ドイツ原産の犬9選!ドイツがペット先進国と呼ばれている理由と犬事情を知ろう!

2023.11.12

ドイツ原産の犬9選!ドイツがペット先進国と呼ばれている理由と犬事情を知ろう!

愛犬家の方々の中には、ドイツがペット先進国と呼ばれていることを知っている方も多いのではないでしょうか。それは一体どういった理由からなのか、とても気になりますよね。今回は、ドイツがそう呼ばれている理由としてドイツのペット事情や、ドイツ原産の犬種について紹介していきましょう。愛犬がドイツ原産犬種だという方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

ドイツはペット先進国

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ペットに対する意識の高い国の一つであるドイツは、「ペット先進国」「ペットの楽園」「ペット大国」などと呼ばれている動物愛護先進国です。
その背景には「殺処分ゼロを実現している」という事実があり、これが最大の理由だと考えられます。
他にも、ノーリードで散歩ができることや、公共施設・公共機関への同伴可能といった、日本では未だ考えられないペットにおけるルールが確立されているのです。
羨ましいな、と感じる飼い主さんも少なくないのではないでしょうか。
そんなドイツ国内におけるペット事情、犬の楽園と呼ばれる背景について、詳細を解説していきますので、愛犬家として世界の犬の知識にも注目してみてください。

◆原産犬はイギリスの次に多い

ドイツはイギリスに次いで、2番目に原産犬種登録数の多い国で、約30種類ほどの犬種の原産国なのです。
犬と人間が共に歩んできた長い歴史のある国だともいえますね。
世界的にも先進的な動物福祉国であり、民間で運営している最大級のシェルターがあることでも有名です。

◆殺処分ゼロといわれてるけどホントなの?

前述したように、ドイツがペットの楽園と呼ばれる一番の理由は殺処分がないことなのです。
残念ながら日本では、保健所に一定期間預けられた後、引き取り手がみつからない場合は殺処分となってしまうのが一般的な流れです。犬の殺処分数は年々減ってきてはいますが、現在でも未だに殺処分されてしまう犬たちがいるという悲しい現実があります。
対してドイツには、ヨーロッパ最大級の動物保護施設「ティアハイム・ベルリン」があり、これが先ほど触れたシェルターのことなのですが、犬や猫だけでなく、馬・羊・ウサギ・鳥など多種多様な動物たちが保護されています。
施設の総面積は東京ドーム3つ以上に及び、動物たちの管理に約140人の従業員、600人を超えるボランティアが携わっているそうですよ。
ちなみにティアハイムの収入は、基本的に企業・市民からの寄付金などで賄われています。

◆ペットショップがない

日本の場合、ペットショップなどですぐに犬などのペットを購入することができますが、ドイツではペットグッズの販売はされているものの、犬猫などの生体は販売されておりません。
時間をかけて犬の飼育方法についての説明が行われる他、飼い主として適正だという判断が下されるまで、犬を迎え入れることはできないのです。
また、犬に関する法律も細かく定められています。ケージのサイズ、散歩の時間、留守にしてよい時間、リードの長さ、などといった細かい箇所まで規則が定められているため、安易な気持ちで犬の飼育を始めることはできません。
一見厳しいと感じる方もいるかもしれませんが、日本のように飼育放棄がなされてしまう現実をみると、犬・動物たちのためには適切な方法だと考えられるでしょう。
法律の詳しい内容については後述しますので、そちらもチェックしてみてくださいね。

◆電車やバス、レストラン、ホテルも犬同伴OK

ドイツでは、ノーリードで一緒に散歩する犬を多く見かけられますし、公共交通機関に乗車しての移動が可能です。レストランやホテルでも愛犬との同伴がOKとされているそうです。
信じがたい光景かもしれませんが、日常生活においてこれがドイツでは普通なのです。
これを可能としている理由は、行き届いたしつけが成されているからでしょう。
人間の子供にするようにドイツでは、子犬の頃から徹底したしつけ・訓練が施されます。このため、飼い犬に対して「危険」という認識が薄いことも特徴的ですね。
ちなみに、ドッグスクールでトレーナーからしつけ方法を学ぶ家庭がドイツではほとんどだそうですよ。


ドイツ原産の犬種【小型犬】4種

日本と比べて犬との生活における自由度の高いドイツ。ここからは、そんな非常に魅力的な環境を起源とするドイツが原産国である血統の犬種をサイズ別に紹介していきましょう。

◆ミニチュアシュナウザー

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目や口周りの被毛が特徴的な、ミニチュア・シュナウザー。ドイツでネズミ駆除を得意としてきた犬種です。名前は、ドイツ語で口ひげを意味するSchnauz(シュナウツ)が由来となっているそうですよ。
体高は30~35cm、体重は4~7kgで、愛玩犬として分類されています。
真面目な気質からしつけがしやすいといわれていますが、規則正しい生活を好む傾向にあるため、毎日決まった時間に食事・散歩をしないと、ストレスを感じてしまう個体が多いようです
ちなみに、元となるオリジナルの犬種としてスタンダード・シュナウザーが存在します。
 

◆ミニチュアダックスフンド

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胴長短足犬としても代表的なミニチュア・ダックスフンド。日本でも人気の高い犬種の一つですね。
体高は12~27cm、体重は4~6kgで、こちらも愛玩犬として分類されています。
長い胴体に短い足をもつ特徴的な体型で可愛い見た目をしているのですが、アナグマなどを狩る狩猟犬として活躍していた歴史があり、多くの運動量を必要とします。ただし、ヘルニアになりやすい傾向もあるので、足腰に負担をかけない生活を心掛けることが大切でしょう。

◆ポメラニアン

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フワフワのダブルコートの被毛に立ち耳が可愛らしい、愛玩犬のポメラニアン。日本では常にトイプードル同様、人気犬種として位置づけられる存在ですよね。
体高は20~25cm、体重は1~3kgほどです。
元々牧羊犬として活躍していたワンちゃんがポメラニアンの先祖なのですが、小型に改良されて、19世紀イギリスのビクトリア女王の愛犬になったことから人気が高まったといわれています。
 

◆ミニチュアピンシャー

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陽気で活発な性格をしており、高いジャンプ力が特徴的なミニチュア・ピンシャー。一見、ドーベルマンを小型化したような容姿をしていますが、犬種としては全く異なるタイプです。
体高25~32cm、体重4~6kgで、愛玩犬・使役犬として分類されています。
勇敢で負けん気が強い一方、寂しがり屋で甘えん坊な一面があり、お手入れもしやすいので、比較的初心者や集合住宅でも飼いやすいといわれています。
ちなみに、育種の土台となった犬にはジャーマン・ピンシャーがいます。


ドイツ原産の犬種【中型・大型犬】5種

次に、中型犬・大型犬のサイズに分類される、代表的なドイツ原産の犬種について紹介していきましょう。

◆ドーベルマン

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賢い頭脳に強面の外見が特徴的なドーベルマン。警察犬や番犬として活躍していることでも有名ですよね。
体高は63~72cm、体重は32~40kgです。
勇猛な容姿に反して甘えん坊な一面ももっており、これが魅力的な部分でもありますが、甘やかすと手に負えない我儘な性格になってしまう可能性があるので注意が必要です。徹底したしつけができる環境が必要だといえるでしょう。
ちなみに、ドーベルマンといえば断耳・断尾がなされているイメージが強いと思いますが、ドイツでは動物愛護精神からこれを禁止しています。
 

◆ジャーマン・シェパード・ドッグ

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日本でも警察犬のイメージが強い、ジャーマン・シェパード・ドッグ。名前にジャーマンとついているので、ドイツ原産のイヌだという印象をもつ方も多いかもしれませんね。
体高は55~65cm、体重は35~45kgです。
非常に高い知能と忍耐力を持っていることでも有名ですが、賢いがゆえにしっかりとしつけをしなければ、成犬となっても手に負えなくなる可能性があります。なので、トレーニングを欠かさずに行う必要がある、ということをポイントとして覚えておきましょう。

◆ワイマラナー

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独特のつややかなグレーの毛色が特徴的なワイマラナーは、「グレー・ゴースト(灰色の幽霊)」という異名を持っています。
体高は50~70cm、体重は25~40kgほどで、筋肉質の引き締まった体型に、優雅で気品あふれる風貌が魅力の一つである美しい大型犬です。
とにかく好奇心旺盛で無邪気、甘えん坊な性格をしている傾向が強いですが、中には警戒心が強く神経質な子もいるでしょう。知的で学習能力が高いため、幼い頃から他の犬と触れ合わせて積極的にトレーニングを行えば、社会性を養えますししつけにも困らないでしょう。

◆レオンベルガー

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ライオンのような犬を目指して交配されたレオンベルガー。まさしく百獣の王の風格をもつ、超大型犬だといえるでしょう。
体高は65~80cm、体重は40kg以上です。
ニューファンドランド、セント・バーナード、グレート・ピレニーズなどを先祖にもっているため、それぞれの心の優しさを受け継いでいます。忠実な賢い犬種なので、しつけもしやすいでしょう。アウトドアが好きな家族にとっては、優秀なパートナー犬となれること間違いなしです。

◆グレードデーン

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イングリッシュ・マスティフとアイリッシュ・ウルフハウンドをかけ合わせて作られた、グレート・デーン。イノシシを狩る猟犬や軍用犬として活躍してきた犬種です。
体高は71~81cm、体重は45~56kgで、巨大な体型をしているという印象の強い方も多いでしょう。
筋肉の発達した大きな体型と優美な外見から貴族に愛されており、19世紀後半にアメリカに持ち込まれると一気に人気が高まりました。大きな体躯で怖がられがちなタイプではありますが、非常に優しくて飼い主さんに従順な性格をしているのです。

他にも、ロットワイラーやボクサー、ジャーマン・ショートヘア-ド・ポインターなど、聞き馴染みのある犬種はたくさんいます。
無料で閲覧できるドイツ原産の犬図鑑などの特集、関連記事やコラム、レポートなどもネット上では多々ありますので、一度覗いてみてはいかがでしょうか。ぜひ、目次などでお目当ての犬種がいるかチェックしてみてくださいね。
実際に飼育中の飼い主さんのブログやツイートの写真投稿も、参考になるかもしれませんのでおすすめですよ。


ドイツにはペットの法律がある

前述したように、ドイツにはペットに関する細かい法律があります。本格的な動物保護制度が敷かれているのです。
1933年に動物保護法が制定され、1972年には正式なものとなりました。その後も、何度か内容が改正されて、2002年には憲法にも動物保護が導入されたのです。
それでは、具体的にどのような法律があるのかみていきましょう。 

◆犬に関する法律

ドイツの犬に関する法律をいくつか紹介します。

◎犬をひとりにして長時間留守番させるのは禁止。
◎1日最低2回、計3時間以上は屋外やドッグランに連れ出さなければいけない。(社会性・社交性を身に付けるため)
◎犬の大きさや犬種によって、使用するケージ・サークルのサイズは数字で詳細に定められている。

他にもさまざまな法律があり、違反者にはペナルティも科せられます。
法律に違反していると市民から通報があり、飼い主は獣医局やアニマルポリスから指導を受けるのです。
違反が続くようであれば罰金などの罰則が科せられますし、正しい飼育が不可能と飼い主が判断された場合には、強制的に犬達が没収され施設で保護されることになります。
また、ブリーダーなどの繁殖者側にも以下のような厳しい法律が定められています。

◎生後8週間未満の子犬は母犬から離してはいけない。
◎犬の繁殖業者は、繁殖に使う成犬10頭までと、その子犬しか持ってはいけない。そして業者はその教育・知識を見に付けていることを役所に証明しなければならない。
◎生後12ヶ月までの犬を鎖に繋いで飼ってはいけない。
◎授乳中の母犬、病気の犬を鎖に繋いではならない。
◎屋外で飼育する場合、雨風がしのげ、室温を確保できる保護壁と断熱材を使用し、健康を害することのない素材で作った犬舎を使用する。
◎鎖の付け根は固定せず最低6m以上のレールに取り付け、自由に動けるようにしなくてはならない。
◎室内で飼育する場合は昼夜のリズムが守れるよう、採光のための窓の大きさを室内面積の8分の1とする。
◎犬の暮らしに必要な最低面積も、犬の大きさ・犬種によって詳細に定める。

 

◆犬税

世界の中でも数少ない犬税が、ドイツでは設けられています。
犬税は1810年に制定され、現在ではほとんどの自治体で導入され義務付けられているそうです。
税率設定は市町村によって差がありますが、徴収された犬税は犬のために使われるのではなく、一般財源となるのが一般的です。
犬税を設けることが、犬を多頭飼育する人々の増加や安易に犬を飼おうとする行為の抑止力となっているため、結果的には犬の保護・幸せに繋がっているというわけですね。
ちなみにフランクフルトを例に出すと、1年に90€、2頭目は180€の犬税が義務付けられており、危険犬種だと900€必要になるようです。日本円でいうと12,000円程を毎年収めるということです。


まとめ

日本でもペットは家族の一員という認識が全体的に広がってきていますし、2023年となった今、年間の殺処分数もかなり減少してはいます。
しかしやはり、ドイツの人々の飼い犬との関わり方や、しっかりと制定された法律をみると、まだまだペット大国と呼べる場所としては遠いなと感じてしまうでしょう。
これまで外国のペット事情に興味がなかった方も、ドイツにおけるペットの在り方に驚いたり、素敵だなと共感した方がいるのではないでしょうか。かくいう我が家でも、そのような状態です。

日本ではペットブームが起こる度に、家庭での飼育頭数が上がりますよね。しかし、デパートで流行となっているシリーズの服などを自分のためだけに買い物をするのとはわけが違うのです。
犬との生活はそれまでの日常が大きく変わることであり、とても簡単なことではありません。
適切なお世話をして健康を維持する、病気になったら獣医師に診てもらう、毎日運動やコミュニケーションの時間を作るなど、やらなくてはいけないことが沢山あります。
もちろん、可愛い服で着飾ったり、手作りレシピを作るのを楽しんだり、可愛い様子を見て癒されたり、といった幸福な時間を感じられることも多々ありますが、大好きだからという理由だけで犬を飼ってはいけないのです。
ドイツがもつ動物への考え方を目指して、日本も成長していけると良いですね。私自身も、改めてペットとの関わり方を考えていこうと思います。



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


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