犬に適したシャワーの温度は?正しくシャンプーしよう!

2024.08.31

犬に適したシャワーの温度は?正しくシャンプーしよう!

ペットの大切なお世話の一つに、体の衛生を保つためのシャンプーがあります。不衛生な状態が続くと健康被害を招く可能性があるため、定期的な愛犬のシャワーが必要となるのです。今回はそんな犬のシャワーについて、適切な温度や頻度などを解説していきましょう。正しいシャンプーの手順についても紹介しますので、是非チェックしてみてください。

犬のシャワーに適した温度とは?

犬のシャワー

定期的な愛犬のシャンプーは、必要不可欠なお手入れの一つです。トリミングサロンにお願いする場合もありますが、自宅で飼い主さんが洗っている家庭も多いでしょう。
いずれの場合もワンちゃんをシャンプーする時には、シャワーでお湯をかけますよね。実はこのシャワーの温度には、犬にとっての最適な温度があるのです。
デリケートな身体にかかる負担を軽減するためにも、犬にとっての適温について覚えておきましょう。

◆犬にとって快適なシャワー温度

犬の皮膚は人間よりも薄いため、刺激の少ないぬるま湯が適切なシャワーの温度となります。一般的には37度、38度、39度程度がこれにあたるので、人間にとっては少し低めに感じるでしょう。
ただし、季節や愛犬の体調・状態によっては、温度の微調整が必要となります。
例えば、寒い冬の時期は1度程度高めたり、高齢犬であれば35度程度に抑えて心臓への負担を減らすよう短時間のシャワーにするなど、状況に合わせた調節がポイントとなるのです。
尚、犬の体は全身が被毛で覆われているため、人間と同じように迅速に体温を調節することが不可能です。そのため、温度が低すぎたり高すぎたりすることで、以下の様なリスクを負う可能性があります。

◆温度が高すぎる場合

お湯の温度が高いと、体温が過度に上がってしまい、体力が奪われる恐れがあります。さらに、熱いお湯を使用することで、皮膚のバリアー機能や必要な皮脂・油分まで洗い流してしまうのです。
熱すぎて愛犬がのぼせると大変危険なので、必ず適切な温度でシャワーをするよう注意しましょう。

◆温度が低すぎる場合

シャワーの温度が冷たすぎても、風邪を引くなどの体調不良を招く原因となります。内臓が冷やされることで体調を崩す場合があるため、使用するお湯の温度には細心の注意を払ってください。
万が一、愛犬の状態に異変が起きたり、普段と違う様子が見られる場合は、動物病院を受診して獣医師に相談すると安心でしょう。


犬のシャワーの準備

愛犬のシャンプーをスムーズに行うためには、まずしっかりと準備することが大切です。
定期的に必要なお世話の一つですが大変な作業でもあるため、必要なものを用意しておき、上手なやり方で進めていけるよう以下のように事前準備をしておきましょう

◆シャワー前のブラッシング

愛犬をシャンプーする前には、まず丁寧にブラッシングしましょう。ブラッシングをすることで、絡まったりもつれた被毛がスムーズになり、シャンプー剤が皮膚の表面まで届きやすくなるのです。
毛玉ができていたり、毛が固まっている部分があると、ワンちゃんがシャンプー中に嫌がったり、水分やシャンプー剤が浸透しにくくなります。毛の固まった部分に洗い残しができて、皮膚炎の原因となる場合もあるので、シャンプー前のブラッシングは怠らないようにしてください。

◆シャワーに必要なものを準備

必要となる基本的なアイテムの一例を挙げておきましょう。必ず事前に準備してから、愛犬のシャンプーを行うようにしてください。

◎犬用シャンプー剤
◎犬用リンス剤
◎スポンジ
◎タオル(必要に応じて2~3枚)
◎ドライヤー
◎ブラシ(スリッカーブラシなど)
◎洗面器 …など

タオルはシャンプー後すぐに身体を拭けるように、手元近くに用意しておくのがコツです。ドライヤーをする際に愛犬が立つ位置にも敷いておくとよいでしょう。
ちなみに使用するシャンプー剤は、必ず犬用のものを用意しておいてください。人間用のシャンプーは、犬にとって刺激が強すぎるのです。
現代では犬用のシャンプーも多種多様に販売されています。肌の状態に合わせたものや、被毛の長さ別など、さまざまな種類があるので、愛犬の犬種・体質にあった商品を探してみましょう。
ペット用のドライヤーやシャワーヘッドなども市販されているので、更に効率よく、クオリティ高く自宅でシャンプーをしたい!という飼い主さんは、そういった商品もチェックしてみてはいかがでしょうか。


犬のシャワーの手順

柴犬のシャワー

事前準備が終わったら、いよいよシャンプーに進みます。正しい方法と順番で行うことが大事なので、以下の手順を参考にしてみてください。

◆シャワーの温度確認

まずはシャワーのお湯の温度を確認しましょう。前述したように、38度前後が適温です。愛犬にシャワーをかける前に、必ず飼い主さんが手でチェックするようにしてくださいね。

◆体から洗う

シャワーの温度が確認できたら、愛犬の身体を濡らしていきます。
突然シャワーを顔からかけるとビックリして嫌がることが多いため、身体からかけるようにしましょう。この時、初めから全身にかけるのではなく、お尻・尻尾からかけるのがポイントとなります。
続けて、背中→体→胸→足の順に、心臓に徐々に近づけていくようにシャワーをかけていきましょう。
体が濡れたら、次に顔を濡らしていきます。直接シャワーが顔に当たるのが苦手な子は多いので、顔周りは濡れたスポンジを絞って濡らしていくのがおすすめです。
ちなみに、シャワーの音を怖がる様子が見受けられる場合は、シャワーヘッドを皮膚に密着させて使うようにしましょう。シャワー音がなくなって怖さを軽減できますし、突然愛犬が動いた際に目・耳などに水が入るのを防ぐ効果が得られますよ。

◆優しく丁寧に洗う

全身が濡れたら、次にシャンプーを使用していきます。
洗面器にシャンプー剤を入れて、泡立てネット・スポンジなどを使って泡立てましょう。これは、シャンプー剤を直接身体に付けると泡立ちにムラができ、汚れが隅々まで取れなくなってしまうためです。さらに、シャンプー剤の付けすぎで皮膚に刺激を与える危険性も考えられることから、できるだけ直接シャンプー剤をかけるのは避けてください。
シャンプー剤がしっかり泡立ったら、背中→お尻→足先の順に泡を付けていきます。皮膚を軽くマッサージするようなイメージで行いましょう。
指の間・肛門回りなどの細かい部分も丁寧に洗い、最後に顔を洗っていきます。
顔に泡を付ける際は、鼻・目などにシャンプーが入らないよう注意しなくてはいけません。顔を上に向けながら洗うことで、鼻にシャンプーが入るリスクを軽減できるので覚えておきましょう。
リンスをする場合もシャンプー同様、直接リンス剤をつけるのではなく、洗面器でリンスを溶いてから体に浸透させるようにしてください。マッサージしながらゆっくりと染み込ませていきます。また、顔にはリンスを付ける必要はありません。
そして、シャンプーとリンスが終わったら洗い流していきましょう。顔→耳→胸→背中→体→足→尻尾の順で、しっかりと泡を落としていきます。シャンプーを付けた時は逆の順番になるということですね。
ちなみに、顔は上を向かせながら泡を落としていきますが、顔周りのシャワーが苦手な場合は、スポンジを使って流してみてください。


犬のシャワー後のケア

シャンプーやリンスが終わった後にも、重要なケアが待っています。しっかりと乾かすこと、またその後のお手入れも必要不可欠なので、以下項目を参考にして注意点を抑えながらしっかり取り組んでください。
 

◆速やかに乾かす

犬は体温調節が苦手なため、濡らしたままにしておくと急激に身体が冷めてしまいます。このため、すぐにタオルドライをすることが重要となります。シャンプー後はすぐにタオルで、水分を吸収してあげましょう。ごしごし擦るのではなく、タオルで水分を吸い取るようなイメージで優しく拭くのがポイントです。
吸水性のタオルを使うと効率よく拭きとれますが、愛犬が長毛種の場合は被毛が丸まってしまうことがあるため、水分を拭き取った後は体をバスタオルで覆ってあげると、きれいに仕上がるでしょう。
タオルドライ後は、ドライヤーを使って被毛を乾かしていきます。
ドライヤーの温度は低めを選択し、熱風が直接身体に当たらないよう注意しましょう。30cm以上離してドライヤーをかけたり、間に飼い主さんの手を挟んで風を当てるなどの工夫をしてください。
正面からドライヤーを当てると嫌がられることが多いので、後ろからかけてあげましょう。お腹が冷えるのを防ぐために、最初はお腹からドライヤーを当てていくのもコツの一つです。
スリッカーブラシを使いながら行うことで、根元からきれいに乾かすことができます。

◆被毛のブラッシング

タオルドライ、ドライヤーが終わった後は、しっかり被毛のブラッシングを行いましょう。シャンプー後はさらに抜け毛も増えるので、取り切れていない抜け毛をしっかり回収してくださいね。
使用するブラシは愛犬の被毛タイプによって使い分けましょう。ブラシの種類には、スリッカーブラシ・コーム・獣毛ブラシ・ピンブラシ・アンダーリムーバー・ラバーブラシなどがあります。


犬のシャワーの頻度

チワワ

定期的に必要なワンちゃんのシャンプーですが、この頻度にも注意が必要です。適切な頻度や注意点を紹介していきますので、しっかり確認しておきましょう。

◆適切なシャワー頻度

基本的に犬のシャンプーは、月に1~2回の頻度が適切だといわれています。しかし、犬種や被毛の種類によって多少の違いがでてきます。種類別にもう少し詳しくシャンプーの頻度を紹介していきましょう。

◎長毛種…2~3週間に1回 (マルチーズ・トイプードル・ポメラニアン・ゴールデンレトリバー など)
◎短毛種…1ヶ月に1回 (柴犬・コーギー・チワワ・ダックスフンド・ジャックラッセルテリア など)
◎短頭種…2~3週間に1回 (パグ・シーズー・ペキニーズ・ボストンテリア・フレンチブルドッグ など)

以上が理想的なシャンプーの頻度となりますが、あくまでも目安として考えてください。個体差や性格・体調に合わせて、適切な頻度を変えていく必要があります。
尚、子犬や老犬の場合は、成犬よりも少ない頻度でシャンプーをすることが推奨されます。子犬であれば1ヶ月に1回程度、老犬であれば2ヶ月に1回程度でよいでしょう。
もちろん、体調が優れない時は無理に行う必要はありません。洗い流さないシャンプーや拭くだけで効果のあるシャンプータオルなども販売されているので、汚れが気になるけどシャンプーが難しい場合は、そういったアイテムの利用を検討してみてください。

◆シャワーをしすぎるとどうなる?

シャンプーやシャワーのしすぎには、愛犬の身体にさまざまなデメリットを引き起こす可能性が潜んでいます。
犬の体には人間同様に皮脂がありますが、シャンプーをしすぎることで必要な分の皮脂までをも落としてしまうのです。また、過度なシャンプーが皮膚そのものを痛めて、場合によっては皮膚炎などの発症原因にもなりえます。
ニオイが気になる場合でも、週に1、2回お湯だけで身体を洗い流すようにし、低刺激なシャンプー剤を選んで、皮膚へのダメージが抑えられるようしトラブルを回避しましょう。


シャワーを嫌がる犬への対処法

愛犬がシャワーを嫌がる場合は、少しずつ慣れていけるよう取り組みましょう。
シャワー音を怖がる子も多いので、初めはシャワーを使わずに身体を洗ってみてください。以下のポイント・手順を抑えて、徐々にステップアップしていけるよう工夫してみましょう。

① 洗面器などに貯めたお湯で身体を洗う。
② 顔周りは濡れタオルなどで拭く。
③ お湯は少しずつ身体にかける。
④ シャワーの水量を落として、水温を小さくする。
⑤ シャワーヘッドを体に当てながら洗う。

愛犬の様子をみながら、できそうであれば上記の工夫を凝らしながら挑戦してみてください。
その他の方法についても、簡単に紹介していきましょう。

◆おやつなどのご褒美を使う

シャワーが上手にできたら、おやつなどのご褒美を与えるのも一つの方法です。シャワーをしたら良いことが起こる、ということを愛犬に理解させるのです。これを繰り返す内に、シャンプーに慣れていく可能性も十分あります。

◆トリミングサロンに任せる

自宅でのシャンプーが難しい場合は、トリミングサロンでプロにお任せするのがおすすめです。
費用はもちろんかかりますが、トリマーさんにグルーミング・トリミングをお願いすれば、皮膚・被毛のケアの他にも、爪・耳・肛門腺などの必要なお手入れもしてもらえます。
足裏の被毛が伸びすぎると滑って怪我をする可能性もありますし、肛門腺に分泌液が溜まってしまうと手術を要するケースもありますので、定期的にプロにチェックしてもらうことはやはり大切でしょう。
自宅でシャンプーをする家庭においても、この点ではトリマーさんや獣医師などプロにお任せする機会を作った方がいいかもしれませんね。


まとめ

愛犬のシャワーは、共に暮らしていく中で必要不可欠です。散歩や外出時には毎回肉球が汚れますし、シャンプーを怠ることが、においの発生や皮膚炎など病気の発症原因にもなります。健康のためにも、清潔を保つことが大切なのです。
とはいえ紹介してきたとおり、誤った方法で洗うことやシャンプーのし過ぎは健康被害を招く原因ともなります。
シャワーの温度や手順、使用するアイテムには十分に気を配ってくださいね。
ペット用シャンプー剤やブラシ、トリミングアイテムなどは、さまざまな種類が販売されています。おすすめのグッズを紹介している記事で目次をチェックすれば、効率よく愛犬にぴったりのアイテムの情報を手に入れられるかもしれません。口コミなどの確認をするのもおすすめです。
しっかりと事前準備をし、愛犬のコミュニケーションをとりながらシャンプーに挑戦してみてください。



– おすすめ記事 –

・愛犬の予防接種後、シャンプーはいつからしても良い?
・犬に炭酸水を与えてもいいの?炭酸を使ったシャンプーの種類や効果も
・犬におすすめのシャンプー5選!頻度や上手なシャンプーのやり方をご紹介。
・犬を早く乾かすコツ!犬はシャンプー後が大変!犬の乾かし方を徹底解説。



focebookシェア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


記事に関するお問い合わせはこちら