のためにも誤飲後30分~1時間以内には動物病院へ連れていくことをおすすめします。
かかりつけの病院の業務終了後に愛犬が乾燥剤を誤飲してしまった時は、次の日まで待たずに夜間病院を探しましょう。


犬が乾燥剤を食べてしまった時の対処法

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愛犬が乾燥剤を食べてしまった時には病院へ連れて行くのが最善ではありますが、飼い主さんの状況によってはすぐに動けないこともあるでしょう。
ここでは、もしもの時の為にお家で出来る対処法をご紹介します。

◆シリカゲル

前述の通り、シリカゲルは胃や腸などの消化器官では吸収されない高分子化合物です。
食料品に含まれている乾燥剤1袋程度の量であれば毒性はないため、お家ではたくさんお水を飲ませて排泄を促進させましょう。
ただし、少量でもまれに口内がただれるといった炎症が起こったり、嘔吐や下痢などの症状が出たりすることもあります。
何か愛犬の異変に気づいたら、無理にお水を飲ませる必要はありません。
飼い主さんが病院へ向かえるようになるまで安静にさせてあげてください。

◆生石灰、塩化カルシウム

石灰石と塩化カルシウムは中毒性が高く、犬が誤飲してしまった時はただちに獣医師さんに診てもらうのが1番です。
動物病院へ連れていくまでにお家でできる対処法としては、愛犬の口内をよく洗浄したうえで牛乳や卵白、お水などを大量に飲ませて胃粘膜を保護することです。
また、皮膚や目に入ったような様子が見られる時には早急に10分以上の時間をかけて洗浄してください。

犬が異物を食べてしまった時には吐かせる処置をするのが基本ですが、石灰石や塩化カルシウムを吐かせるとかえって消化器官やのどが焼けてしまうことがあり大変危険です。
病院でも粘膜保護や点滴といった治療を中心に行いますので、お家でも絶対に吐かせないようにしてくださいね。

◆エージレス

先述の通り、エージレスの安全性は確保されています。
もし愛犬が誤飲してしまった場合でも、慌てることなくお家で経過観察すれば問題ないでしょう。
とはいえ異物であることは間違いないので、下痢や嘔吐といった体調不良の症状がみられることもあります。
愛犬にいつもと異なる様子が見られたら、自己判断せず動物病院を受診することが大切です。

ちなみに、鉄剤を多く含むエージレスを誤飲すると、フンが真っ黒になってしまいます。
初めて見た時は病気を疑ってしまいそうですが、エージレスの排出が始まった合図ですので安心して見守ってあげましょう。


犬が乾燥剤を食べないようにするには?

犬はとても賢い動物ですが、食品のにおいがついている乾燥剤と食品そのものを区別するのは至難の業です。
そのため飼い主さんが対策を立てて、愛犬の誤飲を防がなければなりません。
ここでは、主な対策を2つご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

ゴミ箱を届かない所に置く

大前提としてゴミ箱が犬の届かない場所にあれば、乾燥剤を誤飲することもありません。
ゴミ箱を床に置かないことはもちろんのこと、高い場所に設置したり、戸棚の中に隠したりすることで愛犬が届かないようにすることができます。
ゴミ箱が漁られなくなることで乾燥剤はもちろんのこと他の異物の誤飲も防ぐことできるため、まずやっておきたい対策です。

ゴミ箱が開けられないようにする

犬種によっては身体能力が驚くほど高く、なかにはまさか届くはずないと思っていた場所にさえアプローチできてしまう子がいます。
そんな「まさか」の時でも安心なのがゴミ箱のふたを開けられないようにすることです。
金具付きの蓋でしっかり留められるゴミ箱を購入したり、赤ちゃんのいたずら防止として売られている「引き出しストッパー」をゴミ箱本体と蓋に取り付けて簡単に開かないようにしたりと様々な工夫をしましょう。

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犬はニオイをかぐと、それが食べ物ではない場合でもくわえる習性を持っているため、口にしたものを誤飲してしまう恐れがあります。また、犬が持つ習性を考えると誤飲が起こる可能性は高く、万一の場合は命の危険性もあるため、見過ごすわけにはいきません。 今回は、犬の誤飲が起こる原因や起こるタイミング、また、実際に犬が誤飲しやすいものにはどんなものがあるか、そして、誤飲を防ぐための効果的な方法を解説します。

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まとめ

いかがでしたか。この記事では犬が乾燥剤を食べてしまった時の対処法について、乾燥剤の種類ごとに解説しました。
乾燥剤には色んな種類があり、それぞれ中毒性の高さが異なることを初めて知った方もいるのではないでしょうか。
もし愛犬が乾燥剤を誤飲してしまったら、どの種類でも出来るだけ早く動物病院へ連れて行ってあげるのが賢明です。
慌てずに、まずはかかりつけの動物病院へ電話をしてみてくださいね。
また、愛犬がゴミ箱を漁らないようにしつけを徹底したり、ゴミ箱自体を隠したりといった工夫をして事故を防ぐように努めることも大切です。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に15医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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