1.犬は悲しくて泣くのか
1-1.犬が悲しいと感じる時
2.犬が涙を流す理由
2-1.目に異常がある時
2-2.安心した時
3.犬の「悲しい」の表現方法
3-1.しっぽの動き
3-2.顔の表情
3-3.仕草
3-4.鳴き声
3-5.飼い主さんへの寄り添い
犬は悲しくて泣くのか
犬にももちろん感情はあり、嬉しい、悲しいなどといった気持ちを抱きます。
目から涙が出ることもありますが、私たち人間のように気持ちが高まり情緒が動かされて涙が出るわけではありません。
犬が「悲しい」などの感情的な理由から涙を流すということは医学的にはまだ解明されていないため、泣いている=悲しい、という認識は改める必要があるといえるでしょう。
しかし前述したように、涙が出なくても犬は悲しみを感じることがあります。まずは、それがどのような時なのか紹介していきましょう。
◆犬が悲しいと感じる時
◎愛する家族と離れ離れになった時
◎仲良しのワンちゃん(友達)と会えなくなった時
◎愛する家族が病気になったり、入院してしまった時
◎愛する家族に叱られた時 …など
犬も叱られて悲しいきもちになったり、大好きな人と会えないことで寂しさや喪失感を抱いたりすることが分かっています。
実際に、一緒に仲良く暮らしていた同居犬が亡くなり、ご飯を食べられなくなったり、元気がなくなるというケースもあるようです。
人間からしても、このような感情には共感できる部分が多いでしょう。
悲しみから涙が出ないだけで、愛犬も悲しいと感じる場合があるということを覚えておいてくださいね。
犬が涙を流す理由
犬の瞳を見ると、常に表面が涙で潤っているのが分かるでしょう。ピンとこない方は、愛犬の瞳を観察してみてください。
犬の涙は人間同様、目を守るために常に分泌されているのです。
目にゴミが入ってしまったときなどに、異物の排出を行うなどの働きをしているこの涙。目を保護する大切な役割をもっているといえるでしょう。
悲しみによって涙を流さない犬の場合、涙は、本的に身体的不調が原因で流れると考えられます。
それでは、実際にどのような場合に涙が出るのか詳しくみていきましょう。
◆目に異常がある時
普段と比べてやたらと目を細める仕草をしていたり、目が充血している場合は、目に何らかのトラブルが起こっている可能性が考えられ、この時いつもより多く涙が分泌されているでしょう。
考えられる原因や病気をいくつか紹介していきますので、チェックしてみてください。
◆安心した時
紹介してきたように、犬は悲しいという感情から涙を流すことはありません。しかし、離れていた飼い主さんと再会した時に涙の分泌量が増える、という研究結果があるそうです。これは、麻布大学の研究チームによって報告された結果です。
つまり、犬は悲しみではなく感情が高ぶった際に涙が出る、と考えられるわけですね。
長時間・長期間のお留守番などの後、飼い主さんに愛犬が再会できた時に安心して涙が出るのでしょう。
犬の「悲しい」の表現方法
犬は言葉を話せませんが、さまざまな方法で感情表現を行います。今回はその中でも、犬が悲しい時にみせる行動や様子について紹介していきましょう。
愛犬の気持ちをより理解できるようになることで、関係性が深くなることも期待できますので、感情の変化や違いをしっかりと汲み取れるように、行動の意味をきちんと覚えておきましょう。
◆しっぽの動き
悲しい時の犬のしっぽは、力が抜けて垂れ下がっていることがあります。立っている状態であれば、しっぽはだらりと垂れているでしょう。しっぽを垂らしていなくても、大きく振ったりすることはほぼありません。
しっぽが短い犬の場合も同様で、尻尾の先が下を向きがちです。
◆顔の表情
犬が悲しさを感じている時、目はどんよりとしていて覇気がなく、口も閉じ気味である場合が多いです。
飼い主さんの動向を気にして、視線を送っていることもあるでしょう。また、不満そうな表情を浮かべる子もいます。
ちなみに耳には、やや力が入っているでしょう。これも、飼い主さんの動向をつかむためだといわれています。
◆仕草
犬が悲しんでいるかどうかは、体の様子や仕草からも分かる場合があります。
悲しい時の犬は体に力が入っておらず、伏せたり、座ったりしていることが多いのです。
伏せている場合は床にあごをつけており、立っている場合は腰が下がり気味で肩の力が抜けて見える子もいるでしょう。
◆鳴き声
「クンクン」「キューン」など、犬は悲しい時にか細い声で泣くことがあります。子犬の鳴き声のようなイメージですね。
こうした鳴き声を上げる理由は悲しみ以外にもあるのですが、「寂しい」「構って欲しい」などという気持ちの時に、よく聞かれる鳴き声だといわれています。叱られた際に、上目遣いで細く鳴く子もいます。
さらに、「つまらない」「退屈だ」と感じている時に飼い主さんの気を引こうとクンクン鳴くこともありますし、有り余ったパワーを使ってワンワンと繰り返し吠える場合もあるでしょう。
◆飼い主さんへの寄り添い
犬は共感力が強く、周囲の変化にとても敏感な動物です。そのため、飼い主さんや家族の感情の変化に反応する子が多いといえます。
飼い主さんが落ち込んだり悲しんでいる時に、そばで慰めるように寄り添う子も中にはいます。この行動は、飼い主さんの感情を察し、一緒に悲しんでいることからみられるとも考えられるのです。
ちなみに犬のこの特性は、群れで行動していた名残だといわれています。
感情を理解して共有することが、仲間と一緒に生活する上で欠かせない能力の一つだったのかもしれませんね。
今回紹介した行動や仕草は、あくまで一例であり個体差もあります。また、他の理由・感情・生理現象から上記のような仕草をしている場合もありますので、普段から愛犬の様子を観察し、性格や個性を理解しておくことが感情を理解するためのコツだといえるでしょう。
ちなみに、悲しみを感じている犬は退屈していることも多いそうです。愛犬にこのような様子がみられる時は、散歩や遊びに誘ったり、一緒におもちゃで遊んだり、おやつを与えるなどして、沈んだ気分を紛らわせてあげるとよいでしょう。
まとめ
犬は人間のように涙を流して悲しみを表現するわけではありません。しかし、仕草や行動から悲しいと感じている状態を判断することができるのです。
涙が出ている場合は、目に何らかの問題を抱えている可能性があるため、一度獣医師に相談してみましょう。犬の目の疾患も様々なので、どのような病気や症状があるのか事前に情報を集めておくのもおすすめです。犬の目の病気に関する記事も沢山ありますので、目次などを活用して気になる症状を調べてみるとよいでしょう。
家族全員が健康的でノンストレスな日々を過ごしていくためにも、愛犬の気持ちを理解でき、少しの変化にもすぐに気付ける飼い主さんを目指していきたいですね。
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