犬のワクチン前後のシャンプーには注意が必要!
ワクチンとは、病気を引き起こすウイルスや細菌を、弱毒化あるいは不活化したものです。
そして予防接種とは、このワクチンを犬の体内へ入れて免疫を作り出し、病気にかからないようにすることをいいます。
ちなみに犬に必要な予防接種には、大きく分けて以下の2種類があります。
◎狂犬病ワクチン
狂犬病ワクチンとは、発症するとほぼ100%の確率で死亡する恐ろしい病気である、狂犬病への感染を予防するためのワクチンです。
人にも感染する人獣共通感染症の一つであり、法律によって生後91日以上の全ての犬に、年1回、狂犬病ワクチンの接種が法律で義務付けられています。
◎混合ワクチン
混合ワクチンとは、犬ジステンパー、犬アデノウイルス、犬パルボウイルスなどによる、感染症を予防するためのワクチンです。予防できる病気の種類数によって、2種から10種に分類されています。
狂犬病ワクチンと違って、法律による接種義務はありません。
しかし、混合ワクチンで予防できる病気は感染するとリスクが大きいものばかりなので、定期的な接種が推奨されています。
特別な理由がない限りは、ワクチン接種をおすすめします。種類によって費用も変わりますので、獣医師に相談してみるとよいでしょう。
このように、いずれのワクチンも愛犬を病気から守るために必要なものですが、その方法は人間同様で注射をするということになります。
ワクチン接種後には様々な注意点を獣医さんからも伝えられますが、シャンプーについてはどうでしょうか。
以下の注意点をしっかり頭に入れておきましょう。
◆ワクチン後、3日~1週間は控える
前述したようにワクチン接種とは、対象のウイルスを弱毒化して体に入れ、ウイルスに対しての免疫をつけるためにするものです。
そのため、愛犬の身体の中で免疫反応が起きたり、ストレスから体調を崩すなどして、病気を発症してしまう可能性があります。
大体、3日~1週間程度はシャンプーを控えるべきだといえるでしょう。
動物病院によっては2週間シャンプー・激しい運動などを避けるようにとしている病院もあったりと、考え方は獣医師によっても違いがあります。
ワクチン接種後の対応については、必ず獣医師の指示に従うようにしてくださいね。
◆ワクチン直前のシャンプーは控える
シャンプーやカットは、外見や衛生面の保持のために必要不可欠な手入れの一つですが、犬にとっては体力を消耗する行為でもあります。
ワクチン接種前に体に負担を掛けてしまうと、ワクチン接種後に体調を崩してしまう可能性が高まるのです。
そのため、ワクチン接種の当日はもちろん、前日のシャンプーやトリミングなどはNGだということをしっかり覚えておきましょう。
犬のワクチン後にその他注意が必要なこと
ワクチン前後のシャンプーの他にも、予防接種を受ける時にはいくつかの注意点があります。
どんなことに注意をするべきか、そのポイントについて解説していきましょう。
◆過度な運動やお散歩、お出かけなど
ワクチン前後のシャンプーと同様の理由から、予防接種後の2日から3日程度は激しい運動を控えるようにしましょう。ドッグランで走り回ったり、旅行やお出掛けをするなど、愛犬の身体に負担のかかる行動は慎むべきです。
また、予防接種当日は散歩も控えて、安静に過ごすようにしてください。愛犬が元気そうだから大丈夫と考え、予防接種後に運動させてしまった結果、散歩中に体調が悪化する可能性もあります。
さらに接種後の数日間は普段よりも短めの散歩にするなどして、愛犬の様子をみながら体調を考えて調整しましょう。
◆副作用に注意
ワクチンに副作用はつきものです。そのため、正しく理解した上で、予防接種を受けることがとても大切です。
事前に獣医師から、効果や副作用についての説明をしっかり受けて確認してくださいね。
予防接種後に起こる主な副作用には、顔の腫れ・嘔吐・下痢・発熱などの症状があります。
接種後24時間以内に出ることが多いため、予防接種後24時間は愛犬の様子を観察し、異変が見られた場合はすぐに動物病院へ連絡しましょう。
さらに、危険な副作用の一つにアナフィラキシーショックというものがあります。
知名度の高い症状のため知っている方も多いと思いますが、これは急性のアレルギー症状です。
ワクチン接種後数分から30分以内に起こることが多く、主に痙攣・呼吸困難といった症状がみられます。最悪、命を落としてしまうケースもあるため大変危険な症状だということを覚えておきましょう。
ちなみに、日本小動物獣医師会、麻布大学の共同疫学調査によると、ワクチン接種後にアナフィラキシーショックを起こした犬は、1万頭あたり7.2頭とされています。
しかし万が一のことを考えて、接種後は待合室などでしばらく様子を見ておくと安心ですね。
特にミニチュアダックスフンドは、ワクチンの副作用が出やすい犬種だといわれています。予防接種を受ける際は、特に注意して観察するようにしましょう。
犬のワクチン接種後ブラッシングについて
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愛犬の皮膚や被毛の健康を守るためにも、ブラッシングなどのケアは必須です。
しかし予防接種後の場合のブラッシングは、普段通り行っても問題ないのでしょうか?
◆基本的にはブラッシングOK
結論からいうと、ワクチン接種後のブラッシングは基本的には問題ありません。
愛犬の体調に変わりないようであれば、短い時間で行う分には大丈夫だといえるでしょう。
しかし、接種後のブラッシングをする場合には注意すべきポイントもあります。
以下内容をしっかり確認しておきましょう。
◆長時間や接種場所を直接ブラッシングすることは避ける
長時間のブラッシングは、拘束時間が長くなるため愛犬がストレスを感じてしまいます。嫌がる場合は無理にブラッシングせずに、途中で中断したり、簡単に被毛をほぐす程度にするなどして対応しましょう。
また、注射をうった場所を痛がる子も中にはいます。
接種箇所のブラッシングは基本的に避けるようにし、痛がる素振りをみせるようであれば、様子を見て1日2日はブラッシングをしないよう気を付けてあげてください。
ワクチン接種後にお手入れが必要になったら
接種後のシャンプーや激しい運動は避けなくてはいけませんが、室内でも排泄物を踏んでしまったり、丁度シャンプーするタイミングで予防接種をしてしまったなど、体が汚れてしまう場合も考えられます。
そんな時に重宝するアイテムがありますので、紹介していきましょう。
◆シャンプータオル
ペット用シャンプータオルは、日頃からボディーケアやシャンプーが苦手な子や、介護が必要な子、お風呂に入るのが困難な子でも、体を清潔に保つことができるとても便利なアイテムです。
全身はもちろん、汚れた部分のみをサッと拭くだけでキレイにすることができるので、愛犬へかかる負担も少なくて済みます。
◎デオクリーン からだふきシート(小型犬用/中型犬用)
皮脂汚れやニオイの元まで拭き取る、犬猫用のからだふきシートです。アルコール・プロピレングリコール・パラベン不使用の無添加で、ペットが舐めても安心です。
3層構造のシートは厚手水分たっぷりのため、1枚で全身を拭くことができますよ。
◆デオドラントスプレー
汚れの他にニオイが気になる場合は、犬用のデオドラントスプレーを使用するとよいでしょう。
気になるニオイを抑えてくれるアイテムなので、ワクチン接種後はもちろん、シャンプーが大きな負担となってしまう高齢犬にもおすすめですよ。
◎ナチュラルエイジングケア アウトドアボディアンドヘアスプレー B48 100ml
オーガニックの精油が使用されており、虫の嫌うティーツリーオイル・ユーカリオイル・ニームエキスが配合されたスプレーです。
愛犬を害虫から守りつつ、日差しでダメージを受けやすい被毛を天然成分アシタバエキスのUV効果が保護してくれますよ。
とても上品なガーデニアの香りがするので、犬用の香水としてもおすすめの商品なのです。
保湿成分でスムーズなブラッシングにも効果的ですし、仕上げ用のフレグランススプレーとしてトリマーさんからも人気があるそうですよ。
まとめ
予防接種は愛犬が元気で健康に過ごすためにも、必要な不可欠なものです。特に子犬の時期は、しっかりとワクチンスケジュールを確認しておき、きちんと受けるようにしてくださいね。
接種後はシャンプーや激しい運動を避け、安静に過ごしましょう。
もし体調に異変が見られた場合は、原因が副作用にある可能性がありますので、すぐに獣医師に相談してください。
また、予防接種前から愛犬の体調を観察しておくことも重要です。体調不良やなんらかの異変が見られる場合は接種日をずらすなどの対応も必要です。
愛犬の健康のために、しっかりと準備やその後の配慮を忘れないようにしましょう。
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