ブルドッグとフレンチブルドッグの違いはどこ?似ている犬種を徹底比較

2024.05.25

ブルドッグとフレンチブルドッグの違いはどこ?似ている犬種を徹底比較

ブルドッグとフレンチブルドッグは日本でも有名な犬種です。しかし、この2犬種を実際に見てみたことがない場合、「そっくりで違いがわからない」と思うこともあるのではないでしょうか。この記事では、ブルドッグとフレンチブルドッグの似ている部分をふまえた上で、見分ける時のポイントや違い、2犬種の特徴をまとめて解説します。

ブルドッグとフレンチブルドッグは似てる?

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◆見た目や性格の共通点

ブルドッグとフレンチブルドッグには、犬に馴染みがない人からすると「見た目が似ていて違いがわからない!」と頭を悩ませる共通点がいくつかあります。

中でも、「鼻ぺちゃ」「筋肉質ながっしり体型」「短毛種」といった点は、見た目がそっくりだと感じてしまうポイントでしょう。もしかしたら、こういった見た目の共通点は、ぱっと見た時に「ちょっと怖い」と感じてしまうこともあるかもしれません。

しかし、ブルドッグもフレンチブルドッグも、どちらも性格的にはフレンドリーなタイプです。その鼻ぺちゃ顔をゆるませて、パワフルながらもご機嫌な足取りで近付いてきてくれることが多いでしょう。

◆飼い方のコツや注意点も似ている

ブルドッグとフレンチブルドッグは、同じ短頭種というだけあって、飼い方のコツや注意点も似ている部分があります。

鼻先から口周りにかけてのマズル(口吻)が短い分、顔にしわができ、汚れも溜まりやすい傾向があるので、こまめなお手入れは必須です。
また、ハアハアと呼吸をして暑さを逃がすことも苦手なので、熱中症対策や呼吸器の病気には気を付けなければいけません。

さらには、皮膚トラブルも発生しやすい犬種なので、短毛種ではありますがお肌のチェックもこまめに行ってあげたいところです。

こうして見ると、「やっぱり似たところも多い犬種だから、違いを見つけるのは難しいのでは?」と思ってしまいがちですが、実は見た目だけでもはっきりとわかる違いがあります。さっそくブルドッグとフレンチブルドッグの違いを比べてみましょう。


ブルドッグとフレンチブルドッグの違い

◆体格(体のサイズ)

ブルドッグとフレンチブルドッグの大きな違いは、体のサイズです。

ブルドッグは、体高(地面から背中までの高さ)はさほど大きくないものの、オスなら23~25kg、メスでも20kg前後の体重になる「中型犬」です。女性なら、大の大人であっても抱き上げるのはなかなか一苦労な体格と言えるでしょう。

ところがフレンチブルドッグは、8~9kg程度のやや小柄な個体をはじめ、最大でも13~14kg程度までと、「小型犬」に分類される大きさです。

どちらもがっしりとした骨格を持つ犬種ですが、並んでみると肩幅や身幅の広さ、手足の太さなどに、明らかな違いが見て取れるでしょう。

◆耳の形

ブルドッグとフレンチブルドッグの違いを見た目から判断する時には、耳の形の違いから見分ける方法もあります。

ブルドッグの耳は、「ローズイヤー」と呼ばれる特徴的な形です。途中から半分折れ曲がった耳が、後方に少し反り返りながらくしゃっとしわが寄っている様子がバラのように見えることから、この名前がつきました。

一方のフレンチブルドッグは、こうもりを連想させるような三角形の大きな耳がまっすぐ上にピンと立ち上がっている「バットイヤー」が一般的です。立ち耳の先端は少し丸みを帯びていて、鼻ぺちゃの丸顔と併せて愛嬌のある見た目を生み出しています。

かつてはフレンチブルドッグにも、ブルドッグと同じ耳の形であるローズイヤーの個体が入りまじっていましたが、今ではバットイヤーがスタンダード(犬種標準)として定められています。ブルドッグとの違いを探したい時には、とても役立つポイントとなるでしょう。

◆原産国と歴史

イギリス原産のブルドッグは、元々は闘犬としてブルベイティング(牛いじめ)を行う犬でした。今でこそ鼻ぺちゃで、体格の割に短い太くがっしりとした足が特徴的ですが、かつては今ほどマズルが短くなく、足もすらっと長かったようです。

そんな闘犬としての需要も、残酷な動物の取り扱いを否定する動物愛護の風潮が高まるにつれてだんだんと失われていきました。

そこで、家庭犬として生きていけるよう一部の愛好家たちが品種改良を行い、攻撃的な要素を抜きながら、今の愛嬌ある見た目に近づけていったと言われています。

対して、フレンチブルドッグは名前の通り、フランス原産の犬です。祖先となったのは小型に改良されたブルドッグの祖先犬とされていますが、イギリスからフランスへ渡った後、1880年代のパリでいくつかの他の小型犬種と交配させて誕生しました。

最初こそ下町で飼われていたフレンチブルドッグですが、その人気は徐々に上流階級へも広まって、多くの人に可愛がられる犬となったそうです。

◆犬種グループ

ブルドッグとフレンチブルドッグは、犬種として確立されるまでの歴史に違いがある分、血統書発行団体であるJKC(ジャパンケネルクラブ)の犬種分類では異なるグループに属しています。

ブルドッグは、番犬・警護犬・作業犬の仲間として、第2グループの「使役犬」に含まれる犬です。

しかし、フレンチブルドッグは人間の伴侶として、かつ、可愛がることを目的に生み出されたことから、第9グループの「愛玩犬」に含まれます。

日本で飼育されているブルドッグとフレンチブルドッグは、今やどちらも良き家庭犬としての位置づけですが、犬をグループ分けしてみれば違いがあることを知っておくのもおもしろいものです。


ブルドッグについて

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ペットの専門店コジマより引用
特徴 中型犬、短頭種、力強く筋肉質な体型、広い肩幅、
頑丈な四肢、短毛、アンダーバイト、ローズイヤー
性格 温和、落ち着きがある、物事に動じない、愛情深い、誠実
毛色 ブリンドル(虎柄)、レッド、フォーン、
ファローなど(各色とホワイトの組み合わせが多い)
体高 35cm前後
体重 オス:25kg メス:23kg

◆特徴

現在、イギリスの国犬としても知られるブルドッグは、イングリッシュ・ブルドッグと呼ばれる犬種です。

がっしりとした広い肩幅と大きな頭部、ずんぐりとした体つきを持ち、顔は口周りの皮膚のたるみに伴うしわと、下顎がやや突き出たアンダーバイトが特徴となっています。

フレンチブルドッグとは違い、体重はずっしりとした重みがありますが、決して肥満傾向な体型ではなく筋肉質です。

愛嬌のある顔つきが多くの人から愛されるブルドッグですが、近年ではその特徴を過剰に出そうとする繁殖の仕方から重篤な呼吸器疾患などの異変も起きやすい個体が増えており、ヨーロッパなどでは繁殖に制限を設けるケースも出てきています。

◆性格

強面で、荒々しい闘犬の歴史のイメージが強いことから誤解されがちですが、ブルドッグはおっとりとした心優しい性格です。

飼い主さんへの忠誠心も強く、誠実に向き合ってくれるため、家庭犬として愛されやすい要素をたっぷりと持った犬だと言えるでしょう。初めて会う人や犬にも怒ったりすることは少なく、その見た目に反して番犬には向かないとされています。

自分のペースは崩さずに行動したいちょっぴり頑固な一面もありますが、大好きな人には明るく素直に感情表現をしてくれる姿、ブルドッグが多くの人から愛されてきた所以です。


フレンチブルドッグについて

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ペットの専門店コジマより引用
特徴 小型犬、短頭種、筋肉質ながっちり体型、短毛、バットイヤー
性格 明るく活発、甘えん坊、遊び好き、社交的、好奇心旺盛
毛色 ブリンドル(虎柄)、パイド、クリーム、フォーンなど
体高 オス:27cm~35cm メス:24cm~32cm
体重 オス:9kg~14kg メス:8kg~13kg

◆特徴

ブルドッグと違いコンパクトな体つきのフレンチブルドッグは、小型犬ながらも力強い体つきの個体が多い犬です。ただし、その見た目は「アメリカタイプ」「ヨーロッパタイプ」の2つの違いがあるとされています。

アメリカタイプのフレンチブルドッグは、愛玩犬(ペット)として誕生したその目的に合わせたように、大きな目や丸顔の愛らしい雰囲気が特徴的です。

もう一方のヨーロッパタイプは、筋肉質な体つきがより顕著で、顔つきも四角い印象を持つでしょう。

どちらのタイプもフレンチブルドッグらしい愛嬌ある見た目であることには変わりありませんが、飼い主さんによっては好みが分かれるところかもしれません。

◆性格

フレンチブルドッグはブルドッグとは違い、遊び好きで活発な一面が魅力的です。成犬になっても子犬のような明るさと元気さで、家族を楽しませてくれます。

基本的には他の人や犬にとてもフレンドリーですが、気になる相手や物には好奇心旺盛にぐいぐいと突き進むタイプなので、飼い主さんが愛犬の行動を良くコントロールしてあげることが大切になるでしょう。

また、家族には特に甘えん坊な性格で、一緒にくっついて過ごすことが大好きな子が多いです。ただしその分、独りぼっちでいる時間が長くなるとストレスを強く感じる傾向があるので、留守番の時間が長すぎる家庭には不向きです。


まとめ

ブルドッグとフレンチブルドッグは同じ短頭種で、見た目がそっくりだと思われがちですが、よく見てみてみると外見にも性格にも違いがたくさんあります。

中型犬と小型犬というサイズの違いも明らかで、実際に目の前で見比べてみると、まったく異なる犬種であることもわかるでしょう。

とは言え、ブルドッグもフレンチブルドッグも魅力的な犬であることは間違いありません。もしもこの2犬種を迎え入れることになったら、短頭種ならではのお世話の注意点やそれぞれの違いをふまえながら、愛情たっぷりに接してあげてください。



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