1.犬がトイレで寝る理由は?
1-1.狭くて安心できる
1-2.快適な気温である
1-3.ストレスや不安がある
1-4.病気や痛みがある
1-5.寝床に不満がある
1-6.その子の癖
2.犬がトイレで寝るときにはどうすればいい?
2-1.快適な寝床作り
2-2.室内の温度調整
2-3.犬が安心できるスペースを作る
2-4.トイレの置き場所を変える
2-5.トイレの清潔さを保つ
2-6.犬のストレスを解消してあげる
犬がトイレで寝る理由は?
愛犬がトイレで寝ているのを見ると、体に匂いがつかないか…汚れてしまわないか…と心配になりますよね。衛生的な面からも気がかりとなるでしょう。
室内環境や間取りによって、愛犬のトイレスペースは各家庭で違いますが、意外とトイレで寝てしまうワンちゃんは多いようです。同じ悩みを抱えている飼い主さんも結構いるというわけですね。
ではなぜ愛犬はトイレスペースで寝てしまうのでしょうか。その原因として挙げられる理由について、まずは解説していきましょう。
◆狭くて安心できる
犬の祖先であるオオカミは、外敵などから身を守るために穴を掘り、そこを巣・寝床としていました。犬にもこの習慣が本能として残っているため、狭い場所に安心感を抱く傾向があるのです。
もし使用しているトイレトレーの形状やサイズが犬の体にフィットする状態である場合、本来の寝床よりもトイレトレーの中が安心できる場所となっているのかもしれません。
特に囲いが付いているタイプのトレーを使用している場合は、愛犬が身体のすっぽりと収まるその場所を寝心地のよい寝床として認識している可能性が高いでしょう。
◆快適な気温である
市販されているほとんどのトイレシートは、吸湿性や速乾性が高く、肌触りの良い素材でできています。
夏などの暑い季節はシートがひんやりしていて気持ちよく、反対に冬などの寒い時期にはポカポカと暖かく感じられるのです。
このため、トイレシートの上で寝ることが、愛犬にとって心地よい状態をもたらしている可能性があるでしょう。
特に成犬であればそのことをしっかり理解しており、暑さ・寒さ対策をするために、決まってトイレシートの上で寝るようになっているのかもしれません。
◆ストレスや不安がある
トイレスペースを愛犬が安心できる場所と認識している場合、ストレスや不安を感じた時に落ち着ける場所として利用している可能性もあります。
これは、犬には自分のニオイが付いたものが側にあると安心するという習性があるためです。
犬は元々群れで生活していた動物で、個体差はあるものの基本的には性別に限らず縄張り意識をもっています。排尿して自分のにおいをつけることで縄張りを主張するため、自分のにおいがついている場所を自分の縄張りだと考えるのです。
こういった理由から、トイレスペースを安心して落ち着ける場所だと認識してしまうわけですね。
排尿・排泄後にきちんと処理や掃除をしたつもりでも、嗅覚が優れている犬は少しでもにおいが残っていれば嗅ぎ分けることができます。トイレの掃除や綺麗な環境維持の方法を見直してみるのも一つの良い対処法です。
ただし原因が不安やストレスからくるものだとしたら、その根本を正す必要があります。
愛犬が何に対して不安を感じているのか、じっくり観察してその対象のものを探しましょう。不安とストレスを取り除くことができれば、トイレで寝る回数を抑えられるかもしれません。
◆病気や痛みがある
愛犬が病気などで体調が悪い時に、トイレで寝ようとするケースもよくあります。
これは特に成犬に見られることが多い行動で、体の不調や不安を感じるため安心できる場所を選んで休んでいる可能性が考えられます。前述したストレスや不安を感じている時と酷似したケースですね。
普段の状態と比べて愛犬に異変はないか、今一度思い返してみましょう。
食欲や睡眠の状態、排泄物などから異常に気付ける場合もありますし、ボディチェックをすることで痛みを感じている部位や皮膚疾患などが見つかるかもしれません。
気になる状態が続く場合は、早めに動物病院を受診して獣医師に相談してみてください。
◆寝床に不満がある
愛犬用のベッドや寝床になにか不満があるために、その場所よりも落ち着けるトイレスペースを選んで寝ているケースも少なくありません。
トイレに失敗して寝床で排尿してしまいベッドが湿ったり汚れたりしていないか、寝床が騒々しく落ち着けない環境にないか、改めて確認してみましょう。
本来の寝床の居心地や寝心地が悪いために、トイレを寝床として気に入っている可能性も十分あります。
犬が寝床を気に入らない場合の主な理由をいくつか挙げていきますので、チェックしてみてください。
◎寝床の感触が落ち着かない、好きではない素材である
◎寝床として使用しているケージやベッドなどが狭い、または広すぎる
◎温度調節が難しい環境下で、暑い、もしくは寒い
◎飼い主さんが近くに見えない場所にある …など
◆その子の癖
特別な理由はなく、ただ単にトイレで寝るのが癖になっている場合もあります。
子犬の頃からトイレトレーで寝るのが当たり前になっていると、成犬になってもその癖は中々直らないでしょう。
初めて愛犬をお迎えした時に行われるトイレトレーニングでは、ケージ内にトイレと寝床の両方を設置する方法をとることは珍しくありません。そこで、トイレと寝床の見分けがつかないまま成長してしまった可能性も考えられます。
ストレスや不安、寝床が気に入らないなどのマイナスな気持ちは全くなくとも、その子にとってトイレで寝ることが当たり前になっているケースがあるということを覚えておきましょう。
犬がトイレで寝るときにはどうすればいい?
愛犬がトイレで寝るのをやめさせたい場合、その原因によって対処法が変わってきます。まず、どんな理由からトイレを寝床としてしまうのか、しっかり判断することが重要です。
愛犬の様子を観察すること、気持ちを理解してあげることが大切なポイントとなりますので、解決策を施す準備としてその原因を知り、適切な対策の選び方ができるようにしましょう。
いくつか対処法の例を挙げていきますので、参考にしてみてください。
◆快適な寝床作り
愛犬にとって寝床が快適な環境でなければ、そこで落ち着いて眠ったり休むことはできません。まずは寝床の環境を見直し、居心地の良い空間となるよう整えてあげましょう。
使用するベッドは愛犬の好みの感触のものに交換し、夏は涼しく冬は暖かく過ごせるアイテムを用意してください。
ペット用ベッドにもクッション・クレート・ドラム型などさまざまなタイプがあります。どの形状が愛犬の好みかどうか、反応をみて判断しましょう。
夏場はクールマットやメッシュ素材のベッドやマットを使用し、冬場はドラム型のベッドや身体を包み込めるブランケットなどを用意するのがおすすめです。
◆室内の温度調整
愛犬が寝床で快適に過ごせるようにするためには、室内の温度を調整することも重要です。季節にあった室温・湿度を保てるように、空調設備を整えましょう。
また、寝床のスペースを室内のどこに設置するかも重要なポイントとなります。エアコンなどの風が強く当たりすぎないか、心地よい空気が流れる環境にあるか、改めて愛犬のベッドを置く場所の状況を見返してみてください。
◆犬が安心できるスペースを作る
寝床に飼い主さんの匂いのするものなどを置いて、愛犬を安心させるという方法もあります。寝床がトイレスペースよりも安心できる場所だと認識できれば、きちんと寝床で寝るようになるでしょう。
飼い主さんが使い古した毛布・タオル・衣類などを寝床にしいたり、加えて愛犬が好きなおもちゃなどを一緒に置いておけば、そこが自分の好きな場所だと感じることができ安心感を得られるはずです。
飼い主さんを近くに感じられない場所にベッドなどを設置している場合は、少しでも飼い主さんの存在が感じやすい距離に寝床の位置をずらしてみるのも一つの手です。
◆トイレの置き場所を変える
トイレスペースの環境や場所が好きで、寝床が気に入らないと感じているようであれば、トイレと寝床の位置を反対にしてみる方法も試す価値があります。
例えば、廊下に寝床、リビングの一角にトイレを置いているケースでは、廊下にトイレ、リビングに寝床というように、位置を入れ替えるのです。
これによって好きな環境下に寝床が移るため、トイレではなくベッドがお気に入りの場所と認識できるかもしれません。
また、トイレと寝床の境界を明確にしてしっかり区分けしてあげるのも良い方法です。
同じスペースに寝床とトイレを配置していることで寝る場所を認識できていない場合もありますし、居住スペースがトイレと一緒の空間・ケージ内にあることを嫌う子もいるのです。
前述したように、トイレトレーニングのためにケージ内にトイレと寝床を設置するケースも多いですが、それを別々にするタイミングを見計らい、幼い頃から区別ができるようしつけていくのも必要だといえるでしょう。
◆トイレの清潔さを保つ
トイレから愛犬の匂いをしっかり消すことができれば、縄張り意識が薄れて、トイレで寝る回数が減る可能性があります。
トイレシートはこまめに交換し、排泄後は消臭スプレーを使用するのが有効ですよ。
愛犬のニオイをトイレに残さないよう意識し、こまめに消臭する習慣をつけることが、愛犬がトイレで寝ることへの抑止力に繋がるでしょう。
◆犬のストレスを解消してあげる
愛犬がストレスからトイレで寝ている場合は、そのストレスを解消してあげることが一番の対策法となります。
先にも述べましたが、不安の対象となっている原因を判断し、それを取り除いてあげることが必要なのです。
また、不安を感じる対象物があるのではなく、日頃から運動が足りていなかったり、飼い主さんとコミュニケーションをとる時間が少なかったりと、日常的なストレスが積み重なっているケースもあります。心当たりがある場合は、愛犬との時間や散歩の量・頻度などを思い返し、それが適切であったか考えてみましょう。
犬がトイレで寝ることが続く場合は
どんな対策法を試しても愛犬がトイレで寝てしまう場合は、なにか他に理由があるのかもしれません。そんな時は以下の方法を試してみましょう。
◆動物病院で相談する
前述したように、何か病気や怪我など体の異常からトイレで寝てしまうケースも実際にあります。
寝床の環境に問題が見当たらなく、特にストレスを感じている節もない場合は、愛犬がなにか体に不調を感じているのかもしれません。
見た目では分からない異変が体内で起こっている可能性もゼロではないので、一度獣医師に相談してみましょう。
◆他に異常な行動がないかチェックする
病気や怪我などの心配がないと病院で判明した場合は、トイレで寝る以外に、愛犬が他に異常な行動をとっていないか観察してみましょう。
トイレで寝るという行動に加え、他の方法で愛犬が何かを伝えようとしているかもしれません。
どんな対策法でも解決せず、健康状態にも問題がない場合は、お手上げだと感じて諦めてしまいたくなりますが、そんな時はドッグトレーナーなど犬のプロに相談してみるのがおすすめです。なにか解決策の糸口が見つかる可能性があるでしょう。
まとめ
犬がトイレで寝る理由はさまざまですが、寝床よりもトイレスペースを気に入っているパターンが多いでしょう。
寝床の環境を整備し直す、トイレをこまめに消臭する、ストレスを取り除くなど、これらの注意点を頭に入れておき、適切な対策方法を試してみてください。
トイレよりも寝床を快適な場所だと認識させるためには、トイレトレー自体を別のタイプのものに替えてみる方法もおすすめです。
また愛犬が寝ようとしているのを見掛けたら、おやつなどで寝床へ誘導し、ベッドに寝たらたくさん褒めてあげるという流れを繰り返すことで解決するケースもあります。ちなみに褒める時は、大袈裟なくらい褒めてあげるのが上手に学習させるコツですよ。
ワンちゃんにもそれぞれ個性があり好みも違いますので、まずは愛犬のことをしっかり理解して、両者が快適な毎日を過ごせるよう尽力していきましょう。
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