気になるフレンチブルドッグの寿命。かかりやすい病気や健康対策

2020.02.29

気になるフレンチブルドッグの寿命。かかりやすい病気や健康対策

むっちり体型とパッチリお目目、しわくちゃの顔立ちでブサカワと大人気のフレンチブルドッグ。 体の特徴からかかりやすい病気がいくつかありますが、長く一緒にいるために寿命や健康対策をおさえておきましょう!

【目次】
1.愛犬の寿命や病気について知るべき理由

2.長生きしてくれる?フレンチブルドッグの寿命のことを知ろう
 2-1.昔よりも長寿傾向にあるワンちゃん達
 2-2.少し短いと言われているフレンチブルドッグの平均寿命

3.フレンチブルドッグはどんな病気にかかりやすいか?
 3-1.その①:水頭症
 3-2.その②:短頭種気道症候群
 3-3.その③:膝蓋骨脱臼
 3-4.その④:熱中症
 3-5.その⑤:椎間板ヘルニア
 3-6.その⑥:目の病気

4.フレンチブルドッグを長生きさせるための秘訣
 4-1.病気以外でも動物病院へ
 4-2.太らせないように体重管理をする
 4-3.部屋と体を清潔に保とう
 4-4.老化サインを見逃さない

5.まとめ

愛犬の寿命や病気について知るべき理由

犬の寿命

犬を家族に迎えるときは、これから、家族として楽しく幸せに暮らす日々を考え、ワクワクした気持ちになるのが普通。
「亡くなるのはいつ?」「病気になったら?」というマイナスなことをイメージする人はほぼいないですよね。

しかし、これから長い期間、ずっと一緒に過ごしていかなければなりません。
「健康なとき」「体調が悪いとき」「死を迎えるとき」など、どんなときもずっとです。
それが、家族として迎えた飼い主さんの責務でもあります。

言葉が話せない犬は、自分で健康管理をすることはもちろん、具合が悪いからと自力で病院にも行けません。
飼い主さんが先回りして、「病気にならないために健康管理」「病気の可能性があるから病院受診」と、行動を起こすことが必要です。
愛犬の負担となることは、なるべく取り除いてあげたいですよね。
「病気にかからないようにすべきこと」や「早期発見で早めの治療」をおさえておけば、長生きできるワンちゃんも多いです。
普段の心がけ次第では、病気さえもかかりにくくすることができます。

愛するワンちゃんの最期や弱った様子をイメージするのは悲しいことかもしれません。
でも、犬種の平均的な寿命やかかりやすい病気を知っておくと、事前に対策できることもあります。
愛犬を守るために、頭の片隅でもよいので“知識”として置いておくようにしましょう。


長生きしてくれる?フレンチブルドッグの寿命のことを知ろう

フレンチブルドッグの寿命

フレンチブルドッグの寿命は、どのくらいなのでしょうか?

◆昔よりも長寿傾向にあるワンちゃん達

ひと昔、ふた昔と言われる日本では、ペットの犬たちへの意識が今とは少し違っていました。
暑い日も寒い日も外の犬小屋で過ごしたりする外飼い、人間の残りものの食事、なんていうケースは珍しくありませんでした。
そんな頃の犬の寿命はあまり長くなく、10年も生きられないのが普通のことだったようです。

今では、「ペットは家族」という意識が一般的で、適切な温度管理、栄養のあるドッグフードの摂取と、犬たちの生活環境がグンと向上。
昔よりは長生きできる傾向になっています。

◆少し短いと言われているフレンチブルドッグの平均寿命

フレンチブルドッグは、8~14キロくらいが平均体重。
筋肉が重くどっしり感がありますが、体型的にはコンパクトです。
サイズ的には、小型犬もしくは中型犬と表記されることが多いでしょう。

犬の寿命は、犬種のサイズによって、平均的な数値が少し異なります。
小型犬や中型犬は12~15歳くらい、大型犬は10~13年くらいと考えられており、体の大きなワンちゃんの方がやや短命傾向です。
フレンチブルドッグの平均寿命は10~12年というデータがあり、小型犬や中型犬の平均寿命と比べると短めな方と言えるかもしれません。

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フレンチブルドッグはどんな病気にかかりやすいか?

フレンチブルドッグは、いくつか体の特徴的な部分があります。
ちょっと個性的な特徴も多いので、「かかりやすい病気」や「しやすいケガ」があります。
それをおさえておくことで、病気の早期発見や未然防止にも繋がります。
フレンチブルドッグの病気やケガについて、いくつかピックアップしました。

◆その①:水頭症

大きい頭で愛嬌のある顔立ちが魅力のフレンチブルドッグですが、水頭症を発症するケースがあります。
水頭症は、脳の液漏れによって頭に水が溜まってきます。
脳室に脳液が溜まるので、頭が大きくなるだけでなく、神経の圧迫によって行動や意識に障害を起こします。
水頭症を発症すると、興奮しやすい、転びやすい、寝ている時間が多いなど、普段の様子で異変が見られます。

そもそも、大きな頭なので見た目の変化が気づきにくいかもしれませんが、「極端に広がっている大きな頭」「斜視」で気づくこともあります。

◆その②:短頭種気道症候群

フレンチブルドッグと言えば、つぶれた鼻が印象的。
ぶさかわと大人気ですよね。
そんな特徴的な鼻が呼吸器系に負担をかけやすくなっているのです。

短頭種は、その名の通り、「鼻が短い」のが特徴。
本来の鼻のサイズよりも小さいため、上手く呼吸しづらいのです。
短頭種気道症候群になると、「フガフガ」と言ったようないびきのような音を出しますし、ちょっとした運動で呼吸が荒くなります。

本来、呼吸は「体のなかへ新鮮な酸素を送り込む」という大事なもの。
しかし、短頭種気道症候群になると、呼吸そのものが苦しくなります。
気道へ負荷が大きいので、呼吸困難の症状が出るケースもあります。

◆その③:膝蓋骨脱臼

フレンチブルドッグは遺伝的に膝蓋骨脱臼を起こしやすいと言われています。
膝のお皿がずれて脱臼する病気です。
脱臼すると、いつものようには歩けなくなります。

脱臼の症状は軽度から重度までさまざま。
ちょっと外れた程度であれば、自然にお皿が元に戻るケースもあるでしょう。

しかし、お皿が戻らない状態で激しい運動をすると、関節への負担が大きく、さらに症状が悪化します。
膝蓋骨脱臼を起こすと、
びっこをひいたように上手く歩けなくなることも。

初期症状のときに治療ができれば、もとのように歩いたり走ったりができます。
愛犬の負担を軽減するためにも、歩き方や走り方の不自然な異変を見逃さないようにしましょう。

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◆その④:熱中症

犬は、呼吸により体温を自分で調整します。
しかし、フレンチブルドッグは鼻が短く、ちょっと呼吸がしづらい構造。
急な温度変化には対応しにくいので、熱中症になりやすいと言われています。

熱中症になると、息を吸ったり出したりという機能が正常に働かなくなり、「苦しそうな荒い呼吸」「よだれ」「嘔吐」「目の充血」「ふらつき」が見られます。
進行すると、「倒れる」「吐血や下血」「けいれん」「チアノーゼ」と深刻な症状になり、死に繋がることもあります。

熱中症というと夏をイメージしますが、暖房を使う冬の室内もリスクがあります。
夏場の散歩には注意が必要なのはもちろん、室内の温度管理も徹底しましょう。

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◆その⑤:椎間板ヘルニア

フレンチブルドッグの遺伝疾患のひとつとして椎間板ヘルニアがあります。
衝撃を吸収する椎間板ですが、椎間板ヘルニアを発症すると本来あるべき位置からのズレにより、背骨の神経を圧迫し痛みを起こします。
背骨が痛くなるので、歩くときに不自然だったり、激しい運動を嫌がるようになったりします。
体勢によっては痛みが倍増するので、飼い主さんからの抱っこにも抵抗することもあるでしょう。

一般的に加齢により起こりやすい椎間板ヘルニアですが、フレンチブルドッグの場合は先天性で若い世代でも起こる可能性があります。
背骨に負担をかけないような暮らし方が望まれます。

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◆その⑥:目の病気

フレンチブルドッグは大きなクリクリした瞳がチャームポイントですよね。
ただ、それだけ空気に触れる面積が広いということ。
目の病気には気をつけなければなりません。

空気中の異物が入ったり、ぶつかって傷がついたりして、結膜炎や角膜炎を起こすこともあるでしょう。
「目ヤニが出る」「かゆがっている」「目が充血」「涙が流れている」という目の異変があったら、早めに動物病院を受診しましょう。


フレンチブルドッグを長生きさせるための秘訣

寿命が短めと聞くと不安がつのるかもしれませんが、飼い主さんの心がけ次第では
長く生きることもできます。
健康の秘訣は、食事管理や体重管理、体のお手入れなど、飼い主さんができることばかりです。

◆病気以外でも動物病院へ

病院というと「病気になったら行く」というイメージがありますが、健診という形で定期的に訪れることが健康をキープする秘訣になります。
尿検査、便検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査など、料金によって項目は異なりますが、見た目で分からない部分を精密に調べることで病気が見つかることも。
進行し過ぎると、難しい外科治療になったり、手術しても完治が難しい病気もあります。
早く見つければ、投薬や通院、食事療法で治せて、愛犬への負担を減らすことにも繋がります。
病気の可能性があるときはもちろん、病気以外のときでも「定期健診」という形で動物病院に行ってみましょう。

◆太らせないように体重管理をする

フレンチブルドッグは、小型サイズなのにどっしりした重量感があります。
コロコロした風貌が可愛らしいですが、太り過ぎると、体への負担が大きくなってしまいます。
そもそも膝や腰の病気リスクがあるので、太ったことでさらに負荷がかからないように気をつけましょう。
だからと言って、極端に散歩量を増やしたり、激しい運動をし過ぎるのはよくありません。

愛犬の体調に合わせて、日常的な散歩をすること、そして、太らないように食事量を見直すことも重要です。

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◆部屋と体を清潔に保とう

「シワシワ」「くちゃくちゃ」という表現がぴったりのフレンチブルドッグの顔。
個性的な深いシワは、かわいいですよね。
ただ、シワの間に汚れやホコリが溜まりやすいので注意しなければなりません。

犬の皮膚には、空気中を漂っている「ほこり」、外に行くと付着しやすい「花粉」、カーペットや衣類、毛布にいる「ダニ」など、さまざまな種類の汚れがつきます。
これらが皮膚に付くのは避けることができませんが、予防やケアはできます。
部屋のなかはこまめに掃除をし、清潔な空間で過ごせるようにしましょう。
空気清浄機を準備してあげてもいいですね。

愛犬が触れる可能性のある衣類や毛布は、頻繁に洗ってダニやホコリを取り除きます。
食べ物のカス、人間や犬の皮脂のかすなどは、ダニの好物。
掃除や洗濯で、フレンチブルドッグの皮膚トラブルのもととなるものをシャットアウトしてくださいね。

また、定期的なシャンプーも重要です。
シワのなかの汚れを取り除くことを意識して、洗ってあげましょう。
そして、日常的には顔周りを中心にお手入れをしてあげてくださいね。
食事やよだれで汚れが溜まりやすい顔周りのシワは、ちょっと濡らしたタオルでシワの間を伸ばすようにしながら拭くだけでも綺麗になります。

◆老化サインを見逃さない

平均寿命が少し短めなフレンチブルドッグは、それだけ早く老化がやってくるでしょう。
いつまで経ってもかわいい魅力がいっぱいなフレンチブルドッグですが、年数を重ねるごとに「おじいちゃん・おばあちゃん」になっているのです。

見た目が子犬と変わらない可愛さでも、足腰や内臓など見えないところで老化は始まります。
足腰が弱くなるので、運動させるときは、愛犬が辛そうにしてないかチェックしましょう。

また、シニアと言われる年代に突入したら、食事の見直しもすべきです。
消化しやすいフードを食べさる、食事の与え方は少量ずつ回数を増やす…など、内臓への負担を減らしましょう。


まとめ

大きな目、シワシワした顔立ち、筋肉質な体型、短い鼻…のどれもフレンチブルドッグの魅力として欠かせないものばかり。
ただ、そんな体の特徴が病気のリスクにも繋がっています。
フレンチブルドッグのかかりやすい寿命や病気について知ると、「短い命なんて悲しい」「大丈夫かな?」「病気にかかって欲しくない…」と心配になりますよね。

でも、飼い主さんが病気への知識を持つことで、予防することもできます。
短命と言われている平均寿命も、日常的なケアや管理で少しでも長生きさせられることに繋がります。
「手がかかる子ほど可愛い」と言いますが、フレンチブルドッグはまさにそんな感じ。
フレンチブルドッグと楽しい毎日を過ごすために、愛犬の健康対策をしっかりおさえておきましょう。



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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!


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